忘却による計略
良く有る話です。
忘れた方がいい話なんて
何所にでもあり、迷惑でも有ります。
忘れたくても忘れたくないし
覚えたくても忘れてしまうなんて
苦しいモノです。
そんなの都合でしか、ないのですが。
これは、家での話だ。
寒暖差が激しくて辛いのだ。
朝、8時あたりに
起床した私は
大型動画投稿サイトへアクセスして
機械音声が
オカルト系掲示板の投稿を読み上げる
動画を聞き流して
朝のルーティンを熟していた。
贄が必要な豊穣御利益の邪神には
名前があり、
正式名に漢字があったのに
読み方の音だけしか言い伝えがなく
昔と比べたら弱くなった。と
スレ主の父が述べた事を書き記し
スレ主もスレ民も
オカルト的存在は
人間から名前や存在を忘却したら
弱体化するらしい。と述べてる。
それは常識の範疇だ。
信仰は力なりとは、
力の拠り所は信仰なので
逆説的に
信仰を無くせば、弱くなる。
信仰以外にも
オカルト的存在は
名前が有れば強くなる。
名前とは
存在の補強であり、
願われたカタチへ縛る祝福と呪いだ。
個体を区別するのに
名前を付けるのは、危険なのだ。
オカルト危険行為なのだ。
原則的に
オカルト的存在は
名前を無くせば弱くなる。
そんな考えを思い出しながら
動画を聞き流して
ご飯を流し込んで
愉快なゲーム実況へ自動再生を始める。
先ほどのオカルトスレ音読動画を思い
読み方から
脳内で失われた漢字を
適当に組み合わせる。
頭の裏側がゾッとした。
その感覚を具体的に例えるなら
コップのフチをなぞるような
何かに触れられた違和感が
頭の裏側からした。
『あー、これ、実在ですかね?』
【知らね】
彼は、幽霊ユウキ。
彼と呼ぶのは男性の姿をしてるからで
幽霊組の頭で
バフ、デハフや
デハフ付きの強めバフの
付与術を巻きながら前衛戦闘。
本来の配置は中距離だが、
前衛不足により、未だに前線。
【俺からは
そう言うの、やめとけ。
マジでやめとけ】
『縁が繋がると
アレコレソレな結末行き。
はい、察し』
ユウキの発言で
物語のよくある末路が浮かんだので
即、考えるのをやめた。
【よろしい】
:ホロスコープが有っても
涼が着け忘れての結末を迎えるとか
俺でも分かる話。
あーーーー、
ユウキの、心の声が
聞こえる件についてーーー!!!
『あ、はい!
オカルトな都市伝説的存在って
居るの?』
ターボ婆さんや八尺サマとか
存在の有無、気になります。
【おい。
さっき、やめとけって、言ったよな?
お前は鶏か?
3秒も経ってないぞ?
脊髄反射で会話せずに、少しは考えろ】
『え?存在してるかどうかですよ?
聞くだけですよ?
オカルト分類なら
その辺の実在も分かるでしょ?』
だって、
無いを無い、無いを有る、
有るを無い、有るを有るの
四通り、楽しめる我が小説です。
【語るとでも?】
『ケチ』
大きな大きな溜め息が
ユウキから聞こえた。
脳内チャットでの
文字再生&気配の合わせだから
微妙な空気。
【居たとしても
俺達は面識がない。
俺達は見たことがない。
はい、これでいいだろ】
投げやりに放たれた
ユウキの言葉には苛立ちを感じる。
・・・。
その言い回しだと
面識、視認したら
アウト存在なのでは?
【こう言うのは忘れるに限る。
特に、実在を疑うモノに関しては
分かるだろう?】
固有名のあるオカルト的存在を忘れたら
弱体、消滅などの
マイナス影響があるのに
ユウキがそれを言うは違う。
『それは、ユウキさん達も
同じ忘れるに限るモノになるけど?
そんなの嫌ですが?』
認識も見たことがなく
実在を疑うモノはオカルト的存在だ。
私認識では、の話になるが
それでも私には
天然石の力を感じる程度に
熱というカタチで認識があるし
ペンジュラムを用いた
ダウジングも出来るので、
見えない聞こえない
オカルト的存在を否定出来ない。
オカルトとスピリチュアルは
繋がりが有るからだ。
そもそもで、だ。
『そんなの、寂しいよ?
寂しいって思う事は
忘れた側に無いけどさ、
そんな時が私に来ると思うと
やっぱ、寂しい』
認識出来ないだけでも忘れやすい。
忘れたら、何も分からなくなる。
私は、いずれは、
ユウキ達を忘れたり
コロッと逝って
ユウキ達の過去になったりもするだろう。
『そんな考えが付け込まれるのは
分かってますけど、
なんだか、来るモノがあるのです』
【そもそもで、
お前のオカルト防御反応は忘却なのを
お忘れですか?
マジでそう言うの止めろって、マジで】
真顔で返答するユウキに対して
私は真面目と思いつつも
昼ご飯に思いを馳せながら
外出の準備を進めるのだった。
『でも、あの動画、実在の気配を感じる』
【はい、やめろ】
『はい、やめます』




