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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第九章 進展
165/394

§153 戦慄

昼食の準備にはまだ少し時間がある段階で、早めに切り上げた。

ボス戦前だったので丁度一区切りでもある。


この所エミーばかりに食事の準備をさせてしまっている。

ナズも申し訳無さそうにしていたので、

これはその分を取り返して貰うための判断だ。


奴隷同士で委細巨細いざこざを起こされては居心地が良い物では無い。

一番奴隷であるナズの方が申し訳無いと思っているのだから、

そういう事態が起きる状態では無いと思うのだが、

皆が気持ち良く働ける職場を保つ事は上に立つ者の役目だろう。


ミチオ君の所はどうだったっけな。


取り敢えずロクサーヌは強権を発していたような気がする。

それから理詰めで責めて来るセリーに、

泥棒猫と自己主張しない根っから奴隷のベスタ、跳ね返り娘のルティナか。

ミチオ君が何かを気にしている素振りは無かったような気もする。


・・・うーん、ノーコメントだ。

2日で毒牙を抜かれたルティナを察した。

我が社はホワイトカンパニーでありたい。


そういえば念願の23層に到達したのだ。

ここで鍛錬を積めばLv50へ到達する事ができる。

迷宮探索の一定の目途が立ったとも言える。


目下56層への対処と言う課題が残っているが、

これが終われば概ね目前に迫る懸念は消える事となる。

ここらで多めに休息を出そう。


生活に必要な物を各自で考えて貰って買って来ると言う課題を与え、

全体的な生活向上を図るのも良い。


これを買って来いでは奴隷たちの本心を覗く事はできないし、

好きに使えでは遠慮して何も買いたがらない。

各人の目線で何が足りていないのか判断して貰えば、

何に不満があるか、どう改善したいかを知れるチャンスでもある。


一石二鳥だ。


自室でアイテムボックスから銀貨30枚を取り出して、

小銭袋へ纏めて別にした。


ナズから食事に呼ばれる。

昼休憩の間ジャーブは畑仕事に向かい、

ヴィーは自室でパニと何か話していたようだ。


7人が食卓に集まり、いつもの挨拶から食事を始める。


今日はパニも「いただきます」をし始めた。

タイミングこそ合わなかったが、大事なのは心意気だ。

朱に交われば赤くなるとは言ったもので、

今ではヴィーだけが参加しないのみである。

このままであれば多分そのうちヴィーもやり始めると思う。


昼食は赤身の煮付けだった。

醤油とペッパー、野菜が一緒に煮込まれ、

トロトロ、ほろほろと身が崩れ、これはこれで美味だった。


結局シーチキンだと思えばどう調理しようが旨いはずなのだ。

実はあれが鮪だって知ってる人、少ない気がする。

それで良いのか現代人。

もう日本人ですら無いが。


では次はシーチキンサラダ、作って貰おうじゃないか。

水煮して塩とオリーブオイルで漬して野菜に添えるだけだ。

もうそれだけで旨い。ズルい。

そういえばマヨがあったな・・・。


食事中に騎士団の件と合わせて、ナズの休みを報告する。


「今朝方、騎士団から報告が来た。

 5日後、エミーとパニ以外は騎士団へ赴く事になった。ヴィーも同行だ」

「「かしこまりました」」「盗賊の件ですね?」

「えっ!」


ヴィーが驚き、身を固くした。

食事中の手が止まる。

勘違いしていると思うが、放って置こう。

揶揄からかうと味が出る奴だし。


「それから5日後は丁度ナズが歌いに行く日だが、

 そこは休むように女将さんへ伝えて置いてくれ」

「かしこまりました」


「そういう訳だから、5日後の酒場での飲食はお休みだ」

「はい」「大丈夫です」(こくり。)


「も、もしかして、みなさん毎回あのような物を頂いていたのですか」

「そうだよ?パニ君」(こくり。)

「この家では、ご主人様が定期的に色々なご馳走をお与え下さいます」

「女将さんのお料理はどれも美味しいので、

 是非タコス以外も召し上がって下さいね?」


「そういえばタコス以外にお前たちは頼まないよな。

 遠慮せず別の物も注文して良いぞ?」

「しかし、アレが食べられるのはあそこだけですので、俺はいつも通りで」

「ぼ、僕もあのお料理は初めて頂きましたが、それで十分です!」

(こくこく。)


何だみんなタコスか・・・。

正直あれが一番高いんだが。

これまで酒は高いからと遠慮していたジャーブに、

安酒2杯よりアレ1個の方が高いんだと教えたら驚いていた。


ヴィーはまだカタカタ震えていた。

そろそろ弄って、もとい、浮上させてやるか。


「どうしたヴィー?」

「あ、あの、ああ、アタイ何かわるいことしましたか」


「何か自覚はあったか?」

「えっ、あの、いや、パニのおニクもらったりとか・・・」


「えっ?そうなの?」

「は、はい。ヴィー様に欲しいと言われましたので少しお分け致しました」


そんな事してたのか、意外とヴィーは暴君だった。


まあ足りなかったのならしょうがないな、育ち盛りの子なのだし。

それを言ったらパニもそうだとは思うのだが、

ヴィーには逆らうなと言った手前仕方無いだろう。


「他には?」

「あさのパンをみんなよりひとつおおく食べました・・・」


しょーも無い事を告白されても対応に困る。

怪訝そうな顔になってしまうが、取り立てて怒るような内容でも無い。

余っているなら欲しい奴が食えよ。

ただ自分の顔が変に困惑した事で、ヴィーがより一層恐怖した。


「あー、騎士団へ行く用事はヴィーが盗賊だった事と無関係だ。

 以前別件で捕まえた盗賊を処罰する事が決まったらしいので、

 その立ち合いだ」

「と、とうぞく・・・つかまえたらしけいになりますか」


「まあそうだろうな、ヴィーはもう盗賊じゃないから大丈夫だぞ?」

「ほんとう・・・ですか?」


「ああ、本当だ。ヴィーが処罰されたら困るからな。別の盗賊だ」

「よ、よかった・・・」

「ヴィー様が元盗賊だと言うのは本当なのですか?」

「それは本当です。私とナズさんで捕らえました」


「あの時はジャーブが翻弄されたり、撒かれたりして面白かったな?」

「その節は申し訳ありませんでしたっ!」


「でも、そのお陰でヴィーちゃんがここへ来る事になったのですから、

 良かったじゃないですか。ね?ジャーブさん」

「は、はぁ・・・」

「・・・ジャーブ兄ちゃんも、ごめんなさい」


「まあそんな訳で、

 ヴィーとは関係無いがヴィーも行く事になるから、そこは宜しく」

「・・・はい」


「目的は56層の探索と騎士団の護衛だ。処刑の立ち合いに参加する」

「しょ・・・けい・・・」


ヴィーが震えた。

パニも息を飲んだ。


ナズはあまり気にしていないようだ。

もう迷宮ではだいぶ前線に参加したのだし、度胸はそこそこ付いている。

アナとジャーブはまあ、普通だろう。

そもそもこの3人とは、目の前で盗賊団を討伐している。


「何度も言うが、ヴィーはもう盗賊じゃないから大丈夫だぞ?」

「は、はいっ!」


「不安か?」

「ちょ、ちょっと・・・」


インテリジェンスカードを出してやれば気が済むだろうか?

しかしパニもいる手前、余りミラクルは起こしたくない。

どうせ5日後に騎士の面前で戦うのだ。

そこで騎士から直々に見せて貰えば不安も解消されるだろう。


「それじゃあ皆が食事を終えるまでは少し休憩だ。

 午後からはボスのレムゴーレムを周回する。

 これから3日間、ずっと練習するので頼むぞ?

 56層ではレムゴーレムが最大で6匹出るから、

 ナズも含めて最大4人が前面で戦線を維持して貰う事になる」

「わ、解りました。私でも大丈夫でしょうか」


「ナズはセンスがある、大丈夫だ。 

 以前にも言っただろう?その実力があると」

「そ、そうでした。頑張ります!」


口から出任せでナズを口説き落とすために言ったセリフが、

今では心底そう思えているのだから性質タチが悪い。

ナズは本当に戦力の1人として数えられる位の力量があった。


「これまで戦って来たノンレムゴーレムで、私の力では一杯一杯です。

 あれよりも大きいとなると、正直受け止められる気が致しません」


「ボスだからみんな大きくなる訳では無いぞ。

 大きさ自体はほぼ変わらないらしいから、そこは大丈夫だ」

「それなら大丈夫そうです、安心致しました」


見た事は無いが、ミチオ君は確かにそう言っていた。

全部彼らの知識で申し訳無いが。

気が付く程に大きかったら、そう言っていたはずだ。

大差は無いと言っていたので大丈夫・・・だと思いたい。


「変なスキルや魔法を使って来たら厄介ですね」


「使って来るどころか、初回は眠っていたりするらしい。

 但しやたらと固いそうなので、

 打撃で倒す事は考えず防衛に徹してくれればそれで良い。

 寝てたら起こすな」

「それならば沢山出て来ても、寝てる可能性があれば楽ですね!」


楽かどうかは判らない。

素早さがアップしていたとすると、ヴィーはどうだろうか。

パンチ力も重くなっていたら、もっとどうだろう。

こればかりはやってみてから行けるかどうかを判断しなければ。


どうしても危なそうなら辞退と言う手も考えなければならない。

そういった意味では、攻略の階層がその辺りに到達していて良かった。

これが未だに16層辺りだった場合、最初から辞退している所であった。


「では準備ができたら行くぞ」

「「はい」」

「あっ、ちょっと、いま食べます!」


恐怖して手が止まっていたヴィーは、今日一番食事の進みが遅かった。



   ***



食事を終えて再び準備をするまではやや間がある。


迷宮の途中で弁当を食べに一旦外へ出る探索者達とは違って、

自分のように家を持つ冒険者のパーティは一旦自宅へ帰る者が殆どだろう。


そこで鎧を脱ぐか脱がないかは別として、

ウチの場合はヴィーがプレートメイルなので、

着衣のままでは椅子に座る事は難しい。

従ってどうしても着脱の時間が掛かってしまう。


その分迷宮へ向うには遅くなる。

その所為なのか、既に中間部屋から先行するパーティがいた。

迂回路が無い場合はそのままボス部屋への順番となってしまう。


「ちょっと走るぞ」

「「はい」」「かしこまりました」「あいっ」


アナを先行させ、ボスの待機部屋までを一気に駆け抜けた。


道中で2グループのノンレムゴーレムと対峙したが、

後発のパーティは追い付いて来なかったので、

別の道を行ったか他の魔物に引っ掛かったかしたのだろう。


相変わらず設置したウォーターウォールからは逃げもせず、

15秒きっかりダメージを与え続ける事ができた。

矢も失う事が無いので、安心して追撃を入れる事が可能だ。


ゴーレム、実は倒し易い説かもしれない。

そういえば魔法使いがいないパーティが、

安定して倒せるのがゴーレムのフロアだとセリーも言っていた。

と言う事は、人気階なのだ。


ボスドロップはダマスカス鋼だし、

岩はセメント材料として需要がある。

日によりけりかもしれないが、

ボスの周回は時間が掛かるかもしれないと考えて置くべきだろう。


ダッシュした成果も虚しく、ボス部屋には別の先行パーティがいた。

待機部屋で待つ事にする。


ここでまた練習などして消耗してしまったら、

以前のロールトロール戦のように危険をこうむる可能性もある。

大人しく待つ以外にする事が無いのだ。

ステータスを弄る事ができる自分は、それが唯一今できる事だろう。


探索者のLvはまた1つ上がっていた。


つい昨日上がったばかりだと思ったが、こんなものなのか?

23階層へ来て戦った事で、経験値の取得制限が緩和されたのだろう。

良く見ればナズやアナもLvが上がっている。

中々動かなかった英雄のLvも動いていた。


ここはLv50を目指せる階層だ。

このままボスを周回するだけで、冒険者を取得する事も夢では無い。


やるか?

20倍と1/20倍。

合計400倍に設定し、一気に稼ぐチャンスではある。

その場合に犠牲としなければならないのはジョブの1つだ。


探索者、遊び人、魔法使い、英雄、博徒、細工師から1つを捨てる。

となると、博徒は現Lvで充分威力が期待できるので外すならこれだろう。


レムゴーレムには石化が効かない。

いや効く可能性はあるようだが、耐性があって殆ど通用しない。

アナではミリアの様に確率を超越できないのだ。

或いはミチオ君の博徒Lvがもっと高かったのかもしれない。

少なくとも現段階のアナと自分のLvでは有効圏内に収まらなかった。


お供には石化が有効だと言っても、どうせ最大2匹で魔法3ターンだ。

お供がノンレムゴーレムなら尚更効かない。


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv47

  設定:探索者(47)遊び人:水魔法/知力中(38)

     魔法使い(40)英雄(39)細工師(35)


 ・BP145

   キャラクター再設定   1pt   5thジョブ     15pt

   獲得経験値上昇×20 63pt   詠唱省略        3pt

   必要経験値減少/20 63pt


400倍か、恐ろし過ぎる。

これだけで、1日やったら1年以上やった事になる。

それも休む事無く毎日だ。

年休100日と仮定して、緩く見積もった場合は2年分だろう。


それからこれは体感なのだが、階層の2倍のLvに到達すると、

入手経験値は極端に少なくなっているような気がする。


ナズたちを見る限りでは、

1.5倍階層辺りから減り始めているようには見受けられるが、

恐らくはそこから徐々に減って行って、

ほぼゼロに近しい位減るのが階層の約2倍なのだろう。


23層だとLv46までは上りが見込めて、頑張って50と言う事か。

そう考えるとLv46からLv47へ上がったのは既定路線として、

ここから後Lv3上げるには苦労するのだろう。

残り4日で冒険者が取得できれば、

騎士達にジョブを問われた際は有利となる。


しかし既にルスラーンからは商人だと認識されている。

商人の道を行くのだと断言してしまっている手前、

ジョブを変えたのですと言う言い訳は通用しない。

それなら騎士団に来い、そういう流れに絶対なる。


今更変える訳にも行かないし、

やはり何かあった際には商人に戻すべきだろう。

こう、ワンボタンで登録したスキルセットに戻せる着せ替え機能・・・、


無いよなあ。

そんな便利な世界観では無い。


「ご主人様、順番が来たようです」

「がんばりますねっ!」

「いつでも行けます!」

「あいっ」


こちらの準備は万全のようだ。


「まずはジャーブがボスだ。寝ていた場合は放置してアナに加勢を。

 アナはお供へ、石化は期待できないだろうが頑張ってくれ。

 ナズとヴィーはセットでお供だ、行くぞ!」

「「「「はい」」」


掛け声と共に、皆一斉にボス付近まで駆け出す。


中央に大きな煙が集まり、その左右に小さな煙が淀んだ。

形からして右はノンレムゴーレムだが、

左は・・・地に着いていない、飛行系だ。


直ぐさまアナが飛行系の敵に突きを入れた。

形作られたハットバットが突かれて揺らぐ。


ナズとヴィーはノンレムゴーレムと対峙した。

ジャーブは残念な事に起きた状態で現れたレムゴーレムを、

皆の邪魔にならない方向へおびき出していた。


全部が起きているなら安心して全体魔法を放てる。

ウォーターストームを2発放ち、

どの位助けになるか判らないが弓の攻撃はレムゴーレムへ入れた。


ノンレムゴーレムにはしっかりと突き刺さった木の矢だが、

レムゴーレムには「カキン」と音がして刺さらなかった。

やはりダマスカス製のボディだけあって、硬い。


ダメージが0に成ったと言う訳では無いだろうが、

これまであった、「突き刺さった事で持続的にダメージが入る」

と言った構図が無くなった訳だ。


地味にダメージが稼ぎ難くなった。

そういった意味では弓使いに取っては難敵とも言える。

魔法も効き難いらしいし、もっぱら物理職の専門と言う訳だ。

いや、物理が大顔を張れる最後の敵だったのだったっけ?


動揺はしたが、焦るような事では無い。

落ち着いて2ターン目の水魔法を唱える。

ノンレムゴーレムと殆ど変わらない動きのレムゴーレムに対し、

ジャーブはしっかりと対処できているようだった。

これならばアナも行けるかもしれない。

次はアナに前を張って貰おう。


再び頭や肩、股間など、繋ぎ目っぽい所を色々狙ってみたが、

どこもかしこも矢が刺さる事は無かった。

散らばった矢をレムゴーレムに踏まれて、3本程折られてしまった。

そっちの方が地味にショックだった。


3ターン目の魔法でハットバットが消え、アナがフリーになる。

そしてレムゴーレムの囲みに加わった。

ここからはウォーターウォールの出番だ。


2つ重ねて撃っても意味が無い事は解かっている。

有効打を得るためには、ややずらして2面で当てなければならない。

1匹1枚当てる方が楽だが、弱いお供の方を狙って数を減らした方が良い。


アナがレムゴーレムのパンチを正面で受けたようだ。

鉄板を打ち付ける物凄い金属音が聞こえる。

金属加工の工場なんかにある、高音で大きく響き渡る音だ。


「アナ、手は大丈夫か!」

「平気です、これなら防げます!」


よし、それならば大丈夫だ。

次は1人で張って貰って、連続して受けられるかを見極めて貰おう。

4ターン目のウォーターウォールでノンレムゴーレムの方は片が付いた。


残るはボスだ。

ここまで3ターン分のウォーターストームが当たっている。

ここからウォーターウォールで何発分必要なのかを見極めさせて貰おう。

どうせ殆どその場から動かないのだ。


まずは1回目。

やはりノンレムゴーレムと同様体の半分以上が水の壁で覆われる。

身動きが取り難いと思うのだが、避けもしないし気にも留めない。


馬鹿なのかそれだけ耐久力があるのか。

脳が金属だし?

脳筋どころか脳金だ。


4人で囲っているにも係わらず、

最初に対面したジャーブだけを執拗に狙っている。

恐らくロックオンした敵をひたすら追い掛けるのだろう。

と言う事は間違って狙いを付けられたりでもしたら、

そのターゲットを外すには困難だとも言える。


魔法使いや装備の貧弱な者が手違いで狙われたら、それは却って危ない。

それこそがこのゴーレム族と戦う際の注意なのだろう。


2回目のウォーターウールを出現させる。

遊び心を込めて十字に出してみた。

特に意味は無いし、効果も行動変異も何も無かった。

見た目だけ「おお、十字だ」と思えた位で、単純に自己満足だった。


その後も執拗にジャーブが狙われ続けていたが、

うまく剣で逸らしてまるでかすらせもしなかった。


風圧で死ぬとかロクサーヌは言っていたが、

それはLv差があっての話だ。

Lvだけで言えばもうジャーブの方が強い。

こちらの勝ちだ。

魔法が無いとべらぼうに時間掛かりそうではあるが。


3ターン目のウォーターウォールでレムゴーレムは溶けた。


本来ならば煙となって綺麗に消えたはずだ。

従ってこの水は安全だと思うのだが、

エフェクト的にはこの水へ溶けて混ざり合ったように見えたので、

飲めと言われたらちょっと飲みたくは無い。

重金属は体に悪いと聞くし。


水で濡れた塊りが跡に残ったが、それは岩だった。


なかなか、どうして。

1発目からレアアイテムは無理だろう。

濡れていてもお構い無しに、岩はアイテムボックスへ入った。


後続のパーティはまだいないと言う事なので、

直ぐさまアナをメインにして再戦をする。


盾捌たてさばき的にはノンレムゴーレムと大差無かったらしく、

アナにもしっかりと前衛を任せられる感じではあった。


その後別パーティ2グループを挟んでヴィーをメインで体験させ、

吹っ飛ばされたり堪えてみせたりとやや不安定であったものの、

一度選んだ獲物を追い掛ける習性のために戦場が混乱する事は無かった。


最後にナズをメインで戦わせてみたが、

ナズはレムゴーレムのパンチを槍柄で逸らしてかわし、

その勢いを回転に変えて大車輪を披露した。

多分ロールトロールの動きにヒントを得たのだと思う。


グルグルと回転して連続的にダメージを与え、

戦場を駆け擦り回るその姿はまさに舞姫であった。


レムゴーレムの巨体からしてナズは相対的に小さく、

回転をして槍を当てに行くならば当然足回りを狙う事となる。

3回目を披露した際はレムゴーレムの膝を砕いて奴を地に沈めた。


ナズはここぞとばかりにジャンプから槍をぶん投げて叩き込み、

そこでまたしても大技である流星衝を披露した。


槍を引き抜いた後も、

レムゴーレムの腹の上でザクザクと突いて飛び跳ねる徹底振りである。

レムゴーレムは膝を砕かれてしまっているので、

起き上がろうにも支え切れず前のめりに崩れるのだった。


そしてナズの対決した時だけ、ウォーターウォールの回数が1回減った。

この娘、やば過ぎる。


後はヴィーの練習のために、彼女をメインにして練習をこなした。

∽今日のステータス(2021/10/29)


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv47

  設定:探索者(47)遊び人:水魔法/知力中(38)

     魔法使い(40)英雄(39)博徒(35)細工師(34)


 ・BP145(余り1pt)

   キャラクター再設定   1pt   結晶化促進×16   15pt

   獲得経験値上昇×20 63pt   6thジョブ     31pt

   必要経験値減少/10 31pt   詠唱省略        3pt


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv41

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 暗殺者 Lv41

 ・ジャーブ     狼人族  ♂ 28歳 騎士  Lv38

 ・ヴィクトラ    竜人族  ♀ 12歳 竜騎士 Lv39

 ・エマレット    狼人族  ♀ 19歳 料理人 Lv28

 ・パニ       竜人族  ♂ 15歳 探索者 Lv31 OFF


  ↓


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 探索者 Lv48

  設定:探索者(48)遊び人:水魔法/知力中(39)

     魔法使い(41)英雄(39)細工師(36)


 ・BP146(余り1pt)

   キャラクター再設定   1pt   5thジョブ     15pt

   獲得経験値上昇×20 63pt   詠唱省略        3pt

   必要経験値減少/20 63pt



 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv41

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 暗殺者 Lv41

 ・ジャーブ     狼人族  ♂ 28歳 騎士  Lv39

 ・ヴィクトラ    竜人族  ♀ 12歳 竜騎士 Lv39

 ・エマレット    狼人族  ♀ 19歳 料理人 Lv28

 ・パニ       竜人族  ♂ 15歳 探索者 Lv31 OFF



 ・収得品

   豚バラ肉   ×  9

   蝙蝠の羽   × 18

   岩      × 38

   ダマスカス鋼 ×  4



 ・繰越金額 (白金貨2枚)

     金貨 90枚 銀貨162枚 銅貨 63枚


  小遣い              (3000й)

    銀貨5枚 × 6人       3000


            銀貨-30枚     

  ------------------------

  計  金貨 90枚 銀貨132枚 銅貨 63枚



 ・異世界40日目(昼)

   ナズ・アナ35日目、ジャ29日目、ヴィ22日目、エミ15日目

   パニ5日目、56層同行まであと5日



 ・トラッサの迷宮

  Lv   魔物       /    ボス

  21 ピッグホッグ     /  ピックホッグ

  22 ハットバット     /  パットバット

  23 ノンレムゴーレム   /  レムゴーレム

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