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S.A.T.O.S.ー特殊強襲戦術作戦隊ー  作者: ダークナイト
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闇の部隊

Wer mit Ungeheuern kämpft, mag zusehn, dass er nicht dabei zum Ungeheuer wird.

Und wenn du lange in einen Abgrund blickst, blickt der Abgrund auch in dich hinein.

近年日本で増え続ける事件。それは人によって起こされるものだけではない。悪霊、未確認生物、妖怪、悪魔など様々。そんな現状を打開しようと平和と秩序を守るために表立って処理できない事件に介入し解決するためにある部隊が非公式に新編された。対人・対人外・対怪奇対策実行部隊、その名は特殊強襲戦術作戦隊(Special Assault Tactical Operations Squad)通称S.A.T.O.S.



その部屋は暗かった。

一条の光もなく常人であれば何も見えない。暗視眼鏡を使ってやっと部屋の内部が視認できるくらい暗かった。部屋には4人の人間がいた。皆体型はバラバラだが男である。

部屋には立派な椅子と円卓がある。まるで会議室だ。各々が椅子に座って話をしている。しかしここで会議をするのであれば明かりが必要だ。そんな部屋にいる人間たちはスラックスにYシャツ、そしてトレンチコートという格好をしている。


「隊長が帰ってくるのって今日?」

一人の男が向かい側に座っている男に質問をする。質問した男は身長が180cmで熊のような大柄だが優しそうな顔をしておりとてもこの場には似つかない。


「そうだったような気がする。アメリカだっけ?」

質問された男が返事をした。

男は至って標準的な体型をしていて一般人と言われても何も不思議ではない。大体170cmくらいだ。その男はサイクリングに関する本を読みながら答える。


「そうそう。結構有名な大学だったような気がする。」

円卓の上で絵を何かの絵を描いていた男が答えた。

「ところで何しに行ったの?」

男は童顔で標準体型だ。身長は同じく170cm前後である。


「さあ?なんか研修って言ってたような気はするけど」

細身で童顔な男が返した。



「お土産買ってきてくれるといいけどね」

サイクリングの本を読んでいる男が言った


「残念ながら珍しいものは何も買ってきてないぞ。」


そう言いながら部屋に男が入ってきた。身長は165cmを下回っているが筋肉質な体型をしている。

服装は部屋にいた4人と同じだ。

「そもそもなんでお前ら【共有モード】にしてたのになんで曖昧なんだよ。どうせお前ら見てなかったんだろ?」

「ちなみに【ドラゴンソルジャー】が食いに行ったラーメンウマそうだったな。今度俺も行きたい。」


共有モードとは彼らが使う特殊な技能の一つである。

位置情報、音声、視界を共有できるのはもちろん記憶や読んだもの等をライブラリに貼って共有することができる。それだけでなく念話のようなことができるので作戦間において一々話す必要もなくただ頭の中で思ったことがそのまま相手に伝わりオン・オフの切り替えができる。そして何より一番のメリットはバッテリー不要、距離制限なしという優れモノだ。画面はFPSのゲームのようなものになっていて非常に使い易い。


「研修中に僕が共有したやつ確認してたの?」

大柄な男、【ドラゴンソルジャー】が呆れたように質問する。


「ずっと研修じゃないからね。それとこれお土産だからみんな食べてね。」

そう言って男はアメリカ製のチョコレートを差し出した。

「【ファーラート】には別のお土産あるからね」

そう言って髑髏の頭の巨大なジョッキをサイクリングの本を読んでいた男に渡す。


「何で?ネタじゃん!」

渡された男、ファーラートは若干不服そうだがすぐに席を立って部屋の奥に向かった。


「共有モードで何も流れてきていないということは特に何もなかったということで良いかな、【ライト】?」


「ラーメン行ったくらいかな?」

ライトと呼ばれた細身の男はチョコレートに手を伸ばしながら答えた。


「そうか。ところでビーストから口裂け女が出て数名の被害者が出てるって共有モードに流れてたんだけど解決したの?」

アメリカから帰ってきた男はジト目で部屋にいる人間を見ながら訊ねた。


「「あっ…」」

「まあ隊長が解決したいと思って残しておいたよ」


隊長、【カミカゼ】は呆れた顔をした。

「被害者出てるんだからさっさと片付けろよ。」

「何のための共有モードだよ」

「世界中の軍隊が羨むものだぞ」

「それと誰か訊ねてきても良いように電気つけておこうぜ?」

「俺たちは見えても他の人たちにはこの部屋何も見えないからね?」


何故暗視眼鏡を使ってやっと見える部屋で普通に過ごせるか、それには2つ理由がある。

一つ目は単純に彼らが魔人であるからだ。

どんなに暗い闇の中だろうが1km先の人間の顔が認識ができるのはもちろんのこと、服のしわ、血流の動きまで見える驚異的な視力にある。

もう一つは彼らが使っている視界補助機能の一つ、【デイビジョン】これは屋外であれば常に青天の如く、屋内では部屋の隅々まで見えるくらいの電気をつけている状態での視界になる機能である。要するに彼らには暗くて見えないというものがない、夜が存在しない視界状態にすることができる。だからどんなに暗くても本を読むこともできるのだ。


「とりあえずミーテイングするか。」

「【ビースト】と【グリーンティー】呼んだから来たら始めるか。国家の秩序を乱す口裂け女にはご退場願おう。」



怪物と戦うものはその過程で自らが怪物とならぬよう気をつけよ。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ

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