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THIRD EYE  作者: 暇な青年
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第2章 EYE

三回目です。どうぞ

学校に着いた良祐達は駐輪所に自転車を置き下駄箱に向かった。


ここ桜田高校は在校生は三百人以上いて県内でも偏差値で上位に入るほどの学校である。設備も整っていて最新の技術を使って勉強している。


ほかにもプール、剣道場、柔道場、コンサートホールなど数々の施設があり、そのおかげで部活動も活発な学校。と言うことでも有名である。


「今日の授業なに?」


階段を上りながら良祐が先に上ってる紅希に聞いた。


「午前中は数学、英語、現代文、世界史で午後は情報、体育だよ」


「体育かぁ~」


ため息を付いた良祐を見た空は口を開いた。


「体育はテニスだってよ」


「マジで!?」


「マジ」


テニスと聞いて良祐の顔が明るくなった。


(ラケット使うの好きだからなぁ、良祐は)


などと考えていると一学年の教室のフロアに着いた。


桜田高校は五階まであり、一階は下駄箱や食堂、実験室があり、二階はコンピューター室や音楽室、書道室がある。


三階は三年生のフロアで図書室も三階にある。四階は二年生のフロアで五階が良祐たちがいる一年生のフロアである。五階から階段で屋上にも行けるが普段は立ち入り禁止である。


良祐は会話しながら1-Aの教室に入るとクラス全体がざわっとし、すぐに男子達が良祐のとこに寄ってきた。


「良祐!やっときたか」


「心配したぞ」


「もう、大丈夫か?」と声を掛けられそれに対応する良祐だった。


八時三十分。学校のチャイムが鳴った。


「よ~し良祐も学校に復帰して一週間ぶりに全員そろったな」


HRに先生が今日の話をしている。


「以上だ。終わり」


HRが終わると授業の準備をし始めた良祐だったが、何か視線を感じ後ろに振り向いた。が良祐の席は窓側の一番後ろの席に座っているので当然、後ろには誰いなかった。


「どうした?」


空が聞いてきた。空の席は良祐の前の席である。


ついでに紅希は良祐の隣である。


「いや、何でもない」


何事も無かったかのように空に言った。


「・・・・・・」


それを隣で見ていた紅希が良祐から視線をそらし良祐の後ろを見ていた。


もちろん後ろにはロッカーが在るだけである。





良祐たちは今グラウンドから戻ってきて教室で騒ぎながら着替えている。


「くっそ~。あと少しで紅希にかてたのに~」


上の体操服を脱ぎ上半身裸の空が言い出した。


「残念だったね。そら」


ニッコリと笑いながら紅希がYシャツのボタンを閉めている。


「ほら、早く着替えろ」


着替えが終わっている良祐は、ほうきを持っている。


「良祐」


紅希の声を聞き良祐は持ってるほうきを渡した。


「ちょっ」


空を措いて掃除を始める良祐と紅希だった。





現在五時四十九分



良祐は今一人で自転車を押して帰っている。空と紅希は「わりぃ、これからバイトだから」と言って先に帰ってしまい今に至るわけだ。


良祐はオレンジ色で雲ひとつない空を見て帰っている。


なぜ自転車に乗らないかと言うと、ただ気分が乗らないからである。


良祐が人気のない道を進んでいるとバッと後ろを振り向いた。


(気のせいか?)


そう思い前を向き歩き出すと風が後ろから強く吹いてきて咄嗟に自転車から手を離し顔を覆うように手を動かした。 


「なんだぁ?」


後ろを振り向くと、さっきまで誰もいなかったのにすぐ後ろには、180センチ以上のアメフトでもやってそうな男がいた。


「誰だ?」


「キサマノ・・・・メ・・・・ヨコセ・・・アルジニ、ササゲル」


「何だ?こいつ」


男は誰が見ても様子がおかしかった。


体が痙攣していて言葉も片言で聞き取りにくい。


すると、男の瞳が茶色から緑色になった。


「目の色が変わった?」


などと口にすると男が右手を良祐に向けた。


(何だ?っツ)


考えているといきなり右目に激しい痛みが走りその場に膝をついた。


「いてぇ」


痛みを堪えて男の方を見ると、突然、視界が変わった。いや違う良祐が何らかの力で吹き飛ばされたのだ。


「がぁ」


良祐は吹き飛ばされて運悪く後ろに在った電灯に体を打ちつけた。


男は、良祐に右手を向けたまま手を握った。そしてすぐに右手を開くと轟音を鳴らして何かが良祐に向かってきた。


「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ」


轟音が良祐のところを通り過ぎると体に痛みが走った。


(体中が切れてる)


刃物で切り裂かれたかのような切り傷が何箇所にもある。そのため良祐は血だらけになっていた。


「シ・・・ネ!」


男はまた手を握り、開いた。


さっきと同様に轟音が良祐に向かっていった。


(死ぬ!)


轟音が良祐にあたる瞬間良祐は目をつぶった。


(あれ?)


轟音が通り過ぎた。が良祐には痛みが無かった。恐る恐る目を開けると、そこには見慣れた少年が二人たっていた。


「紅・・・希、空」


力なく言葉を発した良祐を見て紅希は良祐の前にかがみこんだ


「ごめん。良祐」


「紅希?」


「すぐ終わるから待ってて」


そう言い紅希は男に振り返った。


「空、すぐに終わらせるよ」


「たりめーだ」


二人は帯刀に手を当て、一瞬だけ目を閉じすぐに開けた。


「殺す!!」


二人の声が合わさった。


紅希の瞳は忘れな草の色をし、空は緋色の瞳をしていた。


どうですか?楽しかったなら評価とコメントお願いします。

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