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俺が望む物

カイトが望む物はなるほど!といいたくなるものでした!

ミレイユが資料館で見つけた本はカイトたちに新しい風を巻き起こします!

「俺が欲しい物…それは、"船"です。」

「ほう、船とな?それまた何故?」

「俺は東の国に行きたいのです。東の国は海の向こうにあると聞いたので東の国に行くには船が必要なのです。」

「なるほど、承知した。しかし船を建造するには時間がかかる、しばし待つことは可能か?」

「ええ、もちろん。まだしばらく王都にいる予定です。」

「そうか、それから1つよいか?」

「はい、なんでしょう?」

「ここ、王都は内陸部だが建造した船を運ぶ手段はあるのかね?」


そっか、ここは内陸部だったか。

でも俺のアイテムポーチの容量は無限だし大丈夫だ。


「それならお構いなく、俺のアイテムポーチの容量は無限です。」

「そうか、報告を受けたザーモン盗賊団から狙われたアイテムポーチとは貴公のものであったか。分かった、船だな、手配しておく。」

「ありがとうございます。」

「して後2人だな、貴女らは何を望む?」

「私は聖女ノエリアの伝承された話を知りたいです。」

「ふむ、それなら資料館にある本を与えよう。」

「あたしは高級な枕が欲しいです!」

「貴女らが望むものは枕と聖女に関する本だな、それならすぐに用意出来る。」

「「ありがとうございます。」」

「これで報酬の聞き取りは終わりだな。改めて礼を言う、王冠の奪還、感謝する。」

「いや、俺たちは冒険者として当然のことをしたまでです。」


国王との面会が終わり、セラとノアは報酬を受け取りそれぞれのアイテムポーチにしまった。

資料館にミレイユを迎えに行こうとしたがカイラスたちが話しかけてきた。


「カイトたち、東の国に行くのか?」

「ああ、東の国の食べ物に興味がある。」

「そうか、あそこには俺たちも行ったことがあるがいいところだぞ。」

「東の国のいい所は食べ物もそうだけどなんと言っても建物ね、この国の建物はだいたいレンガなんかの石造りだけど東の国は木造建築が主体なのよ。あの木造建築にしか出せない暖かみはいい物よ。」


木造建築か…米があるから日本に近い雰囲気だろうとは思っていたけど元の世界で言う江戸時代くらいの日本に近いのかな?


「木造建築か、楽しみだ。」


しかし東の国か…みんな"東の国"と呼んでいるけど本当の名前はなんなのだろうか?


「なぁカイラス、東の国はなんて名前なんだ?」

「ああ、東の国か、あそこは確か…」

「"ヤマト"よ。」

「ヤマトか、ありがとう。それじゃあ俺たちは資料館に用があるから、またな。」

「分かった、それじゃあまたな。」


2人と別れ2人と反対方向に歩き出したが2人の話し声が聞こえた。


「やーっと休みが手に入ったな。」

「そうね、しばらくは仕事をしなくてもよさそうね。」

「久しぶりに旅行にでも行くか?」

「いいわねそれ!どこに行こうかなーっと。」


話を聞くと2人は何度も一緒に旅行に行っているのか、ということは2人ってもしかして…


「2人は恋人同士だったんですね。」


それ言っちゃうんだ…


「えー?なんで分かったんだ?」


セラが頭の上に?マークが浮かんでそうな顔でそう言った。


「ふふ、セラにはまだ早いですね。」

「なんで〜?あたしたちは同い年じゃん!」

「そんなことよりほら、ミレイユちゃんを迎えに行きますよ、きっと1人で寂しがっています。」

「後で教えて〜ノア〜。」


2人の微笑ましい会話を聞きながら資料館へ入る。



本が数冊積まれていてミレイユはそれを枕にしてぐっすり寝ていた。


「おーい、起きろミレイユ、終わったぞ。」


ミレイユが目をこすりながら顔を上げる。


「ん?終わったのしょうね…お兄ちゃん。」

「ああ、終わった。」

「お兄ちゃんたちが貰った報酬はなんだったの?」

「俺が望んだ物は船だよ。」

「私は聖女様についての本です。」

「あたしは高級な枕だ!」

「へー、いいなー!あ、でもね、僕も面白い本見つけたんだ〜!」


そういうとミレイユは今まで己の枕にしていた本の1冊を見せてきた。

その本は随分と古いのだろうか、表紙には剥がれかけた文字で「転移魔法」とだけ書いてあった。


「転移魔法?これまた面白そうなのを見つけたなミレイユ。」

「でしょ?褒めて褒めて〜」


そういうとミレイユは満面の笑みで頭を差し出してきた。

どうやら頭を撫でて欲しいらしい。


「すごいぞミレイユ!」


なでなで


「ありがと〜。」

「それで、ほかの本は何の本なんだ?」

「えっとね〜これは子供向けの物語?ってやつ。」


物語か、物語は特に需要がないかな…


「物語ですか、少し見てもいいですか?」


何故かノアが食いついた。


「どうしたノア、もう子供向けの物語なんて読む年齢じゃないだろ?」

「聖女様の話が物語として伝承されているのなら物語の本ももしかしたら昔あった事を伝承しているのではと考えたまでです。」


なるほどなぁ、いつもノアの思慮深さには驚かされる。

物語のタイトルを見ると「ドラゴン乗りの少年」、「森の奥の魔法の花畑」などと16歳の俺も興味が引かれるようなタイトルだった。


「じゃあ転移魔法とその物語の本たち、全部借りちゃうか。」

「そうですね、国王陛下に頼んだ船の建造には時間がかかるとの事ですし読む時間はたっぷりありますね。」


ミレイユが見つけて来た本を全部借りて宿へと帰った。


カイトが望んだ物は船でした!

これは東の国、ヤマトへと出発する日も近いのかもしれません!

ミレイユが見つけた本は転移魔法の本でした。

なんだかミレイユの運の良さを感じさせます!


気に入っていただけたらブックマーク、☆をくださると感謝感激雨あられです!

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