ピーナッツ
「恋占いをしましょうよ」
と、彼女は言った。殻付きピーナッツの袋を開けながら彼女は言葉を続ける。
「ピーナッツを割って、中の豆の具合で占うの」
ありふれた合コンに俺は参加している。なかなか感じのいい女の子だ。
男3人、女の子3人。
「良いね。やろう。面白そうだ」
幹事の岸谷が、ピーナッツをひとつとり、パキッと殻を割る。中には、綺麗な豆が一粒。
「ははっ、俺は暫く1人者かな?」と、参加者を見回す。
岸谷の言葉に、皆が笑う。皆も乗り気になったようだ。
「違うの。岸谷くん。女の子がピーナッツを選んで渡すの。男の子が、それを割って相性を占うのよ」
「なるほどね」と皆、頷いた。
岸谷は改めて、ピーナッツを受け取りパキリと割る。2粒の豆が抱き合ったようにくっついている。ピーナッツを渡した女の子もまんざらではないようだ。
俺の隣の山下は、萎んだ豆が2粒。まあ、渡した女の子のほうも始めからつまらなそうだったから、そんなものだろう。ピーナッツを少し振ってみれば中身は予想できる。なんの事はない、恋占いなどではなくて、パートナー選びのお遊びだ。
最後に、俺。パキリと割る。この占いを言い出した女の子から貰ったものだ。中には綺麗な豆が2粒並んでいる。
「きゃあ!最高よ。私達ベストカップルよ」
豆を取り出すと、ひとつの豆に小さな虫がくっついていた。
「困ったな。虫がついてる、これじゃ食べられないね」
彼女は文字通り、苦虫を噛み潰したような顔で俺を睨んだ。
少しばかり事業に成功したら、妙に、計算高い女ばかりよってくるようになった。岸谷に付き合うのはもうやめよう。
俺は、テーブルからピーナッツを1つ取って割る。パキッ、と小気味よい音がして丸々と大きい粒が2つ飛び出した。
やっぱり、自分で選んだほうが良い結果がでるじゃないか。俺はふふっと笑い、ピーナッツを口に放り込んだ。




