TOCKEY STORY 第3話【ライバル】
ハングワールドでは、複数のアプリゲームが存在する。
なかでも、男の子のなかで人気なゲームが、スマッシュブラスターズという格闘ゲーム。
略してスマブラだ。
各国内でもトーナメントや、国代表同士でぶつかり合うイベントなども行われている。
TOCKEY内でも数回開催されていた。
喜韋「はぁ」
紫音「どうしたの?ため息なんかついて。」
喜韋「いや、最近スマブラで勝てなくて。初代チャンピオンとしてのプレッシャーとか、大会が近付いてくると焦ってしまうんだよ。」
紫音「あの頃と比べて、みんな強くなってるからね。」
喜韋「特に丸尾くんが。」
紫音「丸尾は強くなったよね。でも喜韋くん戦闘力俺より高いでしょ?」
喜韋「紫音。そんなことないよ。最近忙しくてできなかったから、下がってると思う。」
紫音「だったら特訓する?」
喜韋「いいの?」
紫音「いいよ!やろ!」
喜韋「うん!ありがとう」
喜韋と紫音が数回退散を重ねた。
勝率は45%ほどと、紫苑が少し上回っていた。
喜韋「もういやだ。」
紫音「たまたまだよ。調子悪いって言ってたじゃん」
喜韋「もう僕は、この国で一番弱いと思う。成長できてないし。」
紫音「なんか、喜韋くんらしくないね。」
喜韋「えっ?」
紫音「前までの喜韋くんは、もっと自信に満ち溢れてたよ?」
喜韋「かなり追い込まれてるんだと。。前ほど余裕もないし。。」
紫音「なるほどね。俺も昔はそうだったよ?それこそ、喜韋くんや斗亜くんにボロ負けにされてた時とかね(^_^;)」
喜韋「あの頃、荒れてたよね」
紫音「うんw。あの頃は、勝つことが全てで、負けるくらいなら一生やらない方が良いって思ってた。まぁ、今でも負けたら悔しいけどね」
喜韋「本当、悔しくてやりたくなくなる。」
紫音「でもさ、それは俺以外にも口には出してなかったけど、丸尾くんとかもそうだったと思うよ。」
丸尾「ふたりとも〜!なんの話をしてるんだい??」
紫音「噂をすれば!!」
丸尾「オレの噂!?照れるじゃん!!」
藍流「喜韋さん、紫音!暇なら今から丸尾のゲルームで次のトーナメントの練習するから、一緒にやらない?」
喜韋「ごめん、僕はいいや。弱いし、みんなの迷惑になるから。」
藍流「そんなことないよ!俺も丸尾にコテンパンにされてるし。」
丸尾「今や藍流なんて敵じゃないねー」
喜韋「ねぇ!なんで丸尾くんはそんなに強くなったの??」
丸尾「なんでって言われてもなぁ〜。まぁ、強いて言えば、藍流と毎日戦ってるおかげかな?」
紫音「二人とも仲良いよな!俺も受験とかなかったら絶対一緒に参戦してたんだけどなぁ」
喜韋「それだけ?それだけでそんな強くなったの?」
丸尾「ん〜。それくらいしか思い浮かばないかなぁ〜。あとは、みんながVIPランクに到達してるって言ってた時期に、めちゃくちゃ練習しまくって、置いていかれないように頑張ったりとか?」
紫音「あぁ、あの時ね!斗亜くんとかと毎日言い合ってたっけ!」
丸尾「そう!あの頃の俺って、多分誰よりも弱かったんだよね〜。紫音とやっても、負けてたし、馬鹿にされたり、丸尾なら勝てるか〜とかめちゃくちゃ見下されてたからさ。それが悔しくて。」
紫音「あの頃は荒れてたからなぁ〜。今更だけど、ごめん!」
丸尾「いや、あのおかげで強くなりたいって思えた!だから、あれがなかったら、逆に今強くなれてなかったかも。」
藍流「あとは、アプデで丸尾の得意なキャラに強化修正入ったのもでかいよね」
丸尾「いや、それは関係ない!俺が強くなりすぎたんだよ!ww」
藍流「また負かしてやるからな!」
丸尾「受けて立ってやんよ!」
喜韋「丸尾くん凄いなぁ。僕なんか負けたらもう辞めたくなるし、益々自信を無くしてやる気もなくなる。」
丸尾「俺だって辞めたくなるよ!でも、俺には喜韋くんや斗亜くん、藍流みたいになりたいなぁっていう憧れもあったし、みんながいなかったら、もうスマブラはやめてたと思う。」
紫音「俺は?」
丸尾「紫音は俺にしか勝てなかったから、サンドバッグにされた思い出しかないからなぁ〜( ̄▽ ̄)」
紫音「ぴえん。」
丸尾「でも、さっきも言ったけど、紫音にバカにされてたのもあって、俺が一番弱いんだなぁって、一番弱いなら、誰でもいいから一人に勝てるようになれば強くなれんじゃね?って思えたし、まずは打倒紫音だなってねww」
紫音「丸尾くん、意外と根に持ってるよね。。。」
丸尾「そんでそっからは藍流に付き合ってもらって毎日通話しながらダメなところとか聞いたり、藍流のテクニックとかを見様見真似でやってみたり、特訓の日々よ!一人のキャラの戦闘力を上げて、VIP目指して。VIPなれたら、常にVIPをキープさせて。その間に他のキャラも極めていったら今みたいに強くなれたね!」
喜韋「そうなんだ。」
紫音「でも俺もそうかも。丸尾くんや藍流師匠に鍛えてもらったり、違う国の友達とかと対戦しまくってたらここまで強くなれたのもある。」
丸尾「紫音は本当昔負けたらうっさかった」
紫音「はずいて!」
藍流「今は何も言わなくなったよね」
紫音「俺も成長したんさ!でも、最近は本当にやる時間もなかったし、腕も鈍ってきたから弱くなったなぁって実感してる」
喜韋「僕もだよ。親に取り上げられたり、遊べない日が続くと弱くなる。」
丸尾「言うて俺も毎日はしとらんけどね。」
藍流「僕もしてない事多いよ!違うゲームもしたいし。」
丸尾「負けてる勇気を身につけたら良いのかもね。負けた時は悲しくて悔しいけど、その一瞬で切り替えるって力?」
藍流「丸尾はポジティブ人間だから、そこが凄いよね〜。だから強くなったのかもね」
丸尾「藍流だって負けても反応薄いじゃん!「あっ、負けた。次は勝つわ!」とかのほほんって言ってるし」
藍流「失礼なやつだ。あれでも悔しがってるんだぞ。多分」
丸尾「多分って。でも、喜韋くんや、藍流、斗亜くんがいてくれたから強くなれたのは本当だよ!今でもこの三人のことは尊敬してるし、勝てるとやっぱ嬉しいからね!みんなそれぞれ戦い方があって、真似しようにも真似できない所もあるし。それにね、喜韋さんが俺にたくさんアドバイスしてくれた所とかも改善できたのもあるんだよ!」
藍流「練習してたもんね。」
丸尾「だから、喜韋くん!悔しいかもしれないけど、たくさん負けても良いんだよ!」
喜韋「うん。。。」
紫音「俺だってみんな歳下だけど、そんなプライドなんか捨てて教えてもらったりするよ?」
藍流「友達が強くなるためなら、俺たちは何も惜しまず教えるよ!」
丸尾「俺もまだまだ喜韋くんにも見てもらいたいところとか的確なアドバイスもらって完璧に勝ちたいし」
喜韋「僕が教えることなんてないじゃん。充分強いんだから」
藍流「そんなことないよ。スピードキャラは丸尾の方が不得意だし、喜韋くんの方が俺から見ても上手いからね。」
丸尾「俺の使うキャラパワータイプだから、スピードタイプのキャラ使うと癖が抜けないんだよなぁ」
紫音「たしかに、丸尾くんがスピードとか使ってくれたら勝てる!」
丸尾「やめろ!!」
喜韋「そうなのかなぁ」
藍流「俺は教えるのは苦手だし、適当にガチャ押しのところもあるから、どうやったの?って聞かれても答えれないことの方が多い」
丸尾「ね!だから、喜韋くん!一緒に強くなろ!1人で強くなろうとすると限界あるけど、みんなと、ライバルと、友達とならたくさん強くなれるよ!」
紫音「やろう!この国の新撰組任されてる俺たちなら、互いに支え合って補えば良いし!」
藍流「俺も他のところで戦うより、みんなが強くなって戦う方が楽しい!まぁ、次のトーナメントの王者は悪いけど防衛させてもらうけどね。」
丸尾「いや、今回こそ俺がチャンピオンになる!」
紫音「今のままだと勝てないから、トレーニングお願いしまぁーす!喜韋くんは?」
藍流「やろうよ!」
丸尾「はい!喜韋くん、強制な!」
喜韋「えっ?ま、丸ちゃん!?ちょ、ちょっと!!」
丸尾は喜韋の背中を押してそのまま自分のルームに連れ込んで行った。
その後ろを藍流、紫音と続きルームへと入っていった。
敵はただ相手を捻り潰そうとする者。
敵はただ相手を力で押さえ込もうとしてくる者。
けれど、ライバルは自分を成長させてくれる良きパートナーでもある。
友達は時としてライバルとなってくれる。
ライバルには勝ちたい!
ライバルだからこそ負けたくない!
そんな気持ちが自分の闘志を奮い立たせるきっかけにもなる。
それがライバル。
負けたらどうしよう。
負けるのが怖い。
こう思ってしまうのは、戦っている相手を見間違ってはいませんか?
負けることへの恐怖は自分の中にある心の問題。
敵は自分自身。
この言葉の意味はそういうこと。
戦っている相手がライバルだったとき。
それはあなたを心身共に成長させる。
戦っている相手が自分だった時。
そんな時は一呼吸入れて、周りの友達に力を借りてみよう!
1人で自分に勝とうとしなくていい。
ライバルや友達は、あなたが自分自信とのバトルに勝つための最大の武器となってくれる。




