そんな気はないのに
なんで、こうなった。
これは、家の話だ。
そして、私は普通の感性を持っていると
思っていた。
私は眼鏡をかけないと
30センチ先のモノがぼやけて見えない。
インテリ眼鏡ではなく、
オタク眼鏡系である。
暗い室内でゲームをしてたのが
目に来たのだろう。
そんな私の眼鏡は2種類、ある。
赤のグラデーションの眼鏡。
紺の眼鏡だ。
愛用は赤い眼鏡で
女らしさを持つように、と願望を込め
かけている。
紺の眼鏡は、没個性の塊になるために
かけていた。
話は、もう一つの眼鏡を持ってたな、
と家の中で思い出していたら、
彼が紺の眼鏡をかけやがった。
【似合うだろう】
ニタニタと愉快だと不愉快な笑みを
浮かべていた。
目眩のようなモノを感じた。
似合うじゃないか。
と思ってしまった。
その、思ってしまった感情に
自分にツッコミを入れるように
吹いてしまった。
目の前に家族が居なくてよかった。
心底から思った。
いや、こんなことまで書いて良いのかよ、
等の指摘は受けても仕方が無い。
我ながら呆れる。
まず、私は発酵していない。
ここも重要だ。
後は、付け加えるなら、
萌えの感情を知っている。
対象は飼い猫だ。
実に健全だね、と思っていた。
思っていた。
この、感情は、萌えかも知れない。
こんな癖ない。
たとえ、漫画やアニメ、ゲームでも
眼鏡萌えなんて無い。
感じた覚えはない。
本当にない。
現実の眼鏡男子がイイ等もない。
もう、来るとこまで来たか。
と若干の呆れが自分に向かう。
テロい事をしてくれたな、
と彼、ユウキに睨んだ。
彼は、空想ではないにしろ、
私に対して行動して
反応を楽しむとか、悪質だ。




