第28章 新学期
蓮が宣戦布告してきてから、二日が経ち、今日から二学期が始まったため良祐達は1年A組の教室にいる。
「おはよう」
「ひっさしぶりー」
教室内は二ヶ月ぶりの登校で友達同士、夏休みの話ではしゃいでいる。
「・・・・・・」
が良祐達は、それどこれではなかった。
(国生蓮・・・・・・あいつの強さは半端ない。今のままではあいつには勝てない)
良祐は席について悩んでいた。空と紅希も同じ風に悩んでいた。
(隊長も蓮のやつにあそこまでやられたからな・・・・・)
空が目を閉じて考え込んだ。
「・・・・・今日も騎士城に行くでしょ?」
紅希が考え込んでいる二人に言った。
「あぁ」
紅希の方を向かず答えた。
(隊長、アレから隊長専用の訓練室に篭っちゃたからな・・・・・)
立花はあの後、騎士城に戻ると、騎士団全員を騎士城の訓練所とは別にあるホールっぽいところに召集し国生蓮の事を話した。
紅希が二日前の出来事を思い出していた。
いまさらになるが、今は始業式が終わり、先生が戻ってくるのを教室で待っていた。
「もっと強くならないと・・・・・・」
三人は自分以外に聞こえないように、小さい声で呟いた。
「よし、座れ」
教室の前のドアから勝田先生が入ってきた。
「んじゃ、話をするぞ」
「・・・・・・」
良祐達は、勝田先生の話を聞いてる暇は無かった。
「よし・・・・・・」
学校がを終わると、良祐達は急いで騎士城に向かった。
その為、良祐達は今、制服姿のまま刀を持って訓練所の中央にいる。
「・・・・・・早いわね」
声が聞こえたので振り向くと、制服姿の桜が入り口に立っていた。
「・・・・・・先輩」
良祐が口を開いた。
「私も特訓に入れてもらえるかしら?」
「どうぞ」
桜は部屋の中央に向かって歩き出した。
「紅希、疑似人形を出してくれ。レベルは最高にして」
「・・・・・了解」
紅希は、移動して入り口の横にあるパネルを操作した。
操作し終えると、紅希が部屋の中央に戻ってきた。
その瞬間、良祐たちの前に木刀を手にした疑似人形が四体出てきた。
「レベルは最高だから、強さは隊長並みに強いよ」
「上等!!」
それぞれ疑似人形を一人一体ずつ相手をし始めた。
良祐と桜はすぐに瞳の色を変えた。が空と紅希はそのまま、疑似人形と戦闘し始めた。
「・・・・・」
疑似人形は良祐の刃を全てかわし、良祐に斬撃を繰り出してきた。
良祐はその斬撃をかわす事ができず、構えを固めて、相手の斬撃を受け止めている。
「くっ」
だが、ずっと受け止めていると徐々に良祐が押され始めた。
疑似人形と言っても良祐達は立花ぐらいの相手と戦っている事になる。当然、良祐達は以前、立花と刃を交えたが立花に敵わなかった。
「・・・・・雷電!」
疑似人形が振りかぶった瞬間、良祐は雷を纏い疑似人形の斬撃が来る前にその場から離れた。
「ふー」
雷を纏っている良祐は息を整えた。
その時、近くで(部屋の中なので当たり前なんだが)爆風が起きた。
良祐が視線を向けると、空の炎の鎌鼬、炎斬が疑似人形の放った鎌鼬とぶつかり爆風が起こったようだ。
「・・・・・っと!」
視線を空たちの方に向けていると疑似人形が、斬りかかって来た。
「なめんな!」
斬りかかって来たのを避けると疑似人形の後ろに一瞬で移動した。
雷電を纏った良祐なら騎士団で三本指に入るほどの速度で移動できる。
「オラ!」
後ろから刃を振り下ろした。が良祐の刃は何も斬れず地面を斬った。
「はっ?」
疑似人形が良祐の前からいなくなっていたのだ。
左右に視線を動かしたが疑似人形はどこにもいなかった。
後ろから地面をける音がしたので振り向くと疑似人形が、刃を振り下ろしてきた。
「っツ!?」
咄嗟に刃を頭の上に出し真上から振り降ろされた刃を受け止めた。
「っく・・・・」
良祐と戦闘している疑似人形に向かって何かが襲ってきて疑似人形は良祐から吹っ飛んだ。
「ん?」
襲ってきたほうを見ると紅希と桜が刃を振りぬいていた。
(紅希と先輩の鎌鼬か・・・)
「サンキュー」
そういうと良祐は吹っ飛ばされた疑似人形のほうを向いた。
「まだだろ」
疑似人形が立ち上がり良祐に向かってきた。
それに対して良祐も疑似人形に突っ込んだ。
かれこれ、訓練を始めてから二時間が経った。
「ふぅ~」
良祐達は今、シャワールームで汗を流している。もちろん桜は女性用のシャワールームにいる。
「いって!」
「大丈夫?」
「あぁ」
擦り傷などが痛くてたまらなかった。
この特訓を良祐達は一ヶ月間、続けた。
夏休み編が終わり、これから良祐達は新学期です。
話ももう中盤です。ですが、この話が終わったら|SecondStage、ThirdStageを予定しています。
今のところは。やらないかも知れませんが、一応、|SecondStageの最初のほうまでは、話はできているのでお楽しみに。
その前に騎士団VS国生蓮の戦いも楽しみにしていてください。