~time~3
~鬼羅~
スポンサーの役割としてこの「異常」を調査しない訳にはいかねぇ。
だから今から検証にいく訳だが…どうもおかしい。
何で急にこうなったんだ?
さっきまで異常があるような感じはしなかったし…
…という事は何者かの侵入があったって事しか考えられない。
侵入したのは何者だ?
俺達が管理しているこの空間は俺達の誰かが許可するか、あいつが許可するかでしか入れない筈だ。
…なら、あいつが…?
兎に角、住民やプレイヤーに被害が出る前に一刻も早くこの問題を解決しなきゃな。
ここにいるのは俺とタリスとキャラメとゼリアム。
戦力としては申し分ないな。
そこかしこにある机や椅子を避け音を出さないようにし、なるべく気付かれないように厨房へ近付く。
敵がいるなら、気付かれないのが一番だからな。
不幸中の幸い、俺達はこのレストランを良く知っている。
だからこのレストランの構造や、死角なども大体理解している…なら、こちらが有利だ。
キャラメ「敵は…」
タリス「喋るな!敵にバレるだろ。」
ゼリアム「その前に敵等存在するのか?」
意見が錯綜する。
何しろこんな事になったのは初めてだからだ。
こんな状況、想定していない…
~東真~
東真「なぁマリ子。」
マリ子「何でしょう。」
東真「今、ここはどういう状況なんだ?」マリ子は難しそうな顔をして、考え始めた。丁度、考える人のような格好で。
マリ子「侵入者がいた…とか、シェフが病気で倒れた…とか。まだ状況は理解出来てませんからねぇ…」
夜弥「何でマリ子さんは残ったのぉ…?」
マリ子「皆さんをお守りする為ですよ。」
叉玖埜「ふぅーん。」
禀「スポンサーの皆さんは大丈夫なんですか?」
マリ子「大丈夫です。」
夜弥「…でも、心配だよぅ…」
叉玖埜「…行った所で足手まといになるだけだよ?」
叉玖埜の現実的な一言で、皆が我に返る。
そう、今危ないのは戦う力のあるスポンサーよりも、戦う術の無い俺達なのである。狙われたらひとたまりもない。
……敵は一体…。
~鬼羅~
この感じは…以前にも感じた事があるぜ。
確か…あのマスの上で。
…てことは…あいつが復活するかもしれない…?
これは一大事じゃねぇか!
厨房に居たのは黒い影のようなもの。
こちらではafterimage(残像)と呼んでいるが、これはこの世界に最近出現した、「有害なモノ」。
こいつが何なのかは余り分かっていないが、最近突如現れたという事だけは分かっている。
残像という名前も、誰が付けたのかすら分からない。
ただ、今までに数回出現している為、こいつの生態は少しだけ分かってきている。
一つ目は、こいつはここの住人を喰らい、その住人が溜めていた「想い」や、住人が食べられる直前に感じる「恐怖」等を糧にして生きるモンスターのようなものらしいという事。
住人が、食べる瞬間を目撃したというので間違いない。
二つ目は、喰われた住人は戻ってこないという事。あいつに吸収されてしまうからではないかと推測されている。
ここにアフターイメージがいるとなると…シェフが喰われた…と、そういう事か。
鬼羅「キャラメ、ここら辺にいる住民を避難させて来てくれ。」
キャラメ「了解でショ!」
キャラメが大慌てで翼をはためかせ、住民の避難指示を出しに行った。
タリス「そんなにヤバイのか?」
鬼羅「アフターイメージだ。」
ゼリアム「…!!」
流石のゼリアムも、驚愕の表情を浮かべている。
タリス「あぁ、あいつか。」
鬼羅「あいつか。じゃないだろ!第一、お前の妹が喰われた事もあったのにそれか!?」
ゼリアム「…今は仲間割れしているべきではない。」
鬼羅「…悪い、頭に血がのぼりすぎた。」
タリス「…で?こいつどうやってやっつけるんだよ、まさか策が無い訳じゃないよな?」
鬼羅「…ない。」
ゼリアム「当たり前だ。今回はtime中であってあいつの力は借りられないのだぞ。」
はっきり言って、アフターイメージがどのようにして生まれ、どのようにしたら消えるのかは分からない。
以前現れた時は、ゲーム中であった為「進行者」がアフターイメージを消したのだ。
その際どうやって消したのかは分かっていないが、そもそもこの世界は、俺達が作り出した物であり、だとすればアフターイメージは「バグ」に過ぎない。
それならシステムを管理する「進行者」がアフターイメージを消せたとしてもおかしくない。
ただ、問題はそこから生ずる。俺達が不正を出来ないようにシステムを管理する「進行者」がいる訳で、俺達がシステムを操作する事は出来ないのだ。
システムを使わなければ、以前の方法でアフターイメージを消す事は出来ない。
…となると、消し方が分からない。
タリス「はぁ、成程。」
キャラメ「住民…全…、員、避難…完了、で…ショ!」
キャラメが息を荒くしながら戻って来た。
いくら翼で飛んだといえど、飛んでる時間が長ければ、疲れる。
鬼羅「ご苦労様、キャラメ。後は俺達に任せてマリ子と合流して待っててくれ。」
キャラメ「でも…でショ!」
タリス「お前みたいのは足手まといだろうが。」
鬼羅「タリス!」
ゼリアム「キャラメ、タリスは言い方が悪いがお前の身を案じているのだ。お前は鬼羅の言う通りにした方がいいだろう。」
キャラメ「…分かった、でショ…。」
キャラメはゆっくりと歩き出した。さっきので相当体力を消費したのだろう。
マリ子と合流し、ゆっくりしてもらいたいものだ。
それより問題はアフターイメージの消去法である。
システムは使えない。
戦える人数は三人。
…だが…
『本体に戻るしか無いかと。』
…そうだよなぁ…。
鬼羅「…ゼリアム、タリス。俺、一旦本体に戻る事にする。本体の方なら吸収されない筈だ。ある程度は押さえてられるだろうし。」
ゼリアム「そうだな。一旦本体に戻った方が良いだろう。」
タリス「後はあいつに連絡もな。」
ゼリアム「それは我がやっておこう。」
鬼羅「じゃあ“こっち”の奴は置いてくから宜しくな。」
タリス「まぁ、鬼羅のなら大丈夫だろ。」
『行ってらっしゃいませ。』
よし…!本体に戻るぞ!
今回は、鬼羅視点がかなりありましたが…次回も鬼羅視点になります。
個人的に鬼羅さんは動かしやすい為、出る頻度が高いです。
スポンサー+ナビゲーターの中では、
(動かしやすい)鬼羅>マリ子>キャラメ>ゼリアム>タリス(動かし難い)
となってますので登場数もこんな感じになるかと。
でも人気なのはキャラメさんなんですよねぇ…w
同じ位出せるように頑張ります!ww




