TS魔法少女カノンちゃんからのリスタート
暗黒竜城最深部。ここで、一人の異世界召喚者の旅が無事にエンドロールを迎えた。
「暗黒竜・ダークアイ。これでお前も終わりだあぁ!!!」
【ギャアアアア!!……許しません。この私をよくも……貴方には、呪いを掛けて仕返しを……がはぁ!】
彼の名前は、式波 奏音。異世界召喚より呼び出され、暗黒竜を打倒した男である。
「……終わったな。ありがとう皆、暗黒竜を倒せたのも。君たち、仲間がいてくれたからだ」
「やったわね。カノン!」
「つっ!……私が倒すはずだったのに……カノン流石ね」
「……カノン様、素敵でした」
「カノン!」「カノンちゃん」「カノン君!」
カノンは、勇者パーティーの仲間(全員可愛い女の子達)から次々に囲まれながら、喜びを分かち合っていた。
〖異世界召喚者カノン。暗黒竜をよく倒してくれました。今から、貴方を召喚前の世界、地球へと帰還させます。少々、お待ちを……〗
「この声は? 俺を無理やり、この世界に召喚した。アルテミス様?」
そして、天から聴こえてくるのは、この異世界『アルテミス』の女神アルテミス。
カノンを地球から召喚し、暗黒竜の討伐を命じた女神。
その女神アルテミスによって、カノンは念願の地球帰還を果たす。
【ぐうぅぅ……このまま、この世界に居たら勇者たちに本当に倒されてしまいます。逃げなくては……それと、私を辱めた大賢者カノンに復讐を……マオマオマオマオ~!】
「あれ?……転移門か! あれを潜れば元の世界に帰れる!」
「待って!カノン。私はアンタのことが……」
「抜け駆けは禁止よ!カノン、じつはワタシは……」
「言わせません!……カノン様!アタシは……」
「「「カノン!!」」」
「皆!今までありがとう!今までの旅、凄く楽しかったぜ!じゃあ~!達者で暮らせよ~!」
【さようなら。お馬鹿な勇者パーティーさんたち。私は安全な地球で、大賢者に復讐させてもらいますからね】
数十名は軽くいる勇者パーティーメンバーが、カノンとの別れを惜しんで言葉を投げかけている。
そんな皆に、カノンは笑顔で手を振っている。
「……あれ、絶対に私たちの気持ちに気づいてないよね?」
「……あぁ、凄く笑顔で手を振っているからな」
「……でも、カノン様とは。これで、お別れなんですよね?グスン……あぁ、暗黒竜に地球転移門を作り出させて、私たちも地球に行けばいいんでしたね」
「暗黒竜?……暗黒竜なら、カノンと一緒に転移門を潜ってるよ」
「「え?」」
一斉に転移門を見上げる勇者パーティーのメンバー。
「皆、今までありがとうな~!」
【マオマオマオマオ……TS女体化して、魔法少女にな~れ!】
シュンッ!という音と共に転移門は、閉じてしまい。異世界〖アルテミス〗を救ったカノンは、暗黒竜(♀)と共に地球へと向かってしまった。
「……どうしよう。暗黒竜も地球に行っちゃった」
「それなら、追いかけるしかあるまい。転移が使える魔道具を手に入れて、カノンを追いかけるしか」
「うんうん。それでカノン様と、アタシがお付き合いするの」
「それは私だから!」「それは私だぞ!」
かくして、異世界に暗黒竜がいない平和が訪れたのだった。
〖大賢者カノン。本当に……本当に、これまでの長い旅お疲れ様でした。せめてものお礼に、こちらの世界で貴方が〝得た力の全て〝私からのギフト〝を授けます。本当にこの世界を救って頂きありがとうございました!カノン!――――ブツンッ!〗
◇◇◇
【オゲェ……オゲェ……オゲゴゴコオォ!!】
現在、朝の8時。
式波 家の庭で飼われているウルサイ鳥が鳴き叫ぶ。
そして、その汚い声により、ベッドで眠っていたカノンは目を覚ました。
【……ペチッ!ペチッ! ご主人様。目覚めて下さい!ご主人様~!】
「…………ん?……ご主人様?……誰だ?……オレのことをご主人様なんて言う奴は」
【私ですよ、ご主人様。異世界『アルテミス』側では、暗黒竜・ダークアイ。地球側では、魔法少女カノンちゃんの邪悪なパートナーです(ニャチァァ)】
「……誰が魔法少女カノンちゃんだ。オレは男だっ……て?」
目覚めたカノンは、自身のとある変化に気づいてしまった。
【改めまして、おはようございます。ご主人様暗黒竜・ダークアイちゃんこと、ご主人様のパートナーこと、ダーク・アイちゃんです。(きゅるる~ん!)】
頭に黒角、背中に黒羽、お尻に黒尻尾を生やしたロリっ子娘がニャチリと微笑みながら、カノンのことを見つめている。
「誰だ?……黒龍の子供?……いや、それよりも……無い。オレのアレとコレも無い?胸は巨乳だが、チ●コがどこにも生えてない!?」
【当然ですよ~!新生魔法少女として、私と契約したご主人様は、女の子にTSバ美肉したんですから。(ニャチァ)】
「……何だと?」
異世界『アルテミス』を救った救世主カノンは困惑していた。
無理もない。地球に無事帰還したと思ったら、倒したはずの暗黒竜がパートナーとなり。自身は年頃の男から、絶世の美少女にTSしていたのだから。
【いや~!よくも、あっちの世界の時はやってくれましたね。お返しですよ。お返し!暗黒竜の呪いですぅ~!凛々しかった大賢者カノン様が、こんな美少女にTSしてるなんてヤバイですね】
ニャチニャチと悪どい笑みを浮かべる、カノンの新パートナー、ダーク・アイ。その笑みはとてもとても楽しそうである。
「お前……いや、それよりも鏡……今のオレの姿どうなってるんだぁぁ!?」
【ですから、絶世の美少女ですよ。ご主人様~!下手したら、暗黒竜城に居た勇者パーティーの女の子達よりも可愛いかもですね】
「ニヤニヤするな。暗黒竜ダーク・アイ……名前長いな。ダーク」
【アイちゃんとお呼び下さい。じゃないと、もっと可愛い女の子に変身させますよ。服とか着替えさせます】
カノンへとお辞儀をするアイ。そして、表情は邪悪そのものである。
「止めろアホ!それって魔法少女に変身させる気だろう?」
【なんと……正解です。流石は、異世界を私の魔の手から救った大賢者ですね。お見それしました】
「いや、誰でも分かるだろうアホ……それよりも、オレの姿……」
カノンは、部屋に置いてあった鏡台で自身の《《現在》》の姿を、おそるおそる確認した。
「何だよこれ……鏡の中に超絶美少女が立ってるじゃねえか?」
【まぁ、ご主人様という素材はピカイチでしたからね。それが反転したら……超絶美少女にもバ美肉しますね……えっと。ご主人様?】
絹糸のような繊維が細かく美しい薄金色のロングヘアー、人形と見まがう黄金比の綺麗な顔、雪化粧のような白い肌。
式波 奏音は、TS美少女に生まれ変わっていた。
「なんじゃ、この美少女はあああああ!!!」
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◎プロフィール
主人公・式波 奏音ちゃん
15歳(美少年だった)
究極の巻き込まれ体質&無自覚トラブルメーカー。
異世界『アルテミス』を救ったことで、地球へと帰還するが倒したはずの暗黒竜・ダークアイのマオマオ呪いによりTS超絶美少女に生まれ変わる。
外見は薄金色のロングヘアで白肌の儚げな女の子。
勝ち気で短気な性格だったが。徐々にTSした効果が表層的に表れはじめて女の子らしくなっていく。
異世界に行く前は、男子校に通っていたが。TSしてしまって女の子に生まれ変わったので学校に通えなくなったのが最近の悩みとか。
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