EX 田舎暮らしのドラゴンライダー
ここらで気分転換のexを投稿します。
セプト村付近、とある日の昼下がり。
東から昇ったお日様が、暖かい日差しを降り注がせながらゆっくりと西へ帰り始める時間帯。
現在の季節はーー春。
これは、シムルが王都に行く少し前の物語。
***
『ギャォォォォ!』
「オラよォッ!」
跳躍して来た毒々しい紫の体色をした狼ーーパストレンスウルフの横っ腹を思い切り殴りつける。
脇を引き締め、抉りこむような1撃をアッパーの要領で放つ。
『キャウンッ!』
殴った箇所からメキン!とくぐもった音が発され、右拳を通して俺の体に伝わる。
その刹那、パストレンスウルフは大部分のアバラを内臓ごと砕かれてその命を散らせた。
「ふんっ!」
殴った拳を力任せに振り切る。
パストレンスウルフの死骸は、弧を描きながらシムルの周囲に積み重なった骸の山の一部となるべく落下した。
『『『グルルルルル……』』』
残りーー3匹。
俺を囲むパストレンスウルフに対し、構えをとって警戒する。
『ガルルルル!』
仲間の大半を殺られたにも関わらず、パストレンスウルフはまだまだ攻撃の意思を見せている。
チッ、しぶといやつらだ。
「オイコラ、テメェら睨んでねぇでとっとと来いよォ!
お仲間よろしく積み上げてやらァ!」
俺が煽りをかけた瞬間、それを隙と見たのか。
左右にフェイントをかけながら、パストレンスウルフが3匹同時に飛びかかって来た。
ーー正面に1体、左右の背中側に2体。
死角側の2体による攻撃が本命だろうが、この程度の小細工が通用する程俺は甘くない。
「nearly equal:魔狼脚!」
魔法陣を両脚に展開し、正面のパストレンスウルフを解析。
その跳躍力を足に叩き込む。
「フッ!」
俺はその場でバク転して半回転し、逆立ち状態になる。
「食いやがれや!」
そのまま両脚を開いて全身の動きで回転、狼の引き締まった脚力を発揮し俊速の蹴りを奴らの頭に叩き込む!
『『『!?』』』
3匹には悲鳴を上げる暇すらくれてやらない。
俺の両脚に、バキンメキンゴキンと計3回骨の砕ける感触が伝わった。
俺の脚に頭を粉砕された3匹は、赤を撒き散らしながら今まで駆逐したパストレンスウルフと同じくーーいずれも仲間の骸の上に降りかかった。
「よし……これで全部か」
辺りを見回して自らの安全を確認する。
骸の山をザッと確認するが……全部で30匹前後は狩った筈だ。
「それにしても、まさかパストレンスウルフが山に入り込んでやがるとはなぁ」
いやはや、早めに気がついて良かったのなんの。
最近野うさぎが減ってやがるなー、何か居やがるのか?
とか思って山の奥に入ってみれば、この通りパストレンスウルフの群れが居やがった。
こうして全部狩り尽くした訳だが、このモンスターは見たら即殺が常識だ(多分な)。
パストレンスウルフの厄介な所は、群れる大きな狼ってだけでも危ういが、何よりその体に強くもないが弱くもない「毒を持つ」って所だ。
背中側の毒腺から滲み出る毒が、奴らが移動する度に近くにある草木をゆっくりと蝕んでいく。
放っておいたら山そのものが枯れ果てちまう。
挙句、パストレンスウルフそのものは山が枯れ果てる前に繁殖して別の山に移動するらしく、なおタチが悪い。
「さて、一応俺も毒にやられねーように腹と頭を狙ってブチ殺した訳だが……問題ねぇな」
両腕や両脚には毒をもらった時に出来る斑点は一切ない。
ま、この程度簡単にこなせなきゃ親父には追いつけねー訳なんだがーー
『シムル、こんな所で何をしているのですか』
ふいに頭上から声を掛けられ、上を向く。
白い体躯に鋭い一角。
太陽の光が反射してキラキラと輝くその姿はまさに、俺の相棒その人……もとい、その竜だ。
「おう、ソラヒメ。
ちょいと俺の庭を守ってた所だ」
『守っていたとは……ふむ、成る程。
パストレンスウルフ、ですか。
いつの間にかこの山にも入り込んでいたのですね』
俺の周りに散らかる死骸をあらためたソラヒメの声には納得した、と言う雰囲気が込められている。
あまり無駄な殺生をするとソラヒメが煩いが、流石に今回はセーフという事だろう。
『所でシムル、怪我や毒は大丈夫ですか?』
「当たり前だろ。
俺を誰だと思ってやがる」
この山のドンだぞ。
会話をしながら、俺はソラヒメに向かって「アッチに行くぞ」と指でジェスチャーする。
ソラヒメは頷いて、俺が指で示した方向へと飛んで行った。
指を指した方向にあるのは草原だ。
ここだと木が邪魔でソラヒメが満足に降りる事が出来ねぇ。
開けた場所に移動する事にしたのだ。
***
「そんじゃ、今日も行くか?」
『えぇ、行きましょう』
ソラヒメがこの時間帯に俺を探しに来るって事は、いつもの日課をしに来たって事だ。
「フッ!」
地面を思い切り蹴り上げ、ソラヒメの背中に飛びつく。
そう、俺たちの日課「一日一回はソラヒメに乗り、辺り一帯のパトロールを兼ねて空を飛ぶ」だ。
これはソラヒメが俺に示した相棒になる条件のひとつだ。
最初はどんなものかと思っていたのだが、一度乗ったらやみつきになった。
あの時はそんな不純な理由で「よし改めてこれからよろしくな!」なんて言っちまったが。
今となっては、純粋に信頼する相棒の背中に乗っかる事が出来て良い気分だ。
……もっとも、この日課も王都へ行った瞬間に自然消滅するのだが、この時のシムルには知る由もない。
『それではシムル。
ーー飛翔びますよ!!』
「おうよ!」
グウッと体がソラヒメの背中に押し付けられる様な感覚。
その直後に体を襲う浮遊感と、圧倒的な量の風。
「そうそう、これだこれッ!」
地上が、森が一気にミニサイズとなり、視界はどこまでも広がる空が支配する。
圧倒的な自由感ーー今この瞬間だけは、この世界は間違いなく俺たちのものだ。
(さて、これからどこに行くか?)
俺の胸のルーンが輝き、ソラヒメに念話を送る。
ソラヒメが高速で飛んでいると、お互いの声は風にさらわれて届かない。
だから、飛行する時はいつも念話で意思疎通をしている。
《そうですね……それでは滝壺の辺りを一周するのはどうでしょうか》
(良いねぇ。
ノッたぜ)
***
ーー滝壺。
何のひねりもない、田舎の渓谷の奥にある滝と滝壺。
ただ、途方もなくデカイ滝だ。
この世の水が全て流れてるんじゃないか、そう思わせる程に広く大きな清流が虹を作りながら轟音と共に流れている。
(うおっ、いつ見ても良い光景だなぁ。
ソラヒメ、いつもの頼むぜ!)
《えぇ、良いでしょう。
しっかり掴まっていて下さいよ!》
ソラヒメが滝に沿って急上昇。
そのまま滝の上部へと移動し、滝の横から裏側へと入り込みーー
「ウォォォォォォォォッ!
痺れるぜェェェェェッ!!」
一気に滝の裏側を潜り抜ける!
轟音が響く青い世界の中、水飛沫が顔に飛び散り、突き抜ける爽快感が体を駆ける。
そしてソラヒメが滝の裏側を抜けると同時に、天へと躍り出た。
《シムル、どうでしたか?》
ソラヒメが満足気な声で聞いてくる。
(言うまでもねぇだろ?
……やっぱお前、最高だ!
まだまだ行こうぜ!)
《えぇ、勿論!》
こうして、俺とソラヒメは幾つかの飛翔ルートを巡るのだった。
渓谷内、森の上、草原の上、山の頂。
そして最後はーー雲の上。
白く不透明だった視界に、一気に青が弾ける。
あるのは青と太陽だけだ。
流石に少し肌寒いが、そこまで寒くはない。
ソラヒメ曰く「私に乗っている間はルーンを通して貴方の体を大幅に強化しているので、高度が上がっても体には大した影響は出ません」らしい。
詳しい仕組みは分からねーが、お陰で気分は最高だ。
(ソラヒメ、お前の見てる世界ってのはマジでこう……何度見ても綺麗だな!
何時ものことながら最高だ!)
《それはありがとうございます。
そうですね……それに2人で飛ぶと、本当に気分が良いですね》
優しい声でソラヒメは答える。
うんうん、やっぱお前は最高の相棒だ……って、ん?何だこりゃ?
(オイソラヒメ、何か真下の辺りで感じねーか?)
ソラヒメのルーンで強化された第六感が、真下に存在する大きな魔力を感じている。
《確かに何か……いますね》
ソラヒメも俺と同じものを感じたらしい。
(俺の……いや、俺たちの庭を荒らす不届き者かもしれねーな)
《えぇ、そうですね》
お互いの意思はそれで確認できた。
ならば、後は行動に移すのみ。
(行くぜ、相棒!)
《行きましょう、相棒!》
ソラヒメが太陽の方向へ、くるりと一回転して頭を下へと向ける。
そのまま感じ取った魔力源へと彗星の速度で直滑降する。
(ソラヒメ、見えてきたか?)
ある程度地表と近づいた所でソラヒメに声を掛ける。
ソラヒメは目が良い。
きっと何かを見つけているはずだ。
《居ましたーーティラノボアですね》
ティラノボア、か。
全長30m前後の蛇だが、その実は体に魔力を持つ動物、つまりはモンスターだ。
パストレンスウルフの毒の様な特殊な能力は無いが、その大きさが問題で、パストレンスウルフ30匹位なら一口で丸呑みできる。
言っちまえば暴食の権化だ。
こいつも放っておけば山を荒らしかねない不届き者と言える。
また、今の季節が春である事もティラノボアを放っておけない要因のひとつだ。
冬眠から目覚めたばかりの腹を空かせた奴は、恐らくこれから暴食の限りを尽くして山を荒らすのだろう。
俺にもティラノボアが見えてきた。
黒い鱗を太陽光で光らせ、チロチロと舌を出し入れしながら谷の中を悠々自適に進んでやがる。
(ティラノボアかーーソラヒメ、分かってるな?)
《言わずともがな、ですよ!》
ソラヒメが急降下しながら光を圧縮し、雷撃のブレスを放つ。
しかし、ソラヒメが雷撃のブレスを口に溜めた時点でティラノボアは素早く逃げた。
は?
一体どういう原理で……っと、蛇は舌で熱を感じるんだったか。
ティラノボアのチロチロ出し入れしてやがる舌に目が止まる。
「図体の割には速えし勘も良さそうだったが……別に、ソラヒメだけが攻撃する訳でもねぇんだぜ?
ーーnearly equal:星竜咆哮ッ!」
ソラヒメの雷撃を魔法陣で解析し、ティラノボアが逃げおおせる方向に向かって右拳の魔法陣から雷撃を放出した。
「爆ぜろォ!」
『キシャァァァァァ!?』
小爆発を起こしながら、雷撃がティラノボアの体の真ん中に命中する。
ティラノボアが予想外の不意打ちを食らった事で、その巨体をのたうち回らせている。
「よし、動きが止まーーッ!?」
2発目の星竜咆哮を発動してティラノボアへトドメを刺そうとしたその時。
奴はその巨体をくねらせながらメチャクチャに大回転し、俺達に向かって渓谷内に転がる岩や折れた木々を大量に投げつけてきやがった。
『シムル、掴まって下さい!』
ソラヒメがすかさず回避行動を取る。
唐突な方向転換に体が遠心力に持っていかれかけるが、ソラヒメに全力で張り付いて耐える。
視界の中で天地が何度も反転し、上下の概念など存在しなかったかの様な錯覚を覚える。
(ーーオイコラ!
あんの蛇野郎!!
蛇が飛び道具を使うとか冗談だろ!!!)
《実際に起きてる事に関しては、決して冗談とは言いませんよ》
(冷静なツッコミをありがとよッ!)
念話で軽口を叩きながらも、ソラヒメは左右上下から降らされる障害物の雨を器用に避けていく。
ーーチッ、ラチがあかねぇ。
こんなにソラヒメが動いてちゃ、俺がティラノボアを狙い撃つ事も難しい。
適当に星竜咆哮を撃って渓谷を崩して下敷きにするって手もあるが……ダメだな。
恐らくあの大きさじゃ岩の下から這いずり出てきやがるだろう。
撃つだけ無駄だ。
『シムル!
掴まっていて下さい!』
ソラヒメがそう叫ぶと、大きく一回転してギリギリの所で降らされた巌を回避する。
「クソ、いつまでもこんな事繰り返してりゃあその内当たっちまうっての!」
ソラヒメの背で両脚を踏ん張り、右腕で体を固定しながら挙げる。
ソラヒメと密着していた体が離れた事により、モロに風を受け、体が後ろに持っていかれかけるがーー
「ーー根ッ性ォォォォォォ!
nearly equal:星竜咆哮ォォォォォォ!!」
ーー全身の筋力を総動員して風圧に耐える。
左腕に魔法陣を解放、天に向かって特大の雷撃を放つ。
雷状に拡散しながら放たれた雷撃は、俺とソラヒメの真上から降る障害物全てを砕き、蒸発させた。
(今だソラヒメ、上昇しろ!)
《分かりました!》
ソラヒメは一旦、ティラノボアから飛ばされる障害物が届かない地点まで飛翔する。
(……さて、ソラヒメ。
あの蛇野郎を倒す方法についてだ。
ーー多分俺とお前の考えは一致してると思うんだが、どうだ?)
《えぇ、私もそう思っていた所です》
《(ここからティラノボアを狙い撃ちだ)します》
俺達は同時にティラノボアを討伐する方法を伝え合った。
当然意見は一致している。
まぁ、至極単純な話だ。
中距離でティラノボアの反撃を食らうなら、遠距離から一方的にボコせば良いだけだ。
ちなみに、ソラヒメのブレスとそれを解析した星竜咆哮は当然この距離からでも、または雲の上からでもティラノボアを狙う事ができる。
ーー天から放たれた雷が、地上へと落ちる事は何ら不自然な話では無い。
(相棒、準備は良いか!?)
《いつでも!》
地上から俺達を見据えるティラノボアを、俺もまた見据える。
細められたあの眼は捕食者の視線そのものだ。
また降りてきたら次こそ墜としてやる、そう語りかけてきている。
だがーー
「そいつは思い上がりだぜ、この蛇野郎」
弱肉強食こそが自然の掟。
今この場において強いのは蛇野郎、お前じゃない。
ーー俺達だ!
「nearly equal:星竜咆哮ッ!!!」
『ハァッ!!!』
俺とソラヒメは同時に雷撃を放ち、大地へと特大魔力の光の筋を伸ばしていく。
それを見たティラノボアが先ほどと同じく逃げようとするがーー。
「無駄だっての!
これだけの範囲に落ちる落雷を、お前のそのデケェ図体で躱しきれるわけがねぇだろ!!」
範囲を拡散しながら空間にヒビを入れるかの様に落下する2発の落雷は、既に渓谷全体を包み込む程に広がっている。
どこへ逃げようとも、文字通り光の速度で迫り来る雷撃から逃れられる術は、最早存在しない。
ーー次の瞬間。
『キシャアアアアアアアアアア!!!???』
雷撃を食らったティラノボアが黒い体表を焦がしながらも電撃で白く発光し、大きな断末魔を渓谷中に響かせた。
(よし、一丁上がりだな!)
《えぇ、そうですね》
***
「さて、そんじゃいただきます」
『いただきます』
晴れた夜天の中、俺に続いてソラヒメも復唱する。
そしてお互い同時とも言えるタイミングで焼けた肉にかぶりつく。
おう、振りかけた粗塩が良い感じだ。
肉の質感は鳥に近いが、かといってそんなにアッサリともしていない。
程よい脂が乗っている。
目の前で炙っている肉からジュワジュワと油が滴たり良い匂いを辺りに漂わせ、一層食欲が増していく。
時々肉の下から鳴る「パチッパチッ」と言う音もリズミカルに聞こえ、悪くない気分だ。
「んん、中々美味えな。
蛇って案外生臭くねぇんだな?」
冬眠から覚めたての肉にしちゃあ中々美味え。
『いえ、恐らくティラノボアが特殊なだけですよ。
まさかここまで美味しい蛇が居るとは私も知りませんでした』
俺の質問に答えながら、ソラヒメも横でティラノボアの骨つき肉をがっついている。
そう、さっき倒したティラノボアは俺達の夕飯になったのだ。
雷撃で焦げたティラノボアから良い匂いがしたので、ソラヒメに「食えるか?」と聞いた所、『毒はないので』と言う返事が返ってきた。
そこで俺はソラヒメに肉の見張りを任せて一旦家に戻り、塩やら肉を解体する為のナイフやら取りに戻ってたら……星が輝く真夜中になっていた、と言うわけだ。
「うんうん、上手く焼けたな。
オイソラヒメ、お前お代わりは……」
俺の身長の半分くらいあるこんがりと焼けた肉を、骨を掴んでソラヒメに渡そうとした所。
『いいえ、お気遣いなく。
シムルは自分の食べる分だけ焼けば大丈夫ですよ』
ソラヒメ様はそのご自慢の雷撃で、ティラノボアの体そのものを炙ってはちぎり、口に運んでいらっしゃった。
いつもの言動からは考えられないほど豪快な食いっぷりだ。
こうして改めて見ると、実はソラヒメって結構食うんだよなぁ。
体長だけなら明らかにソラヒメを越すティラノボアの肉も、夜が明ければ骨しか残ってねぇんじゃないか、とか思う。
……ティラノボアの胴体の太さは、太い所だと俺の身長を楽々越す位はあるのだが。
『ふむ、この部位の味も中々……っと、シムル。
食べ飽きたのならこの部位に塩を振りかけてくれませんか?
味の変化を楽しみたいので。
その他の調味料も、あるなら少々お願いします』
……そうそう、もっと言えばコイツ案外グルメだったっけな。
竜だけど。
「へいへい、分かったっての」
俺は齧りかけだった肉を口に詰め、骨を放り投げて塩やらその他が入った袋を持ち、ソラヒメの方へと歩いて行った。
そんなこんなで夜は更けていき。
ソラヒメがマジでティラノボアを完食した所で、家に帰るのも面倒だからと言ってソラヒメと一緒に野宿する事にした。
適当に草が生えている所でソラヒメが丸まり、ソラヒメの翼の裏に俺が入る。
翼の中は風を避けられる上、ソラヒメの熱が篭っていて意外と暖かい。
寝心地もそこそこでそんじょそこらの下手な寝床よりは良く、それなりに眠りやすいのだ。
何より、臭くも無く何故だか良い匂いがするしな。
「そんじゃソラヒメ、おやすみ」
『おやすみなさい、シムル』
ソラヒメと今日最後の言葉を交わし、俺は目を閉じた。
明日は何をしようか、そんな事を考えているうちに、意識は自然と夢の中へ入った。
シムルis自由人と言った風に(個人的には)原点回帰した話でした。
そこそこ人気があれば続くかも(?)




