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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第曲章 結末
330/394

§317 ソロ

午後は自宅とプタンノラを往復し、

家具屋が運び込んで来る家具の配置指示とエミーの様子見を続けた。


2回目の搬入後にエミーの手拭いを絞り直した所、

エミーは目覚めて遅い食事を取った。

調子は戻っているそうなのでそのまま留守番をお願いし、

3回目の搬入までは自宅で待機した。


その前にロッキングチェアが搬入され、

自室へ運んでゆらゆらと揺れながら持って来たレシピ本を久しぶりに開き、

宴会で用意したいメニューをパピルスに写したりして時間を過ごす。


それにしても人生初のロッキングチェアである。

心地が良いし気分も良い。

欲を言えばクッションが欲しいので、これは後で揃えようと思う。

大工達も制作後にこの椅子で遊んだのだと思う。

頼んだ時点ではキワモノ扱いだったしな。


そうこうしているうちに3回目の驢馬ロバがやって来て、

全ての家具が搬入され一通りの生活準備は整った。


カンテラを各部屋に吊るし、足りないので手持ちランタンも置いて回る。

リビングに2つ、自室に1つ、

作業場に1つ、1階の廊下に1つ、風呂場に1つだ。


ジャーブ、ヴィー、ラティの寝室にも置いてやりたかったが、

カンテラやランタンは合計で7つしか買っていない。

夜に出掛ける予定のあるナズには手持ちランタンを渡して置きたいので、

3人の部屋は蝋燭を置くしか無い。

別にそれでも十分だろうとは思うが、必要なら言って来るだろう。


自室とジャーブ、ヴィーの部屋に大小の絨毯を敷き、

自室には泥落としのマットを敷く。

完璧じゃないか。


シーツにする布も各ベッドへ敷いて回り、

自分用とジャーブ、ヴィーのベッド用に大きな物を裁断した。


大きな布を裁断するは簡単だ。

オーバーホエルミングとオーバードライブで時間をほぼ停止させ、

布を広げた状態で手を離すと空中に浮いて静止する。

デュランダルで横にスラッと斬ればいっちょ上がりだ。


なんて便利なのだろう。

英雄のスキルを生活魔法に転用して使用している者はそうそう居まい。

他にも裏技的に使用できるスキルはどんどん使って行こうじゃないか。


後は掃除かな?

明日皆でやれば良いだろう。

掃除もチョチョイとできる何かしら良いスキルがあれば良いのだが。


魔法でやったら多分家が壊れるだろうし、

そもそも全体魔法は魔物のグループ相手にしか発動しない。

水を出す以外に掃除へ活用できそうなスキルを、

残念ながら思い浮かべられなかった。


続いて引っ越しの作業を始める。


木彫り作業で山となっている木版を作業場にする部屋へ運び入れ、

彫刻道具やパピルスが入った木簡は棚へと押し込んだ。

桶やタライは風呂場へ。

汚れた手拭いは版画用にするとして、綺麗な物だけを風呂場に運んだ。


多少元気になったエミーは生ハム原木の手入れをしていたようで、

空拭き作業が終わった事を確認してこちらは台所へ運んだ。

シュメールに置きっぱなしであったタライも回収だ。


旅亭に残された荷物は各自の服だけとなった。

本来ならば引っ越し作業も家具の搬入手続きも奴隷が行う事なのだろう。

だが移動する距離が距離だけに、

一度に大量の荷物を運ばれては自分のMPが持たない。

彼らには収入となる方の仕事を任せたのだし、その方がもっと重要なのだ。


旅亭から持ってきた、

恐らくアナが入れてくれたであろうハーブティーを啜って一息入れ、

エミーにはゆっくり休むよう言ってダイダリの迷宮へ飛んだ。

32層で戦っているナズ達の後を追うためだ。


31層のエントランスに飛んでから気付いた。


自分は32層へ到達していない。

何だったらボスも倒していない。

と言う事は、単独踏破しない限りナズ達と合流する事は不可能だ。

パーティーも組んでいないし、そもそも連絡手段が無い。


しくもここ31層は他の誰もが未到達のはずであり、

ボス部屋自体に直接飛んでも問題は無いだろう。


ではいざ行かん、ボス部屋へ!

31層入り口からボス部屋の中へ、直接ワープをして侵入した。


・・・ボス部屋の中に入ると当然ボスが出現するだろうと思っていたが、

どうやらこの方法で侵入しても入った事にはならないらしい。


入口の扉が開く事でリセットされるのだろうか。

つまり、それまでの間は前パーティが戦った後の状態。

言って見ればボスが残っており、

挑んだ者達の装備品が散らかっている状態なのだろう。


ナズ達が抜けて行った事で、出口となるべき扉は閉じられている。

入口も、待機部屋からの侵入者がいないため閉じられたままだ。

要するに閉じ込められてしまった。


自分がパーティを組んだ状態で誰かをここに放り込んだとしたら、

誰かがボス部屋の扉を正規の手段で開けるまで、

そいつは完全に閉じ込められてしまう事だろう。


あ、いや、ボス部屋の中に誰かがいるならば扉は開かないはずなので、

そいつが中で力尽きるまでずっと閉じ込められっ放しな訳だ。

恐ろしい。


当然のようにワープでボスの待機部屋へ抜ける。

入口のドアを貫通するように移動する事で、

ようやくボス部屋の扉が開いた。


おっと、ボスはともかくお供にドライブドラゴンが湧くかもしれない。

必要経験値減少を解除してデュランダルを取り出した。


改めて徒歩で扉を抜けると、中央に煙が集まって来た。

自分は後衛の立ち位置なのでこのままの位置で闘わせて頂こう。

デュランダルを出しはしたが足元へ置く。

オーバードライブ中に持ち替えれば良いだけだ。


さあ来い、ランドドラゴン。

いつぞや荒野で出遭った時の決着を付けてやる。


煙が巻かれ、ボスの左右へ集まる煙は空中に留まり始めた。

大きさから察するに2つともドライブドラゴンだ。

厄介な。


魔法の無駄撃ちはしたく無いので、

目視で確認ができてからオーバードライブを掛けた。

初手はガンマ線バースト。

次は状態異常耐性ダウンをそれぞれに入れ、サンダーストームを放つ。

更にスキルの効果時間内に弓を構えてランドドラゴンを狙う。


時間が戻って矢はランドドラゴンに刺さった。

良かった、ボスの方は怪しい避け方をしないようだ。

問題無くMPの補充ができるならばこちらの勝ち確で間違い無い。

31層のボス部屋は単独で突破できそうだと安堵した。


だがまずはこの迫って来るウネウネをどうにかしないとまずい。


再びオーバードライブを掛け、ランドドラゴンに3射放って当てる。

2発目のサンダーストームも合わせた。

流石にこの程度では麻痺は発動しないか。


デュランダルに交換してドライブドラゴンと接近戦を開始した。

MP枯渇を警戒してボーナス魔法は止めて置く。


オーバードライブ中に3回当てたら1回のサンダーストームだ。

時間が引き延ばされるとは言え、

突撃して噛み付いて来るドライブドラゴン2匹を相手に、

延々とかわし続けるのは難しい。


オーバードライブが切れる瞬間はどうやってもギリギリになってしまう。

ほら、今このタイミングでも鼻をかじられそうになった。

MPを手当に回せるだけの余裕は無いので無理せず行こう。


デュランダルを3回当てたら距離を取る事を徹底する。

4回目?5回目?多少はダメージを稼いでいるはずなのだが、

いかんせんこのままずっと同じ状況と言うのは気分的に堪える。


そうこうしている間にランドドラゴンが魔法を詠唱し始めた。

まずいな、この状況では弓に持ち替える事ができない。


1ターン分のオーバードライブを無駄にして、

ランドドラゴンまで駆け寄って頭を縦に割った。

詠唱こそ止めたが近接する魔物は3匹となる。


スローモーの動きではあるが詠唱を中断させられたランドドラゴンは、

即座に自分の足を目掛けて飛び付いて来た。


咄嗟に足を引く事ができたが、ここでオーバードライブが切れる。

焦ったため次のオーバースキルの準備が一歩遅れ、

背中にドライブドラゴンのタックルが来て、

そのまま前のめりに転倒させられてしまった。


そこへランドドラゴンが噛み付いて来た。

肩にガブリと一撃食らい、平気では無い痛みがじわじわと迫る。

オーバードライブ!


手当手当手当!ち、違った!全体手当ッ!全体手当、全体手当!

転倒状態のままデュランダルでランドドラゴンの体をガンガン叩き、

転げ回りながらMPとHPを回復させつつ全体手当も施す。


もう一度。

次は間髪入れずにオーバードライブを掛けなければ、

ドライブドラゴンまで噛み付いて来るだろう。

スキルの時間切れを確認しながら再び次のオーバードライブを念じた。


次のターンでは博徒と英雄を入れ替える。

入れ替えたら直後にオーバーホエルミングを念じた。

スローモーションがストップモーションへと変わる。


これで何とか安全圏内だ。

緊張のため火照った体から一気に安堵の汗が噴き出る。


ランドドラゴンの口にデュランダルを這わせてこじ開け、

肩を解放して急いで起き上がった。

更に左右に迫っていたドライブドラゴンをデュランダルで叩き落し、

天地の位置を逆転させて頂く。


先にオーバーホエルミングが切れ、続いてオーバードライブが切れた。

オーバー効果の全てが切れる前に一目散に撤収だ。

距離を置いて剣を構え直した。


再びドライブドラゴンが絡み合いながら迫って来る。

今度こそ下手はしない。

先程はランドドラゴンの瞬発力を舐めていた。


トータルタートルであの手の動きは学んでいたはずじゃないか。

爬虫類は食物を捕らえる際にガブッと行く、これは学習項目であった。

距離を取った事で再びランドドラゴンが詠唱を開始する。


オーバードライブを掛けてオーバーホエルミングを上書きし、

足元にあった弓を拾って6射を放った。

勿論2本撃ちなので、12本が奴に迫る事となる。


ついでに目の前まで迫っていたドライブドラゴンを、

デュランダルを拾い上げて叩いた。

ここで両スキルが切れる。

横に転がって突撃を回避し、オーバーホエルミングで3回叩いた。


次はオーバードライブと合わせて魔法を使いたい。

立て直しには成功したのだ。

後は詰まらないミスをしないように注意を払わねば。


その後2ターン分のサンダーストームを唱えると、

ドライブドラゴンは煙となって消えた。

残るはランドドラゴンだけである。


デュランダルをしまい、ボーナススキルを元に戻す。

博徒も戻し、遠距離から弓と魔法を撃つだけとなった。


かつて荒野で出遭った際には、周り一帯が闇であった。


あの時魔法を撃たれていたら危なかったとは思う。

外に出て来る魔物はLv1なのだっけ?

威力的に1発位なら耐えられたかもしれないが、

仮に受けた場合の恐怖は想像を絶していた事だろう。


闇に紛れて何匹いたかも解らない上に、こちらのLvだって低かった。

オーバーホエルミングは取得後であったが、

真面マトモに使えるようなMPでは無かったと思う。


今、ここで、あの時の憂いを解き放つべく、

握り締める弓に力が入った。


──ドスドスッ!


既にランドドラゴンは矢だらけになっている。

どうせ後で回収できるのだ。

気にせずに行こう。


既にボーナス魔法も織り交ぜて2ターン分が経過した。

次の魔法のクールタイム中に距離を開ける。

開け過ぎると魔法を放って来るが、それは逆にチャンスなのだ。


ランドドラゴンはドタドタと音を鳴らして自分を追い掛け、

それを諦めて足を止めたかと思うと、そのまま奴は消滅してしまった。


ええっと・・・・・・あ、そうか、毒が入っていたのか。


くして因縁の魔物であったランドドラゴンを倒し、

31層も無事制覇したので32層へ向かう事ができるようになった。


竜皮2つと竜革を拾い上げた自分の顔は、

気持ち悪い位満足げな表情をしていたに違い無い。

口角が上がっているのだと、自分でも判る。

何せソロ踏破だ。難関とされるドライブドラゴンの階層をだ。


ドライブドラゴンのドロップ品は竜皮であり、

ランドドラゴンからのドロップ品は竜肉か竜革である。


竜肉が出ていればこの場でかじって味比べをした所なのだが、

生憎出たのはレア枠である竜革だった。

逆に良かったのやら悪かったのやら。


もう竜革装備を作る必要など無いし、

装備を更新する際に必要とする量位は買えば良いと思う。


それにしてもこの竜皮と竜革、見た目が全然違う。

竜皮は申し訳程度の量に対し、竜革はしっかりした大きさで分厚く硬い。

高級食材と鍛冶材料の違いだろう。

どうみても竜革をかじった所で美味しくは無さそうだ。


ボス部屋奥の出口に向かい、32層のエントランスへ抜ける。

ここで待っていればアナ辺りが自分に勘付き、

迎えに来てくれるだろうと予想し腰を下ろした。



   ***



「ラティ、待ちなさい。ご主人様がいらっしゃいました」

「えっ、あ、ハイっ」


──アナさんはそう言うと私を止めた。

  他の皆さんもアナさんの言葉に反応してその場で停止する。


「いらっしゃったとは、どう言う事でしょう?」


  後ろにいたナズさんがアナさんへ尋ねる。

  私もそれが聞きたかったけれど、直ぐに言葉が出なかった。


「以前ご主人様は31層のボスを倒されずに、

 そのまま1層へお戻りになりました。

 入口の探索者も未だこの階層へは案内できないはずですので、

 恐らくは私達を追って31層のボスを倒されて来られたのでしょう」

「ええっ!?と言う事はお1人でですか?」


「はい、気配を感じられるのはおひとり。

 そしてそのまま動かず佇んでおられるようです。

 恐らくはご主人様で間違いありません」

「や、やっぱりユウキ様はとんでも無いお方ですね・・・」

「えっ、えっ、えっ・・・」


  私は混乱してますます声が出なくなってしまった。


  ドライブドラゴンのボスであるランドドラゴンは、

  素早く動き、魔法も使用し、

  鋭い歯と爪で攻撃して来る危険な敵だった。

  お供も最低1匹はドライブドラゴンが出るはずだ。


  あのドライブドラゴン1匹と戦うだけでも精一杯なのに、

  更にもう1匹のお供・・・恐らくはドライブドラゴンと戦いながら、

  ボスであるランドドラゴンとも戦ったのだ。


  そんな芸当ができる人物は、他に1人しか知らない。

  その当該する人物を、私の主人は決闘の場で葬ってしまった。

  タロスは1人で迷宮に潜り、そのまま討伐してしまった有名人。

  主人はそのタロス以上のお方であると言う事で間違い無い。


  やっぱり凄い人なのだ、私の主人になった人は。

  そんな人に命を救われ、お仕えさせて頂いている。

  あまつさえ奴隷とは思えない裕福な生活もさせて頂いているのだ。


  以前と比べて圧倒的に楽な探索パーティへ入れて頂き、

  更には私の能力を高く買って頂いている訳で、

  今の環境は私に取って安息の地なのである。


  何と幸せな事なのだろうか。


「ラティ、何をしていますか?

 あなたしか迎えに行けないのですから、急ぎなさい」


  アナさんから叱られてしまった。

  そ、そういえばそうでした。

  ダンジョンウォークができるのは私だけでした・・・。


「あっ、あっ、あっ、は、はいぃ」


  分かってます、分かっているんです。

  そこまで気が付かずに申し訳ありません。


  しどろもどろになりながら、

  私は32層入口に向けてゲートを開いた。


  これで大丈夫でしょう。


「ラティ。このゲートの先は32層の入口へ繋げていませんか?

 私たちが入口へ戻る事が出来ても、

 ご主人様はここに来る事はできないばかりか、

 あなたもここには戻れないのですよ?

 まず私たちを中間部屋まで送り、

 そこでご主人様をお迎えに上がり合流しなければなりません」

 

「そっ、そうでしたっ!」


  一旦32層入り口のゲートを閉じて、

  中間部屋を思い出しながらゲートを開け直す。

  そして私がゲートをくぐると、皆さんはその後を付いてやって来た。


  ここは32層の中間部屋。

  ここから再び32層入口へゲートを開いた。・・・ふぅ、これでよし


「・・・ラティ。あなたが入り口まで迎えに行かなくては、

 ご主人様はそのゲートをくぐれませんよ?」

「そそそ、そうでしたっ!」


  わ、私ったら、いつもの癖でゲートを開けば、

  後は勝手に皆さんが移動するとばかり思っていました。

  慌てて自分の出したゲートをくぐり、

  その場で待っていた主人をパーティに・・・。


  あら。

  そういえばパーティは既に6人だったので、誰かを外さなくては。


「やあ、ラティ、迎えに来てくれて助かる。

 恐らくアナから言われたのだとは思うが、

 皆ラティの事は理解しているから大丈夫だぞ」

「そそそ、そうなのですか、もっ、申し訳ありませんっ」


  ええと、何をしようとしたのだっけ・・・。

  そっ、そうです、パーティを1人外すのでした。


  アナさん、ナズさん、ジャーブさん、ヴィーさん、イルマさん。

  現在5名が入っているので、

  主人を加えるためにイルマさんを外させて貰った。


  ええっと・・・ゲートは出しっぱなしなのだから、これで安心だ。


「おお、ありがとう。では向こうに合流しようか」

「はっ、ハイッ!」


  主人は私の頭をくしゃくしゃにすると、

  そのままゲートの向こうへ消えて行った。

  特に怒られるような事も無かったので私は安堵し、

  ふぅと一息を漏らしながら後に続いたのだった。



  ***



アナとラティのおかげで、

午後一杯を掛けて中間部屋よりも奥まで探索する事ができた。

32層の主な魔物はゼリースライムで、

ドライブドラゴンは少数となっている。


ゼリースライムの方は頻繁に動き回らないために、

向こうから迫って来るドライブドラゴンは単体或いは2匹程度となり、

圧倒的に戦い易い環境となっていた。


極稀に出て来るノンレムゴーレムは、最早ボーナスタイムに他ならない。

アナが素早く背後に回って突くだけなので、

パニかラティが正面を取ってくれれば後は一方的だ。

ケープカープに至っては元々苦労するような魔物でも無いし、

通路を阻む程の量で出て来る事はもう無い。


属性を考慮して戦える事は殲滅スピードにも大きく影響した。


従って迷宮を探索できるスピードは、

30層や31層とは比べ物にならない程早かった。

それだけドライブドラゴンが大変な魔物だと言う事なのだろう。


中間部屋の位置から察するに、

もう半分程探せばボス部屋が見えるかと言った所で撤収し、

食卓は既にエミーが配膳を済ませていた。


病み上がりなのに無理をして・・・。

もう少し早く帰ってエミーの負担を最小にすべきだったのだろうか?

判断が難しい所だが、頭を差し出されては撫でない訳にも行くまい。


エミーも、ヴィーもパニもイルマもそしてラティも、

今日は頑張ったので一律に褒めてやった。

何故かしら皆撫でられる事を希望する。

全てはナズの所為だろう。


後でお仕置きだ。

勿論ベッドの上である。


久しぶりに全員が揃った中で、

明日昼過ぎには自宅に帰る事を伝えて解散した。

4人揃った夕食も久しぶりな気がする。


イルマが懸命に手当てを施していた男性鉱夫の話や、

夫婦で鉱山へ入り同じ場所で事故に遭った者の話などを聞いた。



   ***



「それじゃ、また明日だな」

「はい、お疲れ様でした、ご主人様。お休みなさいませ」

「お疲れ様です、イルマさん」

「ご苦労様でした、イルマ。後は宜しくお願いします」


イルマに体を拭いて貰った後で自分達はシュメールの旅亭へ向かう。

高級旅亭に宿泊するのもこれで最後。

感慨深い1泊だ。


この旅亭にもお世話になった。

実験室に使ったり、2人との夜を過ごしたり・・・。

ナズに結婚の申し入れをしたのもここだったな。


ベッドに2人を呼んだ際に、ナズには少し意地悪をしてみた。


例のお仕置きである。

ラティが刷った例の小説の切れ端を持って来たのだ。


自分は読めないのだとか御託を並べて強引に迫ると、

ナズは顔を赤らめながら朗読を始めた。

そしてパピルスの最後までを読み終えると、

おもむろにしがみ付かれて唇を奪われた。


背徳感を覚えてドキドキする。

ナズも気持ちが高ぶったようだ。

そんなナズを相手にしている間、

アナもソロ活動にいそしんでいたようである。


大丈夫、2人とも大事な自分のお嫁さんなのだから。

平等に愛しますよ?

∽今日のステータス(2022/05/24)


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv66

  設定:探索者(66)魔道士(42)勇者(32)

     道化師:下雷魔法・荒野移動/知力中・知力大(38)

     神官(45)博徒(39)


 ・BP164

   鑑定          1pt   6thジョブ     31pt

   キャラクター再設定   1pt   詠唱省略        3pt

   獲得経験値上昇×20 63pt   メテオクラッシュ    1pt

   必要経験値減少/20 63pt   ワープ         1pt


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 隻眼  Lv27 1st

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 忍   Lv27 1st

 ・ジャーブ     狼人族  ♂ 28歳 聖騎士 Lv24 1st

 ・ヴィクトラ    竜人族  ♀ 12歳 竜王  Lv1  1st

 ・エマレット    狼人族  ♀ 19歳 料理人 Lv40 OFF

 ・パニ       竜人族  ♂ 15歳 冒険者 Lv23 2nd

 ・ラティ      人間   女 28歳 探索者 Lv43 1st

 ・イルマ      狼人族  ♀ 21歳 巫女  Lv1  1st

 ・クルアチ     兎人族  ♀ 18歳 村人  Lv1  OFF

 ・イシャルメダ   猫人族  ♀ 29歳 探索者 Lv3  OFF


  ↓


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv66

  設定:探索者(66)魔道士(43)勇者(33)

     道化師:下雷魔法・荒野移動/知力中・知力大(39)

     神官(45)博徒(40)


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 隻眼  Lv28 1st

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 忍   Lv28 1st

 ・ジャーブ     狼人族  ♂ 28歳 聖騎士 Lv25 1st

 ・ヴィクトラ    竜人族  ♀ 12歳 竜王  Lv13 1st

 ・エマレット    狼人族  ♀ 19歳 料理人 Lv40 OFF

 ・パニ       竜人族  ♂ 15歳 冒険者 Lv23 2nd

 ・ラティ      人間   女 28歳 探索者 Lv43 1st

 ・イルマ      狼人族  ♀ 21歳 巫女  Lv4  2nd

 ・クルアチ     兎人族  ♀ 18歳 村人  Lv1  OFF

 ・イシャルメダ   猫人族  ♀ 29歳 探索者 Lv3  OFF



 ・収得品

   バラ       ×  2   岩        ×  3

   寄生ワーム    ×  9   肝        ×  8

   竜皮       × 36   竜革       ×  1

   スライムスターチ × 61



 ・異世界90日目(14時頃)

   ナズ・アナ85日目、ジャ79日目、ヴィ72日目、エミ65日目

   パニ58日目、ラテ37日目、イル・クル34日目

   プタン旅亭宿泊20/20日目 シュメ旅亭宿泊20/20日目



 ・ダイダリの迷宮

  28 モロクタウルス    /  ボスタウルス

  29 ノンレムゴーレム   /  レムゴーレム

  30 ケープカープ     /  カーブカープ

  31 ドライブドラゴン   /  ランドドラゴン

  32 グミスライム     /  ゼリースライム

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― 新着の感想 ―
今話のタイトルにかける訳じゃないが、後半は大体各章23,4話で"そろそろ"纏めと思うので、次16?章の表記とタイトルを予想してみた ♯第囲章 帰還、帰国、帰宅、新居 の順のいずれかで
感想一覧
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