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THIRD EYE  作者: 暇な青年
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第7章 開眼(前編)

「本気で行くぜ」


「手加減なんかしないよ」


目でギリギリ追いきれるほどのスピードで紅希と空は良祐の周りを移動している。


(くそ、これじゃ目で追うのが精一杯だ)


良祐が紅希と空の動きを見ていると次第に空がいなくなっている。


「!?」


良祐が自分の周りを移動している紅希を見て冷静に頭を働かせていると


「どこ見てる、良祐!」


「っな!?」


声のする方に顔を向けると、それは良祐に真上に空がいた。


そのまま良祐にめがけて体重を乗せて上から切りかかってきた。


それに対し良祐は迎え撃とうとしたが、


(アレを真正面・・・真上から受け止めるのは、無理だな)


そう瞬時に判断した良祐はギリギリまで引き付け空の竹刀が頭に当たる瞬間、バックステップして空の攻撃を紙一重で避け、すぐさま空に切りかかった。


「くらえ!!」


良祐は横一門に竹刀を振りぬいた。がそれに対して空は、迫りくる竹刀になんの行動も起こさないで良祐の攻撃に当たった。


「当たった?」


空の左の胴に当たったが、そのまま空の体を切り裂いた。


「!?」


普通、竹刀で人は切れるものでは無い。空を良く見てみると、空の体が炎で、できた偽者の体だった。


「・・・・・・陽炎(かげろう)


後ろから声が聞こえ咄嗟に体を向けると、空が良祐の胴体めがけて竹刀を振りぬいた。


「がぁ」


竹刀が胴体に当たる瞬間右腕を滑り込ませ右腕全体で防御した良祐だったが、空は防御してる良祐をそのまま吹き飛ばした。それも左手、一本の力で。


部屋の壁に叩き付けられた良祐は頭を左右に振った。


(左手一本のなぎ払いこれかよ。右手折れたか?・・・これは、マジで死ぬかもな)


良祐は右手に持っていた竹刀が下に落ちていた。右手は痛みのせいで感覚がなくなっていた。


左手で竹刀を取り、空たちを見ると、空はさっきいた場所に立っているが、今度は紅希が視界からいなくなっている。


(今度は紅希かよ・・・・・・)


良祐は前後左右と上を見たが紅希が見当たらない。


(どこ行った?)


左手で構えてる良祐は左右を見返してると何かが後ろから突いてきた。


「マジ・・・」


苦笑いしながら後ろを向くと微笑みながら紅希が後ろに立っていた。


「っふ!!」


竹刀が良祐に向かって来たがそれを間一髪、左手に持っている竹刀で防御したが良祐は右利きなので左手に持っていた竹刀が弾き飛ばされた。


「やべ」


紅希から弾き飛ばされた竹刀に視線を向けると


「敵から視線をそらさない」


と言われながら今度は、防御できないまま左の胴に竹刀を叩きつけられ、そのまままたも右側に吹き飛ばされた。


「がぁ・は・・・・・」


立花が良祐を無言で見ていた。


(良祐・・・・・・)


紅希が良祐の竹刀を持って良祐の前まで歩いていった。


「大丈夫?良祐」


「サンキュー、紅希」


そう言い紅希から竹刀を受け取り構えた。


紅希は良祐の前からすぐに空の隣に移動した。


「いくぞ。良祐」


「・・・こい!」


何とか踏ん張りながら声をだす良祐だったが限界だった。


「っツ!?」


紅希と空が良祐の視界から消え、すぐさま良祐の左右に現れ、両側から竹刀が迫ってきた。


「なめ・・・る・・・っな!!」


その瞬間良祐の瞳の色が変わった。


「っな?」


空と紅希の攻撃が良祐に直撃した。と思われたがその場には良祐はいなかった。


もちろん吹き飛ばされた訳ではない。


良祐は訓練所の端から端へと移動していた。


良祐の瞳は黄色より明るい菜の花色をしていた。


「はぁはぁ・・・・・・」


瞳の色が菜の花色から普段の黒い色に戻り良祐はその場に倒れた。


「隊長・・・」


「ああ」


立花は紅希に言われ部屋の入り口にある通信機を手に取った。


「立花だ。至急、訓練所に救護班をつれてきてくれ」


「了解」


そう言い立花は通信機を元の場所に戻した。


空が良祐を背中に背負い紅希と一緒に立花の前に来た。


「今日の訓練は終わりだ」


「ですね」


立花と紅希のやり取りを聞いて空が口を開いた。


「良祐、最後の一撃の時、瞳の色変わってたよな?」


「うん」


紅希がうなずくと


「こりゃぁ意外と早くに戦闘できるかもな」


立花は口元を緩めながら良祐を見ていった。


「そっすね」


空が背中に負ぶってる良祐に顔を向け言った。


「意外と僕らより強くなったりして」


紅希が言うと空が


「そうそう負けねぇよ」


と答えた。


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