第24話、精神エネルギーと肉体強化のトレーニング
投稿が遅れてしまってごめんなさい!
今日の夜にも、もう一話投稿します!
どうかよろしくお願いします!
「まずはこの島を一周してもらうわ」
「い…一周…」
俺は一歩引いた。
「怖気つかなくても、ジョギング程度の速さでいいのよ。目的は鍛える事じゃなくて、島の一周の長さを確認するためだから」
ん?それって…
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流されるままに島を一周した。
軽く走ったので、だいたい予想はついていたが、
「約二時間三〇分。これがジョギングでのタイムよ。そしてだけど」
うん。なんか途中からそんな予感はしていた。
絶対ハードな事を言うヤツだコレ…
「この島を三分で走り切ってもらうわ」
さ、三分っ?
それは人間に可能なのか?
「広樹の精神エネルギー量なら可能なのよ。あくまで配分を間違えなければだけど」
そ、そうなのか…
まだできるイメージがつかない。
「配分をミスれば三分以内は絶対に叶わない。それをしっかり覚えておいて」
お、おう…
じゃあとりあえず、
「私は昼食を準備して持ってくるから、基本は一人で頑張りなさい」
トレーニング期間中は詩織が生活全般を担うみたいで、とてもありがたかった。
頑張ってくれる詩織のためにも、早く精神エネルギーのコントロールを身につけよう。
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駄目でした。無理でした。
三周も繰り返し走ったが、どれもタイムが約一時間。
目標の半分にも届いていないのだ。
精神エネルギーを使ってもこれって……
「やっぱり難しいわよね」
いつのまにか頭上に詩織がいた。
その手にはお椀がある。
「吐くといけないから、食べやすいモノを持ってきたわ」
ありがたく受け取り、ズズズ〜と食べた。
「広樹、これを見て」
詩織が指差したのは、俺がランニングで作った足跡である。
「砂浜が必要以上にめくれ上がっているわ。これは精神エネルギーを使い過ぎている傾向なの」
え、じゃあ…
「精神エネルギーの無駄遣い。この砂浜だったら、さっきの半分以下の力が正解ね」
は、半分も……
完全に使い過ぎていたのか。
「そして砂浜の先にある岩石地帯だけど、そこでの消費量は砂浜と同じでは駄目なの。足場によって、精神エネルギーの濃度を調節する必要があるから」
足場によって調節…
考えもしなかった。
俺はずっと同じペース配分を目指すのに意識していたが、まさかの根本から間違えていたとは。
「次からは私も一緒に走るわ」
それだと詩織に大きな負担がかかる。
生活の全般を任せているのだ。
無理をさせるわけには、
「夕食の準備も済ませてきたから、これで夜まで広樹に付き合える」
し、詩織ができる女に見える!
「広樹が踏んだ地面を見て、私が助言を言うわ。それを参考にしてみなさい」
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「もう30%下げなさいっ」
い、イエスマム!
「下げ過ぎっ、10%上げなさいっ」
むっ、難しい!
調節がこんなに難しいなんて。
「フォームが崩れてるっ、それじゃあ体力の消費が大きくなるわよっ」
ふぉ、フォームも!?
「呼吸も乱れてるわっ、スースーハーハーよっ」
スースーハーハー!
スースーハーハー!
「手は胸の高さまで振り上げなさいっ、背筋は伸ばしなさいっ」
おっ、おう!
手は胸の高さ!背筋ピーンだな!
詩織がスパルタ過ぎてヤバイ!
ちょっと今何時だ?
もう夕食時だと思うんだけど!
「今夜までに肉体強化をマスターしてもらうわよ」
WHY!?今なんて!?
今夜!この時間に習得させるの!
無理!絶対に無理!
「私が教えるんだから、広樹には世界一の男になってもらうわ!」
世界一の男にならなくてもいいよ!?
いや、ちょっと待て、
詩織にこの世界の事情を聞いた限りだと、
もう俺は世界一の男では?
「人類が滅びるその日まで、広樹をどの男にも超えさせない。それが私が広樹に捧げる本気なの」
そんな本気いらないよ!?
人類が滅びるその日まで!?
何千年後の話!?
いや、訪れるかも分からない話だよね!
「さぁ!夜はまだ長いわよ!」
いやぁぁああああ!
『『世界一の男』になる為のトレーニングが開始された』