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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第曲章 結末
322/394

§309 違和感

前日の晩はイシャルメダの身の上話の続きを聞かされる事となった。


更には自分の事に対する追及を何度か受けたが、

のらりくらりとかわしつつ、彼女が満足するまで話相手をした。


途中まで起きていたエミーも、

部分的にしか分からないイシャルメダとの会話に疲れ果て、

気が付くと寝息を立てていた。


逆に言うとエミーの就寝に助けられ、

彼女も眠ってしまったし明日にしようと言う事で打ち切る事に成功した。


聞く分なら全然構わないが余り自分の事は言えない事情があるので、

仕方無い部分も有ろう。


そして例に依って目覚めは冷んやりとした床にびっくりして目覚めた。


厚手で荒い布地の麻マット、

前回の失敗を踏まえていたのであれば2枚並べて使用しても良かった。

細かな所で手が届かない、それがユウキである。



   ***



「エミー、エミー。朝だが起きられるか?」


例の如く朝は起きないイシャルメダをそのままにし、

エミーの肩を軽く叩いて起こす。


気怠そうに一度寝返りを打った後、むくりと起き上がってお辞儀をした。


「お、おはよう・・・ざいます」


「プタンノラに戻ろう、食事を準備しなければ」

「かしこまりました」


ゲートを開けてパーティに加えたエミーが入って行く。

おっと、3人分は朝をキャンセルだ。

取りに行ってしまう前に伝えようと、自分も慌てて追い掛けた。


「待てエミー、3人分の朝は不要だ。言い忘れていたが」

「ええと、あちらの宿で頂ける分は・・・」


あー、そうだった。

トラッサで2人分貰って置けばキャンセルは5人分だったのか。

もう今更なのでトラッサの朝食は放置で良い。


「あっちの食事はこちらより貧相なので、こちらの物を食べようか」

「承知致しました」


エミーが階段を下りて行くまでを見送り、

自分はシュメールの旅亭へ向かう。

朝も夜もあちこち飛ぶ必要があって面倒臭過ぎるが、

全ては自分の蒔いた種なので文句の付けようが無い。


どうするのが正解だったのか。

どうしたら効率が良かったのか。

いや違うな、面倒を最小限にするのであれば何もしないのが正解だ。

何もかもが見過越せない以上、面倒事は増えるのだ。

これは性格だ。


──ヴォンッ!


「あっ、流石ですね?アナさん」


移動ゲートから体の半分出た状態でもう、

ベッドの袂に座っていた2人が駆け寄って来る。


何が流石なんだ?

全然解らなかったが、2人は談話中だったようだ。


「「おはようございます、ご主人様」」


そして丁寧な挨拶を受ける。

いや、君たちはもう自由民じゃないか・・・。


「も、もっと緩くで良いぞ?既に奴隷じゃないんだし」

「私はこのようにする以外の方法を知りませんので・・・」

「私だけ普通にするのはアナさんに申し訳ありませんので・・・」


そう言われたらそうなのか?

ナズを一般市民に戻すのは簡単だとしても、

アナをそのように振舞わせるのは難しい訳だ。


「せめてご主人様はめようか」

「えっ、で、ではどのようにお呼びすれば」

「主人とお呼びするのが駄目なのでしたら・・・旦那様でしょうか」


うーん、余り変わらないような気もするが・・・。

少なくともイルマやヴィーとは線を引けるのか。


「じゃあそれで」

「はいっ!」「ありがとうございます」


「食事に行こう、既にエミーが取りに行ってくれている」

「あっ、ご主人様。その前にお手紙が届いているようです」

「ナズさん、旦那様です」


「そっ、そうでした、旦那様!」


い・・・違和感、お前は仕事をし過ぎだ。


「や、やっぱり前のままで良い。気持ち悪くなって来た」

「でっ・・・ですよね・・・」

「なるべく失礼が無いようにさせて頂きます」


エミーと入れ替えで2人をパーティに入れ、

プタンノラに向かって食事にした。



  ***



朝食を食べ終えて単身ドラッハへ向かう。


昨日聞いた限りだと大々的に坑道が崩壊したらしく、

流石にもう終わって解散しているなんて事は無さそうな雰囲気だった。


それにしたって昨日のような騒ぎになっている様子は無く、

鉱夫が大急ぎで鉱山へ向かっている姿も見られなかった。

ある程度落ち着いた雰囲気が戻っているようである。


鉱山入口の門までやって来た。


どうやら救出活動はまだまだ続いていて、

イルマは直ぐ近くの詰め所で横になっているようであった。


死・・・んでいたらそもそもパーティリストには無いのだし、

ヴィーもパニも昨日のような豆粒の場所では無く、

比較的上層にいるようで、そこで動かない様子だ。


恐らく休憩中なのだろう。

夜通し、或いは深夜遅くまで作業があって今は就寝中か。

そういう事であるならば、まだまだこちらは時間が掛かりそうだ。


人助けであるし給金が発生するようであれば、

わざわざ引き上げさせる意味は無い。


こちらに来てからと言うもの、金は使うばかりで収入は乏しかった。

アルバイト代わりになる事だろう。

ヴィーもこれ以上パピルスを並べ続けるだけの仕事をさせて置いたら、

暴れ出して面倒臭くなっていたかもしれない。

丁度良かったのでは無いだろうか。


3人の無事は確認できたのだし、安心してその場を後にした。


続いてシュメールの旅亭へ向かい、受付で手紙を受け取った。


ええっと誰だったっけ。

既に名前を憶えていないのだが、仲買人からの知らせだろう。

ガラス細工に至ってはもう注文も何も無いのだし、消去法だ。


揃ったら遣いを寄越せと頼んだはずなので、

今ここで内容を読まなくとも概要は理解できる。


強権の鋼鉄槍は既に自分のアイテムボックスにあるし、

準備としては目の前で取り出して騒ぎにならないように、

これを手で持って行けば良い位だ。


場所はドラッハの商人ギルドであるので再び移動だ。

今日もあちこち行く必要がありそうなので、

MP回復速度を盛って20倍にした。


但しまだ食事を取って間もない時間である。

そう早く向かっても、あちらが来ていないと言う事もあるだろう。

では先に他の事を優先しようか。



   ***



エミーには先日ジャーブ達が彫った木版を版画にする作業の指揮を任せ、

3人は隣の部屋で印刷をする事となった。


現状で部屋に残っているのはナズとアナの2人だけだ。


「と言う訳で、ナズ、アナ、2人と婚姻をしたいのだ」

「は、はいっ、心の準備はできております!」

「私達2人を同時にお選び頂きました事に感謝致します」


うーん、硬い。


これでは奴隷に褒美を与えているのと変わらない。

今までそうして来てくれた訳なので、

昨日の今日で恋人関係と言うのも無理があるか。


「ええと、敬ってくれるのは嬉しいが、もっと楽にしてくれないか?」

「そうは仰いましても」

「中々難しいです。特に私などは・・・」


じゃあせめて腕組み位はして欲しい。

後ろや前を歩かれると主従関係そのものだ。


これからは・・・そう、横に。


「じゃあ、今後は自分の左右に来てくれないか?

 ナズも、アナも、自分と対等な関係だ」

「そっ・・・」「ええっと・・・」


2人は顔を見合わせて硬直した。

あーもう可愛いなあ!


堪えきれずに自分からその間に入ってキス攻めにしてしまった。

そして・・・それで2人のハードルが下がったのか、

左右から寄り添った状態となったのであった。

希望とはちょっと違うが、概ね満足である。


男は単純なのだ。



   ***



プタンノラの街にあるギルド神殿の場所は全く把握していない。


冒険者ギルドと探索者ギルドならば直ぐに判るが、

そこで婚姻の登録をするのもどうだろうか。

移動する者や買取カウンターを利用する者の注目を引きそうなので、

なるべくなら静かな所が良い。


となると教会が最適だ。

僧侶や神官職のギルド神殿であるので要件は満たすし、

憧れのチャペルウェディング・・・いやそう大掛かりな事では無いのだが、

少なくとも自分に取っては聞こえが良い。


どうせこの後はドラッハの商人ギルドへ向かう事になるので、

ドラッハ冒険者ギルドで教会の場所を聞いて向かう事にした。


「ごめん下さい」

「はい、急患ですか?」


「い、いや、ギルド神殿では結婚の手続きを行えると聞いたのだが」

「ええっと、はい、できますが、今は非常事態中ですので、

 神官殿は不在になるのですが」


「それだと駄目なのか?」

「いえ、そんな事は無いと思いますよ?

 祝福の言葉なんかは無い感じになっちゃいますね」


あ、そうなの。何かお祝いのお言葉を頂けるのかな?

汝健やかな時をやめる時も・・・?違う気もする。


日本の女性達は形式に憧れるのでそういった枠作りは大事だ。

ここの世界はどうなのか。


勿論金持ちや貴族なんかであれば、

権威付けのために内外へ知らしめる役目がある訳で、

披露宴の方は盛大に行うのだろう。


一般市民は・・・。

これまで結婚式を執り行っている話は聞いた事が無いし、見た事も無い。

ギルド神殿で行う割には、告知も無ければ祝われた形跡も無かった。


そっと近親者のみで祝いの席を用意し、

登録は2人だけで厳かに行うのだろう。

そういう事であれば、神父が立ち会おうがいなかろうが問題無い。

ナズやアナが何も言って来ないのだから。


「と言う事らしいけれど、ナズ、アナ、大丈夫だよな?」

「はい?良く解りませんが大丈夫なのでは?」

「ええっと、私にとっては結婚その物が未知の領域でして・・・」


駄目だ。

この2人は一般市民の思考のそれでは無かった。

ナズは平民だったが最初から思考が奴隷的・・・いや、社畜向きだ。

全て貧乏が悪いよ。


「ええっと、あなたは神官では無い?」

「私は代役を頼まれました僧侶ですね。

 一応、回復できる者が1人はここに居ませんと」


ああそう、ただの迷宮探索者か。

アルバイト神父、それでも良いや。


「ではお願いしたい」

「はい、ではどうぞ、こちらです」


2人を連れ立って殺風景な一室に入る。

どう考えてもこちらがゴージャスであるべきなのだが、

ここは病院の代わりの施設であって、力を入れるべきは診療室なのだ。


3人で手を重ね合ってギルド神殿にお願いをした。


「えっ?2人同時ですか?」


ここを任された僧侶の男は首を傾げた。

いやだって、2人を連れて来たのだからそういう事だろう?

1人は奴隷の従者だと思われたのか?


「駄目なの?」

「い、いえ、そのような方を聞いた事が無かったので」


3人で手を合わせてみたが、ギルド神殿は反応しなかった。

あれ?同時は駄目?別々?


「むっ、無理じゃないですかね?

 既に婚姻されている方とは婚姻できませんし、

 妻が2人と言うのは聞いた事も無いです」


「えっ、そうなの?自分はできると聞いたのだが」

「そ、そうですか?多分ここでは無理だと思いますので、

 もう一度その方に確認をした方が宜しいのでは無いでしょうか」


うーん・・・。

既に結婚している状態ではできないと、断言されてしまった。

ではやはり同時しか無いのだろう。

それもここでは無理だとなると・・・、

ホドワの商館でもう一度確認した方が良い。


あの奴隷商はできると断言したし、

そういう例があるからこそ相続で揉めるのだと言う具体的な話も聞いた。


「済まないな?自分の知識不足だったようだ。

 もうひと手間必要かもしれない」

「い、いえ、大丈夫です。ね?アナさん」

「はい、何かしら方法があるのであれば、

 私達はそれが可能となるまで待つだけです」


「へぇ・・・やっぱり2人と結婚なさるおつもりなんですねぇ?」


「ああ。2人とも仲良しだし、この通り自分も2人を娶りたい」

「ふぅん。他種族同士の結婚であれば子供で揉めたりしないし、

 それはそれで良いのかなぁ?」


「やっぱりそういう事はあるんだな?」

「前妻の子とかで揉める事は良くありますよ?

 家業を継げるのは大体長男ですからね。

 後妻から優秀な子が生まれちゃったりするとね」


それは確かに。

血塗ちみどろの愛憎劇が繰り広げられそうだよ。

ユウキの子は誕生しない、それが世界平和のための約束事だ。


「まあ、色々と判ったので感謝する。

 できると言う話だったのだが、できる条件があるようだ。

 出直す事にするよ、ありがとう」

「すいませんねえ。と言っても私の所為せいでも無いんですがね」


申し訳なさそうな神官代理人に見送られて教会を後にした。


「ご、ご主人様、あ、あの、

 無理なようであれば私達は奴隷のままで大丈夫ですので」

「はい。これまでと同じで私達は構いません。

 事実婚をされているお妾は多いのだと聞きます」


2人に慰められてしまった。


とは言え今更奴隷に戻しても今年の税金は3万ナールと変わらない。

つまり戻すメリットは無い。

今後2人がどこにも行かないのであれば、

後は愛すべき者が奴隷では無いと言う見栄えの問題だけだ。


そして短い間であったが健気に支えてくれたナズやアナを・・・、

解放してやりたいと思う親心が強くなっただけだ。


「大丈夫だ、絶対に2人を妻にする、その思いは変わらない」

「ありがとう?」「ございます?」


自分の揺るがない決意に戸惑ったのか、再び2人は顔を見詰め合っていた。


続いて商人ギルドだ。


事前準備と思って槍を取り出してみたが、

ナズに持たせるのが最適だろうと思い、

彼女のアイテムボックスへ収納させた。


そういえば頼んだのは何日前だったのだろう?

ハッキリとは覚えていないが、

流石にコボルトの1枚も入手していないと言う事は在り得ないと思うので、

できればこの1回で全て揃ってくれるのが理想だ。


何事も上手く行かない自分の運の無さは理解しているつもりだが、

望む位は許して貰えるだろう。

寧ろ変な所で確率の神様が仕事をしないで欲しいとは思う。


商人ギルドの前で様子を窺うと、直ぐに知らない仲買人が食い付いて来た。


「やあ、ご主人は初めてかな?

 私はここで仲買人をさせて貰っているヨーランだ。

 売るのも買うのも私にお任せ頂きたい。

 きっと望みの品を手に入れて見せましょう」


口上が上手いな。

この仲買人はやり手の部類だろう。

軽そうだが身なりは良さそうなので儲かっているに違いない。

申し訳無いが、お前は出落ちだ。


「ああ、済まない、ええとアナ・・・」


紙を見せる。


「ギード様に取り次いで頂けませんでしょうか」

「あぁそうでしたか、残念です。

 次に機会が在りましたら、是非このヨーランをご指名下さい」


上手いな、どこまでも。

こういう口の上手さは自分も真似して行きたい。

何せ自分は商売をして生計を立てる予定なので。


異世界迷宮でチートしてウハウハ?

老後を考えようよ。

50,60に成ってもやる事では無い。


「待たせてしまって申し訳無い。ユウキさん、だったかな?」


商談ができる部屋でくつろいでいると、ギードが慌ててやって来た。


「いや、大丈夫だ。それよりも」

「ああ、依頼された品物は全部用意できている」


「そうか、ではナズ」

「あ、はい。先程の槍ですね?」


元々ナズが使っていた愛着のある槍だ。

モンスターカードを合成をしたのもナズ。

彼女を隻眼へと伸し上げた、

大事な相棒がナズのアイテムボックスから取り出され、

テーブルに置かれた。


「ええっと・・・もしかしてその娘は」


「言うな」

「そ、そうか」


ギードはアイテムボックスを詠唱すると、

空間から10枚のモンスターカードと10本の槍を取り出した。


「確認のために立ち会ってくれ」

「ああ、大丈夫だ」


お互いに品物を見せるだけ見せ、

鑑定ができる商人ギルドのギルド神殿へ向かう。

この男は防具商人なので、

自分が持って来た槍が客の求めている槍かどうかを知る術が無い。


そして自分も、出されたカードと槍が本物であるかを知る術は無い。

本来ならば。

見せられた槍がレプリカであるか本物であるかどうか、

一般人では判別ができないはずなのだ。


あ、いや、レプリカって事は無いな。

そうだとしたらアイテムボックスには入らないので、

鋼鉄の槍の中に鉄の槍があっても気が付かないとかそういう感じだ。


一応、ギードは本物を出して来た。

注文通り蟻、灌木、羊、壷式、蝙蝠、そしてコボルトが5枚だ。


鋼鉄の槍は2つが空きありで、

もし仮にギードが注文を受けていたら2本が当たり、

合成を依頼していたら大逆転だったようだ。

申し訳無いな、儲けを減らしてしまって。


いや、確実性を求める方が商売人としては真っ当だろう。

安牌を取った事は決して損では無いはずだ。

良いじゃないか、お互いにWin-Winなので。


ギルドボックスに銀貨を1枚入れ、

アイテムを台に乗せるとウインドウが出て来た。


自分に見えている物はここにいる他全員にも見える訳だ。

何故そういうスキルが無いのだろうか。

これができるならばパーティチャットや鑑定結果の表示機能なんかも、

理論的には可能では無いのだろうか。


プログラマが細部まで作るのを諦めたような適当さ加減。

ウインドウだって黒地に枠線が白で殺風景すぎる。

16ビット時代のゲームじゃないんだし、透過処理位すべきだろう?


おっと、世界の条理に愚痴っては駄目だ。

仮に管理者の目に留まってしまった場合、

アップデートと言う名の改悪が恐ろしい。

この素晴らしい世界に感謝を、神様!†


・・・・・・これで良し。


「確かに、本物の強権の鋼鉄槍だ。

 こちらも本物であった事は分かって頂けたかな?」

「ああ、問題ない。では交換と・・・コボルト5枚分の支払いだな?」


「部屋に戻るのは面倒なのでここで清算しよう。

 コボルトのカードはギルドの張り紙に書いてある通り、

 4900,4300,4400,4200,4600。

 後で確認をしてくれ。

 合計すると2万と2400ナールだが」


「ああ、ではこれで」

「いやあ、助かった。これで取引先を失わずに済みそうだ」


「贈答品を求める位だから大物だな?」

「う・・・んまあ、そうだな。

 流石はそういう相手と取引しているだけあって鋭いな」


「まあウチはこの通りだからな。

 他にも難題があるなら言ってくれればやれない事は無い」

「そ、そうだな」


ギードは自分の左側にいたナズを見詰めた。


れ・・・使用人なのか?」


「いや妻だ」

「ええっ?そっ、そうか。こっちは使用人だったよな」


「いや妻になった」

「ええっ?そ、そうなのか・・・。

 じゃ、じゃあユウキさん色魔だったのか!

 ・・・ン?あれ?以前確か商人だと言っていたよな?」


「色魔は経験があるだけで、今は商人だな」

「そ、そうか・・・。異種族では子供はできんから、

 人間の本妻もいるのか・・・やっぱ凄いな、ユウキさんは」


「ま、まあな」


いや、それはいないんだが・・・。

それよりも今重要な事を聞いた。

じゃあ色魔か、と。


確かに色魔は2人以上の女性との経験が必要だ。

そのまま全員を愛して結婚する者もいるだろう。

と言う事は重婚は色魔のギルド神殿限定か!


色魔、使い手があるじゃないか。

封印とか言ってしまってごめんなさい。


「今後何かあったらこちらから依頼をしても良いだろうか?」


「それは構わないが、家が遠くってな」

「そうだった、ユウキさんは外国の出なのだっけ?」


「ああ、トルキナだ。ホドワと言う小さな町に住んでいる」

「うーん、手紙を送るにしたって銀貨10枚は掛かりそうだ」


手紙・・・。


利用はした事が無かったが、

冒険者に手紙を託して届ける事もあるだろう。

勿論、貨物便に手紙を乗せる事だって。


冒険者を直接雇って送る遣いでは無く、

そういう生業をしている業者、或いは商人がいる訳だ。

そりゃそうだよな・・・誰しもが考えそうな事だ。


「莫大な利益が発生しないと難しいだろう?」

「そう・・・だな。

 せっかく知り合えた好機かと思ったが、現実は厳しい。

 いや、それでも何かのために聞いて置こう」


「ああ良いぞ?ホドワの・・・」

「外2区13の2の1です」


「おっと、済まないな、もう覚えているので大丈夫だ」

「いえ・・・」


ナズが気を利かせてくれたので一応後で撫でて置こうか。


「それにしても落盤事故があって大変だな?」

「そうなんだよ、事故に遭った奴には申し訳無いと思うんだが、

 我々も好機なのだ」

∽今日のステータス(2022/05/14)


 ・繰越金額 (白金貨29枚・利用券2枚)

     金貨 46枚 銀貨 18枚 銅貨 27枚


  キルド神殿支払い         (2000й)

   鑑定使用料 ×20        2000


  オークション仲買        (22400й)

   モンスターカード コボルト    4900

   モンスターカード コボルト    4300

   モンスターカード コボルト    4400

   モンスターカード コボルト    4200

   モンスターカード コボルト    4600


     金貨- 3枚 銀貨+56枚

  ------------------------

  計  金貨 43枚 銀貨 74枚 銅貨 27枚



 ・異世界88日目(朝)

   ナズ・アナ83日目、ジャ77日目、ヴィ70日目、エミ63日目

   パニ56日目、ラテ35日目、イル・クル32日目

   プタン旅亭宿泊18/20日目 シュメ旅亭宿泊18/20日目

   トラッサ旅亭宿泊6/6日目

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