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渦の巻 第2話 奥の手

まるで歯が立たなかった。自信のあった爆裂系の魔法も結界の効果もあってかダメージを与えられない。探検家が致命傷を負い俺たちは撤退を余儀なくされた。僧侶の治癒ヒーリングも半減している。重症の状態を変えることはできなかった。逃げるしか手のうちようがない。


こんなことならラーズを連れてくるんだった。せっかく王宮軍師に渡りが付けられたのにあの野郎足下見やがって。くそー、それでも金に糸目は付けず連れて来ていれば打開策はあったかもしれない。


狩人の煙幕がなければ全滅していた。

どうする。脱出するしかないか…。

なんか良い方法は…。


「カードさん。僕たちは戦力になりません。そこで提案ですが、悪魔系モンスターと『血の契約』を結びたいと思います。魔術師が僕を含めて二人いますし、協力し合えばかなりのレベルのモンスターをパーティに迎えることができるはずです。」


その手があったか。

魔術師二人が力を合わせれば、レベル60ぐらいのモンスターを仲間にできる。無論『血の契約』なのだから裏切れば二人の命は無い。問題はそんな都合のいい悪魔系のモンスターがすぐに見つかるのかだ。


実際のところこのダンジョンに侵入してからここまで魔獣系のモンスターばかりだ。やつらとは契約は結べない。


「もっと下層に進むしかありません。結界の力が強くなっていますが確かに感じます。恐ろしい悪魔たちの息づかいが…。」


この魔術師はなんかカッコつけていて苦手だ。



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