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THIRD EYE  作者: 暇な青年
32/65

第31章 二人っきり

二年B組の前まで来ると良祐は扉を開こうとしたら中から桜と誰かの話し声が聞こえた。


「おっと」


扉から手を話し、扉についている窓から教室の中を覗いた。


そうそう、この前まで桜田高校には、扉に窓ガラスが付いていなかったが夏休みの間に窓ガラスをつけたらしい。理由は生徒達が「何かと不便だ」と多かったので、夏休みの間に取り付けたのだ。全クラスに。


教室の中には桜と桜のクラスメートと思われる男子生徒がいた。


「・・・・・・こりゃ、タイミング悪かったかな?」


一人呟くと良祐は廊下を見渡した。


「・・・・・・誰もいねぇし」


廊下には誰もいなかった。当然、部活に向かったか、帰宅したのだろう。まぁ、他の教室の中に入るかもしれないが、見に行く必要が無いので良祐は階段まで歩き、階段に腰を掛けた。


「・・・・・・」


良祐が階段で座っていると一人の男子生徒が良祐を横切り階段を下りていった。


「・・・・・・」


階段を下りていった生徒はさっき桜と二人っきりでいた生徒だ。


良祐は階段から腰を上げてお尻を軽く叩いて二年B組に歩き出した。


(気まずそう・・・・・・)


扉の窓ガラスから教室を覗くと真ん中の列の一番後ろの席に桜は一人座っていた。


「・・・・・・」


扉を静かに開けると桜が良祐に気付いた。


「待たせました?」


良祐はさっきの事を知らない風にして桜の席まで行き声を掛けた。


「んー?待ったのは良祐のほうでしょ?」


笑顔で桜は言った。


「・・・・・気付いてたんですか?」


「ええ」


良祐は焦りながらも口を開いた。


「空たちは?」


桜は良祐一人だけなのに気付き良祐に聞いてきた。


「二人とも先に騎士城に行ってるって言ってましたよ」


「そう。それじゃ行きましょ」


桜は席を立ち微笑みながら歩き出した。


「さっきのこと聞かないの?」


桜が階段を下りながら良祐に顔を向けずに聞いてきた。


「ん~なんとなく予想が付くから別に良いですよ。プライバシーにも関係してくるでしょ?」


良祐は気にして無い風に答えた。


「それとも、聞いたら教えてくれるんですか?」


ふと思った良祐は口を開いた。


「ん。良祐が聞きたいなら教えても良いけど、良祐の予想を教えてほしいな」


さっきまで良祐を見ないで話していたが、桜は階段を下り終えたら良祐に視線を向け口を開いた。


「・・・・・・告白されてたんじゃないんですか?」


あまり大きく無い声で良祐は桜から視線を外し言った。


「正解」


桜の「正解」と聞いた瞬間、良祐は「やっぱり」といった。


「で、返事は返したんですか?」


「えぇ」


「OKしたんですか?結構カッコいい人でしたよね?」


「ううん、断ったわ」


「えっ、もったいないですよ。あれほどカッコいい人なのに。何度か見たことあるけど、たしかサッカー部のエースストライカーですよね?」


記憶を掘り起こしながら良祐はさっきの男子生徒をおもいだした。


二人は下駄箱を出ると良祐は、駐輪所から自転車を取ってきた。


「えぇ。でもあまり話した事無いから」


「そんなもんすかね」


自転車を手で押しながら良祐は桜の隣を歩いている。さらに良祐は未だにどこに行くのか聞いていなかったが、今はそれを聞ける雰囲気じゃなかった。


「・・・・・」


(空気が重い・・・・・・)


「良祐は好きな人、いる?」


「へっ?」


桜の質問に良祐は理解できずに変な声を出してしまった。


「・・・・・・」


ジーっと見てくる桜に恥ずかしくなって顔を背けた


「ひ、秘密です」


「ふふ」


二人はこの調子で目的地に向かった。


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