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THIRD EYE  作者: 暇な青年
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第55章最終戦編 本物

「ん?隊長たちの所が静かになった」


周りの人形(ドール)を殲滅し後処理をしていると、さっきまでやむ事の無い爆音と爆風が止んでいるのに気付いた。


「・・・・・・」


良祐達は互いに顔を見合わせ、瞳の色がそれぞれ片目にだけ現れた。


それを確認すると三人は立花たちのいる場所に向かった。




「どういう事だ、テメェ・・・・・」


意識が朦朧としている百虎は目の前に立っている蓮を睨んだ。


「あ、まだ生きてるんだ?」


興味が無い素振りで蓮は百虎が突き刺した蓮を無造作に持ち上げ百虎に見せた。


「キミが刺したのはコレ。人形(ドール)だよ、私に似せた」


それを聞いた百虎は絶望を感じとった。


「そう言う事で、死んで」


人形(ドール)を投げ捨て、刃を百虎に振り下ろした。


「・・・・・・」


振り下ろした刃は、百虎に当たる前に止められた。三本の刃に。


「そこまでだ・・・・・」


「やっときたね、良祐」


興味を示した蓮を睨みつけ、その間に紅希が百虎を抱えて距離をとった。


「竜也隊長・・・・・」


「紅希・・・・今は・・・・・百虎、だ」


傷口に手を当て百虎は訂正した。


「あ、すいません」


「百虎?」


百虎の言葉だけ聞いた良祐は意味が分からなかった。姿は竜也、でも本人は百虎と言っている。


「前に言ったろ、竜也隊長は二重人格だって」


「あぁ」


空の言葉で思い出した良祐。


「・・・・・・・分かりました」


何か百虎の言葉を聞くと紅希は良祐の隣まで戻ってきた。


「・・・・・なるほどな。アレが本物ってわけ」


百虎からコレまでの経緯を聞き納得した良祐たち。


「どうする?セカンドになる?」


紅希の言葉を聞いた良祐と空は悩んだ。


「百虎隊長の言葉を聞いてるからなぁ、アレが本物とは限らないし」


「だな」


空の考えと同じ意見を思っていた良祐。


「ここは・・・」


足に力を入れる良祐。それを見た二人も構えた。


「ファーストでいく!!」


言い終えると同時に三人は別々に襲い掛かった。


「ハッ、そうこなくっちゃな」


三方向から向かってくる刃を回転しながら蓮は対処した。


「ちっ!」



はじき返された三人はお互いに視線を向けた。


「空!」


「わかってらぁ!」


左右から二人が蓮に向かった。


紅希は一人立花たちの下に行き傷口に手を当てた。


「今はコレで」


傷口に手をあてると見る見ると傷口が凍った。


「止血ぐらいならコレで」


立花の背中の切り傷が凍った。


「らぁ!」


二人は時間差で蓮に襲い掛かったが片一方を刃で止められ、もう片方はセカンド・アイの力・・・重力で動け無い様にされる。


「ふふ」


二人を剣戟で吹き飛ばす蓮。


「ハァ・・・ハァ・・・・・」


息を整え良祐が真正面から突っ込んだ。


「無駄な事を・・・・」


蓮の刃は長い。人一人分の長さがあるため良祐がその範囲入った瞬間、蓮の刃が高速で良祐の顔目掛けて襲ってきた。


「っなろ」


急ぎ移動をして蓮の後ろに移動したが、右頬から血が流れ出た。


だが、その刹那、蓮に鎌鼬が直撃した。


「良祐ばっかに気ぃとられんなよ」


空が放った鎌鼬であった。


「それは、失礼した」


鎌鼬を直撃したはずなのに傷一つ付いていない。


「はっ、バケモノが・・・・・」


空の額から一筋の汗が流れ落ちた。


(いくらファーストだからって、人形(ドール)ぐらい斬れるぞ!)


表情には出さないが良祐と紅希も焦っていた。


(セカンドになるべきか?だが・・・・・・)


(ここで、使ったら後が危ない。せめて隊長が復帰すれば・・・・)


紅希は百虎の傷口を凍らせて止血している。


立花の止血は一番最初にしたので傷口は塞がった。だが、目を開けない。


「仕方ねぇ」


良祐と空は前後から蓮に斬りかかった。


「まったく」


二人の刃から逃れると、二人を一瞬にして切り裂いた。


「がっ!」


「その程度じゃ、傷一つ付けられないよ」


絶望的な状況の中声が聞こえた。


「まだ、終わっちゃいねぇだろ?」


声を聞く三人は希望の光が見えた。


「わりぃ、百虎。寝てた」


「はっ、死、ね」


笑って聞く立花がいた。


「さぁ、今度はオレの本気を見せてやるよ、国生!」


刃を蓮に向け自信に満ちた顔をして言い切った。


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