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領主への贈り物

次の日にいつも通りギルドへ向かうと、なんだか騒がしい。



何事かとへレナさんに聞くとどうやら、近々領主の誕生日があって誕生日を祝って領主に送る品物を冒険者ギルド全体で探しているという。



「品物を送る時はどうするんですか?」


「ああ、カイトさんは領主様の誕生日を祝うのは初めてでしたね。この街では冒険者ギルドと商人ギルドの両方から品物を贈与しています。それだけならいいんですが毎年どちらの品良かったか領主様にジャッジしてもらうんですが今年はギルマスが商人ギルドのギルマスに選ばれなかった方が選ばれた方に酒を奢るなんて勝負を持ちかけてしまったんです。」



「つまり?」



「今年はギルマスが本気になってしまって、冒険者ギルドの威信をかけて品を集めろと言っているんです。各ギルドから贈与する品物はひとつずつなので緊急のクエストとして今扱っています。」


なるほどねぇ、見栄を張りたいってわけか。



めんどくさいけど、これはチャンスでもあるな、もし俺たちが出した品物が冒険者ギルドの出す品物になって領主に選ばれれば自然と俺たちのことは領主に知ってもらえる。


2人も同意見のようだった。




「2人はなんか領主に渡せそうな物とかあるの?」




「あるわけないだろ、あたしたち孤児院住みだぞ?」



うーん、これは困ったな。


俺もそんなに貴重なものなんて持ってないぞ…

いや、一つだけあるか、コケジュエルの宝石がある。



なら俺達からだす品物は宝石を使ったアクセサリーにするか。



「俺コケジュエルの宝石持ってるからアクセサリーにしようと思うんだけどどうかな?」



「は?カイトコケジュエル持ってんのか?」



「コケジュエルは滅多に見られない希少な魔物ですよ!」



「カイトどんだけ運がいいんだよ!」




運か、確かに運はいいかもしれない。



そもそもこの世界に来れたのだって幸運だ。


本当だったら俺はトラックに轢かれて死んでいるのだから。




コケジュエルはまあビギナーズラックってやつだろう。



でもコケジュエルだけじゃあアクセサリーは作れないかな。



「他にも何か宝石系のが欲しいんだけど、何かあるかな?」



「確かカイトシミズオオトカゲの宝玉持ってなかったか?」


「うーん、あれは魔力があるはずだからあまり使いたくないなぁ…まあいいか、とりあえず鍛冶屋に向かおう!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「すみませーん!宝石の加工ってできますか?」




「あいよ!宝石ね、アクセサリーにでもするんかい?」



「はい、領主の誕生日に贈る品物を作りたくて。」



「なんと、領主様への贈り物かい?宝石を見せてくれ、何を作るか考える。」


コケジュエルの宝石を店主に渡す。


店主がルーペを覗き込み宝石を見る


「こりゃ…すごい、傷ひとつ無いな、どうやって倒したんだい?」



「首をスパッと」



「この宝石ならなんでも作れそうだけど、何にする気だい?」


「やっぱり安牌でネックレスですかね。あ、あとこれもあるんですけど」


ゴトリ



シミズオオトカゲの宝玉をだす。



「なんだいこれは、こんなものは見たことがない。」


「これはシミズオオトカゲの宝玉です。」



「シミズオオトカゲ!?そんな貴重品を使ってしまっていいのかい?」



「領主に出すものです。それくらいは構いません。」



「あんた太っ腹だねぇ!よし!最高のネックレスを作ってやる!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい、出来たぞ!あと、余った宝玉は返しておくな。」


そのネックレスはコケジュエルの宝石が散りばめられ、中心にシミズオオトカゲの宝玉が据えられていた。



豪華絢爛という言葉がピッタリの仕上がりだった。



これならきっと冒険者ギルドの品集めは選ばれるだろう。



「あ、そうだ、シミズオオトカゲの素材があるんですけど、武器を新調して貰えますか?」


「あたしも新しくしたーい!」



「はいよ!数日後には完成させるぜ!」



ということなので、鍛冶屋を後にして冒険者ギルドへネックレスの納品へ向かう。



「領主への贈り物出来ましたよ!」


ギルマスにネックレスを渡す。



「うーむ、これはいい仕上がりだ。きっとこれを渡せば領主様も喜んでくれるだろう。」



それから数日後のことだった。




冒険者ギルドで領主に贈る品物の決定が行われることとなった。



並べられた品物は俺達のネックレス、美しい模様があしらわれた壺、なんかよくわからんけどでかい牙に、コケロックの剥製などがあった。



そこにギルマスが現れる。



「えー、今年領主様に贈るものは…」


来い来い!ネックレス!!



「このネックレスとする。」



ギルマスが掲げたのは俺達のネックレスだった。



「「「やったーーーー!!!!」」」



大きく飛び跳ね全身で喜びを表現する。



「この品物を納品してくれたカイト、セラ、ノア、感謝する。」



こうして無事に冒険者ギルドでの品物選びを突破することが出来た。


あとは領主様に贈ってネックレスを気に入ってもらうことだ。


商人ギルドがどんなものを贈るかは分からないがシミズオオトカゲの宝玉なんて言う貴重品を使ってるんだ、きっと勝てる。















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