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THIRD EYE  作者: 暇な青年
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第54章最終戦編 もう一つの人格

少しずつ煙が晴れてきて人影が見えてきた。


「・・・・・・」


見失わないように見据えていると煙の中にいる人影が消えた。


「っツ!?」


立花たちは見失った人影を探していると竜也の後ろから音が聞こえた。


「そっちか!」


竜也の刃が後ろに向くとそこには地面に倒れこんでいる桜と聖華の姿があった。


二人は体中に切り裂かれた痕があり、出血している。


「おい、二人とも」


「くッ!」


竜也はすぐに二人に近寄り、立花は以前として姿の見えない蓮を探している。


「・・・・・大丈夫だ、命に別状はない。ただ、今回はもう戦えないだろ・・・・・・」


「そうか・・・・・・」


「そのマント、じゃまだろ?」


「っツ!?」


「オレが取ってやるよ!」


後ろからの声に驚愕し後ろに刃を振ろうとしたがそれよりも速く蓮の刃が立花の背中を切り裂いた。


「がぁぁ!」


「立花!!」


叫び声を上げ地に平伏す立花を見て竜也は叫んだ。蓮は、体中傷だらけで頭や体中から血が流れている。


「・・・・・・」


それでも立花は指一つ動かない。背中から止まることなく血が流れ出す。


「いや~、まさかここまでやるとは微塵も思ってなかったよ・・・・キミの役目は終わった。楽しかったよ立花、それじゃ、死ね!!」


動かない立花の頭の上に刃を向け振り下ろした。


「・・・・・・テメェ」


頭の少し上で竜也の刃が蓮の刃を止めた。


「ふ~ん。今度はキミ一人で相手するの?」


「・・・・・・」


刃を振り払うと立花を後ろにするように竜也が立った。


「面白いね」


会話が終わると二人は互いに斬り合いを始めた。


一瞬で蓮の後ろに行き斬りかかったが竜也の速度以上の速さで竜也の横に移動して斬りかかった。


真上から振り下ろされた刃は竜也を切り裂いた。が、感触がなく空気を斬った。


蓮の瞳には竜也の瞳の色に似たものが視界に入った。


死灰演舞(しかいえんぶ)


蓮の前には灰が舞っていて、その後ろには竜也が立っていた。


蓮を睨んでいると竜也の表情に変化が起きた。


「ク・・・クク・・・・・クハハハハハハハ」


「ん?」


突如、笑い出した竜也を見て怪訝していると竜也の口が不敵な笑みを浮かべた。


「お前は、強いなぁ」


「何を今更」


「竜也がオレを外に出した理由が良く分かった」


「・・・・?」


何を言っているのか分からないでいると竜也は独り言を始めた。


「おい竜也、立花たちに危害が加わらなければ何してもいいんだろ?」


「・・・・・・・・」


「決まった!てめぇ、殺すぜ」


「何だかよく分からないが出来るものならやってみ・・・・」


喋っている間に不敵な笑みを浮かべている竜也が消え、蓮は目を見張った。


次の瞬間、蓮の左頬に一筋の線が浮かんで血が一筋流れ出た。


「なっ?」


「この程度で驚くなよ」


蓮の後ろから声が聞こえた。もちろん竜也の。


「くっ!」


急いで後ろに振り向くとそこには竜也の姿がなかった。


そして、さっきと同じく今度は、右頬に一筋の線が浮かんだ。


(こいつ・・・・・)


「言ったろ?殺すってよ~。冥土の土産に覚えておけ、俺の名は百虎(びゃっこ)だ!」


(こいつ、二重人格か!)


百虎の言葉を理解すると蓮は短く息を吐いた。


(こいつは、ヤバイか?)


口から流れる血を下で舐めると、先に蓮が動いた。


(先手必勝!)


目の前から突っ込み斬りかかろうとしたが、百虎が逆に蓮よリ先に刃を振った。が、蓮の姿はその場から消えて百虎の後ろに現れ斬りかかった。


「しゃらくせぇ!」


一瞬で蓮に振り返り迫ってきた刃を左手の人差し指と中指で掴んだ。


「なっ!?」


「死ね・・・・」


掴んだ刃で蓮を引き寄せ、刃で腹の辺りを突き刺した。


「がッ・・・ハ・・・・」


刺された蓮は、地面に膝を着いた。


「ハッ!」


勢いよく刀を抜くと刺し傷から勢いよく血飛沫が飛び散った。


「ぐッ・・・・クソ・・・・がぁ・・・・」


「ハッ、よえー」


刀の峰を肩に当て倒れこんだ蓮に言い捨てた。


「そうですね」


手を叩く音と共に声が聞こえた。


声の方に視線を向けると月明かりに照らされて見えた顔に百虎は驚愕した。


「テメェは・・・・・・」


「なかなかでしたよ」


遠くにいた人影が瞬きの間に百虎の前に来ていた。


「なっ!?」


「キミは舞台から降りてもらいましょう」


微笑みながら百虎の耳元で言い放つと百虎の体が何かに貫かれた。


「ぐっ・・・・・・・」


男の刃で貫かれた百虎はその場に倒れた。


「ふむ」


月明かりに照らされ見えた顔は今さっき百虎が刺した国生蓮だった。


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