§149 忠義
午後。
食事後の迷宮は、やはりロールトロールの連戦だ。
鋼鉄を幾つ必要とするかは判らないが、集めて置いて損は無い。
見た感じ所持している鋼鉄製の装備品は鉄製品よりも遥かにゴツいので、
材料は鉄よりももっと数が必要になるのだろう。
1個1個の金属片のサイズはまあまあの大きさだが、
これを集めて・・・例えばヴィーの持つ鋼鉄の盾を作るのであれば、
パッと見20個程度は必要そうである。
アナの持つ鉄の盾とは厚さがまるで違うからだ。
鉄の方は順調にストック数が増えて来た。
これならば鉄を買取カウンターで購入するのは、
最初に作った鉄の兜1つ分だけで十分だったと思う位である。
午前中に周回して得られた鋼鉄は7個であったため、
まだまだ全然武具1つを作成するまでに至っていない。
最低5~6種類の作成が必須らしく、単純計算で5倍戦う必要がある。
ここからはアナの石化を頼る事になる。
午前中も後半はアナ頼みになっていたが、
効率を上げて行かなくてはならない。
安定重視のため、戦術の変更などは行なっていなかった。
アナは防御に集中すると手数が減るので、
今回からはヴィーを囮に使い、アナには急襲の役目を担わせた。
しっかりと受け止められるようになったヴィーは、
たまにダメージを受けて飛ばされる事はあっても、麻痺はしなかった。
やはり防具の耐性効果は出ていたようだ。
トロールは弱そうな奴から狙う習性があるようで、
ヴィー、アナ、ナズの順に狙われる。
ナズが狙われ難いのは得物に長物を使用しているからだろう。
基本的にナズは間合いを多めに取っている。
一歩踏み込めば当たる、と言う位置取りを1層から覚えて来た事は大きい。
ジャーブは1対1へ持ち込まないとまるで相手にされていないようだ。
猿は群れのボスに従う習性がある。
強い奴には手を出さないと言う事だろう。
一方的に攻撃を仕掛けられるジャーブの武器へ、
攻撃系のスキルを何も付けていない現状が何とも勿体無く思えた。
今あるのはHP吸収だけだ。
無傷で戦うジャーブには持ち腐れてしまっている。
今後は判らないが、現状では有効に機能していない。
ヴィーと交換するとスキル配分的に丁度良さそうではあるが、
慣れや得手不得手もあるだろう。
大型剣と片手(で持っている両手)剣を交換する訳にもいかない。
自分の方はと言うと、午後の4回戦目でLvが1つ上がっていた。
現在の探索者Lvは46である。
そして余ったポイントの配分が悩ましい事になって来たのだ。
そう滅多にLvが上がるでも無い現状に於いて、
これ以上倍率系のスキルを上げる事は困難だ。
必要経験値減少やパラレルジョブの段階をアップをしようと思うと、
次回は32ポイントものボーナスポイントを要する。
他全てのスキルを解除してもまだまだ足りないのだ。
必須のキャラクター再設定と詠唱省略は外せないので、
経験値効率400倍を設定するには最低でも後Lv1足りない。
その場合は全てのボーナススキルを諦め、
5thジョブに落とさなければならない。
取得(63)+減少(63)+5th(15)+設定省略(4)で145。
これの効率が良いかと言われたら判らないが、
早めに探索者や細工師を上げるにはこれしか無いのだろう。
何れにしても、まだポイントが1つ足りない。
そういう悩みは次のLvに上がってからだが、
さっきLv46に成ったばかりでは先が長そうだ。
都合良く魔物の部屋は・・・そんなに沢山あったら死屍累々だ。
注意喚起がなされているであろう。
あの階層は魔境だと。
ウサギの階層の2部屋は本当に見つかり難い所にあった。
マーブリームの階層も、ボス部屋とは反対方向で、
行き止まりのように見えた側壁だったので、
見つかり難いと言ったらその通りだった。
もっと深層階で発見した場合は・・・確実に勝てると言う自信が無い。
LvUPチャンスは考えない方が良い。
暫くはLv46のまま動かないであろうから、
この1ポイントを有効に使う方法を考えるべきなのだ。
1ポイントで得られるアクセサリも、現状では効果が期待できそうにない。
3ポイント払った所で対人用の指輪だ。
7ポイントの心力の指輪は、知力5倍とMP回復だ。
魔法使いの装飾品としては持って来いなのだが、
7ポイントも割けないと言う悲しい現実もある。
そして何より、これを装備すると言う選択は、
身代わりのミサンガを捨てると言う最大の欠点も秘めている。
ミチオ君が積極的に使わなかったあたり、
彼とは少しボーナス装備のテーブルが違うのだろうか?
ベースステータスが違うと言う事は、
ステータス上限があった場合に振り切れるポイントの数も違う事となる。
要するに、ジョブごとに余るポイントが違う可能性だ。
彼は肉弾戦寄りのベースステータスだった。
そして自分は軟弱、貧弱、知能寄りの構成である事は間違い無い。
同時に転移して比べた訳では無いので全ては想像だが、
自分の出せるアイテムはこれしかないのだから調べようが無いのだ。
全ては憶測だ。
余った1ポイントを何かに振るより、
何かを止めて、ポイントを余らせるべきなのだろう。
ジョブ設定もその都度切り替えて使えば良いだけだ。
ボス戦などでピンチに陥った際に、
僧侶が必要となればジョブ設定スキルを使う事になる。
オーバーホエルミングを使えば時間は確保できるので常用する必要は無い。
ヴィーの麻痺が無くなったようなので、
パーティライゼーションの優先順位は下がった。
パーティ項目解放も、奴隷たちのジョブを動かす必要が無いので不要だ。
ワープも鑑定とスイッチで使用するとして、余ったポイントを足しても4。
4ポイントでクリティカル発生を15%に上げる事もできるが、
現状でクリティカルが発生したから手数が減った、と言う実感は無かった。
やはりもっと手数が必要な敵に対して、
数回発生しないと効果を体感できないと言うのが実情だった。
ミチオ君も2度連続で発生して、初めて効果を体感をしていたのだ。
地味だが役に立つらしいが、地味過ぎて費用対効果が小さ過ぎる。
じゃあもう、いっその事クリティカルは捨てよう。
鑑定も今は必要無い。
次と次の階層は、魔物もドロップアイテムも判明している。
シンプルに行こう。
・BP144
キャラクター再設定 1pt 結晶化促進×16 15pt
獲得経験値上昇×20 63pt 6thジョブ 31pt
必要経験値減少/10 31pt 詠唱省略 3pt
魔結晶は再び緑になっている。
いずれは黄色か白にするとして、
ゴチャゴチャしたボーナススキルが一気に整理された気がした。
何か必要になった場合は、結晶化促進をスパッと切れば良いだけだ。
***
パーティライゼーションを解除してからの戦闘は不安が付き纏ったが、
やはりヴィーが麻痺を受ける事は無くなり、
アナの遊撃作戦も功を奏して大きく崩れた事は無かった。
たまにヴィーが盾を構えているのに吹っ飛んで行くのは、
単純に魔物のパワーの方が勝っているからだろう。
人間より力が有る種族とはいえ、ヴィーは12歳の子供なのだ。
2メートルもあった怪力のベスタと同じ動きを期待してはいけない。
お供の魔物がロートルトロールだった場合は、ナズとジャーブを付けた。
そうでなければナズ単騎で封じ込められる。
基本的に逃げ回って詠唱されたら刺すだけなので、安全かつ効果的だ。
ロールトロールは雷魔法も使って来るらしいとの事を、
セリーが説明していた。
しかしながら奴は接近戦が基本であり、
これまで一度も魔法を使って来る素振りは無かった。
もっと深層で複数出現し、後衛へ回った際に仕掛けて来るのだろう。
その場合は巨体なので弓で狙い易く、やはり問題点は感じられない。
ロートルトロールとロールトロールは制したと言っても良いだろう。
戦い方1つ知るだけで、耐性装備1つあるだけで、
大幅に攻略性が増す迷宮の難易度調整には天晴としか言いようが無い。
ちゃんと考えて地を行きながら攻略すれば、
20層辺りは一般人でも何とか太刀打ちできるのだ。
まだ天性の才能が必要な難易度では無くて安心した。
回転率が上がったロールトロールの連戦で、
鋼鉄10個を集める時間は大して掛からなかった。
現状17個、装備品2つ程度は行けそうだ。
明日も1日掛けてロールトロールを倒し、
50個程度の鋼鉄を集めて終わりにしたい。
次は豚肉パラダイスなのだ。
羊肉やラム肉、魚以外の食材が入手し易くなるのは大きい。
ボスに頼らずとも通路で出遭う雑魚から入手できるのだから、
今後の食材管理は相当楽になるだろう。
ナズが夕食だと言うので帰った時には、合計21個の鋼鉄が収まっていた。
***
納屋で装備品を外したナズに、鋼鉄製の武具に付いて聞いてみた。
「ナズ、鋼鉄がある程度溜まったから鍛冶を進めて貰いたい。
鉄はもう十分にあるから、さっさと終わらせて鋼鉄製品を揃えたいのだ。
もう21個もあるから、1つ位はできるだろう?」
「ええと、申し上げ難いのですが、鋼鉄はその・・・まだのようです」
「そこまでは書き写していないのか?取り敢えず見れば判るだろう?」
「いえ、鋼鉄の前に竜革が先だと書いてありまして」
がーん・・・。
竜革と言うと、何ちゃらドラゴンのボスだ。
確か、ミチオ君は低階層最深部、33層で出遭っていた。
と言う事は、相当先だ。
い、いや、トラッサやホドワではもう少し低階層で出るかもしれない。
トラッサ23層はゴーレムで確定していたので、24層とかかな!
期待するだけ無駄そうではある。
それに、高級アイテムは低層のボスではドロップ率が悪くなる法則だ。
それが竜革にも適用されていたら、集める事は困難となる。
28層か29層辺りで出てくれるのが現状最適なのだろう。
そんな都合良く行かない事は、自分の運の無さから容易に判断できる。
ドロップ率の悪さは蛤や牡蠣を見れば明らかだ。
蛤のスープ飲みたいよ!
もっとクラムシェルを倒さないと駄目か?
総計で200以上は倒したと思ったのだが、現状3つしか無い。
家族が増えてしまったので、10個位無いと戦争になるだろう。
あ・・・!
エミーだ!!
幾つになったか鑑定した所、エミーの料理人はLv24に成っていた。
Lv30になると、大体どのジョブも一定の成果を期待できる。
派生職の条件になるLvでもあるので、
十分鍛錬を積んだとみなされる熟練度がそこなのだろう。
この世界の一般市民で言うと、15年から20年従事した事になる。
なるほど、そこそこ腕前が上がって職人として脂が乗り始める時期だ。
24ならもう一息、と言った所。
成果は十分に期待できる。
次はナズとアナとエミーで、
13層のクラムシェルを狩りに行っても良いかもしれない。
そういえばボレーが必要だった。
パニにはまだ1つも渡していない。
「アナ、ちょっとボレーを取りに行きたいので手伝ってくれ」
「かしこまりました」
アナに残業をお願いした。
中間部屋を経て、ボス部屋に飛ぶ。
この時間帯は宿に帰る探索者が殆どなので、もう滅多に会う事は無い。
生活に余裕がある冒険者グループはもっと深層だ。
13層に残るパーティはゼロだとの事だった。
ボス部屋に入り、アナは牽制のためにオイスターシェルを盾で押し込む。
貝殻の縁は相変わらずゴツゴツ、トゲトゲしていて触っただけで痛そうだ。
トロール対策のために遊び人のスキルは火魔法を選択しているが、
お構いなしに火魔法と弱点の土魔法を混ぜて使用した。
確か貝って火に強かったんだよな・・・。
ダメージは土魔法の1/4か。
2ターンでは倒し切れなかったので、矢を撃ち込んだら煙となって消えた。
火魔法は使う必要が無いかもしれない。
そして、運悪く牡蠣が出た。
いや、運が良いのか。
良く解らない。
必要な時に必要な物が出ず、欲すれば逃げられる。
何トカの法則とか言う、昔の偉い人が本を出していた気もする。
今風に言うと物欲センサーらしい。
「アナ、悪いがもう一度だ」
「パニに与えるためですね?
ヴィーにも必要ですし、もう何個か集めてパニに管理させましょう」
お、それも良いな。
ヴィーがボレーを必要としたらパニを頼れば、パニの株も上がるだろう。
奴隷達の恋愛の助け舟を出しているあたり、
他人から見たらおかしな主人だと思われるに違いない。
だがその位にはヴィーが可愛く、
楽しく生活をして欲しいと言う親心に他ならない。
自分に迫って来て欲しく無いと言うのもある。
アナとナズに、申し訳無い気持ちになってしまうのだ。
それもやはり、元は真面目な日本人だから?
やろうと思えば幾らでも女奴隷を侍らせてハーレムにできたが、
そうしなかったのは体力云々の問題だけでは無く、
自分自身が性に対して貪欲では無かった事もあるのだろう。
恋愛観念と言うか、単純に特別な女性を作りたいだけなのかもしれない。
ミチオ君は・・・なんて言うか凄い。若い。
自分が知る限りは5人の奴隷を愛していたようだが、
自分がこの世界に来た後、また増えたりしたかもしれない。
ロクサーヌの了承を得るのが難しそうだが。
彼女は一番奴隷の権力を行使する。
ハッキリと不平不満は言わないが、
セリー以外の奴隷には特権を認めないと態度で表していた。
そこがヤキモチ焼きのヒロインたり得て可愛くもあったのだが、
ウチではナズやアナがそういった主張をした事は無い。
下位の奴隷に対しても自分が示すように優しく接しているようだし、
新しい奴隷を追加しても文句を言わない。
いや、寧ろイルマを迎えるために奮闘してくれている程である。
ナズなんかは身を擲っている始末だ。
そういえばヴィーが初めて来た時に、
ナズは相手をさせるものだと思って寝室へ連れて来た。
本来はそれが普通の考え方なのだろう。
2人に感謝の念を送りながら、ボレーを集めた。
***
「ふう、10個もあれば良いかな?」
「宜しいのではないかと。
お風呂はどうなさいますか?昨日は予定を変更なさったようでしたが」
そうだった、昨日はお風呂を入れようとしたが、
細工師に気が付いてそちらの検証を優先した。
でもアナから催促されるなんて。
「アナはお風呂が気に入ったか?」
「ええと、はい。温かくて気持ちが良いですし、それに・・・」
アナが何かを引っ掛けた。
続きの言葉を待ってみたが、そこで止まった。
「それに何だ?」
「ご、ご主人様とその、
お風呂でご奉仕をさせて頂くのも、大事な仕事ですので」
「そ、そうか。とても満足しているから、これからも宜しく頼む」
「かしこまりました」
アナはお風呂でイチャイチャするのが好きだと。
いや、奉仕する事に意義を見出しているのだろうか。
一番奴隷に課せられた責務を、そこで果たそうとしているのかもしれない。
最下位であるはずの戦闘奴隷から、妾の位置に昇格させたのだ。
忠義心が強いアナには光栄な事なのだろう。
その好意に甘えてしまっている。
アナにも何かご褒美が必要だ。
「アナは何か欲しい物や、してほしい事があるか?」
「ええと?そういった物は考えた事がありません」
「では考えて置いてくれ。アナにも何か褒美を与えたい。
何でも良いぞ?服とか装飾品とか、食べ物とか」
「い、いえ、そのような物を頂く以上に、
毎日良い暮らしをさせて頂いておりますので、それだけで十分です」
「ナズには料理と言う特技を生かした仕事があるし、
ジャーブは畑仕事に趣味を見出している。
ヴィーにはパニを宛がう予定だし、エミーは姉を呼ぶ。
アナだけなのだ、何も無いのは」
「やはりそうですか。パニを身請けされた際は疑問に思っておりました。
家事をさせる奴隷にしては至らない所が多そうですし、
戦闘奴隷としては使えそうにありません。
容姿は整っておりましたので、
どちらかと言うとナズさんと同じような妾の奴隷なのかと。
ヴィーに子を儲けさせる予定なのですね?」
「まあそれはそのうちだ。子供ができたら賑やかになるな」
「竜人族の子は高く売れると聞きます」
「いやいや、売ったりしないぞ?うちの子として育てる予定だが」
「そう・・・なのですか?」
「そういえばアナは生まれが奴隷だったな、売られた時はどう思った?」
「私の生まれた家の主人は大農園を営まれておりました。
普段から家畜の世話や家事仕事、荷役をさせられて来ましたので、
今と比べれば毎日が過酷でした。
売られた際はこの日々から脱却できて良かったと思いました」
「うんうん、それで?」
「しかし、戦闘奴隷として新たな主人の下で働き始めた所、
農園での仕事の方がまだ良かったのだと言う事に気が付きました」
「何故だ?仕事としては重労働より楽では無いか?」
「迷宮探索は少しの判断でも、誤れば死に至ります。
私たちは選べませんので、主人が誤ったら私達奴隷は皆死ぬのです。
その事に気が付きました。
そして、下位の戦闘奴隷は使い捨てである事も知りました」
それこそが、アナが身持ちを固くした理由か。
確かに農村部の雑役奴隷ならば仕事自体は過酷を極めるが、
生命に危険が迫ったりはしないだろう。
普通に考えれば、わざわざ働き手を潰すような真似はしない。
雑役奴隷だと言っても税金は掛かるし、潰して新たに買っては高く付く。
最低限の衣食住と身の安全は保障されている訳だ。
逆に戦闘奴隷は自身のセンスや実力があれば、ある程度は余裕がある。
最低でも主人より強ければ、無謀な探索とはならないだろう。
ただし、それは主人が無茶をしなかった場合の話だ。
強い奴隷を買ったと思い上がり主人の実力以上の階層に強行したり、
別の探索者仲間と張り合って無謀なボスに挑んだり、
主人がまともであっても、当人が気を抜いたらあっと言う間に死ぬのだ。
衣食住どころの騒ぎでは無い。
「そうか。それなら今も変わらないと思うが」
「初めて迎え頂いた日、ご主人様は私とナズさんを前に仰いました。
迷宮で使い捨てる気は無いと。
私には負担を掛けさせないとも仰って頂けました」
言ったっけ?
覚えてないな。
震えていたナズを安心させるためにそんな事を言った覚えはあるが、
アナの方はどうだったっけ?
自信がありそうに見えたので、実は頼る気満々だった。
でも本人がそう思っているなら、そう言ったのだろう。
ナイス自分?
「私はご主人様の下で、毎日安心して生活ができております。
数日前、20層のボスと初めて交えた時は苦戦を強いられましたが、
その時ご主人様は一度身をお引きになられました。
改めて私達は大事にされているのだと感じ、
その事に感謝しております。それ以上に欲しい物などありません」
「そ、そう。まあ、何か無いか、考えて置いてくれ」
改めて聞くと、アナの忠義はやはり重い。
重圧を感じて息苦しいと言う訳では無い。
それだけ信頼されているのだと思うと、嬉しくはある。
アナが自身の能力を使用し協力を惜しまないのは、
そういった背景があってこそなのか。
風呂場にゲートを繋ぎ、アナを撫でながらお湯を足した。
「あ、あの、お許し頂けるのでしたら、これからも撫でて頂けると」
「これは自分がしたくてやっている事なので、褒美でも何でも無い」
「は、はい。ありがとうございます」
何だかアナがデレ始めたような気もする。
猫人族はあまり慣れ慣れしくしない、と言う話はどこに行ったのだろう?
個人差?最初はそう思っていたが、
実際の所他種族を解かり合う文化が薄いだけなのかもしれない。
エルフも人間を見下すらしいが、それは解かり合えていない事の表れだ。
種族間に於けるレッテルが先行してるだけに過ぎないのだろう。
ドワーフはエルフを嫌っていた。
それこそレッテルだ。
人間は猫人族に対して懐いてくれないと不満を言う。
番同士あまり慣れ合わない、と言うのも多分レッテルだ。
人間夫婦だって、子供が生まれたらベタベタしている夫婦は稀だろう。
適度な距離感が良いと言うだけの話なのだ。
そういった意味で言うなれば、
猫人族はパートナーの主体性を大事にし合っていると言えなくも無い。
自分がアナを大事にしているから、
アナも自分の主体性を汲んで寄り添ってくれているのだとすれば、
何だか妙に納得できる。
そういう事で宜しいか?
色々考えながらだったので、あっと言う間に風呂の水が溜まった。
MP切れを解消するために迷宮へ行こうと思っていたが、
無意識に強壮剤を口へ運んでいたらしく、アナの残業は無しになった。
いや、そのまま風呂場で残業して貰った。
後でナズとも入るけど。
良いじゃない、食事後にもう一度入ったってさ!
夕食はウサギの肉のソテーだった。
ジャーブとヴィーが大量に狩って来た成果だ。
今回は調理したエミーも同じ物を食べるのだと、
彼女自身が最初から理解していたので、泣くような事には至らなかった。
その替わりにパニが驚いていた。
誰の誕生日でも無いし、別に何も祝うような事は無いよ?
∽今日のステータス(2021/10/26)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv46
設定:探索者(46)遊び人:火魔法/MP中(36)
魔法使い(38)英雄(37)博徒(32)細工師(29)
・BP144(余り1pt)
鑑定 1pt 結晶化促進×8 7pt
キャラクター再設定 1pt 6thジョブ 31pt
パーティ項目解放 1pt クリティカル発生10% 3pt
パーティライゼーション 1pt 詠唱省略 3pt
獲得経験値上昇×20 63pt ワープ 1pt
必要経験値減少/10 31pt
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv40
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 暗殺者 Lv39
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 騎士 Lv36
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv36
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv24 OFF
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 探索者 Lv21
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv46
設定:探索者(46)遊び人:火魔法/MP中(37)
魔法使い(39)英雄(38)博徒(33)細工師(31)
・BP144
キャラクター再設定 1pt 結晶化促進×16 15pt
獲得経験値上昇×20 63pt 6thジョブ 31pt
必要経験値減少/10 31pt 詠唱省略 3pt
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv40
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 暗殺者 Lv40
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 騎士 Lv36
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv37
・エマレット 狼人族 ♀ 19歳 料理人 Lv24 OFF
・パニ 竜人族 ♂ 15歳 探索者 Lv26
・収得品
木の板×13 白身 ×11
銅 × 4 鑄 ×88
鉄 ×55 鋼鉄 ×14
・異世界38日目(昼)
ナズ・アナ33日目、ジャ27日目、ヴィ20日目、エミ13日目
パニ3日目
・トラッサの迷宮
Lv 魔物 / ボス
15 フライトラップ / アニマルトラップ
16 グラスビー / キラービー
17 ケトルマーメイド / ボトルマーメイド
18 マーブリーム / ブラックダイヤツナ
19 ラブシュラブ / ラフシュラブ
20 ロートルトロール / ロールトロール




