第4章 騎士団
傷だらけの良祐に肩を貸してる紅希が良祐を見た。
「どうした?」
紅希の視線を感じ良祐は紅希の方に顔を向けた。
「いや、良祐が何も聞いてこないからさ。ここの事とか」
「だって、その騎士団ってとこに行けば教えてくれんだろ?」
「まぁ、ね」
「なら、あとで教えてもらうわ。いっぱい聞くから、ちゃんと答えろよ」
「答えられる範囲なら」
紅希は困った顔をして答えた。
空は黙々と前を歩いている。
良祐たちは今、学校の近くにある、国で危険地帯と指定してる森を歩いている。
森の広さは東京ドーム一個分の広さがある。
なぜ危険地帯に指定してるかと言うと、簡単に言えば入ったら出てこれなくなる。とか死者の亡霊が出る。とかで現に行方不明者が多発しているとテレビでも放送している。
すると空が森の中央だと思われる広い場所で歩きを止め良祐と紅希も空の二歩後ろで止まった。
「どうした?」
「着いたぜ。良祐」
歩き始めてから喋らなかった空が前を向いたまま口を開いた。
「着いたって何も無いぜ」
「まぁ見てな」
そういって空は辺りを見回してその中で一番大きい木に手を当てた。
「我らにその姿を現したまえ」
その言葉を口にした瞬間、何かが外れる音がしてそれと同時に良祐たちの前に突如、建物が現れ、見た感じ何年か前に作られた感じで見た目は中世の城に現代の科学を織り交ぜた感じだった。
「何だぁ?」
突然のことにビックリした良祐を見てくすっと笑い紅希が「行くよ」といい良祐と紅希は歩き始めその後ろを空が歩いてきた。
城に入ると、ほとんどが十八~二十五歳の男女がいて、休憩をしていたり資料を読んでる人もいて普通の会社って感じだった。
「どうした?」
空が前で立ち止まった良祐に声を掛けた。
「いや、ちょっと想像してるのと違ったかなぁ、と思い」
それを聞いた紅希は辺りを見てから良祐に顔を向けた。
「良祐も見ただろ。僕達の戦闘を。」
「俺たちはいつ死ぬかわかんねぇから、ここにいる間は、楽しく過ごしたいんだよ」
紅希の言葉の続きを空が口にした。
「そっか」
小さく口にすると空が「行くぞ」といい先頭に出た
メイン広場を後にし、さらに奥に行くといくつもある扉の通路で一つだけ色が違う扉の前で空と紅希が立ち止まった。
「ここは?」
良祐が聞くと紅希が答えた。
「ここは僕達が所属してる隊の隊長がいる部屋だよ」
「ってことは俺はここで待ってるべき?」
良祐が言うと扉の向こうから「君も入りなさい」と声が聞こえ空が「だってさ」といい、紅希が扉をノックし部屋に入った。
「失礼します」
「入りま~す」
「失礼します」
上から紅希、空、良祐が口にした。
「おう、ご苦労さん」
部屋の奥に立花が、立派な机に手を置き椅子に座っていた
「隊長、目標殲滅しました」
「ご苦労。空、紅希。で後ろにいるのが・・・・・・」
「俺たちの親友で人形に襲われた高藤良祐です」
空が説明すると立花が「なるほど・・・」といい何か考えだした。
その時後ろに在る扉がノックされ一人の女性が入ってきた。
「あら、空、紅希戻ってきたのね」
「はい。たった今」
女性を見た良祐は目をパチパチさせ考え出した
「どうした。良祐?」
紅希が気づき、聞いてみると、
「あの人、どっかで会ったことあるような無いような」
小さい声で紅希の耳元に言うと
「そりゃ、会ったことあるよ。桜田高校、二年B組の北条桜先輩だよ」
「先輩!?」
紅希の話を聞いて驚く良祐に向かって空が続けて言った。
「さらに俺たち立花隊の副隊長だぜ」
「副隊長!?」
「よろしくね。高藤君」
驚きすぎて良祐は立ちくらみを起こしそうになった。
立花が空咳ををした。
「いいか」
立花が聞くと「どうぞ」と桜が言い立花の隣に移動した。