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ADVのセカイへようこそ!

今、俺の前には巨大な椅子に座った大男がいた。間違い、大男ではなく巨人だ。(明らかに人間ではない)薄暗く、とてつもなく広い部屋に巨人と俺がいた。

俺は天井を見上げる。この部屋はビル位の高さ(120メール位)に天井がある。

目の前にいる巨人は某アニメのロボット1/1スケールはありそうだ。

「まぁ座れ」

巨人の低い声に圧倒され尻餅をついた。

俺はどうしてこんな所にいるのか必死に思い出そうと記憶を手繰る。俺は文系大学の一年生で大学への進学を機に田舎をでて上京した。手頃のボロい学生アパートに居を構えていたはずだ。

うん、混乱しないように徐々に思い出そう。それで確か大学は夏休みに入っていたんだよ。それで俺は…。

ハッ! 思い出した。

夏休み俺はギャルゲー三昧な日々をエンジョイしてたんだ。

寝る間も惜しみギャルゲーを5日間…120時間寝ずにプレイ。そしてついに俺は倒れてしまった。

つまり、ここは…、目の前にいる巨人は…

俺はすべてを悟った。

まだ18歳やりたい事がたくさんあった。

ギャルゲーとかエロゲとか家に積んであるゲームとか…

今キモいって思った奴

ギャルゲーとかエロゲの他にもやり残したことあるんだよ、ただ代表例をあげたってまでであって俺の人生ゲームが全てってわけじゃないから、ほんとだよ??


さて、現状を察するに今は天国か地獄かどっちに行くかの宣告を待ってるところであろうか。もちろん天国に振り分けられるとは思う。だって悪い事してないもん。多分…。心配だ〜。俺天国だよね。というかここ地獄への入口だったりして・・・それはしゃれにならん。

巨人が椅子から立ち上がった。俺は思考を止め、目を閉じた。

天国か地獄か

………

パチリと間に堪えれなくなり目を開けた、その瞬間

「ADVのセカイへようこそ」

巨人はそう言った。

俺はとっさの事に思考が追いつかない。口をあけ間抜けな顔をしていると

「いや〜ここ地獄の門とか俺の事閻魔だとか思ったでしょ」と巨人が言った。

俺は頷く。

「地獄とか天国があるって信じてたの? バッカだなぁ〜違うに決まってんじゃん。ここはADVのセカイだよ」


この薄暗くてただっ広くて薄気味悪いくておまけに閻魔みたいな巨人がいるところをさ普通は地獄の門だとか裁きの間だとかって思うよね? いくら地獄だとかを信じてなくても、実際にこの光景を見たらそう思うよ。ここに来て『あっADVのセカイだ』て思う奴いないよね?そもそもADVのセカイとはなんだ。俺をバカ呼ばわりにした『おバカさん』に言ってやりたい「バカはお前だ」と。

「お前さんのギャルゲーにかける想いは、良くわかった。普通ならあのまま死んでいくんだけどワシのはからいでここに来れたんだよ。課題をクリアーしたら元の世界に戻してあげるよ」

顔はごっつく閻魔みたいだが性格は気さくのようだ。相変わらず声は低いが…

「えっと〜、俺一回死んだんですか? それで課題とやらをクリアーしたら生き返れると」

俺はここに来て初めて言葉を発したため掠れた声になった。

「まぁな」

課題ってなんだろ?

ここの雑用とか?

そんな簡単じゃないか、人を生き返らせる程だからかなりキツそうだな。

「課題は…

アドベンチャーゲームの中に入ってもらう」

「ハイ、喜んで!」

こんなんでいいの? ギャルゲーマーの夢じゃん。

「いい返事だ、じゃあスタンバイするから待っておれ」

俺はワクワクが止まらない。

巨人はのそのそと巨人の後ろにあった門? へ足を進める。

何やら門の横にあるキーボードみたいな装置をカチャカチャと叩き始めた。

しばらくして

「よし来い」

巨人は言った。

俺は走って巨人の元へ向かうが距離が長すぎる。

5分(1.5キロ位)かけて巨人の元へ。

「さあ入れ」

巨人は門を開けた。

どうやら地獄の門ではなかったらしい。

「はあ、はあ」

俺は息を切らしながら門へと入って行った。

門をくぐると強い光が辺りを包み俺は目を閉じた。

「祐ちゃん!」

祐ちゃんとは誰だ?

俺は目をゆっくりと開けた。

そこは部室のような汗くさい狭い部屋だった。

床には畳みが敷いてありTVと何かのゲームもあるし、机の上にはパソコンもある。

あまりの汗くささに俺は窓を開ける。

「祐ちゃん!」

祐ちゃんとは誰だ!

俺は声のする方向を向いた。

そこには海パン姿のマッチョな男がいた。

「祐ちゃんなんで無視するの?」

甘えた声を出すなキモチ悪い!

ここで理解した。どうやら祐ちゃんとはここでの俺の名前らしい。

それにしても、だいたいは始めに出会うのはヒロインもしくは幼なじみ、妹ect…

と女の子が多いがこのゲームは違うらしい。

目の前にいる海パン(友人?)は俺に迫る。

俺は後ずさる。なぜか身の危険を感じたのだ。

俺は壁にぶち当たり逃げ場無し。

や〜な予感がするけど大丈夫だよね。

海パンはどんどん近づいてくる。そしてついに俺の身体と海パンの身体がちょんっと触れた。

俺は悲鳴を上げ逃げる。

予感は的中した。

こっこれは

ホモゲーだ。

あの野郎(巨人)騙したな。ギャルゲーの世界へGO!GO!ではなかったのか。

ふと巨人の言葉を思い出す。

「アドベンチャーゲームの中に入ってもらう」

ホモゲもアドベンチャーゲームだ!

「図ったな明智(巨人)」

逃げようとする俺のズボンを海パンが掴んだ。

「なんで逃げるのよ!恋人じゃない」

海パン(恋人)の言葉は俺に相当なダメージを与えた。全身鳥肌だ。

ズボンを引ったくり、俺は逃げる。

俺がズボンだと思っていたが良く見ると海パンだった。

逃げる途中、部屋に置いてあった鏡に自分の姿が写った。

ムキムキで黒い筋肉に海パン(顔外国人じゃね?)が写っていた。

俺は悲鳴を上げ部屋のドアを開けようとするが…

ガチャッガチャ

開かない。

もたもたしてるうちに海パンは俺(海パンマッチョ)の後ろにいた。

「祐ちゃんお仕置きが必要ね!」

「いやぁ」

小さな悲鳴をあげ俺はゆっくり左右に首を振る。祈るように。

海パンは俺を押し倒す。

ガンと俺は頭をドアにぶつけた。

「祐ちゃんが悪いのよ」

俺の上に海パンはまたがり、手と足をロックした。

力いっぱい動かそうとするが動かない。

なぜか走馬灯が過ぎる。

なんでだ? 死ぬわけじゃないのに。そうか、心が死ぬんだ。

最後に見たのは海パンのタラコ唇と海パンの膨らみだった。

「アッーーー」

To be continue…

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