§225 皮算用
部屋で休んでいると、昼食が配膳された。
取りに行かなくても良いと言う時点でもう高級なのだろう。
流石に金属のボウルを逆にしたような蓋が被せられている訳では無いが、
上げ膳下げ膳の時点で十分過ぎる程のサービスだ。
メニューはパンを浸したミルク粥に卵を落としたスープ、煮込肉にサラダ。
何だ、やればできるじゃない。
これで良いんだよ、これで。
パン粥では無く米の雑炊やお茶漬けであったら最高であった。
ジャーブとヴィーは相変わらず肉料理をガツガツと食べる。
パワータイプは伊達では無い。
イルマとラティも臆せずに濃い目の味付けの料理を口へ運んで行く。
彼らは何でも良いのだろう、強靭な胃袋だ。
「そういえば、エミー。午前中に誰か来たか?」
「・・・誰も・・・ません・・・た。受付・・・・も確認・・・した」
「そうか、わざわざ聞いてくれたのか、ありがとう」
「・・・はい」
午前中に使いの者は来なかったらしい。
来ていたらその足でシュメールに行く予定だったが、
流石に昨日の今日朝イチでは許可も糞も無いか。
今頃その許可証とやらの申請が通って、
午後を回った辺りで商館に送られる位なのだろう。
この世界の時間の緩さを忘れていた所であった。
ではまた迷宮だ。
する事が無ければ迷宮、と言うのがちょっと気になった。
確かに現状では56層を攻略できる実力があるのだから、
現れたばかりだと言う迷宮であるならば、
当分は押し進めて行っても安泰であると言える。
これが1年後、2年後はどうだろう。
安心できる階層だとか言って50層60層を中心に回る事となったら、
どこかで躓いて取り返しの付かない事になるかもしれない。
やはり迷宮は恐ろしい。
辞め時と言う物を考えて置かなければならない。
このままでは老いて戦えなくなっても、
迷宮へ向かう癖が抜けなくなってしまうと思う。
ある程度の資産を築く事が出来たのだし、
もう無理に潜る必要も無い状況ではあるが、
育成途中になっている部分だけは区切りを付けて置きたい気持ちはある。
それならば今後は50層までを目途にして、
育成途中になっているジョブのLv上げと、
生活で必要な食材や素材の収集だけに留めるのはどうだろう。
そして、その中でどう生活するかを考えた方が安心できる。
無理をしない、それが自分流だ。
無茶はして来た、もうこりごりだ。
「では午後も迷宮に行こうか」
「「かしこまりました」」
「また俺達は別行動ですかね」
「アタイはどっち?」
「ラティ、午前中はどこまで行ったんだっけ?」
「は、はいっ、ええっと13層です!
次はロートルトロール、その次がサラセニア、
ピッグホッグでフライトラップと続くようですッ!」
「あれ?ではパーンは?」
「はっ、はいっ、アナ様がパーンを止めて下さったので、
たっ、倒してしまいましたっ」
「そうか、やはりナズとアナが居ればパーンは余裕だったな」
「そっ、そうですかね?わ、私はパーンを見たのが初めてでして・・・」
歯切れが悪い所を見ると戦闘には貢献できなかったように見える。
何事も経験は大事なので、次は剣を当てられるようになって貰えれば。
「あ、そういえばお預かりしておりましたお金をお返ししますね」
ナズから11枚の銀貨を返却された。
律儀な。
適当に飲み物でも買って帰れば良いのに。
パニに渡した金貨4枚も、この様子では殆ど使用されていないのだろう。
「では自分達はまた17層で狩るので、頑張って追い付け」
「は、はいっ、行って参りますッ!」
ラティがパーティ編成の詠唱を行うと、
パニがゲートを出して午前中と同じメンバーを連れて行った。
そしてゲートが閉じる。
「では我々も行こう。エミー、また留守番を頼むぞ」
「行っ・・・らっ・・・・・・ませ」
ゲートを出して17層の中間部屋に出る。
最後に入って来たイルマが感謝の念を述べた。
「ご主人様、エマレットはもう大分言葉を話せるようになりました。
ご主人様には何とお礼を申し上げて良いのか分かりません・・・」
「そうか、以前イルマが心配していた事も心配無用なようだぞ」
「ええと、どういう事でしょうか?」
「エミーを助けたくても助けられなかったと言っていただろう?
罪滅ぼしをしたいと」
「は、はい。そうですね・・・無用とは?」
「エミーはお前の気持ちを理解している」
「そ・・・う、なのですか?」
「そもそも、引き取って最初に発した言葉が『お姉ちゃん』だった。
その言葉を聞いてイルマを迎え入れようと思ったのだ。
お前が今ここにいるのはエミーの望みだ。
それが叶った事で、エミーにはもう何も必要無いのだと思う。
お前はこれからずっと一緒に居てやれば良い」
「あっ・・・ありが・・・ますっ・・・ふぐっ・・・」
忘れてた。
イルマはシャキシャキしているようで涙脆い。
泣かせる意図は無かったが、
イルマが最初に発言して来た手前そう返答せざるを得なかったのだ。
不可抗力だな。
「ヴィー、先行って良いぞ、道は憶えているか?」
「あーい。じゃ先、行くね?」
ヴィーの先行に合わせてイルマを押し出しながら進む。
魔物はヴィーが止めるし、
自分は矢を撃ち込んでからボーナス魔法と通常魔法で2コンボ。
イルマがいなくても元々余裕だ。
極稀にロートルトロールが出て来る可能性はあるが、
ヴィーはもう麻痺しない。
鍛錬も積んだし、大楯を構える事で守りは鉄壁になった。
この階層だけに限って言えば我々は余裕だった。
午前中は陳皮が1枠と半分程度を埋めた所で昼だと言われた。
ならば、午後は3枠が一杯になれば丁度ではなかろうか。
ボスを倒して出て来たアイテムの数を頼りに狩りを続けた。
*
*
*
さて、3枠の陳皮を手に入れた。
強壮剤換算では3倍になるのだから、9枠分。
現状6,7個も飲めばMPはほぼ満タンまで回復する事が判っている。
62×9÷6、面倒なので60個換算で90回全快にして余る量だ。
半夏はその倍量あるので、当分MPの心配はいらないと思う。
まだナズたち一行が連絡に来ない所を見ると、
時間的には余裕があるのだろう。
中間部屋で待つべきか、先に帰るべきかは悩ましい所である。
自分はこの迷宮の1層すら入った事が無いので、
ここから移動できるとしたら次の18層エントランスか、
17層の入り口、或いは中間部屋にしか移動できない。
1層ずつ戻ってナズたちを確認すると言った方法は取れないのだ。
「ヴィー、先に帰って部屋で休むか?」
「イイの?」
「構わんぞ、自分はここでナズたちを待つ。
入れ違いになっては可哀そうだし、
先に進んだと思われて追い掛けられても困るからな」
「うーん、それじゃアタイもまつ」
「そうか?やる事は特にないぞ」
「うん」
そうは言っても何も無い場所で腰を落とすとなると尻が痛くなる。
一旦旅亭に戻って椅子を1脚担いで戻って来ると、
ヴィーも欲しいと言い出した。
「イルマはどうだ?ついでに戻るか?」
「ええと、はい、エマレットの様子はどうでしたでしょうか」
「気になるなら見て来い。
帰っても良いという選択肢をお前に与えた」
「は、はい。では私は戻らせて頂きます」
ゲートを開くとイルマが戻って行った。
続いてヴィーが椅子と手紙を持って戻って来る。
「ご主人サマ、なんかコレわたされた。いもねーちゃんから」
イモ・・・エミーの事だよな。
相変わらず芋姉ちゃん呼ばわりか。
悪気は無いのだと思うが、いい加減名前で呼んでやって欲しい。
「分かった、ありがとう」
そのままポーチにしまうと、ヴィーは怪訝そうな顔をした。
「よまないの?」
「うーん、読みたいが、読めないのだ。自分はこちらの言葉が解らない」
「えっそうなの?、ご主人サマもショーカンでおベンキョーする?」
「い、いや、しないぞ。覚える必要が無いからな。
ナズかアナに読んで貰うから大丈夫だ」
「ふぅん?」
確かに読めたら大変便利だ。
いつかは最低でも読めるように成りたい。
別にそれは今でなくても良いよね?って事だ。
大体、主人が商館で勉強とかどうなってるんだ。
「ヴィーはもっと沢山の事を習いたいか?まだ文字が書けないだろう?」
「うーん・・・べつに今のままでいーけど、
ご主人サマがやれって言うなら」
「そうか。ヴィーが覚えたくなったらその時言ってくれ」
「うん」
暫くの沈黙が生まれる。
ヴィーとはこれと言って話すような話題が無い。
それを言ったら本来仕事を申し付ける事以外、
奴隷と話す事なんて普通は無いのだろう。
しかしそこは日本人の性か、
空気を読んで場を繋がなければ義務感に苛まれる。
自分の子供に接するような感じで温かく見守って来たが、
そもそも実子では無いし12歳ならばある程度に分別がある。
子ども扱いするのも悪いし、かと言って難しい話をしても判らないだろう。
小さい頃に家は崩壊しているし、家族どころか親すら知らないでいる。
盗賊だった頃の話を聞いてトラウマを穿り返すのも可哀想だ。
そんな事を思っていたら、ヴィーから話を始められた。
「ご主人様は皆に優しいね」
「うん?」
「アタイは奴隷って、
もっと殴られたり怒られたりするのかと思ってました」
「そんな事を心配してたのか。
そもそもヴィーは奴隷の自覚があるかどうか心配になっていたが」
「アっ、アタイだって、ちゃんと考えてますっ」
「そうか?特に食べ物の事になるとお前は大変失礼になる」
「そっ、それは・・・その、ごめんなさい」
さっきからヴィーの口調が綺麗だ。
恐らく竜人語なのだろう。
いつもの片言であるブラヒム語では無く、
ちゃんと話したいから竜人語なのだと思う。
それだけ真剣な気持ちで話をしているのだろう。
そもそも奴隷の自覚があるなら、
必要な事以外は主人に口を利かないんじゃないのか?
奴隷として教育された訳では無いから、
その辺りのルールは判らない事なのだろうな。
「何か気になる事があるのか?」
「アタイがご主人様のお部屋に行った時に、
ご奉仕をさせて貰えなかったのはなんでですか」
「まだ気にしてたのか。お前はまだ幼いし、そういう事は怖いだろう?」
「そ、それは、そう・・・だけど、
商館ではそうすると褒めて貰えるって教えて貰いました」
「褒めて欲しいのなら幾らでも褒めてやるぞ?お前は凄い。偉い」
「えっ、いや、そういう事じゃなくって」
「まあな、実を言うと自分はそれ程体力が無くてな?」
「うん?」
「ナズとアナの相手で精いっぱいなのだ。それ以上は持たない」
「そ、そう?・・・なの?」
「後は・・・お前は小さ過ぎる。
自分の好み的にはナズからアナ位が丁度良い。
ラティはちょっと年上過ぎてな」
「じゃあ新しく来た妹姉ちゃんのお姉ちゃんは?」
「おお、あの位なら好みだ。だが、イルマは病気を持っていてな」
「ビョーキ?」
「前にも言ったと思うが、ご奉仕されると自分まで病気になる。
だからお前はあの姉妹に触れるなよ?」
「そ、そっか・・・可哀想。何とかならないの?」
「その為にここに来た。
エミーとイルマの病気を治すのに必要な器具を買うため、
パニにはわざわざ船に乗って貰ってここまで来たのだ」
「パニ?そういえばどうしてパニだけ船に乗ったの?」
「うーん、自分はどこにでも移動できるスキルを持ってはいる。
しかしそれには一度、直接行った事が無いと使用できない」
「そうなの?」
「パニだけ先に行って貰って、そこから移動魔法で帰って来たのだ」
と言う説明をして置かないと色々問題がありそうだ。
ヴィーはスキルの事に付いてまるで知識が無い。
うっかりどこかで言い触らしかねない。
「えっ、じゃあパニも同じ事ができるの?」
「できるも何も、既にパニに何度か連れて行って貰っているだろう」
「パニの魔法じゃ迷宮に直接行けないよ」
「じ、自分の魔法はパニよりも1つ上の難しい魔法なのだ。
地上で移動する分ならパニだって同じ事ができる」
「そっか、パニって凄いんだ」
「暫くパニがいなくて寂しかったか?」
「う、うん。パニがいないと色々教えて貰えないし、
ジャーブ兄ちゃんだと難しい事は分かんないって言うし、
ナズ姉ちゃんとアナ姉ちゃんはいつも忙しそうだし」
「イルマとラティはどうだ?」
「妹姉ちゃんのお姉ちゃんはお話しし難い感じがして、
もう1人のお姉ちゃんは何だか煩そうで・・・」
奴隷同士の間柄は、話し辛いイルマのような物腰が普通なのだろう。
イルマは常に誰も寄せ付けない雰囲気を醸し出している。
下位の奴隷に出し抜かれないように、上位の奴隷に蔑まれないように。
そうする事で彼女は自らの地位を守っている訳だ。
ウチではそんな要素は無いので気を楽にして貰いたい。
ヴィーから見て気が許せる位にならないと一人前では無いのだ、ウチでは。
エミーの閉ざされた心が融解したように、
いつの日かイルマの身持ちも柔らかく解してやりたい。
「では、やはりパニか」
「うん、話し易いし、色々教えてくれるし、おかずもくれるし、優しい」
「コラッ!おかずはパニが残した時だけにしなさい」
「は、はいっ、わ、分ってます」
ヴィーの中でパニの存在が大きくなっている。
それは良い事である。
ジャーブとエミーは急接近してしまったようだが、
こちらはゆっくりと育って行って欲しい。
「でもご主人様はパニと──」
──ヴォン。
「あっ、ご主人様、こちらにおられたのですね。
お待たせしてしまったようで、申し訳ありません」
「ご主人様・・・とヴィーですね。お待たせ致しました。
イルマの姿が見えないようですが」
「イルマは先に帰した。これを読んでくれ」
「かしこまりました、ええと・・・シュメールの町の中に入る許可証と、
それからそこでの店を構える用聞き商人のお住まいとお名前です。
シュメール騎士団の署名も入っておりますので、これは公の文書です」
アナに要約して貰っている間に、
ジャーブとパニ、ラティがゲートをくぐってやって来た。
「よし、全員揃ったな、帰るか。どこまで行けたんだ?」
「はい。少し時間が押してはおりましたが、
16層の中間部屋まで攻略が進んでしまいまして、
どうせならボスを倒しユウキ様がおられる場所まで、
地図を繋げてしまおうかと言う話になりました」
「おお、そうか。
それなら17層の地図を描けば次の18層からはみんなで行けるな?」
「そうですね、このまま17層も回られますか?」
「いや夕食後で良い。夕食を食べたらアナとラティは残業だ。
もう1人欲しいが、誰か一緒に回ってくれないか?」
「それでは私「俺」が・・・」
ナズとジャーブが同時に返事をして顔を見合わせた。
じゃあ良いよ、一緒に来い来い。
「じゃあ5人だな」
「はい、宜しくお願いします」
「低階層では鈍ってしまいますので、
多少は手応えのある魔物も倒しませんと!」
相手はフライトラップだしサブもピッグホッグなので、
ジャーブの望む手応えがあるかどうかは知らない。
ヴィーと自分は持って来た椅子を抱えてゲートに入り、
遅れてパニのゲートが開き、全員が帰還した。
既に夕食はソファテーブルと机の上へ並べられており、
エミーとイルマは立ってのお辞儀で自分の帰りを出迎えた。
お堅いイルマらしい。
多分エミー1人だった場合は座ったままペコリだ。
「エミー、イルマ、準備を済まないな」
エミーは深く礼をしたまま頭を上げて来ない。
どうやら催促されているようなので、4回撫でて解放した。
奴隷の仕事は、本来ならばできて0点。
主人が思いも付かなかったような成果を挙げられてようやく加点される。
こんな何でもない食事の配膳は、本来褒められる内容では無いのだ。
いやこの旅亭では給仕までのサービスがある訳だから、
エミーは部屋の戸を開けて誘導しただけに過ぎない。
つまりは只の留守番だ。
それに対して褒美として褒めて労った訳なのだから、
当然その事に慣れていないイルマからしたら驚きだろう。
現に驚いて、変な顔になっている。
そのうち慣れてくれれば良い。
今までがお堅過ぎたのだ。
流石にエミーのように撫でて欲しいとは思っていないだろうが、
たとえ褒められるような事では無くとも、
望めば与えられると言う事を覚えてくれれば良いと思う。
今日の夕食であるミルク粥を啜りながら、イルマには力を抜けと説明した。
***
夕食を取り終えダイダリ17層に向かう。
大体半分まで作成された地図は、
残りの枝道である細かい行き止まりを確認するだけであった。
預かっていた17層の途中まで描かれたパピルスをラティに返し、
行ってない部分を埋めるだけだったので特に時間も掛からなかった。
17層までの地図を描き終えたラティは、
束ねられたパピルスを前に充足感を覚えたようだ。
「どうだ、ラティ。ここまでの地図を作った感想は」
「こここんなにし、しっかりした地図を作った事は、はっ、初めてですっ。
いっ、1枚2枚ならいざ知らず、もうこれはお宝ですっ!」
「その宝を作ったのは他ならぬお前自身だぞ?」
「そそそうなんですが、じじ実感が湧きませんっ」
「で、それを売ろうと思う」
「ええっ!?せっかく作ったのに売ってしまわれるのですか!?」
「それ自体を売る訳では無いぞ。
以前言ったと思うが、それを版画にして複写する。
手書きで写すのも大変だし、間違ったり失敗したりするかもしれない。
汚れた紙面や書き損じた文字が在っては売り物にならないし、
そもそも地図に間違いは許されない」
「そっ、そうです。そのハンガってどうやるんでしょうか?」
「簡単だ。それを元に木板へ彫って、そこにインクを垂らす。
そうすると、後は木にインクを垂らすだけで同じ物が沢山作成できる」
「えっ、えっ、ええと・・・?」
やはり版画の技術が無いので、言っても理解が及ばない。
凸版印刷の技術は産業革命以降だ。
それ以前にも版画はあっただろうが、
高尚な芸術家が技巧として用いるのみであり、
事、製本をする上ではまだ使用されていないのだろう。
そもそも版画の技法自体が、
この世界の文化発展段階では生まれていないのかもしれない。
あまり変な物を作り続けて目を付けられるのも困るので、
版画の原本は人にお願いせず自分たちで手彫りした方が良さそうだ。
問題は誰がやるかと言う点だ。
ナズなら教えれば上手にできそうだ。
ジャーブもあれで意外と手先は器用で、
何度か練習すればきっと上手く彫って貰える事だろう。
ラティは線を引くのが上手なので、
ナイフで板を削る事にも適性があるのではと思う。
他のメンバーは興味がある者にやらせてみて、
上手く行きそうならば量産をするのが良いと思う。
現状地図を描けるのがラティ只1人であり、探索にはアナが必要だ。
自分とアナ、ラティと他にもう1人位を迷宮へ連れて行き、
22層までを作成して製本してみるのはどうか。
幸い木の板は大量に余っている。
ドロップアイテムを削る事ができるのかと言う疑問と、
削ってしまった後にそれが鍛冶の材料として利用できるのかどうか、
マジックアイテムの効力が残るのかと言う疑問は残る。
道具の方は大工に頼んで、
装飾用のナイフを売って貰うしか無いだろう。
であれば、明日の予定はこうだ。
大工に小刀を頼む。
場合に依っては作成依頼だ。
次にナイフで木の板を彫ってみて、版画に使用できるか試す。
駄目なら版画用の木の板を大工に発注しなければならない。
行けそうであれば、まずはダイダリの1層を1枚作ってみる。
その後印刷をしてみて、出来栄えの評価だ。
11層程度ではあまり需要が無いかと思うが、
22層分あれば絶対に中堅冒険者は欲しくなるだろう。
この国に滞在しているいる僅かな期間で、
折り返しである33層まで行けるかどうかはまた別の話だ。
拠点をシュメールに移した後でダイダリの攻略を続けても悪くは無い。
どうせこちらの国なら迷宮は持って数年の命。
まだそれほど攻略されていないダイダリの迷宮は、
地図をお試しで売るには打って付けであった。
未熟な冒険者たちの時間なのだ。
クーラタルでは80層以上に迷宮は進化しており、
簡単に討伐されないからこそ羊皮紙でできた謹製本が作成されていた。
ここで羊皮紙の地図を作る事はナンセンスだが、
トラッサやホドワ、ルイジーナにある迷宮であれば、
間違って討伐されない限り永遠に続くだろう。
羊皮紙で地図を発刊すれば絶対に儲けられる。
まだ何1つ問題が解決されていないが、
羊皮紙で一儲けする姿に自分を想像してほくそ笑んだ。
取らぬ狸の何とかである。
皮紙だけに。
「あの、ご主人様・・・お顔が・・・」
「顔が歪んでおられます」
久しぶりに悪い男の顔になってしまったらしい。
∽今日のステータス(2022/01/01)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv62
設定:探索者(62)魔道士(34)勇者(21)神官(27)
道化師:下雷魔法・荒野移動/知力中・知力大(29)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 隻眼 Lv8 2nd
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 忍 Lv8 2nd
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 聖騎士 Lv7 2nd
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv48 1st
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv32 1st
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 冒険者 Lv10 2nd
・ラティ 人間 女 28歳 探索者 Lv39 2nd
・イルマ 狼人族 ♀ 21歳 僧侶 Lv17 1st
・クルアチ 兎人族 ♀ 18歳 村人 Lv1 OFF
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv62
設定:探索者(62)魔道士(35)勇者(22)神官(29)
道化師:中火魔法・荒野移動/知力中・知力大(30)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 隻眼 Lv9 2nd
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 忍 Lv8 2nd
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 聖騎士 Lv8 2nd
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv48 1st
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv34 1st
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 冒険者 Lv10 2nd
・ラティ 人間 女 28歳 探索者 Lv39 2nd
・イルマ 狼人族 ♀ 21歳 僧侶 Lv20 1st
・クルアチ 兎人族 ♀ 18歳 村人 Lv1 OFF
・収得品
鑄 × 38 鉄 × 1
附子 × 42 半夏 × 1
豚バラ肉 × 21 ヒレ × 1
・収得品
鑄 × 2 木の板 × 1
豚バラ肉 × 46 附子 ×31
遠志 ×115 陳皮 ×89
・繰越金額 (白金貨30枚・利用券3枚)
金貨 30枚 銀貨 31枚 銅貨 85枚
迷宮案内費返却 銀貨11枚
銀貨+11枚
------------------------
計 金貨 30枚 銀貨 42枚 銅貨 85枚
・異世界64日目(昼)
ナズ・アナ59日目、ジャ53日目、ヴィ46日目、エミ39日目
パニ29日目、ラテ11日目、イル・クル8日目
サンドラの旅亭宿泊4/10日目
・ダイダリの迷宮
Lv 魔物 / ボス
14 ロートルトロール / ロールトロール
15 サラセニア / ネペンテス
16 ピッグホッグ / ピックホッグ
17 フライトラップ / アニマルトラップ




