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宮坂家ほのぼのカレンダー  作者: 文具屋太郎
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宮坂家のお正月 おじいちゃんおばあちゃん編

 正月二日。宮坂家は家族それぞれお正月を楽しんでます。

「はぁ~極楽だぁ~」

お父さんはごろんと寝っ転がりながら、だらしなくこたつに当たっています。

「颯太、何を描いているの」

「ママのかお~」

お母さんは、クレヨンで紙に絵を描いている颯太君を膝の上に乗せて、同じくこたつでぬくぬく。

文香さんはこたつで静かに読書中。

「あ~お姉ちゃん、それ使うのズルい~」

「へへへん、使った者勝ちだよぉ~だ」

陽菜さんと美咲さんはテレビでゲーム対戦中。


 実にお正月らしく、だらだらした時間を過ごしているお昼近く。

「ピーンポーン」

玄関のチャイムが鳴りました。

「あら、来たかしら。あなた、お出迎えして」

「はいはい」

お父さんは玄関へ行き、戸を開けると、

「パン!!パン!!」

と大きなクラッカーの音と共に

「「ア、ハッピーニューイヤー!!!」」

ご近所様に迷惑なくらいの大声が聞こえてきました。

そこには男女二人の姿が。

お父さんは、クラッカーの紙テープに絡まって、腰を抜かして口をパクパク。

「あら、なんでそんなところに座ってるの?」

クラッカーを放ったかなり背が高く、ブラウンの長い髪に、日に焼けて生命力にあふれた野性味のある美人の女性が声をかけました。

「ハハハ、なんだ、つまずいて転んだか。足腰を鍛えなきゃいかんぞ」

その横にいる、同じくよく日に焼けて、良く言えばワイルドな、悪く言えばどう見ても胡散臭い男性も声をかけます。

「おおおおお・・・お義父さんとお義母さん、なにするんですかぁ~!!」

お父さんが腰を抜かしたまま抗議。

「ん?何って新年のあいさつだが。何か問題があるのか?」

「うふふ、ちょっと刺激が強すぎたかしら」

このどう見ても30歳台にしか見えない二人、なんと宮坂お母さんの実の両親。今年で五十ウン歳にとても見えません。アンチエイジングとか、美魔女とか言う言葉は、この人たちのためにあるようなもの。

「ほら、立ち上がりなさい」

差しだされた宮坂おばあちゃん(?)の手を、玄関にへたり込んでいる宮坂お父さんは反射的にとってしまい、

「あ!しまった!!」

と思った時は時すでに遅し。そのままぐいっと引き寄せられると、そのまま宮坂お祖母ちゃんのいまだ豊満な胸の中へ。

「ああ、私の可愛い息子(義理)」

と思いっきり抱きしめます。

宮坂お父さんの身長は少し小柄で、170㎝を切るくらいに対してお母さんの身長は178㎝。しかもヒールの高い靴を履いているので、完全に頭一つは身長差があります。

「もががががぁ~!!」

お父さん、絶賛地獄中。

宮坂お祖母ちゃん、女の子供しかいず、でもどうしても息子が欲しかったらしく、義理の息子の宮坂お父さんの事を、本当の息子の様に溺愛している、少々困った人。


ちなみに宮坂家は、典型的な女系の家系、お祖父ちゃんも入り婿です。


「あらあら、お父さんたら、私の母親ととても仲がいいのねぇ~」

宮坂お母さんが、目が笑ってない笑顔で、玄関に出てきました。

「これは、後でおしお・・・話し合いが必要ね。母さん、そろそろ私の婿さん放してくれるかしら。なんだか窒息しかけてるわ」

ようやく解放されたお父さん。

「なんだかお花畑ときれいな川が見えましたよ・・・」

とふらふらです。

「あ、祖父ちゃんに祖母ちゃんだ」

「わ~い」

子供たちが、出てきて、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんに飛びつきます。

お祖父ちゃんが

「おお、お前たち、この間見た時よりも大きくなったなぁ」

と美咲さんと颯太君ををひょいと抱き上げます。

「文香に陽菜、あなたたちも綺麗になったわねぇ、私に似て」

と文香と陽菜を抱きしめるお祖母ちゃん。

「さあ、いつまでも玄関にいないで、とりあえず上がって」

とお母さんが促します。


「あ、お父さん、散らかしたそのクラッカーのごみ、片つけておいてね」

「はぁ~僕がやったわけではないんですがねぇ」


さてさて、宮坂お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの登場。

ますます宮坂家のお正月が賑やかになりそうですよ。




 

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