※ユメの音
まとめれない。
これは家の話である。
多分だが、彼は呆れていると思う。
コクソ漆や錆漆で埋め立て材木を削ってる。
彫刻刀が心地いい音を立てながら
私の思う形へと
材木が部品の形になっていく。
その過程でお金もかかった。
時間も使った。
後戻りなど出来ない。
二万円ほど、だろうか。
この作りたいモノに懸けた想いは。
その間も削りかすが顔に当たっても関係なく
作業を続ける。
しなければいけないことをせずに、
進んでしまう。
私の欲しいモノは
クリスタルワンドだ。
我が家に植えてあった桜の木を用いた、
クリスタルワンドだ。
買うのが速いのだが、記念品として
作ることにしたのだ。
この桜の木は
私が小学校に入った記念に植えられて
簡単な桜見も毎年していた。
だから、記念品にして、
実用性のないスピリチュアル品を
制作しているのだ。
桜の木は家を壊すので母が切ったのだ。
何という行動力だ。
ノコギリを地面に突っ込みながら、
換え刃を何枚も駄目にしてまで根こそぎ
どうにか切ってしまったのだ。
彼も残念に思うだろうが
決定権は今を生きるモノにある。
仕方が無い。
材木を削る。
水晶がハマるように中を削っていく。
削りすぎてもコクソ漆で埋めたり
麻布を貼れば何とかなると思いながら
微調整を繰り返した。
さて、クリスタルワンドとは何か。
まず、尖った剣水晶と丸い水晶が
先端の片方づつにある。
尖った剣水晶の方だが、
下手な使い方をすれば
オーラと呼ばれるものを
切ってしまうらしい。
オーラは、気のようなモノらしいが
詳しいことはまだ分からない。
多分だが、
天然石の発する力に分類されると思う。
何にもつかめてもない、分からないのだ。
分かるのは、オーラを切ると言うのは
物理攻撃の分類ではない。
魔法攻撃の分類なのでは、推測される。
丸い水晶は、力をため込むや守りの力を
力を放出するらしいが、
私にはまだ、理解が出来ない。
いつか、理解してやる。
だいたいの材料も書いてない。
まず、
丸みを帯びたタンブル水晶と剣水晶、
銅線、材木だ。
好みで塗料や、銅線を金線するのも、
意味のある装飾や、
意味のない装飾も有りだろう。
そして、絶対条件なのは、
銅線は
水晶同士の力を行き交いさせる線に
なるので巻き付けなければいけない。
銅や銀で嵌め殺すのもいいらしいが
そんな材料はない。
何より貴金属は高い。
※動物素材を使用したら
呪い用のワンドになるらしい。
代償に何かを失うようだ。怖い。
漆を使う理由はコクソ漆である。
材木の埋め直しに使えるので
やり直しが効きやすいし、
麦漆が接着剤になる。
私の制作しているワンドは
胴体の棒の中心が銅線の関係で
くり抜かれているので
埋めるモノ、コクソ漆が必要なのだ。
何よりも、麻布を持っていることだ。
コサージュの制作に使っていたので
その余りだ。
出来上がりが楽しみだ。
クリスタルワンド、
買った方が安かった!
絶対、安かった!




