表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

第5話:XXXX反照(はんしょう)

作者:mannboo5
〈わたしは、視ていたのだろうか。それとも視られていたのだろうか。〉

そう自問する語り手は、「仄命子(ほのめこ)」という存在を通じて、自己と他者、記憶と視覚、存在と不在の境界に向き合っていく。

語り手にとって仄命子は、外界の幻影のように見えていたはずだった。しかし、思い返すたびに、「視えていた」のは仄命子ではなく自分自身の像だったのではないかという疑念が強まる。

鏡には何も映らなかった。その“映らなかった空白”こそが、自分の存在の輪郭を形づくっていた──そうした気づきとともに、語り手はある問いに直面する。

〈──ほんとうにおまえは、外を見ていたのか?〉
〈──それは視界ではなく、記憶の反照だったのではないか?〉

こうして物語は、「視ようとする行為」そのものが、対象に向かう前に自己に跳ね返ってくるという知覚のパラドックスを描き出す。

最後に語り手は言う──「XXXX反照」とは、世界を視た痕跡ではなく、自己が光のように照らし出された経験だったと。

それは名も形も持たない、言葉にもならない“像未満の像”。だが、それは確かに、わたしの中に在ったのだ。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ