表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お題小説:図書館の番人

作者: T-M.ホマレ

 終業のチャイムが鳴り、一日の授業が終わる。

帰り支度をするべく荷物をカバンに詰め込んでいると、


「よぉ、本屋」


と声がかかった。

"本屋"と言うのは僕の本名ではない。

どうも、僕が本好きで図書委員長をやっていたり毎日無駄にたくさんの本を持って来ていてカバンが重たいことあたりから定着したあだ名らしい。

……仕方が無いじゃないか。図書館にはそれこそ無駄に沢山本があるとはいえ、自分のを持っていないと気が済まない質なんだから。


「今日帰りにゲーセン寄ってかねぇか? 先週から新しいの入ったみたいでさ。まだやってねぇんだよなー」


声の主はとんでもなくウザいにやけ顔で、普段からバカっぽい顔をよりいっそうバカっぽくしている。

ちなみに、今日も放課後は委員会の仕事で図書室だ。

それに、僕はあまりゲームセンターというものに興味は無い。


「あぁ、やっぱり図書館か。お前、本好きとかいって実は司書ちゃん狙ってんじゃねぇの?」


"司書ちゃん"というのは、ウチの委員会顧問のことだ。

若い女性で、黒い長髪の美人。

殆ど図書館から出てこないが、これが男どもに大層人気なのである。

怪しげな魔導書を持っているだとか、本と会話できるだとか、妙な噂が立つこともあるが、あるいはそういう所もミステリアスさとして人気の一因になっているのか。

……ちなみに、結構長く勤めているらしいが若く見えるだけかもしれない、というのは禁句である。


「そうだぜー? あんだけカワイイんだ、年齢の詮索なんてヤボってもんだろ。

 よっし、そうとわかれば行かせるわけにはいかん。今日はお前をゲーセンに連行する!」


いや、何の話だ。

そもそも僕は委員会の仕事で行くんであって、それ以外の何者でもないし行かないわけにもいかない。

それに、ゲームには興味が無いといっているだろう。

僕は、ゲームより本が好きなんだ。


「いや、それがさ、最新の格ゲーが『本を使って殴りあう! 新感覚アクションRPG!』らしくてさ」


だから行かないって。

というかなんだそれは。本であれば僕が釣れるとでも思っているのか?

そもそもRPGといってる時点で格ゲーではない気がするんだが。


「な? 気になっただろ? いこうぜ!」


誰が行くか。

……もういい。キリがないのでこのまま無視して図書館へ行こう。


「あ! おい、ちょっと待てよー行くなよ寂しいよー」


知らん。

お前は他に友達がいないのか。

というか、そこまで言うならお前が僕についてくればいいだろうに。


「…………その手があったか!!」


……。

…………いや。ジャマはするなよ?


「あっはっは。いやまぁ、司書ちゃんにも会えるし魅力的な案なんだが、とりあえず今日はゲーセン行くわ。新しいの気になるし」


そうか、ならさっさと消えてくれ。

僕も、さっさと図書館に向かうとしよう。

バタバタしている友人に一瞥もくれてやらず、僕は教室から退散した。


教室のある建物から出て、同じ敷地内にある図書館ヘ向かう。

図書館に入る前に、僕はその大きな建物を仰ぎ見た。

うちの学校は私立だが、それにしても図書館は異様に立派なものだ。

専用の建物が図書館だけでひとつ建っているのは当然で、それがまたでかくて4階建て、自動ドアやエレベータ、エスカレータも当たり前のように完備されている。

4階は入れないらしく使ったことは無いが、ちょっとした大学の図書館より立派なんじゃないかと思える構えだ。

そんなわけで、見慣れているはずの今でも時々こうしてしみじみと仰ぎ見たりしてしまうのである。


PCコーナーやロビーがある1階から、階段を使って2階へ移動する。

貸し出し受付や多くの生徒が利用する一般書のコーナーがあるのがこのフロアだ。

ちなみに3階は資料室とPCルーム、作業室がある。


3階へ向かう階段を昇らずに廊下を渡り、僕達の仕事場である受付カウンターへ向かう。

すると、中にいる女子制服の短髪眼鏡と目が合った。

この同学年の女生徒が、図書委員会副委員長だ。


「本屋くん。当番の日に限って遅かったわね」


カウンターの中に入ると、副委員長は開口一番でそう言った。

……まぁ、来るときに余計なヤツに絡まれたからな。

というか、当番は今日だったか。


「毎日毎日飽きもせずに来るから忘れるんだろう。当番の日以外は任意でいいというのに、ご苦労なこった」


いや、そうはいってもこの規模の図書館じゃ、人手はないと大変でしょうに。

この、何に呆れているのかため息交じりに僕のことを言った人が例の"司書ちゃん"だ。

素のときはこのようにぶっきらぼうで、怒ると凄くこわい。

加えて勤務中図書館から殆ど出ないので、僕らからみれば"司書ちゃん"というより"図書館の番人"である。

呼びにくいからもっぱら"司書ちゃん"か"先生"が主流ではあるが。


「先生ー、業者のお客さんー。発注してた本が届いたってー」

「ああ、わかった。すぐ行く」


「あ、すいません、ありがとうございますー。はい、はい。あ、はい、確かに。揃ってますねー。はい、ありがとうございます、おつかれさまですー」


「……ふぅ」


が、ご覧のように業者相手や、他の教師、あまり知らない生徒に対してはやたら丁寧な余所行きの態度になる。

これも、前述のような図書委員外の人間からの人気の大きな要因だろう。


「さて、本屋。実は少し聞きたいことがあるんだが」


番人からの相談ごととは……なんというか珍しい。


「うん。まぁ、君は何だかんだで毎日残って本の整理とか手伝ってくれているからな。これでも頼りにしているつもりだ」


改めてそういわれると少しむず痒い。

それに、この人の仕事効率は僕などとは比べ物にならないほど凄いから、手伝えてることなんて僅かだろうし。

それで、聞きたいことというのは一体……?


「ああ。実は、ここ数日急にこの図書館の蔵書数が減っていてな……。新たに発注した分を除き、先週の時点で100万1093冊。

 それが、今週の頭に100万とんで524冊まで減って、週末の今日ついに100万冊を割ってしまった。それで、私と同じく普段から図書館に居る君が何か知らないかと思ってね」


ははぁ、それはまた凄い勢いだ。

1週間の間に1,000冊以上か。

ウチの学校の生徒が1,500人くらいで、そのうちの半分が図書館を使うとしても1週間に1人1冊以上のペースで借りパクするのだろうか。


「いや、読書キャンペーンを開いている期間でもなければ図書館の利用者はいいところ3~400人だ。それも、半分くらいは本を借りずに読んで帰っていく。先週は空調の不良で、更に利用者も減っていたしな。

 それに、貸し出し中の本はPCで管理している。確かに延滞している者は居るが、それにしても消えた本が多すぎる」


なるほど。

正規の手順で借りていった本は受付の係りがサボらない限りきちんとPCに記録が残る。

その記録と照らし合わせても蔵書数が合わないとなると……って。

……そういえばPCの記録とも数があってないのに、どうやって蔵書数を把握してるんだ?


「何を言っている。私はこの図書館を預かる司書だぞ? 自分の書庫(にわ)にある物の数くらい、把握しているに決まっていよう」


さいですか。

やはり、この人はこの人で何かが不思議だ。

まぁいい。ともあれ、正規の手段で借りていく以外に本が消える原因といえば。


「係りの委員の怠慢か、混雑時に乗じて盗まれたか、……あるいは委員の誰かが持って行ったか。

 それを踏まえたうえで問うが、何か心当たりは無いかな?」


司書ちゃんの視線が少し厳しくなる。

なるほど、そういう可能性も考えるならますます僕に聞くのが適当、というわけか。

しかし、残念ながら僕にはその心当たりが無い。

僕が持ち歩いている本は全て自分の家から持ってきた、あるいは自分で購入したものだし、図書館から本を盗み出すような不届き物を見たら僕も放ってはおけない。


「そうか、よかった。いや、疑うようなことを言って悪かった。

 ……実はな、もうひとつ、心当たりはあるんだ。この図書館に、定期的に業者が入っているのは知っているな?」


ああ、そういえば。

さっき本を届けに来ていた業者だが、この図書館に関して随分手広く業務を扱っているらしい。

本の確保だけではなく、管理や設備の調整、備品の補充などまで包括して契約があるそうで、それなりの頻度で制作業服の姿を見かける。

ウチの門番(ししょちゃん)は最初、「自分の庭の整備くらい自分で出来るというのに余計なことを」とかぼやいてたっけ。


「そう、その業者だ。普段は本の発注時と月1回のチェックだけにしてもらうことで折り合いをつけていたが、先週は例の空調不良の関係で何日か業者が入っていた」


ちょうど、本が消え始めた時期に合致するわけか。

確かに怪しいけど、図書館を管理するような業者がわざわざ本を盗んでいくだろうか? それも一気にそんな沢山……?」


「無論、それだけではないかもしれない。

 しかし、ちょうどその後、業者の人間はいつにも増して熱心に本の補充は要らないかと勧めてきた。業者としてのメリットはあるというとこだろう」


本を減らして、補充させるというマッチポンプか。

業者の人もまさかここの司書が常にこれだけの本の数を把握してるとは思わないだろうが、整理しながら空いている本棚をうまく見つけたり作ったりして報告すれば注文は入るかもしれない。


「それと……まだある。

 最近、ゲームセンターに入ったゲームが随分と人気だといううわさを聞いた」


さっきあいつが話してたやつか……。

確かに本がどうだとか言ってた気がするけど、それが何か関係あるのだろうか。


「うん、まぁ、なんというか。……君は、オカルト的なものは信じる人か?」


これはまた藪から棒な。

まぁ、話としては好きだけど。

信じるかといわれれば……とりあえず、そういった類のものを自分の目で見るまでは何ともいえない、かな。


「そうか。まぁ、そうだろうな。なら―――」


と、司書ちゃんが続けようとしたところで、本棚の方から『ドンッ!』という大きな音が響いてきた。


「―――ああ。ちょうどいい、なら、実際に見てもらおうじゃないか」


司書ちゃんはそういうと、自分のカバンからA5判のハードカバーを取り出して立ち上がった。

その白いハードカバーには黒い蛇の目模様があしらってある。

表紙には大きな黒蛇の目とそれを囲むように小さな蛇の目がいくつか。


「九曜蛇の目だ。さて、付いてきてくれ」


簡単に言って、歩いていく。

本の行方も気になるし、司書ちゃんの言ってることも引っかかる。

仕方が無い、行くとしよう。


この図書館の本棚は、100万冊規模の本を蔵するだけあって、かなり広い。

やたらに騒がしい何かを叩くような音と、ブツクサ何かを呟く声は、僕達がいた受付からちょうど反対側の隅から聞こえていた。

……というか、この声なんか聞き覚えがあるような気がするんだが。


「くそくそくそくそぅ!! 勝てない勝てない勝てない勝てない! コレじゃぁ勝てない……!! 強い本は何処だぁ!?」


で、来てみると、バカがいた。

苛立たしげに、手に持った本をバタバタと棚に叩きつけている。

……本をそんな風に扱うなよ、痛むだろうが。

ほら、司書ちゃんも頭を抱えてしまっているじゃないか。

つーかお前、ゲーセン行ったんじゃなかったのか。


「っ!? おお、本屋じゃねーか! 司書ちゃんも!! いやさぁ、本のヤツ遊んだんだけどさぁ、自分の好きな本持ってこないと弱くてさぁ」

「知り合いか。これはまた随分な馬鹿が引っかかったもんだな」


イエ、シリアイジャナイデスアンナノ。

というか、どういうことだ?

確かに本で殴ってどうこうとか言ってた気がするけど、ゲームの話だろう?

それに引っかかったとは一体……。


「大事にされてきた本、してきた人、人々からの深い思い入れのある本、それに対して特に深く入れ込んでいる人間。

 こうした本と人間が揃うと、ごく稀に魔力を帯びちゃったりすることがあるのさ」


……またしても藪から棒な話だな。

魔導書の噂もいよいよ現実味を帯びてきたかもしれない。

もしかしてその辺がさっき言ってたオカルト云々の……?


「あぁ。まぁ、見てるがいい。お前ほどこの空間とつながりがあれば、見失うこともないだろう」


どういうことだ……?

僕が頭に『?』を浮かべている間にも、司書ちゃんはバカへと歩いていく。


「あ? なんだよ、司書ちゃん俺に気があるのかぁ? だがすまねぇな、今は勝てる本を探さないと――――」

「あぁ、確かにお前が気になるよ。だが構わんさ。正直ここまで馬鹿なヤツが居るとはヤツ等も想定外だろうからな、逆に感謝している」

「お? なんだ本気かよ。ワリィなぁ、今は女って気分じゃなくてなぁ」


な、に……あの馬鹿が司書ちゃんより本だと……!?

僕が驚いて思わず硬直しそうになる間に、司書ちゃんは手にある"九曜蛇の目"の本を開いた。


「構わんと言っている。構わんが……それとは別に、少しばかりお仕置きを受けてもらおうか」


お? とバカが反応する間に、司書ちゃんが持つ本を中心に黒蛇の目の輪が空中に展開され、回り始めた。

何だアレ……CG、ではない……のか?


「ふん。お前から話を聞くのは期待できそうも無いな。まぁ、予測にある程度の確信が得られた時点でよしとしよう」

「な……なんだそれ司書ちゃんスゲーなおい! そうか、それだ、その本があれば! それ貸してくれよ司書ちゃ……」

「うるさい。――――日曜(スーリヤ)!」


司書ちゃんが何語か良くわからない単語を発してからはすぐ終わった。

僕が、

 『あーそういや司書ちゃんさっきから口調が素だなー、まぁいっかバカ相手だしー』

なんて考えている間に、黒蛇の目の回転が止まりそのうちのひとつがバカに向いたと思うと熱気のこもった白い光線がバカを襲っていた。

……って何だソレ! 本からビームだと? オカルトな魔導書ってレベルじゃないぞ!


「うん? 何だって、言ったろう見てもらうと。あぁ安心しろ、威力は絞ってある。あいつは気絶させただけだ。

 それに、他の人には見えてない。魔力は基本、関係のある物同士でしか感知できないし見えもしない。

 さっきも言ったが、お前は空間とのつながりが強いし本にも好かれているから見失わんけどな」


つまりは何か?

本が好きすぎたりしたら魔力に目覚めて光線撃ったり出来ちゃう可能性があるってか?

そんでもって、あのバカがソレが知覚できるほど実は本好きだったってか?


「うん、少し違うかな。

 そこの馬鹿が最初、ゲームで勝てる本が欲しいだとか言っていたろう? そのゲームを入れている業者、ウチに入っている業者と同じなんだよ」


…………!


――――『本を使って殴りあう! 新感覚アクションRPG!』


――――こうした本と人間が揃うと、ごく稀に魔力を帯びちゃったりすることがあるのさ


ある条件下で本により魔力が操れること。その魔力で戦えること。本で戦うゲームがあること。

そして、そのゲームの稼動時期と、そのゲームを扱う業者が図書館に入った時期、図書館の本が消えた時期が合致すること。

つまり……?


「ああ。おそらく、ヤツ等が扱っているそのゲームは、先ほど見せたような本に纏った魔力を無理やり扱わせるような装置になっているんだろう。

 で、上手く運用するために図書館の本をいくらか持っていった」


…………でも、それならプレイヤーがわざわざ学校に本をとりに来る必要はないんじゃ?


「そこはソーシャルゲームなんかと同じなんだろう。最初は向こうが用意したものだけで勝てるようになってる。が、次第にそれだけじゃ足りなくなる。

 無論、ゲームを起動するコインはどの道払うんだろうがな」


なるほど。

それなら、アイツが勝てない勝てないって騒いでたのもわかる。

あのバカが思い入れのある本を持ってるとも思えないし、仮に本が好きなほど魔力が上がるのだとすればどの道勝ち目は薄いだろう。


「目的その他、まだ調査不足な所は否めないがな。

 まぁ、目的の中に金儲けは入っているんだろうが、それだけとも限らん。

 ともあれ本が消える原因のようなものは見つかったのだし、地道に調査していこう。……な?」


な、『な?』っていうのは一体……?


「いやなに。お前にも魔力が見えるのだし。実は魔力を使う才能があるのやもしれんし。事情を知ってる身内が居るのは心強いし。というか、見た以上は付き合ってもらうのが道理だろうに」


……いや、あの。

言葉は堂々としているのに顔がやたら不安そうなのはどういうことか。


「…………手伝って、くれないの?」


ぐっ……。

不安そうな上目遣いを頂いてしまった。

ああ、もう、わかったわかりました。

乗りかかった船だし、僕も本のことは気に掛かる。

正直アンナモノ見せられたら不安しか残らないが、そこはこの、魔力的な意味でも本当に"図書館の番人"だった司書ちゃんを信頼するとしよう。


「そうか。ならよろしく頼む。まずは手始めにそいつの尋問だな。バカと話すのには慣れてないから助かる」


あれー、すんごいあっさりしてませんか。

というかイキナリ仕事ですか。


「ヤダって顔しない。手伝うといったばかりだろう」


ヤダ。


「まぁいいが。尋問したあとのアイツ含め、余計なことを知ってるヤツには一応記憶消去(物理)しておくだけだし」


……ちょっと待った、(物理)って何。


「いや、私には魔法で綺麗に記憶だけを消すなんて器用な真似は出来ないんでね。攻撃系のを使って、こう、ね?

 無論、協力者たる者にはそんな手荒なマネはせんさ」


……いや、あの、その。


「……ん?」


わかりました、やりますやらしていただきます。

今後ともどうぞよろしくお願いします。


「……ああ、よろしく頼む!」


ハイ、満面の笑み頂きましたー。



こうして、僕の図書館通いにひとつ、特殊な仕事(ようそ)が追加された。

まずはその日、数時間にわたってバカな友人と話をしてようやく有用っぽい情報を得たあと。

僕は"図書館の番人"の右腕的なポジションとして、ゲームセンターの調査や延滞されてる本の行方を追うなど様々な活動をしては司書ちゃんの戦闘に巻き込まれるようになるのだが、それはまた別のお話。



END

(ほぼ当時ママ)

この作品を書くことになった経緯は、暫く小説を書いていない同好の友人3人とスカイプで話してたら『リハビリ的な意味を込めて久々にお題短編でも書いて持ち寄ろうじゃないか』的な話になったから、という感じなのですが。

友人からの助言を元に改稿してたら7400字!

ただでさえ原稿を持ち寄ったときに『長い!』と言われたのに1000字増えるってどういうことだ!(苦笑)


ですがまぁ、素人ラノベ書きとして、長くてもサクサク読める文体は心がけておりますので読んでる人が長ったらしさを感じず読んでくれてたら嬉しいなぁ、とか。

追加した描写も多いからちょっと長ったらしくなったかもしれませんけど。


この作品では、多分始めて、主人公の台詞を地の分と分割しない形式で書いてみました。

有名なラノベでいうと、『涼宮ハルヒ』シリーズなどで採用されている形式ですね。

ちなみに僕の中のイメージは(ラノベではありませんが)週刊少年ジャンプで連載中の『斎木楠雄のΨ難』です。


初稿から修正した部分は、主に各場面の転換部分と主人公の感情の動きです。


前者については書いてるときから自分で感じていたのですが、場面の転換がわかりづらかった(いつの間にか移動が完了していたり、1文で反応と行動が完了していたり)のと、主人公の行動と設定描写が完全に分離していたことから(地の文=主人公の言動の形式上)違和感があった、という部分です。

これについては移動などの描写を膨らませたり主人公の思考・行動と説明する対象を絡めることで対応してみました。


後者は、この主人公は割りと淡々としたキャラですが、ツッコミ役のキャラでもあるのでもうちょっと感情の動きが見られてもいいかな、という部分です。

これに対しては、少し意識して主人公の性格や感情が出る描写を増やしてみました。

また、先の主人公の思考を描写の対象に絡めることはここにも効果があるのではと思います。


まぁそんな感じで、久々にちょっと本気目に、自分の作品と向き合ってみました。

リハビリの産物ではありますが、こんなのでもし楽しんでくださる方がいらっしゃれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] おもしろかったです!本文だけでなく、設定から作り込まれていて、繊細で良い作品だなと感じました。もっと読みたくなりました。 [一言] メッセージありがとうございます。登録して7日間はメッセー…
2022/12/06 10:51 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ