プロローグ〜第1話
プロローグ 危機との遭遇
冥王星宙域
「くう、味方機の援護はどうした!?」
艦長のマツモトが艦橋に響くような声で聞いた。
「だめです味方機ほぼ壊滅状態、残存兵力はジニットと我が艦のみです。」
現状の状況をオック軍曹が言った。
「えぇい、ルイセン、グーテンバーグ両艦共に轟沈、残存部隊は我が艦とジニットだけ・・・ジニットはどうした」
マツモトがオック軍曹に聞いた、最後の希望を懸けるようにだめです完全に囲まれていて動けません」
オック軍曹がメインモニターに映された敵に囲まれて身動きの出来ないジニットを見て言った。
「フッ・・・悪魔の化身と言われたジニッドですら太刀打ちできんとは・・・しかも第零番艦蒼劉もここまでの痛手を受けるとは・・・フッ、私の指揮能力がまだまだ未熟だったか・・・」
艦の命運が尽きたかのように言った。
「艦長は現在40歳・・・熟練の艦長だと思いますが・・・」
副官のカナスが言った。
「敵艦発砲!!」
オック軍曹が言った。
「な、緊急回避!!」
艦長の声が艦橋に響いた。
「直撃!!右第4エンジンに被弾」
レオバルト軍曹が悲鳴に似た声で言った。他の者は艦の被害状況の確認で一杯一杯だ。
「左予備エンジン機能停止、艦長、このまま戦闘を続行すれば艦の維持はおろか反応炉の制御も危うくなります、このままでは艦が・・・」
副官のカナスが言った。
「えぇい・・・いかしかたあるまい・・・これより本艦はこの戦域を撤退する。ジニットの回収を急げ!!」
マツモト大佐が悔しさを込めるように言った
「了解」
副官のカナスとオペレーターが言った。
西暦2385年 1月 1日 世界に人型汎用機が出回るようになり人々の生活は機械依存が増していった、自動車も機械制御化し渋滞という言葉を使わなくなり、家庭内には家事専用の補助機械が一家に一台になり、人々は平和という生活が普通になっていった。
しかし、西暦3975年3月21日、コロニーと地球との間で戦争が勃発した。
連合軍が人型汎用機の兵器化に着手したためその矛先がコロニーに対して使用されるという誤報(EASによるもの)を受けコロニー軍も人型汎用機の兵器化に着手し結果両陣営とも一発触発の常体になった、そしてその国交悪化を回復するために両陣営ともに特使を派遣したが何者かによって暗殺されそのことがきっかけのなり地球、コロニーを巻き込んだ大戦となった。
しかし連合軍とコロニー軍がR−3コロニー軌道上の防衛拠点コルシィ・イルスで戦闘していたとき突如あらわれた隕石の接近により両軍が戦闘を中止し隕石の軌道変更に全力を注いだ、がアジア南部に落着し周辺は木すら生えない死の大地となった。
これと同時に地球の地下から謎の結晶が発見された。
その結晶はそれぞれ赤には火を操る力、青には水を操る力、空色には風を操る力、黄色には雷を操る力、茶には地を操る力、黒には闇を操る力、白には光を操る力、無色には・・・??が有りそれぞれの呼称を
「エレメンタルクリスタル」
とされた。
その中にはすべての源とであるとされるエレメンタルクリスタル
「源」
が確認され火、水、風、雷、地、闇、光、無の色が渦上になっており、それぞれの特性を担う存在とされた。
それぞれの結晶は各国の研究機関が回収、研究用に持ち帰ったが、途中、秘密武装組織
「ElementArmedSystematically通称EAS」
により奪われその存在を確認できなくなった。
このことは両陣営ともに内密に処理し、再度戦争をすることなく友好関係は回復した、しかし落着した隕石はその形を維持していた、これを不審に思った両陣営は調査団を隕石の成分解析をさせた調査の結果人口的に作られたものと判明され両陣営は地球外生命体の存在と脅威を知った。
そしてその隕石から採取されたデータを元にそれぞれ外宇宙に向けての調査船団の艦を軍用化、軍隊の部隊増強・配備拡張が行われた。
しかし・・・その調査船団にある出来事が起きた、調査船団が冥王星領宙域に到達したとき謎の起動兵器の出現、攻撃により調査船団は2隻以外轟沈の状態で地球軌道上に帰還した。この知らせを受け地球平和維持協議会は交渉派と反撃派に別れ両陣営の国交が再悪化、新たなテロ集団の出現により会議は難航し権力も無くなるのであった・・・・
第1章 別れ
北海道函館市南西部に位置するここ新機研第2北海道研究所所有第5演習実験所、そこに2機の大型トレーラーが止まっている、大型トレーラーの片方は2倍以上の大きさで荷台にはシートが被されており中に何が積んであるのか解らないようになっている。
しかしシートで浮き上がるシルエットはさしずめ人の形をした大型起動兵器と思うことが出来る。
「これよりEES−00G、EES−01Nの機動実験を行う」
指揮車両から士官が言った。
『了解』ノイスとランスが言った。
指揮車両から離れた北海道地区第3作戦司令室では
「両機機動開始」
男性のオペレーターの一人が言った。
「メインエンジン始動確認EESドライブに移行開始。EESドライブ臨界点到達まで3・・・2・・・1・・・到達を確認」
女性オペレーターの一人が言った。
「順調ですね・・・」
副指令のユリー少佐が表情を変えずに言った。
「そうだな、しかし最後までどうなるかわからんよ」
総司令のマツダ中佐が言った。
「両機起動しました」
男性オペレーターが言った。
「やはり何も・・・」
そのときである司令室に警報が鳴り響いた。
「ポイント2・1に高エネルギー反応、大気に巨大な歪みが発生しています」
男性オペレーターが悲鳴に似た声で言った。
「なんですって!?」
ユリー少佐が不意を突かれ、焦るような声で言った。
「質量反応あり不明機2機確認・・・駄目ですデータベースにありません」
女性オペレーターが焦るように言った。
「不明機か・・・これより不明機をCSO−00、CSO−01と呼称、各員第3種警戒態勢!!」
総司令が冷静に言った。
「了解」
男性オペレーターが言った、さっきとは違い総司令の声で冷静を取り戻したかのごとく。そして副指令のほうを向いて老人の優しい声で言った。
「副たるもの、部下に焦理を感じさせては失格だよ」
「は、はい・・・すみません・・・EES−00G,EES−01Nの実験中止、反撃の用意しとくよう伝達してください!!」
総司令に言われ落ち着いたのかユリー少佐がいつもの冷静な声で命令を出した。
「し、しかし・・・」
男性オペレーターが言った。
「かまいません・・・このまま戦闘開始します」
司令室のメインモニターに冷静に言うランスが映った。
「武器を持っていないんですよ」
女性オペレーターが言った。
「手足があれば十分闘えます・・・やらせてください」
ノイスが言った。
「敵接近、EESではなくとう基地に向かってきます。CSO−01,移動指揮車に攻撃しました、移動指揮車、撃破されました。」
男性オペレーターが言った。
「これよりCSO−00,CSO−01を敵機と判断、攻撃開始!!」
ユリー少佐が言った。
『了解!!』カナスとランスが言った。それと同時にCSO−00,CSO−01が一斉に進軍してくるしいて1個師団弱はいると見受けられる。
「いかせるか!!」
カナスが言った。
「・・・・・・・ん!?AIか??」
ランスが冷静に言った。
「司令、我々では敵の進軍を防ぐにも限界があります。今すぐに基地を放棄して退避してください」
カナスが言った。
「・・・うむ、足止めを頼む、艦の出航準備!!ユリー少佐」
マツダ大佐が冷静に言った。
「了解、現時刻もってとう基地を放棄します、総員撃鉄の搭乗急いでください!!」
副指令のユリー少佐が言った。
撃鉄、正確には地球防衛用強襲艦SAB級第参番艦の名前である。格納庫は5つありそれぞれ1つずつにロイドタイプが5機ずつ入いってゆとりがあるように作られているその撃鉄の発令所に向かいつつ女性オペレーターがコードレスタイプのマイクつきイヤホンを使って言った。
「艦のメイン反応炉臨界到達まで4分かかります。それまでなんとか持ちこたえてください。」
『了解』カナスとランスが言った。
「それまで、お前らの相手はこの僕だ!!」
カナスが熱血になりながら言った
「お前だけではない・・・」
ランスがボソッと言った。しかしカナスは気にせず敵を撃破して言った。
その頃撃鉄では・・・
「メインシステム移植完了まであと30秒」
女性オペレーターが言った。
「ライフシステム起動確認」
男性オペレーターが言った。
「メインシステム移植完了、反重力ドライブ機動まであと3分」
女性オペレーターが言った。
「火器管制システム異常なし各ブロック異常なし」
男性オペレーターが言った。
「動力炉臨界到達まであと1分」
女性オペレーターが言った。
「全システム異常なし、反重力ドライブ正常に機動を確認」
男性オペレーターが言った。
「動力炉臨界到達を確認、不安定ですが発進可能です」
女性オペレーターがユリー少佐のほうを向いて言った。
「艦長、出航準備整いました!!」
ユリーが確認してマツダに報告した。
「うむ・・・では・・・撃鉄!発進!!」
「動いたか・・・」
カナスが言った。
「地球防衛用強襲艦SAB級第弐番艦・・・撃鉄、その姿まさに空飛ぶ要塞だな・・・ん!?反応!?」
「艦長、艦前方に敵小型機多数確認」
男性オペレーターが言った。
「そうか・・・ミサイル発射!!弾幕はれ!!」
マツダが言った。
「了解・・・艦長、敵周辺に高エネルギー反応、先ほどとは逆の波形パターンです」
「なんだと??」
予想外のことが起き、驚いたようにマツダが言った。
「敵機、EES−00G.EES−01Nを中心に集結中。ん、こ、これは・・・艦長、両機の装甲に変化確認、原子レベルで分解、素粒子化されています」
男性オペレーターが言った。
「な、なんだと!!至急両機との連絡を取るのを最優先にしろ!!」
焦るような声でマツダが言った。
「駄目です、両機より半径30キロに強力磁場が発生していて通信が出来ません」
焦りつつも手段を検索している女性オペレーターが言った。
「な、なんですって!?」
信じられないという感情を出すようにユリーが言った。
「ミサイル、機銃を敵機に集中せよ」
艦長が言った。
「高エネルギーの反応はどうなっています!!」
ユリーが聞いた。
「依然増大中・・・うわ、艦長、計測限界値突破しました」
男性オペレーターが言った。
「なんだと・・・」
マツダ言った。
「両機、粒子化を目認」
女性オペレーターが言っ
た。
「現地までどれくらいだ」
マツダが聞いた。
「現状では原子炉が安定してないため十分な出力出ませんから現地に到達まで20分くらいかかります・・・」
女性オペレーターが言った。
「両機60%粒子化されています・・・両機の反応完全に消失しました・・・」
男性オペレーターが言った。
「第3種戦闘態勢解除・・・第1種警戒態勢に移行・・・進路、第37連合軍基地・・・」
マツダが言った。
「了解・・・進路第37連合軍基地」
ユリーが言った。
「ユリー少佐後を頼む、私は部屋で休ませていただくよ。」
マツダが言った。
「了解艦長。