ツッコミを打つべし*
ツッコミをお互いに打ってる。
つもりです。
バイト先の話だ。
暇つぶしになればと思う。
お盆の団子の話が聞こえる。
仕事中だろうと心の中でツッコミをする。
つい、頭の中では、
料理が物凄く上手になった母のドヤ顔、
虹色亭の料理が浮かんだ。
【旨そうだよな】
このヒトは幽霊ユウキ。
羨ましそうに口元を緩め遠くを見るように言う。
その絵が脳裏に写る。
これは、クラッとくるかも知れない。
容易に分かる。
今、彼の頭の中も美味しい料理でいっぱいだろう。
幽霊なのに、それはない、とツッコミを入れる。
食べれない。
ただ、眺めるだけだ。
【虹色亭の料理か】
推定、3年か、4年前から私の側にユウキは、居るな。
だって、あのお店の最後はそれぐらいからだ。
いや、それ以上に、美味しそうだと無邪気に笑ってる。
ような絵が浮かぶ。
アレ?彼ってこんな性格だった?
いや、美味しいも世界共通に等しい言語だ。
宗教で特定の食材を摂取が出来ない方もいるが、
そこは別だ。
【あんな美味しそうな店なのに
サメ軟骨の梅和えを食べるとかないな】
おい、待て。
サメ軟骨なんてモノは、
普通、スーパーで売ってるか?無いだろ。
【クエも対して、特別視しないとか何様だよ】
そんなもんかで済ませたな、と思い出す。
彼からしたら、嫉ましいのだろう。
何一つとして言い返す気がしない。
【んで、あの野菜炒めか】
あの野菜炒め。
家の話にチェンジした。
心当たりはある。
『面倒だし、いいでしょ』
【せめて味を付けろ】
酷く、素面に言い切られる。
ごもっとも。
大量の味の無い野菜炒めを食べるのだ。
最近では、吐き気もしたりするので
梅干しご飯で誤魔化しを繰り返しいる。
ご飯がオカズとか、末期だろうか。
『お弁当を作るし、別に良いと思う』
そもそも、
晩御飯の大半が塩っ辛いのが多い。
それぐらいが良いと、さえ思うのだが、
彼には思うところがあるらしい。
だんまりだ。
『美味しいお店とか知ってる?』
話題を切り出してみる。
何か、美味しいお店を知っているかもの下心だ。
是非知りたい。
【よし、金を出せるか】
解りきったことを言ってきた。
これしか、言いようがない。
『すいません。それは無理』
近々、タリスマンを購入する事を
棚に上げても外食するなんて頭の中には無い。
お金があったら、そんな贅沢を是非したい。
舌打ちをしたような気がした。
良いお店を知ってそうで
感心しました。
美味しいお店の金額が
高くなりそうで怖かった。




