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THIRD EYE  作者: 暇な青年
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第41章 FIRST

10月7日、良祐達は学校が終わるとすぐさま騎士城へと向かった。


空と紅希に病院でのことを言うと、二人はすでに淳から指導してもらう約束をしていた。ついでに言うと二人は、淳と面識があったらしい。


「お~来たか」


訓練場に着くとそこには立花と淳が話をしていた。


「今日からお前達を強くしてやるからな。しっかり付いて来いよ」


「うっす」


「・・・・・・ほどほどにな」


三人は、やる気満々で答えた。それを見て立花が心配そうに口を開いた。


「心配するな立花よ。死なせは、せんよ」


淳が笑顔で言うのを見て立花はため息をして良祐たちに視線を向けた。


「んじゃ、頑張れよ。お前ら」


そう言うと立花は手を振って訓練所から出て行った。


「よし、始めるぞ」


三人は黙って頷くと淳の瞳が段段と色が変わり始めた。


「なっ!?」


淳の瞳が左から右へと紅紫色に変わりだし、数秒で瞳の色が紅紫色に染まった。


「本辺さんってセカンド・アイ出せたんだ」


「あれ?教えてなかったっけ?」


紅希の疑問に淳は口を開いた。


「聞いたことねぇぞ」


空が答えると笑って頭を掻き始めた。


「んじゃ、ここでオレのことを少し教えとこう。

人形(ドール)戦争の事は聞いたことがあるか?」


「隊長から聞いたよ」


「そうか、手っ取り早く話そう。早い話、オレも人形(ドール)戦争にいったんだ立花と竜也と一緒にな」


三人は淳の話に驚愕した。だが、話している本人は三人の表情を見ていないで、明後日の方を向いている。


「それで、人形(ドール)戦争で生き残った俺たちは大澤総理が設立した騎士団となり、立花と竜也は騎士団の隊長、オレは剣術指南役として騎士になった」


「・・・・・・」


黙り込んでいる三人に気付くと淳は胸の前で両手を叩いた。


「ま、この話はここまで。指導の方に入るぞ」


三人は気持ちを切り替え、すぐさま瞳を閉じ、セカンド・アイを発動させた。それを見た淳が鋭い目つきで三人の顔を見ている。


「な、なんすか?」


「いや、発動までに時間が掛かるな、と思ってな」


その言葉に紅希が不審に思い反論した。


「本辺さん、これでも速いほうですよ」


紅希の言う通り三人のセカンド・アイを出すまでに3秒も掛かっていない。それは淳も分かっているし三人も理解している。


その気になれば瞳を閉じなくても出す事が出来るのだから。


紅希の言葉を聞いた淳は、頭を横に振った。


「あぁ、違う違う。今出した速度は速いが二回目は?」


「二回目?」


三人は言葉の意味が理解できないでいた。


「そう、二回目。

お前達、戦闘中にセカンド・アイが解けたことがあるか?」


「・・・・無いけど」


良祐が今までの戦闘を振り返ってみて答えた。


「そうだろうな。お前達はコントロールして戦っているんだから。

だが、よく考えてみろ。国生蓮との決戦が三ヶ月後にはある。その中で国生は、必ず人形(ドール)と共に襲ってくる、それは皆分かっている。その中でずっとセカンド・アイが続くと思うか?」


「っツ!?」


(言われてみれば・・・・・)


良祐たちがセカンド・アイでいられる時間は長くて1時間。それまでに戦いが終わるとは到底思えない。それを感じ取った三人は息を呑んだ。


「だ、だったら、どうしろって言うんですか?」


良祐が動揺しながら口を開いた。


「まぁ、雑魚、相手の時はセカンド・アイを使わないのが一番だが、人形(ドール)の中にも強いやつがいるからな、そういう時は必ずセカンド・アイを使うだろう」


淳の言葉を聞き漏らさないように真剣な表情で三人は聞いている。


「そこでだ、お前達には、まずこれを覚えてもらう」


そういうと左目の色が段段と黒に戻っていく。が、右目の色は未だ紅紫色のままであった。


それに気付いた三人は口を開けたまま、目を疑っている。


「なっ!?」


「驚いたか?これがファースト・アイだ」


「ファースト・・・・・アイ」


良祐は自分の右目に手を当てた。


「・・・・・普通、ファーストから出てくるものじゃないの?」


空が疑問に思ったことを口に出した。


「これは、訓練して出すような物だからな。

ファースト・アイでいる時はセカンド・アイの時より力がダウンするからな、覚えておけ」


(覚えておけって言ってもなぁ)


「んで、どうすればファーストになれんすか?」


空が興味心身に聞いてきたのを見て、口元を緩ませてから右手を前に出し人差し指を立てた。


「まず、最初だから目を閉じろ」


三人は言われた通り目を閉じた。それを見ると次は中指を立てた。


「次は、真っ白な世界を思い、その中で自分のセカンド・アイの色を思い描け。色の濃さもだぞ。

そうしたら、それを丸くしろ」


「・・・・・・」


三人はそれぞれの色を思い描いている。そんな中、空だけが表情が歪んでいる。


「出来たか?」


「まった」


良祐と紅希は頷いたが、空が声を上げた。


「おいおい、色の付いた丸を連想するだけだろ・・・・・」


軽く呆れている淳はため息をして薬指を立てた。


「先に、最後のやり方を説明するからまず聞け、空。

最後は、丸くした物を縦に半分にしろ。・・・・・・半分にしたら、半分はそのまま思い描いておけ。もう半分は、周りの白の世界に溶け込ませて、消せ」


(半分を残して、半分を消す・・・・・)


言われた事を思い出しながら連想していると淳の声が聞こえた。


「それが出来たら、目を開けろ」


「・・・・・・」


良祐は思い描き終えると、ゆっくりと瞳を開けるたら淳が笑顔で見ていた。


「良祐、紅希、合格だ」


名前を呼ばれると二人は顔を見合わせた。


「おお~」


二人は互いの瞳を見て声を上げた。


良祐は、左目がいつも道理の黒色、右目が菜の花色のままであり、紅希は左目が忘れな草色で、右目がいつも道理、茶色だった。


感心していると空が声を上げた。


「どうだ!!」


「・・・・・よし、合格」


「なに、今の間?」


「ん?気のせいだよ」


と淳と空がやり取りしていた。


空は左目が黒色、右目が緋色のままだった。


「本辺さん?」


「なんだ、良祐?」


「紅希だけ左目がセカン・・・じゃなかったファースト・アイだけど何で?」


紅希を指差し淳に聞くと、微笑みながら口を開いた。


「それは、連想した世界で、縦に半分にしたろ?その半分にしたは、どっちを残した?」


「どっち?」


「縦に割ったんだから右か左か」


「・・・・・・」


良祐は目を閉じてそのときを思い出していると


「左、残した」


と紅希が答えると、良祐は右を残した事に気付いた。


「あっ!」


「分かったか?残した方が瞳に現れる。右なら右目に、左なら左目にな」


「なるほど」


納得した良祐を見ると淳が口を開いた。


「よし、これからファースト・アイの力を試すぞ」


「うい」


空が返事を返した。


良祐たちのもともとの瞳の色が、間違っているかもしれませんが許してください。

もし、間違いがあったら教えてくれるとありがたいです。

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