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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

恋愛短編

ヤンデレを正常に戻すだけのめんどくせぇお仕事です

作者: いしい君

突発的に書いたものです。故に読みづらいかもです。

 嗚呼、これで何度目だろう。




 監禁されんの。






○ ● ○ ● ○






 俺の名前は、谷口(たにぐち) 翔兎(しょうと)。身長175cm、どっちかっていうと痩せてる。顔立ちは中の中か中の上辺りで、黒髪のちょいロンゲ。モブな感じの何処にでもいるふつーの男子高校生である。と、言いたいところだが、ひとつ、俺にはふつーじゃないところがある。


 それは、生まれる前の記憶があることだ。生まれる前と言っても、前世の記憶とかではない。まぁ、それもほんのちょこぴっとだけあるが、今でもくっきり記憶にあるのは、生まれる直前の記憶。ヘンテコな神様に出会った記憶だ。






● ○ ● ○ ●






パチッ



 ふと、目を開けると、そこは一面四つ葉のクローバーだらけの原っぱだった。

 俺は直感的に、「あ、俺、死んだんだ」と瞬時に悟った。


 どんな死に方だったか、どんな人生だったか、うすらぼんやりとしか覚えてないが、とてつもなく退屈でつまらなかったのは覚えている。



 …………さしずめ此処は、あの世の入口であろうか。では、これから俺は輪廻転生でもするのか?

 悪いこともほどほどしていたから、天国はないだろう。

 しかし、良いこともほどほどにしていたので、地獄ということも多分ないだろう。


 ……俺は、何処へ行くのだろうか。



 しばらく俺は、そこに寝っ転がってボーーッとしていた。


 

 すると、上にフワッと何かが現れた。

 それは、何やら人の形をしていて、うーんと、何か、白かった。

 顔は中性的で、えー………、ともかく白かった。


「お前、変わってんな。だいたい此処に来た奴らは、色々思い出して泣いてんのに」


「………ん?何だ、お前。あの世の迎えか?」


 その中性的な顔立ちを裏切るような乱暴な口調に、少し驚きながらも、俺はふつーに返す。


「………。いや、ちげーな。まぁ簡単に言うと、神様みたいなもんだ。迎えは……、やべっ、もうすぐ来んな」


 何がやべっ、なのかは知らんが、神様は何か、焦っているようだ。


「時間がないから率直に言うが、





俺と取引しないか?」





ピクッ


 俺は取引という言葉に、体が少し揺れた。

 少しそれに、興味を引かれた俺は、黙って内容を聞くことにした。


「内容次第って顔してんなー。まぁ、いい。お前は生前、とてつもなく退屈な人生、送ってたんだろ?」


 俺は素直に、こくんと頷く。


「そしたら俺は、お前を絶対に退屈にさせない刺激的なところへ連れてってやる。そのかわりの条件として、お前に俺の作った世界へ行ってもらって、問題を解決してくれ」


「……ふむ。悪くねぇな。で、その問題ってのは?」


「あーー……なんだーその」


 神様は、言葉を一度とぎらせる。


「………ヤンデレがうじゃうじゃ居るんだよ」


 



 若干、目を逸らしながら答える神様。


 あれ?

 気のせいだよな。

 今、凄い場違い感半端ない単語が聞こえたような………?

 ヤンデレって言ったよな、今。あの病みながらデレる、アレだよな。


「……っ! そんな目で見るなよ! 仕方ないだろ! 他の世界の仕事してたら、いつの間にかこんなんなってたんだよ! いいだろ、刺激的で!」


 神様も結構大変なんだな。

 俺は白い神様を哀れみの目で見る。


 ってあれ? 

 なんか、どっちにしろコイツの世界に行くことになるんじゃ。


「で、それをどうするんだよ」


「そいつらを正常に戻してくれ」


「さらって言ってるけど、それスゲー大変だよな」


「あぁ、もうすでに何人か送ってんだけど、ヤンデレになったり、ヤンデレに捕まったりしてな……」


「ダメじゃん」


 そういうと、神様はガクンと項垂れた。




 しばらくその神様の愚痴を聞いてると、遠くから足音が聞こえてきた。


「ハッ、やべっ。こんなことしてる場合じゃなかった! お前! どうするんだよ! このままあの世に連れてかれて、またあの世界で退屈しているのか、それとも俺と来るか!」


 立ち上がって、手を差し出す神様。

 答えは結構前に決まってた。


「もちろん、連れてけ!」


 俺はニヤッと笑って、白い神様の手を取った。

 神様もニヤッと笑って、「喜んで!」と俺を上ヘ引っ張った。

 そして、俺はフワリと宙に浮く。


「よし、行くぞ!」


「……ちょっと待て。最後に質問しいいか?」


「何だ?」


 俺は最初からずっと気になっていたことを聞く。







「お前って、男? 女?」


「………ぶっ」







「お前って、面白いなー。んーそうだな、俺は男にも女にもなれっかんなー。まぁ、男でも女でもあるとも言えるし、どちらでもないとも言えるな」


「なるほど、オカマか」


「ぶふっ、やっぱり面白れーわお前。でも、性格は男寄りだぜ」



 その後、世界の入口に行くまで、神様はずっとクスクス笑ってた。

 なんか、コイツとは気が合いそうだな。


 なんとなく、そう思った。






◇ ◆ ◇ ◆ ◇






 その後は、神様は忙しいらしく、「この世界の詳しい説明は、そこに書いてあっから!」と黒い封筒を俺に渡すと、急いで帰っていった。



 とりあえず、状況を把握するか。


 えっと、ここは?

 なんか、どこにでもあるような公園だな。


 俺は近くにあった、黄色いベンチに座って落ち着くことにした。

 

ふうっ。


 俺は一息ついて、黒い封筒を開けてみる。

 中には、えっと、手紙と何やら小さい箱が入っていた。なんか手紙の量がすごい。7、8枚は入ってるぞ。 

 1から3枚目までが、どうやらこの世界の詳しい説明。で、2枚地図っぽいの、この箱の中のものが記されているらしいもの1枚。家族についてのが1枚、っぽいな。

 どれどれ。



『まずはこの世界についてな。

 此処は学園ゲームの世界。乙女ゲーム、ギャルゲー、エロゲー、BLゲーなどなど、ありとあらゆる学園のゲームを忠実に再現した世界。そのゲームの話が終わったら、次のゲームに入る準備が始まると言うシステムだ。俺はそれに転生者を入れたりして、遊んでいた訳だが、俺が目を離した隙にあるヤンデレ乙女ゲーを中心にヤンデレものが流行り出して、そこらじゅうがヤンデレだらけになってしまった訳だ。お前には、その元凶となったゲームに行ってもらう。

 題名は、【不良くん達を闇から救え!!】とか言うR18のふざけた名前のゲームだ。』



 ふざけてるのは、お前だろ! と言いたいのは俺だけだろうか。

 まず、突っ込み所が多すぎて、突っ込み切れない。



『お前の設定は、谷口 翔兎16歳。高校2年生の夏にくる転校生。隠しキャラとすり替えた。そして、その乙女ゲームの設定だが、お前の他に5人。生徒会長の幸平(ゆきひら) (りょう)、クラスメイトの椎名(しいな) (あきら)、幼馴染みの斉木(さいか) 狼兎(ろう)、後輩の石山(いしやま) 世哉(せいや)、あと担任の西宮(にしみや) (すずめ)。そして主人公の天野(あまの) (さや)だ。

 後は、学園の設定だが、名前は【善鳴(よしなり)学園高校】私立の中高一貫校だが、結構不良が多い。全寮制だから、お前も寮な。学園の地図を同封しておく。』



 俺は地図をペラッと捲ってみる。

 ん? んん?


 なんだこれ、広っ!!

 学園の理事長さんて、どんだけ金持ちなんだよ!



『箱の中身は、生活必需品に制服。お前が生前持っていた私服、下着、携帯。あとはなんとかしろ。あ、箱は寮の部屋に入ってからにしろ!』


 ・・・・・。

 なんか、ここまでしてもらって、逆に申し訳ねぇーな。


 あとは、俺の家族構成に実家とここ周辺の地図だった。あいつ、スゲー細けぇーな。いや、ありがたいけども。


 まあ、いいや。

 適当に頑張ればなんとかなるだろ。







◆ ◇ ◆ ◇ ◆







 なんて、思ってたこともあったなー。懐かしいわ。



 さて、思い出話はこの程度にして、今の状況を説明しますかね。


 いろんなことがあったが、とりあえず高校へ転校?したが、まず幼なじみのやつには何故か気に入られ、不良とは何故か同室で、しかもなんかケンカで助けちゃって、サボりとかしてたら生徒会長に何故か目を付けられ、後輩とは何故か偶然部活が同じで懐かれ、担任は仕事手伝って、病気の時介抱したら何故か襲われそうになった。


 あの、俺、男なんですけど。

 普通にノンケなんですけど。


 

 唇? 

 とっくの昔に奪われてるっつーの。貞操はなんとか守ってるけど。俺の貞操は男でも女でも、俺に興味を持たせてくれたやつにって決まっているからな。


 監禁?

 何回されたことか。全部逃げたけどな。全力で。



 そして今、拉致監禁され中。


 ただし今は、攻略対象ではなく、悪役さんに。



 さて、今回はどうやって出るかな。

 これ考えるのは、好きだ。このワクワク感がいい。



 ガチャ

 南京錠をカチャカチャして、ドアの外へ出ると、そこにはこの部屋の前に居ただろうがたいのいい男二人組が、床に伸びていた。

 顔を上げると、


「まったく、目離すとすぐこうなるんだから。嗚呼、何処かに閉じ込めて置きたい」


「なに、俺の前から消えようとしてんの? 殺すぞ」


「お前は俺から離れてはいけないのに、離れるからこうなるんだ」


「先輩は俺のなんすから、俺以外に監禁されちゃダメっすよ?」


「邪魔者は排除したから、これから俺の家で愛し合おーぜ、翔兎」



 五人が五人、それぞれ違った狂気の目を俺に送ってくる。




 さーて、どうやってこいつら正常に戻すかねぇー。

 てゆうか、主人公どこだよ。



最後の台詞は、幼なじみ⇒不良⇒生徒会長⇒後輩⇒担任です。

読んで下さり誠にありがとうございます。

これの連載書いて見たいですが、勇気が出ません。

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