呪いの招き猫
小説と呼ぶのすらおこがましい、初めて完結させた作品です。
ミスだらけだと思いますが、読み返して校正するのすら恥ずかしいのでコメントかなんかで指摘できるなら指摘してくださったらありがたいです。
みんな今日は集まってくれてありがとう。結構豪華な怪談パーティだったろ?最近、金回りが良くなってきたんでこういうことをしてもいいかなって思ったんだ。前置きはいいって?じゃあ、最後の怖い話だ。存分に聞いて行ってくれ。
ある日、クラスの一人。そうだな、仮に田中にしよう。そいつが下校途中に招き猫を拾ったんだよ。金色の、修学旅行の土産屋で売ってるようなやつだ。
そいつは最近お金が不足しているみたいで運がいいとか言って喜んで持って帰ろうとするんだよ。俺は、金色なんて趣味が悪いと思ったし、その招き猫が少し不気味に思えてな。やめとけって言ったんだが持って帰るって頑なに言うんだよ。もしかしたら、そのときに運命は決まっていたのかな。
翌日その田中が、笑顔でみんなに報告するんだよ。金運が上がったって。なんでも、お小遣いが上がってさらに臨時収入も入ったそうなんだ。みんなは、へ〜って感じで流してるんだが、あいつがしつこく言ってくるもんだから一人が、じゃあ俺に貸してみろよって言うんだよ。そうだな、そいつの名前は佐藤にするか。俺の親友だったやつだ。
でも、田中は断ったんだよ。佐藤も冗談半分だったのか、なんだよって言っただけで場は収まったんだ。おかしくなってくるのは翌日から。
次の日。田中は来なかったんだ。学校に。みんな昨日あんな元気だったのに休むとはって感じなんだが、所詮それまでだったんだ。
しかし次の日、先生が深刻そうな顔で告げたんだよ。田中くんがお亡くなりになられましたって。みんな驚くわけだ。いっても当時、俺らはまだ中学三年生だ。祖父や祖母も死んでる人も少なく、人の死ってのがいまいち理解できなかったんだよ。みんなぽけーっとした顔でよ。しばらくフワフワした感じが続いたんだよ。ここまではいいわけだ。
田中の死もだいぶ薄くなった頃、下校してたらこんどは佐藤がその招き猫を拾ったんだよ。
さっき、『その招き猫』って言ったんだが、別に、その招き猫が田中のだって確証がないわけだし、なんとも言えないんだが、またも、その招き猫も、俺にとっちゃ不気味に思えたんだよ。その金色もな。
まあ、こういう手の話だ。結末はわかってるだろう?
死んだよ。佐藤も。
ま、死ぬまでの経緯を話してもいいんだが基本田中と一緒でな。しばらく金運が上がったと思ったら、ぽっくり死にやがった。今回は交通事故でさ。
さてだ。俺と佐藤は親友のようなもので、よく家に遊んで死ぬ前にも一度だけ遊びに行ったんだよ。入ると、玄関に件の招き猫があって驚いたよ。なにもこんなところに置かなくてもいいじゃないかって。俺は佐藤に
「不気味じゃないか?」
と聞いたんだ。佐藤はケロッとして
「なんで?結構かわいいじゃん。下に名前を彫ったんだ。これだけ金運上げてくれる招き猫、絶対に手放したくないからな」
と言って見せてきた。たしかに下に佐藤と彫られていたよ。で、見た後あいつが上がった金運で買ったゲームで遊んで帰ろうとした時、招き猫の目から涙が出ていたような跡がついてるような気がしたんだが、不気味で眺める気もなかったし、すぐ帰ったよ。
佐藤が死んだあと、しばらく見なかったんだが斉藤が拾ったって話を聞いてな。斉藤はもともと病弱だったんだが、先生が斉藤くんが入院しましたって言ったその2日後辺りに死んだんだよ。
さすがに、感のいいやつは気付き始めてな。死んだやつみんな招き猫拾ってないか?って。その中に鈴木ってやつがいたんだが、そいつが道に落ちてる招き猫を見つけたそうなんだ。さすがに拾わずに帰ったそうなんだが、なんと母が持ってきたらしい。呪縛から逃れることはできたいわけだ。足には佐藤の文字がきちんと彫ってあったらしい。もちろん死んだよ。
さて、そんなこんなで話を進めてきたんだが、オチはもう分かるよな。最初に金まわりがよくなったといってたよな。
そう。俺のところにも来たんだよ。金色の招き猫が。
執筆はだいたい2ヶ月
実際に書いた時間は5時間ほど……?基本悩んでたので、実際に打ち込んだ時間は1時間もないかも
構想とかもとくに練らず想うままに書いた作品
最後の方はもう少し丁寧に書く予定だったんだけどめんどくさくなった
ウラ話とかまた思いついたら追記するかも