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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第丗章 道筋
255/394

§242 心情

ロックバードの攻略法は判った。


しかしそれは今までの攻略法に比べて相当効率が悪かったため、

1戦闘当たりの時間は延びる事になる。


ロックバード自体のスピードに付いて行ける戦士であるならば、

この階層だって問題は無いのだろう。

我々のような地に足が付いていない駆け出し探索者では戦えない、

そういう事だ。


盾が上手く扱えるアナだってロックバードの動きには翻弄されている。


これまでは隙を見せればそこに突っ込んで来る魔物ばかりだった。

ロックバードは遠距離も持っているし魔法も持っている。


中距離で隙を見せれば飛び込むより速い石礫いしつぶてが飛んで来る。

遠距離ならば魔法だ。

そして近距離ではその鋭い嘴を使って突っ込んで来る。


10年も戦歴があって、

ラピッドラビットの動きに付いて行けると自負したジャーブのみが、

ロックバードの動きに対応できるのだ。


自分だってオーバードライブすれば剣を当てる事は可能だろう。

だが弓では難しい。


放った瞬間に自分の手から離れた矢は通常のスピードへ戻り、

ロックバードは矢の弾速よりも速い動きでかわす。

大体狙ったらその方向に飛ぶのだ。

魔物だってバカでは無い。

構えの段階で飛んで行く方向がばれてしまっている。


ロックバードに弓を当てる難易度は、

あの回避の女神ロクサーヌに当てるのと等しいかもしれない。


・・・ん?


自分は剣で戦えば良いのでは?

魔法の威力は落ちるだろうが、

ヴィーから剣を借りればデュランダルも不要では?


あ、いや、しかし、その際のヴィーの武器も困るな。

折角対処法が解ったのに盾で止めるだけと言うのも、

彼女のフラストレーションを貯めてしまって良くないかもしれない。


あれこれ考えた結果、結局はこのままって事だ。



   ***



「ご主人様、そろそろお昼です」


その後は数回のグループと接触し、ナズからの撤収の合図が来た。


今日はまだ中間部屋すら辿り着けていない。

地図は・・・26層の広さから察するに、恐らく中間部屋までの2/3だ。

もう少し粘れば中間まで行けるのだろうが、

生憎今日は引っ越しをしなければならない。


名頃惜しいが今日はここで中断し、残りは後日に回さざるを得なかった。


「では切りも良くないが今日はここまでだ。

 早く食事を取らないと引っ越しもあるからな」

「そうですね、急ぎませんと」

「引っ越し作業が終わり次第また戻られますか?」


「いや、今日はその後予定があるんだ。

 お前たちは半日だが休日の予定だ」

「かしこまりました」


例によって自分たちパーティはワープによって直接旅亭へ。


「・・・えりなさ・・・せ」


頭を下げてエミーが出迎える。

いつものペコリでは無くちゃんとした作法の挨拶だったため、

多少聞こえなくてもそこはご愛敬だ。


ラティ達は2段階の移動魔法が必要となるのでその後となる。

そのラティが到着してから机に置いた装備を回収していくため、

片付け中に食事が運ばれて来ても置く場所は無い。

食事を並べるのは少し待って貰った。


分厚いステーキも味わい深い濃厚ソースも、今日で最後である。


本日のメニューは大皿のサラダに、チキンステーキ、

スープ、葉野菜の和え物にスクランブルエッグ。

果物の煮付け、コンポートである。


「こういう豪華な食事は今日で最後になる、味わって食べてくれ。

 では、「「「「いただきます」」」ーッス!」

「あわわっ、いた、いたっだきますっ」


ヴィーもラティも合わせようとし始めて来た。

エミーとイルマは頭をまだ下げるだけ、

果たしてこの2人が「頂きます」に染まるのはどの位先だろうか。


食事を終えた順にナズが綺麗に皿を積んで行く。

ジャーブとヴィーは兎に角早かった。

今日の戦闘は力業が多かったし、元々食が太い奴等だ。

自分とパニは良いとこ勝負で常に最後だ。


食べ終わって暇そうな者達には申し訳無いが、

もう暫く待って貰えないか・・・。


「では次の宿を用意して来る」

「お願いします」

「いってらっしゃいませ」


プタンノラの冒険者ギルドに飛んで徒歩で旅亭まで向かう。


用意すると言っても既に金は払ってあるし、

する事と言えばインテリジェンスカードのチェックだけである。

鍵を受け取り、部屋に入ったら移動用の布を広げて終了だ。


・・・って、何やってるんだか!

壁掛け布は持っていないし、部屋番号の数字も読めない。

このまま行っても何もせずまた戻るだけになってしまう。


慌てて冒険者ギルドに戻り、波の壁掛けにワープした。


「お帰りなさいませ、早かったですね」

「では荷物を運びましょう」


アナが段取りを説明したのか、

皆既に各々が持つべき荷物の前へ立っており、

アナの合図で一斉にそれらを抱えた。


い、いや、まだだよ。

済まないよ。

許して。


皆の真剣な眼差しが痛い・・・。


「え、えっと、まだなのだ、済まない。

 ア、アナ。数字が読めないので来てくれ。

 それからパニ、そこの壁掛けを取ってくれ」

「えっ、あ、はい。失礼しました。ではご一緒致します」

「はい、これですね、どうぞ」


アナを連れて再び冒険者ギルドに飛ぶ。

プタンノラの旅亭には移動できそうなシンボルが無かった。

旅亭のロビーに壁掛け布は用意されていなかったし、

街の中心部であるので周りは民家で大木なども無い。


下手をすると民家の壁も遮蔽セメントと言う可能性があるので、

あまり町中の大通りでワープをしてはいけない。


・・・って、またしても何やってるんだか!

フィールドウォークを持っているんだから、

ゲートが開くかどうか実際に出してみれば良いじゃないか。


二重に無駄をした。

自分のこういう所は直そう直そうと常々思っていたが、

こちらの世界に来てからてんで直ったような気がしない。


いつか足下をすくわれるぞ・・・。

ちゃんと考えよう。


そこから更にフィールドウォークするのも面倒で、

結局徒歩で旅亭へ向かう事になった。

後ろから付いて来るアナは新しい街に興味がそそられるようで、

ずっとキョロキョロしていた。


「珍しいか?」

「はい、あの、この町は至る所で魚の香りがします」


「だろうな、魚を日持ちさせるには干したり漬けたりするが、

 この町では・・・ほら、あの家の軒を見てみろ」

「本当ですね、魚が吊るされて干されております」


「干物と言ってな、自分達の国ではよく食べられている珍味だ」

「と言う事は、ここがご主人様の故郷なのでしょうか」


「いや、自分はもっと遠い所から来たのだ。

 ここでも同じような調理法をしているので親近感が湧いた。

 米もあるようだし、食文化は自分の国に近いのかもしれん」

「そうですか、ご主人様の・・・」


相変わらずアナは表情を変えなかったが、

尻尾は大きくグラインドしており、

今の話が非常にアナの興味を引いたのだと言う事は解かった。


「着いたぞ、ここだ」

「ここもまた、良い旅亭だと思います。

 いつも私達のためにありがとうございます」


そ、そうか。

サンドラッドの宮殿前の旅亭よりかなりグレードが落ちると思っていたが、

アナの目線ではそうだ。


少なくとも一番の安宿では無い時点で、皆十分満足なのだ。

アナはいつでも自分を初心に戻してくれる。

頭を撫でて尻尾を掴んでこちらも撫でた。


「えーと、昨日お願いしたユウキだが」

「はい、長期の団体さんでしたね。20日・・・ご商売ですか?」


「いや、家の建て替え工事でな。

 ところでこの辺りの名産品や珍品があれば教えて貰えると助かる」

「えーっと、その前にインテリジェンスカードを・・・」


「おっと、済まん済まん。これで良いか?」

「はい、少々お待ち下さい。滔々(とうとう)流るる・・・」


旅亭員が自分のインテリジェンスカードを開き、宿台帳に記載して行く。

鍵を受け取り、アナに渡した。


「はい、ユ、ウ、キ。フ、ジ、モ、ト、・・・様ですね

 探索者の方ですか。

 この辺りは今、目星い迷宮はありませんが・・・。

 冒険者もおられるのですかね?」


「そうだな。後からやって来るから、まずはこの壁掛けを設置したい」

「なるほど。ちなみにどちらからお見えになりました?」


「ええとトルキナ王国だ」

「うーん?ちょっと解りませんねえ。シュメールの先ですか?」


「逆だな。サンドラッドから船で行く」

「おお、それではシルクスですか!遠い所からこりゃどうも」


「それでな、あちらに通用するような土産が欲しいのだ。何か無いか」

「うーん、そうですなあ。

 この辺りの物と言いますと、干し魚や魚醤、魚骨酒、後は海藻なんかも」


「ええと?魚醤や何だって?」

魚骨酒ぎょこっしゅですね。

 魚の身丸ごと発酵させて、最後に骨だけが残る珍酒です。

 これはかなり高価な物になりますが」


「そうか、ちょっと見てみたい。どこで売っているかな?」

「中央通りの噴水が見えますでしょ」


「ああ、あったな」

「そこから右に3軒です。行けば直ぐに判りますよ」


「そうか、それは楽しみだ」

「シルクスは石膏や果物が有名だと聞きます。

 肉類も豊富だとか。羨ましいですね」


「この辺りは肉は少ないのか?」

「この国の荒野はご覧になった事がありますかね?」


「ああ、ダイダリの迷宮には行った事がある」

「ええ、この国は殆どが沼地で雨も多く、牧草が育て難いんですよ。

 天然物の肉類はシルクスから輸入しています。

 迷宮産の肉は小さくてね。無いよりは全然良いのですが」


「ええっと、もしかしてシンケンハージルとか言う奴は」

「おお、流石シルクスから来られた方ですな。

 アレはこちらでは珍味ですので、

 ここらではそんじょそこらの小金持ちでは手が出せませんな」


・・・。


なんてこった。

地元産かよ。

ホドワで買った方が安いんじゃないか?


わざわざ地元の物を、輸入されて割高になった状態で買ってしまったのか。

地理に疎いと言うのはこういう所で損をする。

米だって無理を言ってシルクスで仕入れたら暴利になっていた訳だ。


あれ、ちょっと待て、魚醤はここで作ってるとか言ったよな。

もしやユーアロナの高級食材の店はここから・・・。

考えるのはめた。


い、いや、他の食材も欲しいし、あの店はまだまだ利用価値がある。

個々の食材がどこ産であるか解らないし、直接買いに行くのは大変だ。


「色々助かった」

「はい、ごゆっくりプタンノラの町をお楽しみ下さいませ」


「では、アナ。そのカギの部屋へ」

「かしこまりました。304と305ですので隣同士ですね」


アナが階段を上がって行く。

日本のホテルでは通路ですらどちらに何号室があるのかが書かれているが、

この世界の宿はそれ程ユーザーフレンドリーでは無い。

アナが一部屋ずつプレートを確認し、幾ばくか目の部屋で戸を開けた。


「こちらでございます」


「ではカギはそこに置いて、一緒に来てくれ」

「かしこまりました」


早速壁掛け布をセットし、そのまま入る。

これでサンドラッドの宿とゲートで往復できるようになった。


「おかえりなさいませ、準備できております」


「ああ、では自分たちのパーティはそのまま向かってくれ」

「分りました」「はーい」

「エマレット、大丈夫ですか?持てますか?」(こくこく。)


アナを含めて5人がゲートの向こうに消えて行く。


「パニとラティも向かってくれ。終わったら向こうで待機だ」

「かしこまりました」「は、はいっ」


自分は最後に残った壁掛け布を片付け、

忘れ物が無いかどうかをチェックして退出だ。

鍵を受付に返し、礼を言って旅亭を出た。


と言ってもこの旅亭は玄関ホールに移動用の壁掛け布が置かれている。

そのまま利用させて頂き、プタンノラの宿へ直行だ。


荷物は部屋の隅に寄せられ、ヴィーとエミーはベッドに腰掛けていた。

ま、まあ良いけどさ。

自由過ぎない?君たち。


「では部屋を割り振るぞ」

「「「はい」」」


「イルマはこの部屋だ」

「えっ、あの、かしこまりました?」


「後は隣の部屋だ」

「分りました」「はーい」「かしこまりました」(こく。)

「あ、あの、よっ4人用の部屋で5人ですと、その・・・」


「ベッドが足りないよな、解っている。

 3つのベッドをくっつけて1つにしろ。そうすれば4人でも寝られる」

「は、はいぃっ」

「なるほど、俺は分かりますのでやっておきます」


「エミーとイルマは1人1つずつだ」

「え、ええと、あの・・・」(ふるふる。)


エミーはイルマの袖を引っ張って制止した。

自分がそういうのだから良いのだと解かっているようだ。


「ではお先に失礼します」

「ああ、明日の朝まで自由にして良い。夕食もそちらに運ばれるだろう」


この宿には併設の食堂が無かった、つまり部屋食だ。


わざわざ集まって食べる事も無いだろうし、

ここで解散したら明日の朝まで休日である。

小遣いもパニが持っているし、もう完全に放置で良い。


「あ、向こう組は着替えを持って行っていないな」

「それでしたら私がお届け致します」


イルマが着替えの束から5人分を集めて持って行った。

エミーの事が気になるのかも知れない。

分断されてしまったし。


「じゃあついでに、今日は休みでお出掛けも自由だと言っておいてくれ。

 その代わり纏まって行動するように」

「はっ」


イルマが出て行くと、ナズとアナが物凄い勢いで迫って来た。

そしてそのまま押し倒されて2人同時にキスをして来た。


・・・狩られた。


な、何なんだ、この2人は。

主人とか奴隷とか、立場は?

そんなに2人は自分とキスしたかったのか?

そもそも毎朝している。


サンドラッドに来てから10日間。

シルクスの宿にいる時も含めて2人の日課であるキスは朝だけ、

それも軽めであった。

勿論、夜のお務めだって申し付けていなかった。


「ほ、ほっほ、ほっほはあえへふえ、ほい、ほっほ・・・ぶはっ」


舌をじたばたさせると、ようやく2人は解放してくれた。


「た、たとえ夜の仕事が無くったって、

 お前達が大事な1番である事は変わりない。

 無理はしなくて良いからな?」

「そ、そうですか・・・」

「解っております」


ナズは悲しそうな顔を、アナは尻尾が・・・。

今までに見た事が無いような動きだ。

グネグネと波打っている。


これでアナの心情を解れと言うのだから性質が悪い。

初めての動きなのでさっぱり解らないが、

ナズが残念そうな表情をしている事から察するに、

これはアナも悲しかったりする時の動きなのか。


うーん。


今までずっとナズもアナも自分の命令を忠実に守る事で自分の気を引き、

1番である地位を守ろうとしていたのだと思っていたが、

これはそれ以上に好意を向けてくれていると言う事で良いのだろうか。


以前は自惚れ過ぎでは無いかと自制したが、どうもその線が濃厚だ。

ただし主従関係が気持ちの最後で邪魔をしている、そういう塩梅だ。


ナズもアナも自分に寄り添っていたいのだとすると、

ハッキリとそうしたいとは言えないでいるいじらしさを感じた。


当初アナはキスや夜の奉仕については、

命令されたので事務的にしているものかと思ったが、

最も忠義立ててくれているのだと言う事はもうだいぶ前から理解している。


逆にナズは当初愛人の枠だから、大事にされて当然と言う雰囲気があった。

そこから戦闘要員としての自覚を強く持った事で、

自分が求めている像から掛け離れた所を重要視するようになってしまった。


夜のお勤めは食事の支度より重要度が下だと思われていたようだし、

順序もアナが先なので今では2番手に収まってしまっている。

それでなのか、若干控え目になってしまったような感じであった。

しかし今日先程の様子はどうだろう。


またあれから心情を変化させたのだろうか?


アナは一途で一所懸命。

感情も尻尾に表れるので判り易い奴だと言う事は良く解ったが、

ナズの方はと言うと、

感情の動きは判り易いが気持ちの方は未だ理解が及んでいない。


それが自分の判断を鈍らせる。

これは恋慕か親愛か、或いは主従に依るものか。


「そ、そうか。では順番だ」

「は、はいっ!」

「ではお先に失礼します」


アナがナズに断りを入れ、ベッドの袂に座る自分へそっと近付いて来た。


「ん・・・ちゅっ・・・んふっ」


久しぶりの濃厚なキスだ。

ゆっくりたっぷり絡み合って、アナの方が満足して口を放した。


「し、失礼します」


続いてナズだ。

どういう訳かナズも誰かに断りを入れて迫って来る。


アナも自分も、座ったままで顔の位置が合うのだが、

ナズは背が低いので迫ろうとするのならば座高が足りない。

必然的にナズはベッドの上で縦膝になり、自分は気を利かせてやや上を向く。


「ちゅっ・・・ちゅっ・・・んっ・・・」


挨拶替わりの軽いキスから深いキスに代わり、

今までの鬱憤を晴らすものかと散々掻き回された。

小さい口が精いっぱいの動きを見せる。


ナズもアナも可愛い。


特にナズは見た目9割で選んだ。

アナもショートでボーイッシュさがあるが、美形の方である。

主人と奴隷と言う間柄でなければ自分には一生縁が無かった美人同士だ。


そんな2人から、いつの間にか自分は好意を向けられていたのだ。

素直に喜びたい所であるが、背景を考えると釈然としない。


金が先か、愛が先か。

それとも金も愛情も注いだからなのか。

そういうつもりでは無かったが、大事にはしている。


こちらの世界の終活を考えた際に、

自分もいつか誰かと結婚を・・・などとは考えもしなかった。


女性の奴隷がいて、

ハーレムを築き上げ、

ある程度の財を得たならば、

後は楽して暮らそう。


そんな風に、簡単に考えていた。


2人の気持ちが自分の思っているような本物であるならば、

もういっそこの2人を妻として迎えても良いのでは無いだろうか。

他種族間で子供が作れない事は幸いだ。

英雄の子を作る訳には行かない。


おっと、その前に重婚ってできるのか?


税制を考えると2人で4万ナール上乗せされてしまうので、

奴隷の身分のまま事実婚とすれば損は無いのだが、

それでは何だか自分が心苦しいし、2人も態度を変えられないだろう。


かと言って解放して婚姻関係を迫り、嫌ですと断られたらショックだ。


尊敬と慕情は違うかもしれない。

取り敢えず今は考えないようにしておこう。

もう少し確実に2人の気持ちが解るまでは、このままだ。


──コンコン。


「イルマです。宜しいでしょうか」


流石は屋敷の奴隷だ。

こちらはイルマを割り振ったので彼女の自室に当たるが、

主人がいる手前ちゃんと合図をして来た。

立ち居振る舞いはアナとよく似ているが、ここがアナとは違う。


もうイチャイチャタイムは終わっているが、

まだベッドに3人仲良く並んで座っていた。


「構わんぞ、ここはお前の部屋でもあるから自由に入って来い」

「かしこまりました」


自分とナズ、アナの3人を流し目で見て、

「お楽しみでしたね」と言わんばかりだ。

だからノックしたのか。

ここにイルマも入れようと考えているのだが。


・・・イルマを入れて3人か。

どうなんだろう。

ナズとアナが受け入れられなければ計画は頓挫する。


「イルマ」

「はい、御用でしょうか」


「・・・いや、やっぱり何でも無い。

 ナズ、アナ、午後は休みなので皆と買い物や散策をして来て良いぞ」

「はい、では珍しい食べ物があるかどうか見て参りますね」

「でしたら私は、先程お聞きになっていた酒と、

 それから魚醤の値段を調べて参ります」


「ではそれを頼む。アナが気になった物を見て来ても良いからな?」

「心得ております」


3人に手をひらひらと振って、

壁掛け布からサンドラッドの商人ギルドへ飛んだ。

∽今日のステータス(2022/02/20)


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv63

  設定:探索者(63)魔道士(37)勇者(27)神官(37)

     道化師:中土魔法・荒野移動/知力中・知力大(35)


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 隻眼  Lv19 1st

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 忍   Lv19 1st

 ・ジャーブ     狼人族  ♂ 28歳 聖騎士 Lv19 1st

 ・ヴィクトラ    竜人族  ♀ 12歳 竜騎士 Lv48 1st

 ・エマレット    狼人族  ♀ 19歳 料理人 Lv39 OFF

 ・パニ       竜人族  ♂ 15歳 冒険者 Lv14 2nd

 ・ラティ      人間   女 28歳 探索者 Lv43 2nd

 ・イルマ      狼人族  ♀ 21歳 僧侶  Lv31 1st

 ・クルアチ     兎人族  ♀ 18歳 村人  Lv1  OFF


  ↓


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv63

  設定:探索者(63)魔道士(38)勇者(27)神官(38)

     道化師:下雷魔法・荒野移動/知力中・知力大(35)


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 隻眼  Lv20 1st

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 忍   Lv20 1st

 ・ジャーブ     狼人族  ♂ 28歳 聖騎士 Lv19 1st

 ・ヴィクトラ    竜人族  ♀ 12歳 竜騎士 Lv48 1st

 ・エマレット    狼人族  ♀ 19歳 料理人 Lv39 OFF

 ・パニ       竜人族  ♂ 15歳 冒険者 Lv14 2nd

 ・ラティ      人間   女 28歳 探索者 Lv43 2nd

 ・イルマ      狼人族  ♀ 21歳 僧侶  Lv32 1st

 ・クルアチ     兎人族  ♀ 18歳 村人  Lv1  OFF



 ・収得品

   ハサミ      × 16   革        ×  8

   鼈甲       × 22   羽毛       × 43



 ・異世界71日目(昼)

   ナズ・アナ66日目、ジャ60日目、ヴィ53日目、エミ46日目

   パニ39日目、ラテ18日目、イル・クル15日目

   プタンノラの旅亭宿泊1/20日目



 ・ダイダリの迷宮

  25 シザーリザード    /  マザーリザード

  26 タルタートル     /  トータルタートル

  27 ロックバード     /  ファイヤーバード

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