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その6

 少し冷めてしまったが、適度に火が通ったキャベツの芯は歯ごたえがあって美味しい。甘辛いタレや肉と一緒に頬張ればご飯が進む。ここまで美味しいものが作れるんだから余りものも捨てた物ではない。丁度冷蔵庫に眠っていた野菜や焼き肉のタレを使い切ることが出来たのもグッドだ。


 そんな感じでポリポリと夕食を頬張る僕と妹、そして藤沢さんの三人。お腹が空いていたということもあり、今日川崎さんから受けた説明は食事をしながら話すことに決めたのだ。そういう訳もあり、一応テレビは消したままにしてある。


「へぇ、俄かには信じられないけど……予想もしていなかったタイミングで故郷に戻れることになりそうね」

「僕にとっての故郷は王都から離れたエルドリアンだけど、藤沢さんはもろ実家がキャンパス近くにあるもんね」


 彼女の実家、それはすなわち王宮である。もしかしたら実家通いも夢じゃない、そんな冗談も浮かんでくるが彼女の顔は少々曇り気味だ。


「実家……ね。8年間行方不明だった人間が顔を出したところでダミーか何かと思われる可能性も大きいし、こっちに来て日が浅い時ならまだしも今更王族として振る舞う気も……」


 失われた8年を取り戻す為に王族として名乗りを上げるか、それともこの8年間培ってきた経験で現代人として生きるか。いつかは考えなくてはと常日頃僕に愚痴を漏らしていた彼女は、思わぬタイミングで決断の時が近付いているのかもしれない。


「ねえレシル、川崎さんは藤沢さんの身元については知らないんだよな」

「うーん……少なくともボクや兄さんの前では殿下の話はしていないはずだよ」


 初めて食べるであろう炒め物や餃子を結構な勢いで食べていく妹は、口をモゴモゴとさせながら首をかしげた。たしかに川崎さんからの話で藤沢さんについての話が出てこなかったし、そして出向者名簿の中に藤沢さんが偽名のまま記載されていたことから、日本政府は彼女の正体を把握していない、もしくは把握していても裏が取れているわけではないのだろう。


 そうなれば、藤沢さんが自己申告をしなければ少なくとも来年の春まで問題を先延ばしにすることが可能だろう。これからどういう立場で生きていくのか、大きな問題だから考える時間は多いにこしたことはない。


「レシルちゃん、今の私は王族じゃなくてただの学生に過ぎないわ。気軽にレナって呼んでくれると嬉しいな」

「で、でも不敬なんじゃ……兄さん、どうしよう」

「本人が良いって言ってるんだから良いんじゃないかな。変に壁を作ると藤沢さん拗ねるよ」


 ギロリとマンガンヘアーな彼女から視線が突き刺さるが、手を伸ばしても届かぬちゃぶ台の向こう側だ。強気にフフンと鼻を鳴らしても大丈夫なのは良いことである。手が出せないことを悔しそうにしている藤沢さんに僕は満面の笑みを返す。そんな僕らの様子を見ていたレシルが口をあんぐりと開けた。


「……随分仲が良いんだね」

「まあ互いに唯一の同郷出身者だからね。気兼ねなく話せるってのは大きいよ」


 元王族を煽ってニヨニヨと笑う貴族の端くれ。この関係は妹にとって非常に不思議で驚きを感じる光景なのだろう。騎士学園でレシルがどれ程の成績を収めているのかは知らないが、フォルガント家のバックアップで学園に通う彼女の立場はそれなりに高いだろう。そんな彼女にとっても王族という存在は天上の人に違いない。ただしこの場合は相手が相手だし、早めに藤沢さんに慣れてくれると僕としてもやりやすい。


「……レナさんは、王女として戻ってきてくれないんですか?」

「いきなりの話だし、まだ分からないとしか言えないわ。たしかに両親と再会して詫びの一つは入れたいけれども、今まで居なかった王女が戻ってきた結果次代の玉座争いが激化する可能性もあるし、正直な所今の生活を壊したくはないというのもあるわ」


 言われてみればそうだ。今のエルトニアは日本との交流を進める余裕があるくらいには政界が安定しているのだろう。しょうがない話ではあるが、8年前に何人かいる王の跡継ぎの中から一人が消えたくらいでは国は傾かないということか。

 そんな穏やかな水面に、神隠しで忽然と姿を消した王女ヘレナ・ヴィクトリウス・エルトニアが加わったらどうだろうか。予想だにしない帰還は喜ばれはするだろうが、下手をすると跡継ぎ候補が増えるおかげで政界がごたつく可能性がある。


 ただ生存報告をしただけで国がごたつくかもしれないなんて、王族は面倒くさいものだ。たとえ実家に戻ったところで妾の子供だから跡継ぎ争いに端から加わることのないであろう僕は、しがらみを考えなくても良いという意味ではすごく恵まれているのだろう。


「あー、そうだ。実家といえば、今のフォルガント家はどんな感じになってるのかな」


 少々重い話題を変えるべく、ふと頭に浮かんだ疑問を口に出した。跡継ぎ問題に僕が加わる筈がないのは既に承知の上だが、果たして妹についてはどうだろうか。実力主義的な考えを持っている当主は、優れた才能を見せたレシルをもしかしたら次代フォルガント家当主として据える可能性も考えられなくはない。

 だがそうなると本妻の子供達は黙っちゃあいないに違いない。こうしてみると一人っ子で親戚とも良好な仲を築いている前世の僕こと平塚先生や、現代日本に復帰できたことで貴族の生活がもはや他人事になっている僕は本当に気軽であるように感じられる。


 しんみりとした表情を浮かべつつスプーンで白米を掻っ食らっていた妹が、何かに気が付いたように顔を上げた。もしかしたら僕に何かを話し忘れていたのを思い出したのだろうが、きちんと物は噛んでから飲み込んだ方が良いと思うな。案の定中途半端に噛んだ状態で一気に飲み込んだせいで苦しそうな表情を浮かべるレシルに、僕は無言で自分の麦茶を渡した。


「ケホッ……あ、ありがとう兄さん。それでフォルガント家についてだけど、兄さんに一つ話し忘れていたことがあったんだ」


 どこか気まずそうにもぞもぞとするレシルを見て一瞬トイレにでも行きたいのかと変なことを考えてしまったが、フォルガント家に関して僕に伝える話で、尚且つ妹がどこか気まずくなるような話なんて、思いつくのは一つしかない。


「……もしかして僕はもう父上から勘当でもされたのかな?」

「えっ!?……なんで兄さんがそれを……」

「やっぱり。さっき僕とレシルの間にある個人的なわだかまりは解いたからね。君が僕に気まずく思うこと、しかもフォルガント家関連なんて自ずと限られてくるよ」


 フォルガント家からの除名処分。これは現代日本に流れ着いた時から既に覚悟の上だった。庶子の身分にありながら大貴族の庇護下から逃げ出したのだ、一族から破門にされたところで文句も言えない。

 毒気を抜かれたような顔でポカンとする妹の一方で、僕はその知らせを聞いても楽観的でいられる。何故かは決まっている。フォルガント家一族としての立場が無くされたところで、今更何も困る事なんてないからだ。こちらで生計を立てていて衣食住は勿論のこと就職先まで決まっているのだから、影響があるとすれば精々がラスティレイ・フォルガントと名乗ることが認められなくなったくらいか。


「フォルガントの姓が名乗れないのは別に大した問題じゃないさ。もう平塚礼二の名前で慣れちゃったし、こちらの戸籍でもそうなっている」

「……兄さんまで名前を捨てるの? じゃあボクは兄さんをなんて呼べば……」

「普通に兄さん、もしくは礼二、それが嫌ならラスティで良いじゃないか。フォルガントの苗字は消えても困らないけど、別にラスティレイの名前まで捨てる気はないよ。だからレシルもそう難しく考えるなって」


 途端に顔を明るくするレシルに、こちらの顔もだらしがなくニヤついてしまう。

 しかし本当に勘当されているとなると、川崎さんに一応話を通しておいた方が良いかもしれない。重箱の隅をつつくような指摘だが、僕が既にフォルガント家の一員では無いことが確定した以上、今度の合同説明会用のスライドにおける僕の名前の場所にラスティレイ・フォルガントと書いてあるのは宜しくはない。


「……せっかく故郷に戻れるって言うのに、なんだか嬉しさよりも先に出て来るものが多いわ。レイも私もこっちの世界に馴染みすぎたのかしらね」

「そもそもエルトニアに故郷として戻るというよりも、出張先というイメージが先行しているよ。今お前は何処の人間だと問われたら、僕は日本人と答えるだろうさ」


 ズズズッと味噌汁を啜りながら憂いを帯びた表情で藤沢さんがぽつりと漏らす。故郷ではあるけど故郷じゃない。そんなモヤモヤとした感覚は、僕にも分からなくはなかった。




*   *   *




「兄さん兄さん」


 どこかしんみりとした空気で食事会が進行し、明日の朝レシルがリーヴェルに帰る前にもう一度顔を見せる約束をした藤沢さんは、おやすみなさいと一言残して自分の部屋へと戻っていった。

 結局川崎さんに言われた約束を破ることになってしまったが、事実を聞かされた藤沢さんが取り乱したりすぐに故郷に帰りたい等と騒がなくてよかった。まあ元々自分の故郷のはずであるエルトニアをどこか客観的に捉えていることが多かった彼女だから、僕も最初からそのようなトラブルについてに心配はあまりしていなかった。


 僕も彼女も、まずはゆっくり考えることが重要だ。もう一度あの世界を前にして、今度はどういう立場で向き合えば良いのか。僕は実家から勘当されたが妹という繋がりがあり、彼女は王家の一族という肩書を持っている。ただ未知の職場で働くというわけではないのだから、頭の中を整理するに越したことはない。


「ねえ兄さんってば!!」

「うわぁ!! 急にどうしたのさ」

「どうしたもこうしたもないよ!! 呼んでいるのに無視するなんてひどいよ」


 知らぬ間にすぐ隣に近付いていた妹の姿を見て驚いてしまった。レシルはずっと押し黙って考え事をしていた僕を不満そうに見つめながら、肩口を指で突っついてくる。


「ゴメン、ちょっと考え事をしていた。それでどうしたんだい?」

「うん。兄さんに貸してもらったパジャマだけど、この格好おかしくない?」

「まあちょっとダボついてるけど、寝間着なんて着やすけりゃいいだろう」


 シャワーを浴びてきたために銀の長髪はほんのりと湿っており、艶のある肌が淡く火照っている。ダボダボの男用寝間着に身を包み鎖骨の辺りを肌蹴させた彼女は、適当にあしらったせいか再度不満げにムーっと唸った。

 この部屋には女物の服や下着は無い。当然だ、僕は男なのだから。押入れの奥の方にはチェックスカートにひらひらシャツがビニール袋へぶち込まれているが、アレは何時ぞやの忘年会一発芸のために買わざるをえなかった曰くつきの一品のために思い出したくはない。逆に言えばそれ以外には男物の物しかないのだ。


 そんな折に僕の部屋に上陸したこの銀髪少女。代えの下着くらいは自分で持ってきていたそうだが、生憎寝間着に関しては考えてなかったようだ。そのまま下着で寝ようかな、ととんでもないことを言い出したレシルに、僕は普段自分が使っているパジャマを明け渡したのだ。体を拘束することのないダボダボ感、首の部分が広く通気性も良いというお気に入りの一品だが背に腹は代えられぬ。しょうがないので僕は今日は普段着就寝だ。


 色々有ったため既に目蓋が重くなっている。普段ならばもう少し長く起きて論文の執筆やらなんやらを進めるところだが、生憎今日はもうそんな気力もない。

 食事を乗せていたちゃぶ台を部屋の隅っこの方に動かし、リビングルームの中心部に一定以上のスペースを作成する。周囲をテレビやベッド、そして冷蔵庫に囲まれているが、最低限一人寝るスペースは確保できただろう。


「兄さん何してんの?」

「ああ、寝床の作成だよ。この部屋は狭いから、二人以上の人が泊まるとなるとこの手の作業が必要になるんだ」


 不思議そうに此方を見つめる妹をとりあえずベッドに座らせて、ある程度の広さを得たら次にベッド下の箪笥をごそごそと探る。一人暮らししか想定していないこの部屋では、二人目以降の掛布団なんてものは存在しない。日中は暖かいが夜になると気温がだいぶ下がる、そんな秋口の気候で布団を掛けずに寝るのはよろしくない。しかし予備のバスタオルも妹に貸してしまって今は部屋干し中であり、今は別のタオルケット候補を探さなくてはならない。


 季節外れの服が詰め込まれた箪笥から適当に取りだしたのは、冬に部屋で着るちゃんちゃんこだ。少々厚ぼったい見た目だが、コイツを纏って寝れば寝心地はともかく風邪をひくようなことはないかと思う。着々と床寝の準備を進める僕の背中に声が掛かったのは、何を枕に使おうかと悩み始めたときだった。


「あ、あのさ……そんなことしなくても、ベッドに2人で寝れば良いんじゃない?」

「……うん、まあ、うん」


 それを回避するために頑張っているのだ。いくら兄妹とは言えども、同じ布団に包まって寝るような歳はとうの昔に過ぎ去っている。それに彼女の案は物理的に難しいのだ。


「僕らはもう大人に近い歳なんだから良くないよ。それに、そのベッドは紛れもなく一人用だ」


 レシルが腰かけているベッドは、リサイクルショップで見つけてきた箪笥一体型の優れものだ。しかし堅いとか熱がこもりやすい等といった問題点が存在し、その中でも最たるものがただ只管に狭いということだ。

 このベッドを買った当初、僕は寝ている間にベッドから転げ落ちるなんて漫画やコントじゃなければあり得ないと思っていた。そして部屋に設置して満足して、記念すべき第一夜目に寝相で床に転げ落ちた。理由は簡単だった、ただ只管にベッドとして狭かったのだ。今では別の部屋の住民に騒音が伝わらないように、落下先となる床の上にカーペットを敷いている始末だ。


 寝転がった時にベッドの両端が自分の肩幅よりもやや大きいくらいしかなかったのを危険と捉えていれば、もしくはベッドの両端が妙に丸みを帯びていて体勢が崩れた時にすぐ床に転げ落ちる可能性があることに気が付いていれば、おそらくこの欠陥ベッドを買うことはなかっただろう。もしかしたらリサイクルショップに売られていたのも、前に使っていた人が度重なる墜落に嫌気がさしたからなのかもしれない。


「今年ぐらいになって体が慣れたのかようやく転げ落ちることはなくなったけど、その狭い空間に2人並んで寝たら絶対にどっちかが墜落する。そもそも二人ならんで寝ることすら困難だものね」

「た、たしかに狭いけど……むぅ」


 理解はできるけど納得はできない、そんな顔をレシルが浮かべている。まあ何を言ったところで狭苦しいベッドが広くなるわけでもないのでしょうがない。


「じゃあ灯り消すよ」

「……はーい」


 部屋の隅にある電灯のスイッチを押すと明るかった部屋が一気に闇に包まれる。街灯のぼんやりと淡い光が窓から差し込み、その光を頼りにして仮の寝床へそろりそろりと歩き出した。そうしてベッド横に腰を下ろそうとした時、闇の中から伸びてきた白い手が僕の腕を引っ掴んだ。


「ヒィッ!? な、何事……」

「ふふん、驚いた?」


 体勢を崩した僕は引っ張られる腕につられてそのままベッドに倒れこんでしまい、立ち上がろうとしてじたばたしても正面から何者かに強い力で抱きつかれている為に上手くいかない。いきなりのことで気が動転している僕の耳に入ったのは、いたずらが成功したかのような茶目っ気を帯びたレシルの声だった。


「ちょ、ちょっとなにするのさ。離してくれないと寝床に行けないよ」

「たしかにこのベッドは二人ならんで寝るには狭いけど、これだと平気だよね」


 僕の言葉なんて聞く耳を持たないでレシルが得意げに言う。彼女が編み出した並んで寝ることが難しいこのベッドに2人で寝る方法、それは片方が抱き枕になれば良いんじゃねというワイルドな物だった。しっかりとホールドされてしまった僕の前には、暗いからよくは見えないが嬉しそうに笑う妹の顔があった。


 体同士が密着しているから仄かな熱と柔らかい感触が服の上から直に伝わり、熱っぽい吐息が鼻の頭に掛かる。相手がいくら妹だからといって、とんでもない美少女さんに抱きつかれている状況だから顔が赤くなって頭がくらくらとしてしまう。相手は自分と同じような見た目だと思い込もうとしても、視覚以外の感覚を遮断することが出来ずに思考が更に纏まらなくなっていく。


 なんとかしてレシルの拘束から逃げようにも、体全体がしっかりと抑え込まれてしまっているためびっくりするほど動けない。押さえ方が上手いのと、そもそも力が強いこともあるのではないか。会議室で絞殺されかけたときもそうだけど、なんでこの子は僕と同じ体格でありながらこうも身体能力に顕著な差が生まれてしまっているのか不思議でならない。


「近すぎるって!! とりあえず離れようよ!!」

「……兄さんが家を出ていく前までは、よく一緒に寝てくれたよね。今日だけ、もう一度お願い」


 息遣いも感じられるような場所からレシルの声が聞こえる。彼女の一言が頭に入ってきた瞬間、あたふたと顔を赤くしていた筈の自分の頭が急激に冷静になっていくのが感じられた。5年振りの肉親との再会、まだ甘え足りなかった分を取り戻そうとする彼女に対して、僕はあろうことか欲情にも近い感情を抱いていたのか。冷めた心の奥から自己嫌悪の感情が湧き出てきて、同時にレシルに対して非常に申し訳ないという思いも強くなった。


「……たしかに昔はよくこうやって一緒に寝たもんだね」

「うん……兄さんが居なくなってからの一時期は抱き枕がないと寝れないこともあったよ」


 自由に動くようになった片腕で、ゆっくりとレシルの背中を抱きしめる。今や僕の後ろを付いて回るひ弱な子供ではなくなった彼女は、それでも僕の妹には変わりはない。そして実家から勘当処分をくらい、フォルガント家の一族ではなくなった僕も彼女の兄に違いない。妹が一緒に寝たいというならば、昔みたいに背中をポンポンと叩いてあやしながら寝てやろうじゃないか。


「本当に幾つになっても甘えん坊さんだな。しょうがない、今日は一緒に寝てあげるよ」

「ありがとう……苗字の繋がりは消えても、兄さんは兄さんだよ」


 そして互いにおやすみなさいと言い交して僕たちは目を閉じた。

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