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三歳になりました

ブクマしてくださった方、ありがとうございます。

ランキング上位の小説を読みながら勉強中の毎日です。

「ルル、ルナ、お誕生日おめでとう。」

「お嬢様、おめでとうございます。」

温かいランプの光が満ちた部屋で私たちをお祝いしてくれるのは両親と我が家の使用人たち。

いつも冷静な筆頭執事も今日はニコニコと相好を崩している。


そう。今日は私たち、ルル・フローライトとルナ・フローライトの誕生日なのだ。

異世界に転生して早や三年である。

三歳になった今の私のステータスはこんな感じ。


ステータス

名前:ルナ・フローライト

種族:ヴァンパイア

Lv.1

HP:100

MP:100

筋力:5

俊敏:5

器用:20

持久:5

 ユニークスキル

「経験値10倍」「限界突破」「収納」

 スキル

「歌唱Lv.5」「記憶Lv.3」「鑑定Lv.3」「魔力制御Lv.5」「言語理解Lv.5」「日光耐性Lv.7」「HP回復Lv.5」「瞑想Lv.10」


驚いたことに、白い世界で作ったステータスとは能力値の表記が違っていた。

HPとMPがそれぞれ同じ100なのは、白い世界で均等にポイントを振ったことからだろう。

それにしてもここまで違うとは。

ちなみにHP100は人間の騎士団長と同じか、少し低いくらい。

年齢や戦闘経験を考えればかなりのものだろう。

MP100は宮廷魔導士の平均くらいだそうだ。

大体生きた年数分強くなっていくため、ヴァンパイアとは比べられない。

伝説のヴァンパイアってどのくらいなんだろうな、と考えると恐ろしいものだ。


筋力その他の能力値は5で、大体の種族の子供よりちょっと高めかな?というくらい。

天才にはなりたいが、なんの努力もしないで何でもできてしまうのはつまらない、という私の性格を汲んでくれたのだろうか。

明らかに説明不足ではあったがあの本、意外と親切設計だったようだ。


器用に関しては別で、能力値20というのは大人でもなかなかいない。

前世では編み物をしたり折り紙が得意だったりと割と器用な方だったのでそれが反映されているのだと思う。


スキルに関しても色々覚えた。

一部を除いては意図してやったことではないが、これは「経験値10倍」の効果だろうか。


この世界に来てもう一つ驚いたことがあったのだが、それはまた近々話そう。


私たちは今、家族四人で朝食のテーブルを囲んでいる。

日はさっき落ちたところだが、ヴァンパイアにとっては夜の一番初めのごはんが朝食なのだ。

私とルル姉さんの向かいに、母さんと父さんが座っている。

アメジスト色の瞳に金髪の、おっとりとした美女、シャルロット・フローライト母さんがふわりと口を開いた。


「ルルもルナも、もう三歳になったのね。ついこの間まで赤ちゃんだった気がするのに。しっかりとした賢い子に育ってくれて、私は嬉しいわ。」

「お母様・・・。」

感無量、という風に、ルル姉さんが呟く。

「二人ともこれからも精進を怠らず、フローライト家にふさわしい人になるんだぞ。」

厳格そうな言葉とは裏腹に、心底愛おしそうに目を細めながらそう言ったのは父、ノア・フローライトだ。

ノア父さんはアイスブルーの瞳で、長い綺麗な銀髪を肩のあたりでひとつに纏めた騎士風の好青年だ。

整った顔立ちゆえに厳しくみえるのを、右目の下のほくろが和らげている。


「さて、ルル、ルナ。二人は三歳になった。もう十分に教育を受けられる歳だ。明日から二人には、家庭教師について魔術や座学を学んでもらう。」

食事を終えると、父さんがおもむろにそう切り出した。

私たちには算術、植物学、文学、歴史、地理、魔術、剣術など戦闘の基本、それから貴族に相応しい所作や楽器などの教養を教えられるらしい。

三歳といえば、前世では幼稚園に入るくらいだろうか。

なかなかのハードスケジュールなのではないかと思うが、私たちは既にメイドたちから基本の文字を習ったりしているので、その辺が加味されているのだろう。

使用人経由で父に情報がいっているだろうということは、容易に想像がつく。

・・・まぁ、私に関してはその他に自主特訓もしているんだけどね。


それから三歳になったということで、私たちにも自室が与えられることになった。

これまでの姉妹共用の子供部屋ではなく、ルルとルナ、それぞれの自室だ。

部屋は私たちの好みに合わせて、母さんが既に整えてくれているらしい。

「またどうしても好きなものが出てきたら、そのときは自分で部屋を整えるといいわ。」

と優しい声で言ってくれた。

まだまだ夜は長いので、今日のうちに引っ越しを済ませてしまうつもりだ。

夕食ではなく朝食のときに私たちの誕生日会が開かれたのはこのためだったのかもしれない。



父さんから誕生日プレゼントとしてシンプルな細工のガラスペンをそれぞれ受け取って、ルル姉さんと私の誕生日会は終了した。

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