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疑問

先ほどの女の子は藤崎唯というらしい。

そして、私はその藤崎唯の隣の席だった。


ゲームの中でも授業を受ける。現実世界とあまり変わらないような気がしてきた。

俺は、ADVの中でも授業を受けるのはまっぴらなので外を眺める。そういえば、高校時代もこんな感じで授業を受けてたな。ふと、隣の席に目を向ける。

唯は授業を真面目に受けている。


ふと思う、なぜ俺はこの世界に飛ばされたのかと、あの神様はなんの説明もしてくれなかった。俺はこのゲームの中で何をしなければならないのか?ただクリアしたらいいのか?なぜ、ゲームの中に入らなければならなかったのか?

考え出すと次々に疑問が沸いてくる。

ゲームの中に入る前に聞いてくれば良かった。考えるのをやめようとするが、疑問は次々と出てくる。

唯かわいくね?正ヒロインだよね?

いつの間にか、疑問は忘れ去られ藤崎唯のことでいっぱいになった。


そういえば、初めてあった彩はどこにいるのだろう?休憩時間にでも探してみよう。

授業は10分で終わった。さすがゲームの世界。休憩時間、彩を探しに教室を出た。手がかりがないので手当たり次第に違うクラスを回ってみた。俺の教室が1-3とある。教室は1年は全部で3クラスあった。

1-1クラスを覗く、ざっと見回してみるが彩らしき人はいない。1-2を覗いてみる。いた。声をかけてみようか?


「おーい、彩」

「なーに」ん?後ろから声がする。

振り返ってみる。そこには存在感がすごく、まるまると太っていらっしゃる女性がいた。ん~あなたではない。


ブーブー

スマホのバイブレーションがなる。嫌な予感。


画面には、

1、走り去る

2、戦う

3、配下に降る

まともな選択肢がない。ほんとにこれはギャルゲー?


一番有力なのが1番、相手を傷つけてしまうかもしれないが2番よりはマシ。3番はもはや意味がわからない。1番を選ぼう。

「あ~、じゃねっ」

俺は走り出した、全速力で。なぜか?ものすごいスピードで追いかけてくるからだ。あの体型でどうしたらこんなに走れるのか。

これは、後で知る事になるが、この女の子は永川綾、怒りながらあの巨体でありえないスピードで走っている様から別名「サバクの暴走機関車」と呼ばれている。怒らせたら何をされるかわからないことで有名だとか、ある男子生徒が彼女をからかったがために、血祭りになったのは伝説だとか・・・


それから、数分後のことである。俺はパンツ一丁の状態で木に縛られている。体のいたるところに青あざあ出来ている。永川に追いつかれ、全身で潰されたからである。

両手、両足を縛られ腹の辺りをぐるぐる木に縛り付け両手は枝と一緒に結び付けられているので万歳している状態だ。これを、短時間でこなした永川は人間ではないのだと思う。


永川はなぜここまで怒るのだ。確かにいきなり逃げたのは失礼であるが、ここまでするか?ほかの選択肢を選んでいたらどうなっていたか。彼女がヒロインでないことを祈るのみである。

「はあ」

ため息をついているとチャイムが鳴った。


10分後授業の終わるチャイムが鳴った。すると、俺の目の前を唯が通りかかった。

「・・・・」

「・・・・」

見つめ合う二人。

「やっぱり、変態さん」

「断じて違います。助けてください、解いてください」

唯は無言で縄を解いていく。俺を縛っている縄を解いているのだから、唯が近い。いい香りがする。

唯が解き終わるまで俺は至福の時を過ごした。

解き終わる頃には授業が始まっていた。俺と唯は走ってい教室へ向かう。

教室に入り、先生に謝ってから席に着く。


ブーブー

スマホがなる。

from 神様

メールを開いてみる


よお元気か?楽しんでおるか?

言い忘れてたことがあったから、伝えるよ。

まず、ゲームの世界に送り込んだ理由。

それは、バグを倒して欲しい。バグとは歪みのことで、この世界変な選択肢が出たりするじゃろ?それはバグのせいじゃ。君にはそれを倒して欲しい。

倒し方なんだけど、殴ったり、蹴ったりではないから安心せい。スマホにバグ修正アプリがあるはずだから、それを起動してからバグにスマホをかざせばいい。しかし、バグはそれを拒んで邪魔をするだろう。

バグはどこに潜んでいるかわからん。登場人物になりすましているのは確かじゃ。

検討を祈るぞ。じゃぁな。


「バグねぇ」

あいつしかいねー。暴走機関車。どう見てもあいつだ。

授業終了のチャイムが鳴る。


俺はチャイムが鳴り終わると走って1-2へ。そして、アプリを起動させる。この画面にバグをかざしてくださいとの表示。暴走機関車の背後へ見つからないように回り込み永川の背中にスマホの画面をかざす。

・・・何も起こらない。あれ?おかしいな。アプリ壊れてんのか?何度かトライしてみるがなんの変化もない。

「あなた、懲りずに何やってるの?」

その時、僕は覚悟した。やられる覚悟だ。


案の定捕まり、全裸にさせられ、屋上にあるベンチに縛り付けられた。

僕が発見されたのは放課後だった。

見回りの先生に助けてもらったのだ。


ブーブースマホがなる。


すまん言い忘れてたことがあった。

アプリは1つのゲームの中で、3回しか起動できん。

だから慎重に使うように。

アプリはバグ以外には効果がない。バグにかざした時のみ変化が現れるから。

3回とも外してしまうとゲームオーバーで帰ってこれなくなるからな。気をつけて。


それ、もっと早く知りたかったな。

1回使ってしまったじゃん。

服が見つからず、近隣の住人に見つからないように帰ったのはその10分後のことだった。

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