ある思い出
割と錯乱してる話です。
これは、家の話である。
どのような話でこうなったのか、
思い出せないが
楽しんでくれるとありがたい。
彼と、有り触れた話をした。
その中で思い出が頭に過ぎる。
それは、思い出すに
小さな泡の音で有り空気が抜ける音。
それは、足の裏でフカフカと
柔らかい毛皮を纏っている。
いや、あの時に感じた順が逆だ。
何も履いていない足裏から
感じた毛皮のフカフカの感触。
次が空気のプスプスと、聴覚を刺激する。
その正体に思わず悲鳴を上げる。
本来居るべき場所ではない。
犯人は、我が家の飼い猫様だ。
猫と来たら、鼠だ。
あのプスプスは、
肺にまで傷が達している証だ。
肺と言う袋に血液が入っている音だ。
私の悲鳴を聞いて
冷静にトングを持ってくる父親が処理。
そして、
ある雨の日を思い出した。
小さな公園で
小学生な低学年位の子供達が
はしゃいでいた。
私が覗き込むと行き倒れの鼠。
行き倒れの鼠の尻尾を
心底から楽しげに足で踏んでいた。
楽しげな子供の声と混ざり
別の音が聞こえた。
いや、聞こえてしまった。
か細い、か細い、鼠の声。
弱り切って死にかけている鼠に
死体打ちをする残酷性を
発揮していた。
足早に私は、先を急いだ。
それしか、逃れる方法が無いように
思えたからだ。
そこで思い出が終わる。
言っておくが
私は、突然の虫と動物は苦手なだけだ。
目の前で鼠が横切っても何にも思わない。
足の上を通られたら
小さな奇声を上げる程度だ。
誰だって同じの筈だ。
【おえ】
彼から汚い文字が浮かぶ。
それは当たり前で、悪い意味の自業自得だ。
誘導尋問するからこうなる。
なのだが、
彼は私の思い出を見ているように
思える。
心の声になっているのは
仕方が無いと考えるが
これは如何なものだろうか?
【見えちゃ悪いか】
座り込んだ彼。
顔が斜めで髪の毛の間から
私を恨むように睨んでくる鋭い目が見えた。
そんな絵が浮かぶが、更に想像を膨らませた。
これで涙目だったら、
何か来るモノがあるかも知れない。
流石にこれは失礼極まりないな。
これだと、絵の表情に対する評価だ。
現実にいるかも
知れない幽霊(空想のお友達)
に対して、個人的に涙目だと良いなど
可笑しくないか?
落ち着こう、落ち着こう。
とにかく!
嫌なことは、案外忘れないものだと、
我ながら感心した。
ペット枠のこと、覚えているよ。
多分、仕返しが出来たのかも。




