表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

消去

作者: Rain
掲載日:2026/05/22


 右隣。

 叩いても蹴っても、びくともしない壁があった。


 左隣。

 気が付くと「音」がいた。


 左の音は、さらに左の音たちと一つになって、「意」になった。


 右の壁は、相変わらず動かない。


 左の端にいた音が消えた。

 その右隣の音も意も、次々と消えていく。


 ついに、私の左隣の意も消えた。


 ふと前を見ると、何かがこちらを覗いていた。

 黒の空虚、二つの目。


 私もこのまま消えるのだろうか。

 それでも、右の壁は動かない。


 『BackSpace』


 そして私も消えた。



 どんな「意」を綴ればいいのか。

 溢れ落ちる意の濁流は、思考より先に、指の間をすり抜けていく。


 綴っていた「音」は、もはや過去の流れに飲み込まれ、なんの意にもならない。


 綴っては消して、綴っては消してを繰り返すたび、何かが削れていく気がする。


 『送信』


 この指が、それをなぞることはない。






グループチャットで発言できないコミュ症の話です←

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ