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[0]2306年、第三次世界大戦に次ぐ、第四次世界大戦が開戦された。理由の詳細は不明だが、同盟軍「独・露・伊」に対して、連合軍「日・米・英・千」等々が戦い、結局連合軍が勝ったということと戦いの細部情報が唯一知る情報。
更にこの戦いは世界的な戦争だったにも関わらず、僅か三ヶ月で終戦を迎えた。
その理由は連合軍加盟国の『超族』の影響が最も大きい。
『超族』とは超能力、という異能力を生まれながらにして持っている家系族のこと。日本には現在、18家存在し、『有馬』『伊竜』『長永』『片桐』『紀中』『近藤』『真城』『史孝』『皇』『瀬名』『泰冠寺』『千波』『津賀野』『永近』『藤沢』『将田』『龍理』『和奏』である。
序列で考えれば1:『真城』2:『紀中』3:『龍理』4:『伊竜』5:『長永』6:『藤沢』7:『有馬』8:『片桐』9:『史孝』10:『泰冠寺』11:『永近』12:『片桐』13:『皇』14:『瀬名』15:『千波』16:『津賀野』17:『将田』18:『和奏』の順番。
この中の序列1/2/3/4位の当主達が第四次世界対戦に参加。直ぐに戦地、具体的にはウクライナ南部前線に送られた。
送られた直後、2時間で決着がつき、残存兵力はすぐさま撤退。
この様にして三ヶ月後、同盟軍は全面降伏。
この出来事により、超族の力の差を見た世界は『異能力者』などと馬鹿にしていたのを180°変えて誰もが敬うようになった。
そして、超族の先進的社会進出が見込まれた。
しかし、ことはそんなにうまくはいかない。何故ならば一つ一つの事には必ず賛成するものと反対するものがでてきてしまうからである。
2307年6月11日、超族序列第一位の真城家の邸宅で暗殺事件が発生。被害者は真城家現当主、真城幸とその娘、真城結衣だ。
この事件は日本国政府を深く困らせた。理由の一つは隔離超能力『無敵城』で閉められた入口の『厳門』と呼ばれる門をどうやって突破したかということ。
そしてもう一つはどうやって『最強』の二人を殺害したかと言う事。
仮に『厳門』を突破したとしても、どうやってあの二人を殺害できたかが謎だ。
真城幸の超能力『絶対防御/インモータル』はどんな攻撃も通用しない名称通りの防御力を誇る。
どんなに殺傷性が高い銃なんかの凶器でも効かないので、武器を使っても意味がない。
更に真城結衣の超能力『禁忌掃射』は相手の周り360°から破壊光線を放つ完全攻撃を有する。
この二つの能力を合わせて使えばそこらにいる人間などただの虫けらにも関わらずやられたというのは完全におかしい。
最終的に政府はこの事実の詳細を伝えず、ただ殺害されたということにとどめた。
この事件に対して、ある少年はこれを最悪の出来事として記憶に植え付けた。
しかし、この『最悪』はいつか『最良』となるきっかけとなる。
その少年の名は―――真城優―――