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THIRD EYE  作者: 暇な青年
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第40章 お見舞い

「よっ!久しぶりだな、桜」


「本辺さん!?何でここに?」


淳が中に入り桜に挨拶すると、桜はビックリしていた。


「な~に、こっちに帰ってきたら立花からお前が入院したってきいてな」


桜はベッドに布団をかけて座っていて淳はベッドの横に椅子を持ってきて座った。


「そうですか。ありがとうございます。一人でですか?」


「え?」


淳は「一人」と聞かれたので部屋の中を見渡して見たら、そこには桜と淳しかいなかったのに気付き、ため息を付いた。


「こら、良祐!入って来い!!」


「っえ?」


「良祐」と淳は行ったので桜は驚いて声を出した。


「・・・・・・」


一人良祐は部屋の外に立っていたのだが、淳に呼ばれ部屋には入ってきた。


「・・・・・大丈夫ですか、先輩?・・・・・って大丈夫なわけ無いですよね」


部屋に入ってくると良祐はお辞儀をしてから口を開いた。


「おいおい、自問自答してんじゃねえよ」


あきれて淳は言うと、部屋にある椅子を手に取りベッドの横に置き、良祐を手招きした。


「・・・・・・失礼します」


桜の顔を見ないで良祐は椅子に座った。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


沈黙が流れた。


「あ~、何か喋れよ良祐。ったく、オレ飲み物買ってくるわ」


そう言うと淳は、部屋を出て行った。


(んな、アホな事があるかい!)


と淳の行動に対して良祐は心の中でツッコミを入れていた。


「・・・ありがとうね、良祐」


「っえ?」


いきなりお礼を言われたので良祐はビックリした。


「なんで、オレが御礼言われなきゃいけないんですか?」


「だって、良祐が私をあの場所から運んでくれたんでしょ?」


「いや、運んだってビルの屋上までですよ」


未だ良祐は、桜の顔に視線を向けない。


「そうだけど・・・・・」


「それに、オレがあの時もっと強ければ、こんな事にはならなかった」


「良祐」


いつもの声で桜が良祐の名前を呼ぶと、良祐は体が震えた。


「バカね」


「っえ?」


言葉が良祐に聞こえた瞬間、頭の上を桜が撫でていた。


「な、何してんですか?」


慌てて良祐は席を立った。


「何って、良祐、自分を責めてるような感じがしたから」


「っッ!?」


「もし、それが私のことでなら少しでも楽になってほしいから。ね?」


言いながら桜は手招きして椅子に座るように促している。


「・・・・」


笑顔で呼んでいる桜を見て、良祐は俯きながら椅子に座った。


「いい子ね」


椅子に座るのを確認すると桜は良祐の頭をまた撫で始めた。


「・・・・・・」


(恥かしい)


「ふふ」


「ん?」


突然、微笑み出した桜を見て良祐はどうしたのかと思い顔を上げた。


「どうしたんですか?」


「ん?それは良祐の顔がいつもどおりの顔に戻ったからよ」


笑顔で言われたので良祐は顔を赤くして黙ってしまった。


「・・・・・・そろそろ入って良いか?」


「っげ!」


「あっ!」


良祐と桜は部屋の外で待っている淳の声を聞き、声を上げた。


「ど、どうぞ」


二人の声が合わさった声を聞くと、淳が部屋に入ってきた。ニヤケ顔で。


「んふ~」


「な、なんすか?」


「二人とも、もしかして恋人ど・・・」


「違いますよ!!」


淳の言葉を遮るように良祐が顔を赤くして言った。


「そっか?まぁ、若い者は若い者同士、青春してくれ」


「あ、アンタなぁ」


良祐は顔を赤くしながら反論しているが、桜は顔を真っ赤、トマトのように真っ赤にして黙りこくっている。


(よく考えたら私・・・・・・)


さっきまでの行動をよく考えてみると、恥ずかしい事したと思い真っ赤になっている。


「ま、ふざけるのはここまでだ。良祐、おまえ強くなりたいか?」


「え?」


「おまえが強くなりたいなら、オレがお前を強くしてやる!お前だけじゃない。空と紅希もだ」


さっきまでおちゃらけてた淳の表情が真剣になったので、良祐も表情がまじめになった。


「強く、なれるんですか?」


「オレの騎士団での仕事なんだか忘れたのか?」


「・・・・・・剣術指南」


受付での言葉を思い出し、思い出した言葉を口にした。


「その通り。どうだ、オレの指南受けてみるか?」


「元旦までに強くなれる?」


「たく、しつこいな。前に何があったか知らないが今の顔をしたお前なら強くなれる。おれが保障する」


吹っ切れた表情をする良祐を見て、淳は言い切った。それを聞いて良祐は笑って口をあけた。


「よろしくお願いします」


「あぁ。こちらこそ」


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