§007 後悔
移動、2日目。
目を覚ますとニートアントがちょろちょろと歩き回っていた。
岩場だし巣が近くにあったのかもしれない、
と一瞬思ったが考え直した。
そもそも魔物は迷宮から湧く。
・・・と言う説明をロクサーヌがしていたはずだ。
それなら近くに迷宮があるのだろう。
昨日遭遇したランドドラゴンは、
発見されていないか放置されているような、
遠くの迷宮から出て来た逸れ者なのだろう。
放置されている迷宮からは深層階の魔物が出るのだと言っていた。
Lvの事を考えると探して倒しに行った方が良かったような気もしたが、
相手はアクティブ、強さもそこそこ、相手は複数、こちらは1人。
やっぱり止めた方が良い。
よくよく考えれば直ぐ解かる事だ。
それに引き換え浅層階で出現するニートアントは、
ロクサーヌの説明通りこちらから手を出さなければ襲われる事はなかった。
見付け次第1匹ずつ慎重に倒して行き、毒針も幾つか入手した。
これは嵩張らないし、リュックのポケットにでも入れて置けば良い。
毒を持っているとは言え攻撃をして来ないなら無問題だ。
迷宮内で対峙したミチオ君達と違って、
外を徘徊する弱い魔物は一方的に攻撃ができる。
しかも一撃だ。
1匹倒したらグループとして別のニートアントに襲われるかとも考えたが、
そんな事は無かった。
蟻は集団で結束行動が基本じゃなかったのか。
ニートだから?戦ったら負けかと思ってるのかな?
楽に倒せたのでもう少し稼ぎたいとも思ったが、
残念な事に数はあまりいなかった。
ここで幾ばくかLvを上げて置けば楽になるのだろうが、
そうそう旨い話は無いようだ。
見付けた9匹の全部を狩ったところで、村人はLv5になっていた。
ジョブ設定を唱えてみた。
設定:村人(5)英雄(2)
獲得:商人(1)戦士(1)剣士(1)
やはり村人Lv5で解放されるジョブが出て来た。
英雄のLvが上がり辛い事は織り込み済みだ
ここらでキャラクター構成を考え直す必要があるだろう。
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 英雄 Lv2
設定:英雄(2)商人(1)戦士(1)
獲得:村人(5)剣士(1)
魔剣フラガラッハ(☆)
皮の鎧(空き 空き) 皮のグローブ 柳の皮靴(回避上昇)
決意の指輪(☆)
・BP100
キャラクター再設定 1pt 3rdジョブ 3pt
獲得経験値上昇×10 31pt ボーナス武器5 31pt
必要経験値減少/10 31pt ボーナスアクセ2 3pt
兎に角、ここから必要なのはジョブLvを上げる事で、
そうする事でそもそもの戦力強化と、
戦略を広げるために重要なボーナスポイントを稼ぐ事ができる。
外を徘徊する魔物は全てLv1なのだとロクサーヌが説明していた。
武器がデュランダルでは無駄遣いも甚だしいだろう。
武器5のフラガラッハならボーナスポイントを節約できる。
その分減った火力はボーナス装備である指輪のお世話になる。
こちらはコスト3で攻撃力上昇の効果が得られるのでお買い得だ。
自分のLvを上げる事に重点を置くならば
獲得経験値上昇×10と必要経験値減少1/10で、100倍加速できる。
ならばLv1の相手でも十分稼げるはずだ。
それからファーストジョブが英雄のままでは拙いので、
商人か戦士がLv3以上になるのを急ぐ。
鑑定を取り戻すには後Lv1足りないので、もう1歩先が必要なのだ。
試行錯誤してくれたミチオ君に感謝しなければいけない。
後は、ひたすら街を目指して歩く。
歩く。
あるく
ある・・・
疲れたので昼休憩にした。
携帯食料は3日分持って来たつもりだったが、
それは良く考えたら現代人用だった。
電車やバス、車に乗って、オフィスワークの労働者や、
学校で勉強する学生向けの非常食の位置付けである。
重労働者の食事ならばもっと沢山のカロリーが必要になる。
まして、丸1日歩き続ける人向けの1食なんて想定されているはずが無い。
お腹が減り過ぎて2つ開けてしまった。
それでもまだ腹持ちが足りない。
都合良く肉や食べられる素材を落とす魔物が湧いて出る事は・・・、
多分無い。
道中にグラスビーが1匹いたが、収得品は残念ながら蜜蝋だった。
レアドロップでハチミツが出て来ないかと期待したが、
そもそも低階層の魔物で高級食材っぽそうな物は最初から無理だろう。
そういうのはボスクラスの魔物・・・、
要するに外を徘徊しているような雑魚では無理と言う事だ。
それに加え、どのジョブもLvは上がらなかった。
Lv1の敵100匹分では経験値が足りないのか、
それとも荒野にいる敵は迷宮より経験値が少ないのか。
村人は40匹分でLv5に成ったじゃないか。
Lvの高い盗賊の分もあった訳だが・・・。
そうか、村人だったから必要経験値が少ないのだ。
水もかなり減った。
なるべく大事にしながら補給しているが、
戦闘を挟むとどうしても汗が出る。
最初の盗賊戦の後は相当喉が渇いた。
出血もしたし、焦りもあったし、その後の休憩も長く取った。
多分そこで・・・半分は飲んでしまったから、残りは心許無い。
3日の距離、・・・と言う事は後り半分の距離を2リットルの1/4。
つまり小さいペットボトル1本分で残り1日を過ごさなければならない。
これ以上の消耗・・・特に戦闘、は危険だと判断した。
夕暮れが近付いて来たが、
この辺りには身を隠せそうな岩場や木々が存在しない。
見渡せる限り、最低でもずっと向こうの丘までは、
低木と背の低い草が所々生えているだけだ。
再び街道の端でそのまま野営をしなければならない。
薪を拾う木々は当然無かったし、
そこら辺の低木を伐採したとしても、
生木は簡単に火が付かないだろう。
そもそも火を点けたまま寝ると言うのも、
昨日のように魔物を徒に誘き寄せる可能性がある。
止めた方が無難だろう。
街道から離れ過ぎるとはぐれ魔物が、
街道沿いだとまた盗賊が来るかもしれない。
まさかの町に行くのがこれ程大変とは想定していなかった。
ミチオ君は何かと便利に生活をしていたので、
文明の乏しい世界の街道を往くと言う事に対して、
これ程までに困難な事だと言う事が想像できていなかったのだ。
野営に便利な道具も持って来るべきだったと後悔した。
今はハウツー本よりキャンプ道具、知識より実用品が必要だ。
水も、食料も、安易に考え過ぎていた。
下手をすると再び逸れた魔物に襲われる危険もある。
やはり、宿屋で馬車が来るまで待った方が良かったか。
馬車が来たとしても、乗せてくれるかどうかも判らないし、
そこでぼったくられたら結局同じ事だ。
不安な気分のままリュックを枕にして横になった。
∽今日のステータス (2021/07/21)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 村人 Lv4
設定:村人(4)英雄(1)
魔剣フラガラッハ(☆)
皮の鎧(++)皮のグローブ(-)柳の皮靴(回避上昇)
・BP102(余り1pt)
鑑定 1pt 2ndジョブ 1pt
キャラクター再設定 1pt 武器5 31pt
獲得経験値上昇×10 31pt 詠唱省略 3pt
必要経験値減少/10 31pt 敏捷 2pt
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 英雄 Lv2
設定:英雄(2)商人(1)戦士(1)
獲得:村人(5)剣士(1)
魔剣フラガラッハ(☆)
皮の鎧(++)皮のグローブ(-)柳の皮靴(回避上昇)
・BP100
キャラクター再設定 1pt 3rdジョブ 3pt
獲得経験値上昇×10 31pt ボーナス武器5 31pt
必要経験値減少/10 31pt ボーナスアクセ2 3pt
・異世界3日目




