結果 BL(ベーコンレタス)は、美味しい
お暇なとき、本当に暇つぶしに見てくださいませ。宜しくお願いします。
「好きです!付き合ってください」
私は、動揺して周りを見渡す。
ここは教室。そして放課後。
日直の仕事、日誌を書き終えた私は職員室によってから帰ろうと思って席からたった所。
よし!今の状況を確認できた。
目の前で、私に話しかけたのであろうクラスメートに目を向けると目が合った瞬間、顔を赤くしてうつむく。
今、私は告白されたらしい。下を向いてしまったので顔ははっきり見えないが、整った顔立ちなのは分かる。
髪の毛は黒でさらさらだし、にきびもしみもない肌は触ればさぞかし気持ちいだろう。
背の高さは、私より少し高いぐらいだろう。163cm…ぐらいかな?
私の答えを待っているのであろうその様子は、両手をもじもじさせて私をチラチラ見ていた。
うん、可愛いね。私より女子力高いと思うよ。
正直、先ほどまでまったくと言っていいほど興味もなかったけどね。
彼を『普通』のクラスメイトとしか意識していなかったから…ちがう…そうとしか見えてなかった。
この世界の常識が彼の存在を『普通』の男子高校生にしか見せてなかった。
その常識がなくなった私には、目の前の彼が美少年にしか見えない。
そもそも『普通』って何?って状態だ。
彼が『普通』であるのならその他はゴミか?ゴミなのか?
私の設定は、学園で三番目ぐらいに(中途半端な)人気のある女子らしいが、そんな気配は感じなかったぞ。
っていうか私モテてたのかな?そういや、高校に入ってから良く告白されるなぁ?っと思ってたけど、そういう設定だったのか!いや~ビックリ。
っと言う事は、ここで私は彼にお断りをするのか。
『ごめんなさい』って一言で終わる。
この美少年を断った後でこの『物語』は進む。
美少年=主人公くんは、幼馴染(男)と従兄弟(男)との壮大?な恋愛物語が始まる。
もちろん幼馴染(男)も従兄弟(男)もイケメンである。
学園での女子人気を二分する勢いの二人であり、かくゆう私も従兄弟(男)に恋をしていた模様。
えっ、今?ないわ~ないない。
今の従兄弟(男)に落ちた恋心は、ただ今拾いあげました。
腹黒眼鏡はお腹いっぱいです。私には手におえません。
一番は関わりたくないです。
女子に徹底的に冷たかったから、女に興味がないんじゃないかって言われてたけど、本当に興味なかったんだな!逆にビックリだよ!
実は、心に決めた女性が!ってのが普通の展開だろうが!
まぁ…一途だったってのは、いいのかな…?大丈夫、偏見はないし…。
それにしても私、従兄弟(男)の何処が良かったんだろう?
眼鏡か?眼鏡なのか?眼鏡しか考えられない(断言)
話した事もないし、惚れるための下地がまったくない。
これなら、幼馴染(男)のほうがまだ分かる。
女の子に優しいし、王子様みたいな容姿。
問題は、女の子に対して誠実ではない事。
主人公くんの代わりなのかしらないが、そりゃあもう女の子をあ~んな事、こ~んな事をしている。
昨日何て、廊下でチューしてる現場に遭遇してしまったよ!
しかもアレですよ!濃厚なやつ。
あまりに堂々としてたのでガン見しちゃったよ!
イケメンって何しても許されるのね…。
風紀委員、仕事しろ。リア充バクハツしろ。
女子に手を出しまくっていたのは、フェイクってやつか?
すごく騙されてたよ!
いいじゃん!同性を好きになったって!
恋は落ちるものだ!好きになる事は素敵な事じゃない!
主人公くん、めちゃくちゃ可愛いんだし、仕方ないよ。
そうかぁ~。主人公くんは波乱万丈だなぁ…。
確かこの後…私に告白した事で、クラスメイトにいじめられる…。
んっ?いじめ?
そういえば、私(学園三位)に告白するなんて、身の程知らずっとか言われて周りにからかわれてクラスの男子に性的ないじめが…。内容が18禁だったんね…。がっつり色々されてたよね…。
…ならコレ断ったら私のせいで色々…。
ちょっちょっとまって…断れないよね。
まぁ…少し惜しいなぁとか思っていないこともなかったり…。
だって美少年よ!美少年!!
断るなんて 残念な事出来ないよ!
『物語』なんてもういいよ!
良く考えたらいじめにあってる間、幼馴染(男)も従兄弟(男)も自分に頼ってほしくて放置してるし、ギリギリで助け出して弱っている所を襲うし最低なヤローだしね。
人をいたぶって楽しむ思考にある属性には興味ない。
でもなぁ…幼馴染(男)と従兄弟(男)の彼に対する思いとか切ない表情とかいいのよね~。
二人に愛される主人公くん(美少年)も『物語』としては楽しかったし…。
でも…どうせそんな三人の絡みなんて見ることできないし…。
主人公くんの部屋とか、家も知らないのに覗きにもいけないし。
見れないならどうでもいいかなぁ?
どうやら、私はBL漫画(18禁)『君とロイヤルラブ』の世界の中の住人になってしまったらしい。ここまで色々考えてやっと転生したみたい~って事を認められた。
だって、この美少年が『普通』なんだよ。(振り出しにもどる)
友人に借りてた漫画の中なんて、どうしてこうなった?!って思うより、現状に困っている。
この漫画の絵が奇麗でムフフッってシーンもそりゃもう堪能させてもらってました。
初BL漫画がこの作品であり最後になったみたいだ。
漫画を見ていた私がどうなったのかは知らないけど。
告白かぁ…そういえば、友人からこの世界を好きだと告白された時
BLの世界を本当に全く知らなくて友人に
『ベーコンレタスの略じゃないぞ』っと笑いながら言われたんだが、私には『そんな略もあるのか!』っと感心したぐらいだ。
もともと冒険しない性格の私は、定番のハンバーガーしか食べたことがなく、何となくその日の放課後、初めてベーコンレタスバーガーを食べた。
その時の感動を分かってもらえるだろうか?
シャキシャキのレタスにカリカリの程よい塩味のベーコン。
マスタードの入ったマヨネーズソースとの絶妙なハーモニー…。
とにかく美味しかった…。
何故、今まで食べていなかったのだろうか…。
冒険ができない意気地なさが嫌になる。
口の中に味を思い出しヨダレがたまってきた…。
ゴクリ…
「お腹すいた…」
私の呟きに、主人公くんは少しあわてながら言う。
「…何が食べたいですか?」
「BLバーガーが食べたい」
「分かりました!行きましょう!」