三つ巴の最終決戦
スカイツリーの展望台で、沖中美紀は全ての段取りを終え、覚悟を決めて携帯電話を取り出しかけた。相手は濱崎綾子だ。
「もしもし。悪魔さん?沖中美紀よ」
「驚きね、本当に生きているなんて…。で何の用?」
「用があるのはお互い様じゃないかしら…。携帯で声を聞いただけじゃ、こっちの居場所は分からない?」
悪魔の力を以ってすれば、この状況なら相手の居場所に一瞬で移動できるが、何かが阻んでいた。
「…」
「どうやら悪魔に感知されない護符の力は効果があったようね」
「そういうこと…。どこにいるのか教えてくれないかしら」
「スカイツリーの展望台よ」美紀はいよいよ自分の居場所を綾子に教えた。
それをきっかけとして、移動しようと試みたが綾子はまたしても何かに阻まれた。
「まだ何か罠があるようね」
「ご名答。邪悪なる者の進入を阻む結界も張ってあるわ。こっちの意図しない場所に現れたら困るからね。自分の足で来るしかないわ」
「そう。人間ごときが…。分かった。あえてここは誘いに乗りましょう」
綾子はそう言うと、一陣の黒い風に乗ってどこかへ移動した。到着した先には羊皮紙を破り捨てた向山がいた。
「濱崎綾子…」向山は突然現れた綾子に向かって、名前を呟くと銃を向けた。
「向山警部。人間の身でフォルネウスを葬るなんて…。一体どんな手を使ったの?」
「仲間の消滅を感知できるようね。でも企業秘密よ」
「まあいいわ。私はこれから沖中美紀のいる、スカイツリーの展望台へ向かうから、あなたもどう?」
「…どういうこと?」
「五百年前と違って、私の知らない存在が現れ出したってとこかしら。それも人間の中に…。沖中美紀もそうだけど、悪魔をたった一人で倒す人間を放ってはおけない。面倒だから二人まとめて相手してあげる」
綾子はそう言うとただならぬ瘴気を放ち、向山を威嚇した。
古武道の息吹によって、胆力と気力を練って邪悪な気に耐性を高めた向山であっても、綾子の放つ瘴気にそれらを一気に削られた。
「フォウルネウスのように甘くわないわよ」綾子は不敵に笑った。
「確かにそのようね」向山は全身から噴出す汗を止められなかった。
「先に行ってるわ」
綾子はそう言うと、再び黒い風に包まれその場から姿を消した。
辛うじて気力を振り絞った向山は、覆面パトカーに乗り込みスカイツリーへと車を走らせた。
展望台へ上がるエレベータは、時間によって制限されてあとは非常階段を上がっていくしかなかった。綾子は特に警戒するふうでもなく、単なる観光客のように階段をあがり、ドアを開けた。
照明は消えており、窓からの街明かりだけがフロアをほんのりと照らしていた。
壁や床には、いたるところにヘブル語やラテン語で書かれた文字や魔法陣があり、奥の床にはブルーシートが敷いてあった。
「来たわよ」綾子は闇に向かって声を掛けた。
返事は無い。しかしその代わり、屈強な黒服の男が二人、フロアの中央に立っているのが見えた。男たちは綾子を認めると同時に走り出し、綾子めがけて突進した。それぞれ手にはナイフを持っており、刀身には退魔用の文字が刻まれている。
「小賢しい」綾子は手を前に翳し、男たちの突進を魔力を使って停止させ、逆に吹き飛ばして柱に激突させた。
「さあ、沖中美紀。出てらっしゃい」
すると一番奥の柱から人影が現れた。無論沖中美紀だ。
「その吐き気の出るような瘴気、それにこれだけの結界の中でこの強大な魔力を使えるなんて…。最初はエスパーかサイキックとも考えたけど、やっぱり悪魔って本当なのね」
「その証拠に結界に阻まれて移動して来れなかったでしょ」
綾子は魔眼を使って沖中美紀を見た。
「その魂、違う人間のもののようね。でもオーラの質は前のあなたのもの…。あなたは俗に言う妖怪かしら」
「失礼ね。悪魔にそんなふうに言われたくはない」
「でもあなたのような存在は、魂の管理をする悪魔にとっては、きっと業務に支障が出るわ。今ここで排除する」
「やれるものならね」
「その前に、もう一人ゲストが来る」そう言うと、綾子は非常口の方を向き直ってドアが開け放たれるのを見た。警視庁の敏腕警部向山だ。
「ゲストって、また面倒なのを呼んだわね」美紀は向山を見て吐き捨てた。
向山は手には突撃銃、背中にはロケットランチャーを背負っていた。
「ようやくご対面ね、沖中美紀。あなたが教えてくれた山中直之は、たった今逮捕された。でもそんなことは無意味。あなたたち二人を処理しない限りは、人々は安心してこの世界で暮らせない」
こうして東京スカイツリーの展望台で、人外の存在と人間の治安代表が会し三つ巴の図式が完成した。
先に動いたのは濱崎綾子だった。
沖中美紀に向かってゆっくり歩を進めた彼女は、魔眼を保ったまま呪いの言葉を吐いた。
その言葉を耳にした美紀は、両膝を付き口から血を吐いた。
「あなたを一瞬で末期の胃がんにした。苦しんで逝きなさい」綾子は微笑した。
綾子は、床に敷かれたブルーシートの手前で止まりシートをめくった。
「これがあなたの切り札ね」
そこには直径五メートルの大きな魔法陣が描かれていた。魔法陣は強大な力を持つ魔王クラスの悪魔を封じることの出来る結界だった。
「よくこれだけの古いものを調べ上げたわね。でも陣に入らなければ意味は無い」
「止めなさい!」向山が手に持った銃を綾子に向けて連射した。弾丸はもちろん銀製だ。
背中に食らった綾子はややふらついたが、ゆっくりと向山を向き直った。
「人間の世界に来て、弾丸を食らったのは初めての経験よ。結構痛いわね。でもあなたの相手はちゃんと用意してあるわ」
綾子はそう言うと、自らの手首を噛んで切り、滴る血で床に新たな魔法陣を描いた。なにやら呪文を唱えると魔法陣の中から、火車に載った美しい青年が現れた。その額には山羊のような角を二本生やし、背中には天使のような白い翼が二枚あった。右手に大剣、左手に盾を持っている。
「本来私は双子の姿。もう一人の私が相手をする」
向山はリアルな悪魔の姿の綾子と対峙して睨み合い、その場を動けなくなった。
「さて、沖中美紀。もう終わり?」
美紀は、急激な胃がんの発病に苦しみながら、綾子を睨みつけていた。
「じょ、冗談言わないでよね。私は不死身が売りなのよ」
そう言い放つと美紀はナイフを取り出し、自らの首の動脈を一気に切り裂いた。
「こ、この魔法陣は、い、生け贄が必要らしいわね。丁度いいわ」
美紀は自らの身体をダンスのターンのように回転させ、床や壁に自分の血を撒き散らし、その場に倒れた。魔法陣そのものはこれで完成する。
「なるほど…。不死身をいいことに自らを犠牲にして魔法陣を完成させた訳ね。でも無駄よ」
綾子が身を屈め、手を床について魔力を込めると床はビシビシと音を立てて亀裂が入り、魔法陣の絵柄が崩壊した。
一方向山はもう一人の綾子、リアル悪魔と応戦中だ。横に回りこみながらブルパップ型の突撃銃を効率よくこまめに打ち込んでいく。悪魔の持つ盾に阻まれ命中してはいないが、有利な形で距離は縮まっていった。しかし敵もさるもの火車から一気に跳躍して向山の正面に着地すると、右手の剣で攻撃してきた。間一髪でかわして柱に身を隠すと、太い柱に剣がめり込み柱がバターのように切れた。剣の切れ味に驚いた向山だったが、攻撃が大降りになったところを見逃さず、すかさず左手の甲を撃つと悪魔が持っていた盾は、その手を離れて遠くの床に転がった。悪魔の手からは血が流れている。
その手を舌でひと舐めすると、あっという間に傷が塞がった。
「さすがにこっちも不死身か」向山がそう呟くと、悪魔は剣を反して、第二撃を放ってきた。
「柱をバターのように切るなんて、切られれば一撃であの世行きだわ。でも柱が切れるなら物理的に対処できる証拠」
向山は迫り来る悪魔の剣を、真剣白刃取りで受けようとしたとき、悪魔は口から火炎を吐いた。
「きゃあ」向山の左肩が焼かれ、一部髪の毛が燃えた。さすがに怯んだところで受け損ない、右の脇を剣が掠めた。体勢を立て直すため後ろに飛んで、弾幕を張るため銃を連射したが、数発で弾切れとなった。
「ヤバい」
崩れた体勢のまま、銃本体を盾にして攻撃を凌ぐ。
火傷した肩と、切られたわき腹を庇いつつも、向山は床に転がり距離を取ろうとしたが剣と火炎の波状攻撃の前に、防戦一方となった。どうする向山、一世一代のピーンチ!
死亡した沖中美紀を横目に、綾子は向山の戦況を確認して勝ち誇った。再度美紀の死体に魔眼を向けて魂の動きを監察する。魂は身体を抜け浮遊しているのが分かった。通常はこのあと魂の尾を切るため死神が現れる。
しかし次の瞬間、何者かの影が突如として出現した。影には黒い翼が生えており、翼を使って左右から魂を抱くように包み込み、そのままどこかへ姿を消した。
「何!今のは…?」綾子は驚きを隠せなかった。
更にその後、これもどこからか一つの魂が浮遊してきて、沖中美紀の死体に重なった。
綾子は目を丸くしたが、予想もしなかった出来事に硬直している。
沖中美紀はそのまま立ち上がり、綾子を見てニコリと微笑んだ。
「おきなかみき…」綾子がそう呟いたとき、後ろの展望台のガラスが割れ、サーチライトを使って綾子を照らす者がいた。
外から吹き付ける強風と、まぶしいライトの光を手で遮るようにしてサーチライトを操る者を見た綾子は、平静を取り戻すも魔力を振るうことが出来なかった。
「これは…」
サーチライトには光源にフィルムが被せてあり、その光を使ってプロジェクターのように魔法陣を映し出したのだった。綾子を貫いて光の当った壁には、生け贄の血がこびりついている。結果として完成した魔法陣の中に濱崎綾子は閉じ込められた。
「お前は…、デルフィーノ神父」
サーチライトを操る人影の正体は、デルフィーノ神父だった。
「汝悪魔よ。お前は罠に掛かった。そして今、聖職者が七つの大罪を犯した際の悪魔の義務を果たし、それを以って地獄へ帰還するがいい」
「くっ…」綾子が気色ばんだとき、美紀が声をかけた。
「濱崎綾子。あなたは十年前イタリアのフレンツェで策謀を巡らせたわね。同じように七つの大罪を犯した神父の魂を手に入れるのが任務だったあなたは、あたかも当事関係を持った修道女の魂を差し出すように神父に囁き、勘違いさせることによって二つの魂を手に入れた。魔界にも法律ってあるんだっけ?だとするとこれは重大な権利の濫用ね」
美紀は更に続けた。
「デルフィーノ神父の腕には、悪魔がつけた兆しがある。あなたのものだとは確信は持てなかったけど、当事フィレンツェの村には黒い風が吹いたという。神父様、この悪魔に間違いないかしら」
デルフィーノは、向山が戦闘中の悪魔の姿を見て「間違いない」と頷いた。
リアル悪魔に防戦一方だった向山は、自分の分身が捕らえられたことに動揺した悪魔の隙を見逃さなかった。
一気に間合いを詰めて悪魔の持った剣を叩き落したあと、十分な距離を取ってロケットランチャーをお見舞いした。無論サーチライトに影響の無い角度を計算してある。ロケット弾には魔物のダメージを期待して銀の粒子が仕込んであった。
ごうと、炎に包まれたリアル悪魔は「ぐおお」と呻き、魔力を使って再生を試みたが、銀の粒子の影響で回復が遅れたようだった。
それを確認した向山は、ゆっくりと古武道の息吹の型を取り、気を全身に巡らせていった。気の充実を待って右脚を一歩出す。
続いて左脚を斜め前にすり足で出す。
その歩方と息吹を繰り返して、やがて脚の軌跡は北斗七星を描いていた。
そして悪魔の位置が北極星の位置に重なったとき、向山は渾身の正拳を叩き込んだ。
「ぎゃああ」リアル悪魔は、これまで味わったことのない物理攻撃を食らって悶絶した。
「ふう」と息を吐いた向山はその様子を見て言った。
「実家に伝わる陰陽の秘術、神魔封殺拳。これは使えるわw」
分身を倒された濱崎綾子は遠い目になっていた。しかし大悪魔としての沽券は保たなければならない。
「沖中美紀、デルフィーノ、私を捕らえたからといって従わせることはできないわ。大罪を犯した者の魂の回収は悪魔の使命であって、人間の命令で行なうものではないからよ。それが対象者の申し出であってもね」
「デルフィーノ神父様、あれを」美紀は神父に促した。
デルフィーノは法衣の内ポケットから、リングのケースを取り出すと、ケースを開けて中身を見せた。
「それは!」
銀色に輝くそれは、漁夫の指輪と呼ばれるローマ法王がつけるリングだった。
漁夫の指輪は、ローマ法王が逝去するときその指から外され、枢機卿団の前で壊される。このリングは法王の権限の象徴であり、機密書類に捺印する印章でもあった。ゆえに法王の死後、他の者に渡って悪用されるのを防ぐ目的で破壊されるが、古い伝承によればローマ法王はこのリングを用いて、悪魔を従わせ使役したとの記録が残っている。
「なぜ漁夫の指輪が残っているの?普通は壊される筈…」
「ピウス十二世が法王だった頃、暗殺におびえた彼は密かに影武者を立てた。その際イミテーションのリングも作られた。彼の死後壊されたのは偽物の方だった。本物はピウス十三世に密かに受け継がれ家宝として存在したのだ」
「そんな馬鹿な…」綾子はデルフィーノの言葉を聞いてうな垂れた。
「魔界の公認代理人たる私が、敗北するなんて」
「さあ、汝悪魔よ、その名を私に告げその命に従い、私の魂を持って行け」
デルフィーノ神父はリングを指に嵌めて宣言した。
「我が名はベリアル。ソロモン七十二柱の悪魔のうち、序列六十八番目の大悪魔」
名乗りのあと、綾子は続けた。
「今回は私の負けね、でもあの黒い翼の影は…。地獄の王であるあのお方か」
次の瞬間、デルフィーノが短剣で自らの喉を突き綾子の足元に倒れた。綾子の足元には黒い風が巻き起こり、同時に地獄への門が口を開けた。
「結局、私の勝ちね。もう来ないで」沖中美紀は勝ち誇った。
「負けを認めましょう、でもね」綾子は風となり、美紀に近づいたと思ったらその手を掴んだ。
「あなたを連れて行く。そして向こうで裁判を起こして、あの方と法廷で戦うわ。あなたはその生き証人として証言台に立つのよ」
そう言うと黒い風は次第に激しくなり、綾子、美紀、デルフィーノを巻き込んでやがて消えていった。
向山は展望台の惨状を見回し、二人の黒服の遺体以外誰もいなくなったフロアで佇んだ。衝撃や爆発で騒ぎに気づいたスカイツリーのスタッフの通報によって、警察と消防が駆けつけ展望台に畦地が踏み込んだが、そこにはもう誰の姿も無かった。
翌日、テレビでスカイツリーのニュースが報じられたが、ガス爆発の可能性が高いとして事故扱いとなり収束した。山中は証拠不十分で釈放となり、女優の石原美里は行方不明のままだ。レスポールエンターテイメントはその後ストラトキャスターに吸収された。
チャンネルを回すと、歌番組に出演して、キラキラと眩しいほどに歌って踊る桜野翔の姿が映っていた。
向山は人外のものが暗躍する事件を思い出して一瞬せつない目になったが、このことは自分ひとりの胸に仕舞い、また今日から通常の職務に戻ることを思った。
再びテレビに目を戻したとき「世界はこうでなくっちゃ」と向山は呟き、スマホを取り出してスーパーアイドルとのツーショット写真を見てはまたにんまりした。
年末から処女作「地下街7番出口封鎖」を書き始め、年明けにはそのスピンオフ「黄金の舞人」を書き上げ、一月十日には本作を書き終えた。
自分でも何かにとり憑かれたような勢いで、筆が止まらず理由は分からない。
第一作目では、法曹の知識をふんだんに取り入れ、半ば自己満足だったと思っている。ただ二作目は、スピンオフながら専門用語はかなり減らし、キャラクター重視で筆を進めたつもりだ。
作品を書くときに一番大事にしているのは、書き出す前に登場するキャラクターをしっかり誕生させることだ。僕の場合はストーリーの外枠を考えて、その枠の中にキャラを放り込むことで、あとは勝手に動いて物語を進めていってくれるらしい。従って結末が僕にも分からないときがある。
作家になるつもりなど毛頭無い。そして物語を書くことは楽しいと思う。文体が芸術の小説の世界では文章の書きまわしや、細かいルールなどセオリーがあるのかも知れないが、そんなものはお構い無しに書きまくった。自分で書きあがった物語を見直すと、それは小説家というより映画監督やプロデュースに近い感覚だと感じている。
作品の文字数は55,000~43,000文字(原稿用紙150枚~115枚)ほどで収めたいと思って書いている。
通常プロの作家の作品は、一冊の本にするため物事の細かいウンチクや、場面の副描写がふんだんに盛り込まれ、文字数を稼いでいるとの考えもできる(違う人には失礼)。ただ読み手の事を考えると、ストーリー展開は速いほうがいいと思っているし、あまり長いと疲れたり忘れたりするからという読み手の意見も取り入れているつもりだ。
そういったことからすると、もっと背景があったほうがいいとか、脇役の結末とかその後の部分も書いたほうがいいというご指摘があるかも知れないが、あとは好みの問題としてご容赦いただきたい。
本作品の魂の器は、完全な?SFであると思っている。本来は僕自身、現実的な世界の中でおこる物語を書こうと思っているのだが、チャレンジ精神を忘れてはいけないと思っているし、読み手の感じ方は僕の想像と違うので、今回は「やってみた」的な作品だ。
現実にいる人間の警察官が、実際には存在しないものや、非現実的な現象と関わると一体どんな方法で対処してくれるのか。書いていて僕自身がわくわくした一面がある。
また、主要人物三名が全て女性である点は、全く予想外となった。
実は僕は女性キャラを動かすのが苦手だったので、今回もそんなに女性を使っては書けないだろうと思っていたからだ。
そして警察官は並みの男性では太刀打ちできない武術の使い手であり、アイドル好きなミーハーキャラという設定は、僕自身すごく気に入っている。今後また執筆することがあれば再登場を是非お願いしたい。
ところで奇妙な符号がいくつかある。書き終わって初めて気づいたことだ。
一つは沖中美紀という名前。これは僕の周りに実際いる人の名前をそのまま使わせてもらったのだが、物語を進めていくと「オオキナカミ=大きな神=偉大なる神」に符合すると勝手に思ってしまった。
二つ目は濱崎綾子の姿をした悪魔は、ベリアルという実際に有名な悪魔だが、キャラを考えるときこのあたりの部分は、たくさんいる悪魔の中からなら何でもいいだろうと適当に選んで設定した。物語後半でベリアルの履歴を書かなければならなくなり、調べてみると魔界の法曹士であったことが初めて分かった。法律を学んだ僕としてはこの符号は偶然では無いような気がしている。
これまで書いた物語で、お名前を使わせていただいた人たちに感謝したい。今後はがんばってキャラクターの名前を自力で考えるようにしようと思う。
ただし、その性格等々に全く因果関係は無いのでこの点はご了承いただきたい。
最後に、自力で文字校正や文体構成をしているため、不備がある点もお詫びしたい。
これからもスピーディ、かつワクワクする物語を書きたいと個人的に思っているので、どうぞ読んでいただきたく。
菅正太郎




