谷子と「かわいい? パンダ」
「幼女勇者!?」
とりあえず「みんな、勇者!?」の異世界を独立して書き始めた。主人公は「ヒロイン勇者」だ。・・・しかし、書いてみると幼女勇者になった。同人やコミケなら普通にあるんだろうが・・・、どこからこうなった? 幼女戦記がアニメ化されて、大ヒットするのだから需要はあるのだろうが・・・変態じゃないぞ!?
「わかった!?」
某主役声優のベッド写真流出で闇に落とされた作品。しかし、作品自体は、今の中身のないアニメやラノベ、漫画よりも支持は高い。なぜだろう? と考えると、現在は、安易な擬人化、日常、アイドル、異世界など、2匹目のドジョウ・パクリ・不正・コピーばかりで見るお客さんが飽き飽きしている。
「では、前記の作品は受けたのだろう?」
オリジナル性が高かった。としか言いようがない。ドラゴンボール・ワンピース・コナンから、進撃の巨人まで、メガ・ヒット作品はなかった。売れても、プチか、ちょいプチばっかりだから。他と同じようなんだが、オリジナル性があり、一般大衆ウケする、独自の世界感が求められているのだろう。あとは出版社が自社買いしてでも、売りたいか、どうかだけだな。
ここまでは、まえがき。
ここは帰渋高校の図書室。
「ということで、図書室は神聖なグリモワールな場所なので、騒ぐな、もめるな、本を大切にしろ。でないと、変質者が出てきてしまう。分かったな。」
「うん。」
「ドキ子は、そんなこと言われなくても、最初から分かってるわよ!」
「あんたが1番分かってない!」
本の神さまのことである。「帰渋」の本をテーマにした世界観で現状、最強なのが、本の神さまである。たぶん、おっさんなのだが、見た目は、谷子である。
「仲間よ! もっと強い本の世界に行って、ドキ子も谷子ちゃん以上の神さまを宿せばいいんだわ!」
「もう、ドキ神が宿っているだろう。」
「お姉ちゃんに座布団1枚。」
ドキ子は、危険思想の持ち主である。強い力を得ようとすれば、強い危険が待っているのだ。当のドキ子は、そんなことは、お構いなしだ。
「これにしましょう!」
ドキ子が本棚の本の中から、1冊の本を取り出した。
「かわいいパンダ!?」
「パンダなら、危険はないのかしら?」
「ドキ子、かわいいパンダをメンバーに加えるんだ!」
「お姉ちゃん、怖いよ。」
賛否両論はあるが、ドキ子は止まらない。強い神と戦うよりは安全だと、谷子たちも思った。
「ドキドキ~♪ グリモワール~♪ ドキドキ~♪ グリモワール~♪」
ドキ子は、儀式の衣装に早着替えし、本の世界に転移する呪文を唱える。
「いざ! かわいい、パンダの世界へ!」
「うわあ!?」
谷子たちは、かわいいパンダの本の世界に転移していく。
ここはパンダの世界の草原。
「いたたたた、ここはどこだ!?」
「部長、ウザすぎます。」
「パンダの世界に来たみたいだけど。」
寝転がっている谷子たちの前に、パンダが現れる。
「ここはパンダの世界よ!」
現れたパンダは、パンダの着ぐるみを着たドキ子だった。
「その格好はなんだ!?」
「パンダよ。」
「悔しいけど、なぜか似合っている!?」
「当然よ! ドキ子は世界中で世界のパンダとして、70億のファンに愛されているんだから!」
そういえば、ドキ子は昔、日中合作の映画に出たような。映画が大ヒットし、そう、ドキ子は名実ともに、かわいいパンダとして世界中の人々から愛されている。
「かわいいパンダといえば、ドキ子でしょー! ワッハハハ!」
「さっさとゴッドブックを探して帰ろう。」
「賛成。」
「うん。」
ドキ子を相手にしない、谷子たちであった。そこに1匹のパンダが慌てた様子で現れた。
「助けてください!」
「パンダが喋った!?」
「パンダ兵士に追われています! 助けてください!」
「パンダ兵士!?」
「とりあえず、草むらに隠れて!」
「ありがとうございます!」
このパンダの世界には、パンダ姫・パンダ兵士なる者がいるのだ。いったい、どんな世界なのだろう?
「ドキ子! 出番だ!」
「誰? かわいいドキ子を呼ぶのは~♪」
そこにパンダ兵士たちが現れる。
「見つけましたよ! パンダ姫! 捕まえろ!」
「はい!」
「キャア!? 私はドキ子よ!? パンダ姫じゃないわよ!? 助けて!? 私より可愛くない谷子ちゃん!? 栞ちゃん!? 部長!? 」
「ドキ子、おまえの死は無駄にはしない。」
「薄情者!? 恨んで呪ってやるからな!?」
「さようなら~♪」
これが正しいドキ子の使い方である。ドキ子とパンダ兵士たちが去り、草原に平和が戻った。
「みなさん、ありがとうございます。私はパンダ姫です。」
「図書部長です。」
「谷子です。」
「栞です。」
「パンダ姫、どうして、パンダ兵士たちに追われていたんですか?」
早速、本題に入っていく。
「実は、実は私の父がパンダ王なんですが、ナンバー2のパンダ侯爵が、私を誘拐して人質にし、国王の座を狙っているんです。」
「なんだって!?」
驚く谷子たち。パンダの世界も大変である。しかし、登場人物は、かわいいパンダたちである。
「できるだけ、関わらないでいこう。」
「うん。」
「ドキ子、お墓は立ててあげるわよ。」
谷子たちは冷静だった。パンダ侯爵を倒さなくても、ゴットブックさえ手に入れれば、パンダの世界から脱出できるからだ。
「パンダ姫、金色に光る本を知らないか?」
「金色に光る本ですか? そういえば、パンダ侯爵が持っていたような。」
「ガーン!?」
「結局こうなるのね・・・。」
「パンダ姫、お城までお送りします。」
「いいんですか? ありがとうございます。」
谷子たちは、パンダ侯爵と戦うため、パンダ姫とお城に向かうのだった。
ここはパンダ侯爵のアジト。
「パンダ姫じゃないぞ!? こいつは誰だ!? 」
「モゴモゴ!?」
もちろん捕まっているのは、ドキ子である。口にハンカチを巻かれている。捕まっても、ドキ子はカワイイと言っている。
「おまえは誰だ!?」
「プワー! 私は、かわいいドキ子よ!」
「パンダ姫ではないが、確かにカワイイ。」
「かわいいだなんて~♪ ドキ子はどこの世界でも可愛いのよ! キャア~♪」
口を塞ぐハンカチを外されたドキ子は、かわいいと言われて、絶好調である。
「パンダキャバクラにでも売り飛ばしてやる。」
「ドキ子、ナンバー1になって見せるわ!」
「ナンバー1!? 俺もナンバー1になりたいな。」
「どうしたの?」
「俺はナンバー2の侯爵なんだが、国王を殺して、俺がナンバー1の王様になりたいんだ!」
普通に考えると、この侯爵さまが悪者なんですけどね。
「ドキ子が王様にしてあげる!」
「なに!? おまえが!?」
「ドキ子の可愛さが分かるパンダが、王様にふさわしいわ!」
ドキ子の基準は、かわいい基準である。
「でもどうやって?」
「ドキ子は、かわいいだけじゃないのよ!」
「見せてあげるわ! ドキ子の実力を!」
ドキ子は、グリモワールを行おうとする。
「ドキドキ~♪ グリモワール~♪ ドキモワール~♪」
そう、パンダドキ子は、ドキサモナーになることができるのだ。
「出でよ! ドキドキオールスターズ!」
描かれた魔法陣から、4人のドキ子の仲間たちが出現する。
「んんん!? なに!?」
「恋ちゃんです~♪」
「困ってる人はいませんか? だって私は、ヒロイン勇者だから!」
「うわあ!? ここはどこ!?」
もちろん、現れたのはミレミレ、コイコイ、メロメロ、キコキコである。
「みんな、ドキ子のために、よく来てくれたわ!」
「召喚されて、無理やり呼び出されただけでしょう。」
「恋のエサやりの途中なんですが?」
「きれいなヒロインにはトゲがある! 決めゼリフはこれにしよう!」
「ドキ子さんと遊ぶとお姉ちゃんに怒られますが、キコは冒険が大好きです!」
チーム・ドキ子。見事な団結力だ!
「すごい!? サモナーだ!? ただのかわいいパンダじゃないぞ!?」
「誰? このおっさん?」
「悪い王様を倒す、正義の侯爵さま。私たちは、ドキ子をカワイイと言う、侯爵さまの手助けをします!」
「私にヒロイン勇者らしい、仕事じゃないか!」
驚く侯爵に、盛り上がるドキ子軍団。
「みんな、これを着てね~♪」
「え・・・。」
ドキ子が4人に差し出したのは、かわいいパンダの着ぐるみパジャマだった。
「この世界で生きていくためよ!」
「恋ちゃん、着ます~♪」
「キコ、着ぐるみパジャマ着てみたかったんだ~♪」
「仕方がないな。着てやるさ! だって私は、ヒロイン勇者だから!」
「私に女子高生の制服とか、パンダの着ぐるみは、ありえないんだけど。」
ということで、全員、喜んでパンダの着ぐるみパジャマを着た。
「あれ? あのパンダは?」
「あれは捨てパンダを拾ってきたんだけど、まだ子供で使い物にならないんだ。」
「キュル。」
ドキ子と捨てパンダは、目が合った。ドキ子は直感で運命を感じる。
「ドキ子がもらってもいい?」
「協力してくれるんだ。捨てパンダの1匹くらいやるよ。」
「侯爵さま、ありがとうございます。」
ドキ子は、子供の捨てパンダをペットとして飼うことになった。
「おいで。ドキパン。」
「キュル。」
「かわいい~♪ 」
「キュル~♪」
ドキ子のパンダで、ドキパンである。なぜだろう? パンダって、こんなに人懐ぽくていいのだろうか? ドキパンを抱きしめるドキ子は可愛かった。
「よし! 野郎ども! これからお城に攻め込んで、王様の首を取るぞ!」
「おお!」
こうして、パンダ侯爵とドキ子と愉快な仲間たちは、パンダ城に攻め込む。
ここはパンダ城の王の間。
「お父さん!」
「姫!」
親子パンダの感動の再会である。ちなみにパンダ王に謁見する谷子たちも、パンダの着ぐるみパジャマを着せられている。
「よくぞ、パンダ姫を救ってくれた。礼を言うぞ。」
「いえいえ、我々は普通のことをしただけです。」
「褒美に竹藪を与えよう!」
「ありがとうございます。」
谷子たちは、竹藪を手に入れた。
「私たちパンダじゃないんで、竹藪なんか、いらないんだけどね。」
「うん。」
そして、物語は本題に入っていく。
「実は、パンダ伯爵が、法律で禁止されている、パンダ売買を行って、私服を肥やしていたことが判明して、処刑にしようと思ったら、逃げられたのだ。」
「パンダ侯爵、なんて悪いヤツなんだ!」
パンダ侯爵は、やっぱり悪いパンダでした。
「でも、ドキ子をさらってくれたことは良かったわ。」
「うん。」
谷子たちは、ドキ子のいない平和を楽しんでいる。するとパンダ兵士が声を荒げ、パンダ王の元に走ってくる。
「パンダ王さま! 大変です! パンダ侯爵が攻めてきました!」
「なんだと!?」
パンダ王や谷子たちは、パンダ侯爵が攻めてきた城門の方に駆け寄って、目で確認しようとした。
「あれは!? ドキ子!? 死んだはずでは!?」
「なんで、ドキ子の仲間たちもいるのよ!?」
「うわあ!?」
谷子たちは目を疑った。パンダ侯爵に捕まってしまった、ドキ子がいるのだ。
「ドキ子は何をやっているんだ!?」
「ほんと、迷惑ばかりかけるゲジゲジ眉ね!?」
「うん。」
しかも極悪な、パンダ侯爵と一緒に、パンダ城に攻め込んで来たのだ。
こちら、パンダ侯爵サイド。
「さあ、パンダ城までやって来たが、どうやって城門を開けるか?」
「私がお城に潜入して、城門を開けてこようか?」
「ミレミレに手間は取らせないわ! ドキ子のカワイイ1撃で、パンダの口の城門をこじあけるわ! 恋ちゃん、手伝って!」
「はい~♪」
恋ちゃんがドキ子の後ろからドキ子の両肩に手をのせる。パンダの城は、外観はパンダの顔になった。城門がパンダの口に当たる。
「フウー。」
ドキ子が息を吸い込み、ドッキドキ砲のエネルギーをチャージしていく。しかし、恋ちゃんとコラボしていて、様子が変だ。
「ドッキドキ・レーザー! 発射!」
ドキ子の口から、ドッキドキの文字のレーザー砲が発射される。物理的に文字が実体化して飛んで行く、通常のドッキドキ砲と比べ物にならない、電磁波のプラズマエネルギーのドッキドキの文字が、レーザーとして飛んで行く。
「これが宇宙の科学力です~♪」
ドーカン! っと城門が破壊された。かわいいドキ子と宇宙人の恋ちゃんのコラボ技である。
「喉越しが最高ね!」
ドキ子にとって、口からレーザーなど、ジュースを飲むようなものだった。ついにドキ子は、口からレーザーを撃てるように進化した。
こちらは、パンダ王サイド。
「敵のパンダは化け物か!?」
「く、口からレーザーだと!? うらやましすぎる!?」
「部長、ウザすぎます。」
「良い子はマネしないでね~♪」
したくても、できないだろう。注意書き! ドキ子はアンドロイドではなく、生身の人間です。
「あなたたち、降伏しなさい。」
颯爽と、ミレディーが現れた。ミレミレは、暗殺・潜入・情報収集が趣味の謎の女である。
「おまえは、ドキ子のとこのおばさん!?」
「誰がおばさんだ!?」
「ドキ子のお母さん!?」
「違う!?(正確には、バツイチです。)」
「ドキ子のお姉ちゃん!?」
「正解~♪ よくできました~♪」
「エヘ~♪」
谷子は褒められてうれしそうである。
「あんたたち、そいつは悪いパンダの王様で、正義のパンダ侯爵が立ち上がったのよ。」
「はあ!? それは違うぞ。ドキ姉さん。」
「パンダ侯爵は、密かにパンダ売買を行っていた、重罪人よ!」
パンダ売買とは、人間でいう所の人身売買である。
「そうなの?」
「うん。」
「谷子ちゃんが言うならそうなんでしょう。」
「やけに、あっさり認めたな?」
「お姉ちゃんって言われたのが、よっぽどうれしかったのね。」
ミレミレだけじゃない。女性は何才になっても若く見られたいものなのだ。
「実は私も最初っから、パンダ侯爵は怪しいと思っていたのよね。だって、あのドキ子と仲良しだから。」
「確かに怪しい。」
「うん。」
ドキドキ、ドキ子と仲良し=怪しい、危険人物、指名手配犯、悪者である。
「ドキ姉さん、パンダ侯爵はゴットブックを持っているはずなんだ。見かけなかったか?」
「そうなの? 見てないわね。」
谷子たちは、ゴットブックさえ回収できれば、この世界に用はないのである。
「それより、あんたたち。早く迎撃に行かないと、パンダ兵士が全滅しちゃうわよ。」
「どうして?」
「ドキ子はともかく、他の子は強いわよ。」
ミレミレの予想は当たっていた。
こちら城門を突破した、侯爵サイド。
「恋ちゃんの恋は止まらない~♪」
「どけ! 悪の手先ども! だって私は、ヒロイン勇者だから!」
「できる! できる! できる! キコは、お姉ちゃんに勝つことができる!」
コイコイ、メロメロ、キコキコが城の守りのパンダ兵士を蹴散らしていく。ドキ子の友達の快進撃は止まらない。
「いけ! かわいいドキ子のしもべたちよ!」
「キュル!」
ドキ子は、笑顔で高みの見物である。ペットのドキパンも飼い主の真似をして、絶好調である。
「うわー!? 最悪だ!?」
「だから、言っただろう。」
「あの3人はいったい何者なの!?」
「恋ちゃんは、超科学力を持った、恋が苦手な宇宙人。メロちゃんは、レベル99の、困った人を放置できないヒロイン勇者。キコちゃんは、あの「できる」マリコの妹、血筋で「できる」スキルが使えちゃうの。」
「そりゃあ、強いわ・・・。」
「うん。」
みんな納得のミレディーの説明である。
「私がドキ子に大人しくするように言ってくるから、がんばってね。」
「ありがとう、ドキ姉さん。」
なんとかしようとする、谷子たちだが、図書部長は、名ばかりだから役には立たない。
「やっぱり、私が何とかしなくっちゃ!」
「お姉ちゃん、がんばれ。」
栞ちゃんを魔法使い設定にしておいて良かった。魔法の杖を出し、星々の魔法陣を描き、呪文を唱える。
「誰もが戦いをやめて、満点の星空を眺めるプラネタリウムを出す! エロ・エロ・エロメス~♪」
パンダ城の内壁が銀河に変わっていく。きれいな惑星、輝く星々、宇宙空間が現れたのだ。そして、銀河の紹介の自動音声付。
「なんだ!?」
「きれい~♪」
パンダ同士の戦いが止まった。全員が夜空の星々を眺めて、うっとりとしている。その隙にミレディーはドキ子に近づく。
「ドキ子、ドキ子。」
「きれい。」
「キュル。」
「ダメだ、ドキ子も星に見とれてる。」
しかし、ミレミレはドキ子を正常にする方法を知っている。
「かわいいドキ子。」
「は~い~♪ かわいいドキ子よ~♪」
「キュル~♪」
「単純・・・。」
一緒にドキパンまで釣れたのだ。
「ミレミレ、なに~♪」
「キュル~♪」
「この世界にも、ゴットブックがあって、パンダ侯爵が持ってるんだって。」
「そうなんだ。」
「キュル。」
その時、ドキパンが何かをカバンから取り出し、ドキ子に手渡した。
「これはゴットブック!?」
「キュル~♪」
「ドキパン、えらいわ~♪ さすがドキ子のパンダ~♪」
「確かにドキ子よりは役に立ちそうね。」
ドキ子は、ゴットブックを手に入れた。
「ふふふ、今回はドキ子の勝ちね! 栞ちゃん!」
「キュル!」
ドキ子は、勝ち誇った顔でニヤニヤ笑う。パンダも笑う。
「これで用は済んだわ! こんなパンダの世界ともおさらばよ!」
ドキ子は、ドキパンを見て、尋ねる。
「ドキパン、ドキ子と一緒に来る?」
「キュル!」
ドキパンの返事は「イエス」である。
「よし、おいで~♪」
「キュル~♪」
ドキ子はドキパンを受け止める。
「ミレミレ、みんな。現実世界に戻って、ドキパンに芸を仕込んでサーカスに売り飛ばすわよ!」
「キュル!?」
というのは、冗談である。
「ドキドキ~♪ グリモワール~♪ ドキモワール~♪」
ドキ子が時をかけるために、呪文を唱える。
「か、体が消えていく!?」
「ゴットブックが手に入ったのかしら!?」
「やっと帰れる。」
谷子たちも現実世界に帰って行く。
「これで恋にエサをあげられます~♪」
「これだけ倒せば、困っている人も助かっただろう。だって私は、ヒロイン勇者だから!」
「キコも、やればできる子だもん!」
「パンダの世界も大変ね。」
ドキ子の仲間たちも現実世界に帰って行く。
「かわいいドキ子は現実世界に帰ります。さようなら~♪」
「キュル~♪」
ドキ子とドキパンも現実世界に消えていった。
ここは帰渋高校の図書室。
「おお!? 図書室に帰ってこれた!? 俺は生きてるぞ!」
「部長、ウザすぎます。」
「あのあと、パンダ王とパンダ侯爵はどうなったんだろう?」
「目的を果たせば興味はないわ!」
「キュル!」
現代っ子は、スマホーに、ネットゲー、ネット通販に毒されているので、他人に興味のない不干渉なのである。
「あんた、そのパンダは!?」
「ドキパンよ。ドキ子に似て、かわいいでしょ~♪」
ドキパンがチョコチョコと谷子の方に歩いていく。
「キュル。」
「エヘ。」
そして谷子の手の中に納まる。
「かわいい~♪ 怪獣ちゃんの方がパンダが似合うわ~♪」
「ドキパン!? 帰ってらっしゃい! あなたは、ドキ子のパンダよ!?」
パンダも飼い主を選ぶのであった。
「平和って、いいな。さあ、帰るか。」
図書部長は、マイペースだ。
つづく。