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THIRD EYE  作者: 暇な青年
18/65

第17章夏休み編 始まり

7月25日現在8時22分


夏休みに入って五日が過ぎた、ある晴れた土曜日、良祐は家で一人テレビを見ながら朝食をとっていた。


家の中はテレビの音と外を走ってる車や子供達の声が聞こえてくる。


「暇だ」


一人、呟いた良祐は机においてあるインフォメーションを見た。





さかのぼる事七日前


「ちぃ~っす」


空は失礼な言葉遣いで扉をノックして隊長部屋に入った。


それに続き良祐と紅希も部屋に入った。


「よう、久しぶり・・・じゃないな。テストはどうだった?」


立花は外の景色から良祐たちに視線を移した。


「・・・・・・」


「ん?」


テストと聞いて空の態度が一気に変わった。


「ダメだったのか?」


空の変わりに紅希が口を開いた。


「・・・今日テストが返って来たんですけど・・・・・・」


「返ってきたんですけど?」


「空のテストは数学と世界史が赤点で・・・・・・」


紅希がここまで言うと良祐がニヤッとしながら紅希の変わりに口を開いた。


「夏休み学校に登校するハメになっちまったんす」


「ハハ・・・・・・」


立花はそれを聞いて苦笑いをした。


(大変だなぁ)


空に同情する立花だった。


「・・・で、良祐は何でそんなにうれしそうなの?」


「へ?」


良祐を見て立花は不思議そうに聞いてきた。


「あぁ、それは・・・」


「っバカ、言うな紅希」


「ん?」


「何でもないっす」


良祐と紅希の態度を見て何かあった。と分かったが聞かないことにした。


「そうか」


「ふー。それで俺たちを呼んだ理由は何すか?」


空が気持ちを立て直し立花に聞いた。


良祐達は久しぶりに騎士城に行くと受付のお姉さんから「立花隊長がお呼びです」といわれ、ここに来たのだ。


「ん?まぁもうすこし待ってろ」


頬杖を突き立花は言った。


「・・・そういえば」


「如何したんですか?」


突然立花が聞いてきた。


良祐は部屋にあるポットのお湯を使って紅茶を入れてた。


何で隊長室にポットや紅茶の素が在るかは触れないように。大人の事情って事で。


「良祐、お前桜と付き合ってんのか?」


「っん」


良祐は入れた紅茶をみんなに配り自分のコップを最後に取り、それを飲んでいると立花から思いも寄らない言葉を聞き、危うく飲んでいた紅茶を吐きそうになった。


コップを机の上に置き良祐は咳き込んだ。


「何いってんすか?」


咽ながら良祐は言った。


空と紅希は声を殺して笑っている。


「おい!」


「ごめん・・・っく」


「は、はははははははは」


ついに大声を出して笑い始めた空だった。


「隊長は何を思ってそう言ったんですか?」


「この前、二人で楽しそうに学校に行ってたじゃんか」


立花も笑っては無いが面白そうに言ってる。


「っげ、隊長も見てたんですか?」


「偶然な」


「勘弁してくれ」


小さな声で呟きすぐに答えた。


「そんなんじゃないですよ」


紅茶を取り飲み出した。


「そうか」


「何で残念そうなんですか」


立花の表情はつまらなさそうな顔をしていた。


「べつに~」


「・・・・・・」


無言で立花をにらんでいた。


すると扉がノックされすぐに扉が開いて桜が入ってきた。


「遅れました」


「いや、良いタイミングだ」


良祐は桜を見て、さっき言われた事を思い出し桜から視線を外の景色に移した。


「いい匂い」


気がつけば部屋の中は良祐が入れた紅茶の匂いでいっぱいだった。


「あぁ、良祐が入れた紅茶のせいだろう」


「先輩も飲みます?」


「良いの?」


「良祐」


(おい)


紅希が勝手に話を進めたため渋々良祐はポットが在る場所に移動した。


「んん?」


「どうしました?」


桜の態度が変わったのに紅希は気づいた。


「良祐君がこっちを見てこないの」


「あぁ・・・・・・」


「そんな事無いですよ先輩」


そう言って良祐は紅茶を入れたカップを渡した。


「ありがとう」


「いえ」


面白そうに良祐を見ていた立花は空咳をした。


「お前達は明後日から夏休みだろ?」


「えぇ」


桜が相槌をうった。


「なので、まず8月まで来なくても良いぞ」


「ええ?」


「何でっすか?」


「お前達は騎士である前に高校生だ。俺たちはコレを仕事にして給料を貰ってるから良いが、お前達は違う。だから、8月までは夏休みを満喫しろ」


いつものふざけた調子じゃなくまじめな顔で立花は言った。


それをただ、良祐達は何も言わず聞いている。


「まぁ、なんかあったら連絡するから。それに・・・」


「それに?」


聞き返すと立花はさっきまでと違って口元を緩ませた。


「8月から訓練をするために出かけるから、それまで体を休ませて来い」


「訓練ってどこで?」


恐る恐る聞くとニヤッとし「さぁ?」と答えた。


「以上だ。帰って良いぞ」





「んな事言われてもなぁ・・・」


テレビを見て呟く良祐だった。


するとインフォメーションの隣に置いてあった携帯が鳴った。


「ん?」


良祐は腕を伸ばし携帯をとり、あけてみると、そこには知らないアドレスでのメールが一通届いていた。


このごろ良祐や立花の字をよく打ち間違えます。

気づいたら直すのであまり気にしないでください。

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