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ダークライトの欠片

 彼さえいれば、私は良かった。

 彼が側にいる事が当たり前だった。


 彼さえいれば、それで良かった。

 彼と共に過ごした日々が愛おしかった。


 幼い頃から、ずっと一緒だった。

 どうやって知り合ったのか、もう覚えていない。

 出会いがどうだったかは、今ではどうでもいい。

 ただ、彼と一緒にいたかった。


 幼年学校に通っていた頃、二人して魔眼病に罹り、魔眼を発症した。

 運命だと思った。

 私達は堅い絆で結ばれた相棒なのだと……


 二人とも暗黒騎士の弟子になった。

 どちらが言い出したかは、もう覚えていない。

 キッカケがどうだったかは、今ではどうでもいい。


 修行は苛烈で、何度も心が折れそうになった。

 だけど彼がいたから、私に笑いかけたから、どんな事にも耐えられた。


 ただ、彼と一緒に高め合いたかった。

 一緒に暗黒騎士になろうと、誓い合ったから。


 暗黒騎士になって、皇帝に忠誠を誓って、帝国を守る存在になって。

 でも、彼がいなければ、全て霞んでしまう。


 あの日、彼女を紹介された。

 彼は照れながら…

 愛する女性(ひと)が出来た、そう言った。


 結婚をする、そう言った。


 何かが砕ける音を聞いた気がした。

 半身を失う様な思い、とはよく言ったもの。

 まさにその通りだった。


 でも、この想いは伝えられない。

 知られてはいけない。


 だから私は、泣き出しそうな気持ちを抑えて、叫び出しそうな心を抑えて……


 彼女を殺して彼を奪いたい衝動を必死に抑えつけて。


 おめでとう。


 笑顔で祝福した。

 その瞬間に、私の世界は色褪せたものに変わってしまった。

 この話は『贖罪のリコス』の元ネタとして書いた導入部です。

 読み方次第で女性目線か男性目線かに変わるように意識して書いたものです。

 いったい何が書きたかったんでしょうね、私。


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