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王都の町で初デート4

幕間の物語なのではっちゃけます。

目覚めろ作者の執筆りょk((ry

昼飯を食った俺たちは銀行内の換金所へと戻って来た。


「エイブさん、鑑定は終わりましたか?」


「えぇ、終了致しました。

こちらの星結晶1つで2500万ユグになります」


「おぉ、マジかよ...」


さっき食ったサンドイッチが大体1品500ユグ。

単純計算でその50000倍。

...ソラヒメ、コレをどう使えと。


「あのー、エイブさん?」


「はい、いかがなされましたか?」


「星結晶ってこのサイズだと1つ500万ユグ位だと思ってたんですけど...どう言うことですか?」


テーラが恐る恐る聞くと役人は髭を掻きながら困ったような顔をした。


「いやはや、それがですね。

この星結晶は出来立てホヤホヤの様に純度が高いのです。

ご存知の通り、竜結晶とは通常なら凄まじい硬度を誇る魔力原石の中から長い時間をかけて掘り出すものでございます。

その掘り出すまでの長い時間の間に星結晶から魔力がある程度抜け出て純度が低下してしまうのですよ。

しかしながら、この星結晶は魔力が完全と言っていい状態にあります。

これ程までに上質な星結晶、どの様に手に入れなさったのですか?」


「えっと...そのですね...」


「おっと役人さん。

ここから先は企業秘密なんで詮索はよして貰いたいっすね」


どもり始めたテーラに助け舟を出してやる。


「...確かに、テーラ様のお家は豪商でございましたね。

テーラ様も企業の秘密をおいそれとお話できる訳がありませんでしたな。

申し訳ございません、ご無礼をお許しください」


そう言ってテーラに頭を下げる役人。


「い、いえいえそんな!

...ただ、確かに入手ルートが少し特殊なので今回の事は内密にしていただけると...」


そりゃそうだ。

伝説の星竜が作って投げ渡して来ました、なんて言えねーしな。


「ええ、それは勿論。

では、こちらの書類にサインをお願いします」


「分かりました」


テーラは役人から書類とペンを渡されるとポケットから判子を取り出して色々と書き始めた。

テーラが書類に集中しだすと、役人の視線は次に俺へと向いた。


「所で、先程からテーラ様と一緒におられる貴方様はテーラ様の御学友ですかな?

見た所、その制服は王立ローナス学園の物とお見受けしますが」


「まぁ、一応俺もローナスの学生っすね。

ちなみにテーラは俺の彼女(ガールフレンド)なんで。

俺の前であまり仲良くしないで欲しいっすね、妬けちまう」


戯けた態度で適当に答える。


「フッ、フフフ、ハハハハハ!」


すると何処にツボったのか大爆笑し始める役人。


「...どこかおかしな所が?」


「いやはや、申し訳ございません。

こう言っては何なのですが、ローナスの生徒さん達はどうも頭でっかちばかりだと思っていたのですよ。

しかし、まさかこの様な面白い方も居ようとは!」


ひとしきり笑った後何故か俺を褒め始める役人。


「ウッス、そりゃどーもっす」


「ふぅ、書けましたよ」


テーラが書類から顔を上げる。


「はい、ありがとうございます。

それにしてもテーラ様も隅におけませぬな。

この様な素晴らしい御仁と恋仲になられるとは。

もしかしてこのお金は、新生活への布石でありますかな?」


カウンターに金が入った袋を置きながらテーラに質問をする役人。


「そ、そんな事は...」


テーラが赤い顔してあたふたし始めた。

よし。


「いやぁその通りっすよ。

俺もこんな良い女を逃すつもりは無いんで。

これから彼女の家に顔を出すつもりなんすよね」


ニヤニヤしながら役人に言ってみる。


「なっ、シムル!?」


おうおう、良い感じに慌ててるねぇ。


「ホホホホ、やはりそうでございましたか。

それではお二人共、お幸せに」


役人もニヤニヤしながら俺たちを見てくる。

この役人とは気が合いそうだ。


「ち、違います、違いますって!

流石にまだ早すぎます!!」


「「ん?まだ?」」


俺と役人の声がハモる。

するとテーラは「あうぅ...」と言って顔を真っ赤にしながら俯いてプルプルし始めた。


「やっぱテーラは可愛いなぁ。

どうっすか役人さん」


「えぇ、その通りでございます」


テーラの顔が限界まで赤くなる。


「もう!!!

何よ何よ何よ!!!!!!

もーーーーーー!!!!!!」


遂にテーラが爆発した。

人目を気にせず大声を出している辺り極限までアガってるなこりゃ。


「シムル!

エイブさんからお金を貰って!!

直ぐに行くわよ!!!!」


「ウッス、了解っす!」


プリプリしながら大股で銀行を出て行こうとするテーラ。

怒号に若干引いて敬語っぽくなっちまった。


「それじゃ役人さん、俺ら行きますんで」


「えぇ、これからもテーラ様をお大事に。

...所で、貴方様のお名前は?」


「シムルっす。

ほんじゃまた」


役人から金の入った袋を貰って脇目も振らずにテーラの後を追う。

こりゃちょいとやりすぎたかな。



「むぅ...あそこまでからかわなくても良いじゃない」


大通りを歩きながらムスッとした顔で言うテーラ。


「悪かった悪かった。

それにしてもあそこまでテーラが真っ赤になるなんてな...ハハハッ!」


「もう、馬鹿にして!」


「いやいや、馬鹿にしてねーって。

寧ろ俺は嬉しかったぜ?

『まだ早い』何て言葉が聞けたのは嬉しい誤差ってやつだった」


「なっ!

あの...その......うん。

まだ早いかなぁ...って」


急に顔を赤くしてしおらしくなるテーラ。

コイツ、可愛いすぎんだろ。

思わず抱き着く。


「ちょっとシムル!?

ここ人前なんだけど!」


「もー無理、限界。

お前が可愛い過ぎるのがいけねーわ」


「何よそれ。

...でも、少しなら...」


そう言って俺たちは人目を憚らずに暫く抱き合っていた。



「さて、そろそろ移動したいんだけど、どこに行く?」


抱き合った後、俺たちは今後の予定を考えていた。


「うーん、そうね。

まだ時間ならどこか1箇所にだけ行くのも考えものね...。

この際だから、王都の中をぐるっと一周するのはどう?」


「お、良いなそれ。

金はあるし、回った先でいい店があったら入ろうぜ」


王都(ここ)はこれから暫く住む町だ。

この機会にテーラに案内してもらうのも悪くはない。


「うん、そうしましょそうしましょ!

ならまずは噴水公園から回った方が良いわね。

色々なお店があるし」


そうして俺とテーラは王都一周ツアーを開始した。


噴水や大きな建物の並ぶ町並みはとても綺麗だ。

田舎の自然とはまた別種の華やかさがある。

それに、建物の中に入れば店があるのは当然だとは思っていたがその店の種類の多さに驚いたりしていたあれであった。

シムルisチョロい

テーラisチョロい


幕間の物語だから仕方ない(超チョロい)、ご容赦を。

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