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この壊れて、それでも尊き世界で−Errifate 002:Malvane Has Distorted−  作者: 仙台赤べこ
第一章【DARK SOULSな『現実』へようこそっ】
29/36

28.深淵再誕、不死英雄ディオネロ(5)[第二門現/開花]

最近、間(行数)を馬鹿みたいに開ける『緊迫感の表現』にハマってます。すいません……やめないけど


【事前報告】

終盤で書かれた少女は『別人』ではありません

ちゃんとした『本人』という設定です


――って、今の自分は思ってます



[――【私ハ折レナイ剱ノ身】を任意発動]

 ⇒[状態異常[澄心]を検出]

 ⇒[状態異常[紅醒]を検出]

 ⇒[経過時間を刻みます]



「――すぅーー、ふぅーーーー……」


 ――技能を起動した瞬間、サクの覆っていた『激情』が消え――いや、『心の内』へと深く沈んでいった。

『痛み』が徐々に遠のき、思考が静かに広がっていく。それは『明鏡止水』とは異なる、心に『すきま(余裕)』が生まれる感覚だった。


 満月のような黄色の虹彩()に、赤色が滲むように染まり始める。

 胸の奥を刻む鼓動さえ、今の彼女には落ち着いた『心地よさ』に変わっていた。


(…………)


 ゆっくりと視線を落とす。

 右肩から先――削り取られた断面から、袖の中をホースのように血液が流れ出ている。しかし、そこに『痛み』はない。感じない。

 それをサクは、どこか他人事のように眺め――途端、流れる血液がゆっくりと揺らぎ……やがて、『腕の輪郭』を成した。


(はっ……へったくそな腕)


 レンの『見た目だけ整った煤の腕』を思い出す。それに比べ、この『血の腕』は素人の粘土細工ように凹凸が目立つ――そんな粗さに、サクは内心で呆れ笑った。



――――――――――ッ――――……



 ――無防備に立ち尽くすサクへ再び――風を割って『見えない一撃』が迫る。

 胴を狙った、『血肉を抉る一撃』。それを彼女は――()()()()()


(―――――、――――――ッ!!)


 それは『勘』でも『予知』でもない動き。

 あらかじめ周囲に散らしていた『血飛沫』。その粒が『消えた方角・角度・面積』を瞬時に把握し、超反応で避けたのだ。


 途中、背後に視線を走らせる。

 射線にあった柱は無傷。しかしその奥――射線の延長上にいた『黒枝に生やす英雄(死体)』は、空間ごと抉り取られ血肉の断面を晒していた。


(……もしかして、使えるか……?)


 その惨劇(光景)を『達観した目』で見届けながら、サクの脳裏にひとつの『予想()』が浮かぶ。

 壁と柱の間――広間の外周を滑るように駆け抜け、侍らせた刀の掴むと、『躊躇なく』、『密かに』腕を動かした――





――――――――――ッ――――……



 ――繰り返し放たれる『見えない一撃』を避けつつ、サクはようやく――変わり果てた『襲撃者』の姿を視認する。


(――()()()()()姿()になったな……)


 広間の奥で()()()()()、死んだはずの『ディオネロらしき者』を、彼女は『視た』。


――――ポロンッ



[【名前】ディオネロ・エレナス


【種族】人間(深淵)・()()()()())・()()()()()


【レベル】179


【属性】深淵・深炎・()()・物理・技巧・()()・魔術・奇術・呪術・幻影・呪死(武器)・()()()



【生命力】52


【持久力】39


【筋力】31


【技量】44


【耐久】34


【魔力】14


【理力】21


【信仰】29


【運】9


【人間性(特性)】()/10



【魔術】

・〈拡がる陽炎〉


【奇術】

・〈揺光の幻身〉

・〈???〉


【呪術】

・〈???〉

・〈???〉


【戦技】

・〈喰霊の腹〉

・〈???〉]



 ――その姿は、『異形』の一言に尽きるものだった。


 ――斬られたはずの体が再び形を成している。

 しかし、灰燼の影響で表皮は炭のように焦げ黒灰色に変じていた。着けていた鎧も同様に溶け落ち、各所で肉と融合して見える。


 全身に走る幾つも亀裂の奥で熱による燐光が脈打ち、内側に炉心が呼吸に合わせて明滅する。

 亀裂からは絶えず『黒い煙』が噴き出し、剥がれ落ちた炭板(表皮)の跡からは『青白い炎』が這うように燃え、『再生』をくり返す。


 ――背中の裂け目から滲む『深淵の靄』は、羽根のように形を成しては崩れ、崩れては再び形を成す――それはもはや『翼』ではなく、存在の残響。

 自己を何度も再構築するさまは、あり方を忘れた魂の迷走のようにも見えた。


(……『不死性(指輪)』――っち。こいつ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……)


 サクはこの時、カラミディアの左手に嵌められた『燈火の輪環』の存在を思い出していた。


(たしか、持ってると『不死身になる』とか、『指輪(アレ)』は元々アイツのものって話だったな。……あのまま即死してろよ、人外ッ)


 ――赤く染まった瞳に、ディオネロの右腕が映る。

 反撃に使った右腕(そこ)だけは灰燼の直撃を逃れ、まだ『人』の名残を保っていた。

 肉の焼け爛れた肘の先、その手には今なお振るう『霊獣の槍』が握り締められている。


 ――だが、頭部は既に彼の面影を失っていた。

 体同様に炭化した顔。片側の頭蓋が『青白い炎』を上げながら焼け落ち、空洞になった眼窩の奥で赤い火が灯っている。

 溶けた口は塞がれ、できた亀裂の隙間からは呼吸のたびに『黒い煙』が漏れている。


(『不死』……『これ』が、不死? この『燃えっ滓』が?)

(カラミディアの腕を斬って生き返った『結果』が、これなのか?? こんな、『中身のないやつ』に――――――っは)






『――――ふざけろよ』






 冷静さの奥に、確かな『怒り』が灯る。

 ――直後、サクは振るう寸前にある『骨槍の角度』に()()()を覚え、進路を外周から内側へと切り替えた。


(――――――ッッ!)



――――――――――ッ――――(ッグチャッ)……



 ――その『違和感』は正しかった。

 もしあのまま進んでいれば、前方の地点――そこにあった死体が、『見えない一撃』に削り取られたのだ。


(先回りする脳は残ってるのか……)



「―――――――――」



 警戒心を強めるサクを、もはや人格が残っているかも怪しいディオネロが『灯る眼』で追う。


 ――彼は徐に、炭化した左腕から『深淵の紐』を伸ばし――レンとカラミディアを貫いていた『葬祈の大槍(大槍)』を雑に引き抜いた。

 成長し根づいた『黒枝』が二人の体を固定し、抜き取られた傷痕から血が滲む。


 ――そして、抜き取る動作に合わせ――右手の『霊獣の槍(骨槍)』が二人へ振り抜かれる。




[【明鏡止水】を任意発動]




「ッ――――――!!!」(――――――)


 その動きを見たサクは悪態も忘れ、迷わず二人の間に飛び込んだ。

 そこで彼女は、『密かに準備』していたモノを――『予想』が当たれと願いながら、()()()()()()




――――――――――ッ――――(ッグチャッ、チャッ、チャッ、ヂュッ――)……




(――――思ったより『小食な槍』だったな……)


 サクは自身の『予想が当たった』と内心で安堵した。


 眼前に並べられたモノ――『五体の英雄(死体)』の内、最前列の二体は上半身を、三体目は前半分が削り取られて浮いていた。

『肉体が無くなった』ことで身に着けていた鎧が落ち、『ガチャンッ』と音を立てる。


 ――それは、サクが外周を走りながら『根づいた黒枝』を切り離し、()()()()()()()()()()()()()()()()()

『戦技:喰霊の腹』という名称から導いた推測――『削り取れる血肉に上限』があるのではないかと考え、あらかじめ準備していた『防壁』だった。


(悪いなんて思わない……使えるモノは何でも使う。それが私のやり方だからな……)

(その代わり――お前らの仇は取ってやる……だから呪うなよ?)


 サクは削り取られ、それでも『肉が残る(まだ使える)死体』をゆっくり下ろす。


 そして背後――『黒枝を生やしたレン』を一瞥し、ぼやいた。






「――――おいレン。いい加減にしろよ寝坊助コラ。お前の戦闘(実働)時間は3分弱だぞ。私の4分より下だぞボケ――――っとっとと『生き返って(起きて)』……カラミディアも『起こして』…………言い返して見ろ、馬鹿者が―――」






 そう言うとサクは、刀と木刀を『血の糸』から変化させた『血の腕』に握らせ――()()()()()()()()()()()


「――――『阿修羅門(あしゅらもん)』――――『開け』――――」(頼むから、()()()()()……)



[※【五門顕現Ⅱ】が発動]

 ⇒一時的に[縁運]極化補正



 彼女は振り返らず、正面に現れた『一枚の障子』を潜る。


「――(ッドク)――ぅ…………!!」


 ただ()のみを見据え――――『()()()()()()()()()()、正真正銘の『死闘』に挑む――――











「――――『ん。……動きずらい、体。……胸も、小っちゃい。……はぁ~……成長の兆し、なし…………はぁ~~~……』」











[【阿修羅門】を発動]

 ⇒『日輪』『月輪』を顕現します

 ⇒状態異常[軽業]を検出

 ⇒状態異常[指示(輪俱)]を検出

 ⇒状態異常――――[悟リ]を検出



[【阿修羅門】:自身の傍に『門』を展開させる。一時的、潜った者に[葛藤][冷静][悟り]の感情を一つ、()()()()()()()()。体が身軽になり、傍に『日輪』『月輪』を浮かべる

 状態異常:[軽業][指示(輪俱)][葛藤(感情)]/[冷静(感情)]/[悟リ(感情)]


[〈忍手〉:手の平を合わせる]




====================


[【名前】レン

【状態異常】()()/激痛/黒枝(※神)/呪イ(※神)/窒息/骨折/損壊/浸蝕/出血/灼傷]



[【名前】カラミディア

【状態異常】死亡(点滅)/黒枝/呪イ/窒息/欠損/骨折/損壊/浸蝕/封魔/枯渇(魔)/出血/焦傷]




――――――――――――――――――




(ツツツ…………ッッ!!! ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ………………………………………………)



[【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]

 ⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 5/10


[リンッ――状態異常[激痛]を検出]





 ――胸骨の中心。かつて心臓が脈打っていた位置で、肉が内側からゆっくりと盛り上がった――次の瞬間、沈黙を破るようにその膨らみが裂けた。

 内圧に押し出される血液よりも早く、『黒枝の群れ』がねじ切れた血管や骨肉、臓腑の間を縫うようにして進行していく。



(―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ………………………………………………)



[【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]

 ⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 6/10


[リンッ――状態異常[激痛]を検出]







 体内を走る神経束を無遠慮になぞり、黒枝は目的もなく成長し続ける。

 筋繊維を押し分け、骨との隙間を強引にこじ開け、まるで寄生虫が宿主の体腔(たいこう)を奪うような速度で蹂躙していく。



(―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ………………………………………………)



[【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]

 ⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 7/10


[リンッ――状態異常[激痛]を検出]









 肋骨の裏で『成長した黒枝』が圧力を加えてくる。そして――『パキッッ!!』。骨は苦しみを伴う『抵抗』の末、あっさりと割れた。

 次第に『黒枝』は太くなり、根のように形を変えながら成長。先端をうねらせながら触手のように体外へ飛び出した。



(――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ………………………………………………)



[【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]

 ⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 8/10


[リンッ――状態異常[激痛]を検出]











 細い枝先が空気に触れた瞬間、『黒枝』全体が脈動を始める。『彼』の心臓に代わって鼓動するかのように、一定の間隔で深い脈を打ち始めた。

 それは、最後に『外側へと領土を拡大する』かのように、不吉な生命の浸食のように、『彼』の血肉を養分として成長を続ける――――

















[【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]

 ⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 9/10


[リンッ――状態異常[激痛]を検出]

















「――――おいレン。……加減に……寝坊……ラ。……前の…………間は3……だ……私の4分……下だ……ケ――――っとっと……『起き……』…………ラミディ……『……こして』…………言い返……見ろ、馬鹿者が―――」






(……………さ…………ぅ………………ッッッ!!?!?)






[【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]

 ⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 10/10


[リンッ――状態異常[激痛]を検出]



[リンッ――注意:【死ンデモ命ガアルヨウニ】の蘇生回数が上限です]

 ⇒以降、蘇生はされません





















(…………………………………………………――――――――)





















[【名前】レン

【状態異常】死――――――











[リンッ――【死ンデモ命ガアルヨウニ】が発動]

 ⇒日が移り変わりました。蘇生回数が復活します 0/10


[【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]

 ⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 1/10


[リンッ――状態異常[激痛]を検出]



[リンッ――〈永痛抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~~

[リンッ――〈通痛抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~~

[リンッ――〈呪痛抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~

[リンッ――〈突破抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~

[リンッ――〈筋離抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~

[リンッ――〈肉剥抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~

[リンッ――〈剥離抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~~

[リンッ――〈再生(害)抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~~

[リンッ――〈焦躁抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~

[リンッ――〈体害抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~

[リンッ――〈躰侵抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~

[リンッ――〈成長(悪)抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~~

[リンッ――〈侵行抵抗〉を得ました]

 ~~~~~~~~

 ――――――――

 ――――――

 ――――

 ――



[リンッ――【死ニタモウ事ナカレⅡ】が【死ニタモウ事ナカレⅢ】に上がりました]

 ⇒【苦ハ楽ノ蕾】が【滅ハ救ノ花】に変化しました

 ⇒【滅ハ救ノ花】への変化により『特殊抵抗』を得られるようになりました

 ⇒【滅ハ救ノ花】への変化により『抵抗』が『適応』に変化しました


[リンッ――【滅ハ救ノ花】を発動]

 ⇒今までに受けた『苦』で『適応』が与えられます


[リンッ――〈呪イ(神)適応〉を得ました]

[リンッ――〈呪死(神)適応〉を得ました]

[リンッ――〈黒枝適応〉を得ました]

[リンッ――〈死亡適応〉を得ました]

[リンッ――〈離魂適応〉を得ました]

[リンッ――〈概念適応〉を得ました]

[リンッ――〈干渉適応〉を得ました]

[リンッ――〈蹂躙適応〉を得ました]

[リンッ――〈解剖適応〉を得ました]

[リンッ――〈寄生適応〉を得ました]

[リンッ――〈死相適応〉を得ました]

[リンッ――〈禁止適応〉を得ました]

 ――――――――――

 ――――――――

 ――――――

 ――――

 ――




(――――――――サ、クぅ……かー……ラ…………さぁ……!!!)




――――――――――――――――――




[リンッ――詳細判明、【呪術】〈黒翼の殉火〉を開示します]


[〈黒翼の殉火〉:羽根から落ちた『深淵』を『歪な者』として生み出す。ソレは内に灼熱を宿し、掴まえた者をその熱で抱き焼く。深淵+灼熱+延焼]



 溶けたろうそくのように形を失った羽根。

 飛行の支えを失った彼は床に降り立つと、四つん這いで項垂れ――まるで、壊れた人形のように動かなくなった。


 それは絶好の機会、()()()()()()



   ――――ヌッチャ……


      ――――ヒタァ……


 ――――ベタァー……



 しかし、落ちた黒泥のような深淵(羽根)が突然うねり――それが、『出来損ないの人型』として盛り上がった。


 動きはゾンビのように緩慢。だが、体から熱と蒸気を立ち昇らせる数十の『歪な者(人型)』が、本体を守るようにも、ただ本能に従っているようにも見える動きで、ぞろぞろと少女の方へ向かってくる。




「(……ぼぉ)…………ん。……『日輪』、()()()()()




――――ッボォォ、ッジャキッ――

――――ッッギュルッルルルルルッルッルルルルルルルッ!!!!!



 押し寄せる群れに対し、サク――――いや、彼女の姿で『違う性格の少女』が、傍らに浮かぶ『巨大な円盤』の一つ――『日輪』へ淡々と指示を出す。


 外周から四枚の刃が花弁のように展開され、次の瞬間には灼心(中心)を燃え上がらせながら高速回転。『蒼焔』を纏いながら群れへと突撃する。



――――ッ!!ッ!!ッ!!ッ!ッ!!ッ!ッ!!ッ!ッ!ッ!――――



「……ん。あんまり、効いてない。……あれは、『深淵』? ……うん。実体があって、ない。……有効なのは、『光』……と、『魔力』。……でも、私にはないもの……あっ――」


悟リ(サク)』は『日輪』に乱される『歪な者(人型)』を観察しながら、必要な情報だけを最短で拾っていく。

 時折、指示を出して『ディオネロ』へも牽制させたが、一瞬で再生する『深淵(羽根)』に阻まれてしまう。


「……『魔力』。……この世界の『概念』。……ん。()()()()()()()()……?」


 観察していた彼女が徐に、『血』に持たせていた木刀――『ソウル』を宿す『狂恢の慈刀』を右手に掴んだ。そして――――



「――――――ふんっ(ッビュン――)」



 ――『()()()()()()()()、その場で横薙ぎに振り抜いた。



――――ッシュッ――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!!!!



 直後――最前列にいた『歪な者(人型)』の頭部が、一斉に霧散した。


「――ん。『ソウル』は、魔力の代わりになる。……じゃあ――――()()()()()()()()()?」


 鞭のように伸ばした『血の腕』を引き戻しながら、『悟リ(サク)』が()()へ静かに語りかける。


 その瞳は、『いつも』の強い意志を宿した『サク』のものではなかった。澄んだガラス玉のようであり、揺れのない慈しみを宿して――




――――ッボォワ……




 ――()()()()()()()、『()()()()()()()()()()()()




[≪臆病な欠月のソウルの欠片≫:飢えと絶えぬ孤独に心を摩耗させ、空虚に沈んだ幼き残滓の欠片。月の半分を欠いたように、勇気も希望も喪い、ただ寂寞だけを灯している]




「――大丈夫。……『あなた』は、入っているだけでいい。……怖いモノは、私が消してあげる……だから、がんばろ」


『ソウル』へ優しく語りかけ、彼女は円盤――もう片方の『月輪』へ触れさせようと――



――――ッヒョイ



 ――して、ひらりと避けられてしまう。


「……ん? ――あ、そっか。……『身剣(このコ)』で入れられるは、『刀剣』だけなんだ。……じゃぁ――『月輪』、()()()


 困り、理解し、悩んだ彼女は瞬時に『悟る』。そして、浮遊する『月輪』に指示を出した。


 満月の円盤はゆっくりと欠け、その面積と『厚さ』を削り――やがて、鋭い刃を思わせる『三日月』へと変化する。


「……ん。これで――オーバー、ソウル?」


主人格(サク)』のような茶目っ気を覗かせながら、彼女は『ソウル』を欠けた『月輪』に触れさせた。



――――ッボォッワーー――っピシ、シュゥゥ――



 触れた瞬間、淡い光を散らしたソウルが静かに吸い込まれていく。

 すると、『月輪』の表面に霜がかかり冷気を漂わせ始めた。


「ん。ありがとう。がんばろうね。――――すぅーー、ふぅーーーー。……『日輪』、戻って。『月輪』は群れの掃討と、『二人』を守って――――――出るよ」


 深呼吸の後、『悟リ(サク)』は手早く『輪俱(りんぐ)』へ指示を出す。『裏地()』を回収した上着のパーカーを脱ぎ、ノースリーブ姿(動きやすい装い)へと変わる――その仕草は妙に静かで、淡々としていた。


 ――そして、ぼんやりしていた瞳が、スッと――鋭さを宿す。

 奥でゆっくりと立ち上がる『ディオネロ』を見据え、空いた左手に刀を握ると重心を落とした。






「――レンとカラミディアは、私の大事な『仲間』。大事な、『心の支え』なの……」






サク(悟リ)』が語るのは、『主人格(彼女)』の奥底に隠された本音。恥ずかしくて、絶対に表へ出ることのない感情の吐露。

 その静かな声に宿るのは――『主人格』由来の、決意。






「その二人を傷つけたんだから……――――――(ッダァ!!!)






   ――――――――斬ッ

      ――――――――ッガズゥ!!






 ――最短距離を、風より小さな音が滑り抜け――




 ――ディオネロの首を、刹那に――




 ――『斬り、殴った』。






 ――――死んで詫びろ……ね?」











 ――『サク』の『ぶちのめすという決意』が、静かに『大』爆発した。



====================


※後で整理する↓

[【苦シテ楽ナシ】を発動]

[〈欠損耐性〉を得ました]

[〈無痛耐性〉を得ました]

[〈出血耐性〉を得ました]

[〈再形耐性〉を得ました]

[〈異常耐性〉を得ました]

[〈乖離耐性〉を得ました]




====================


◇サクのステータス(New)


固有技能(エクストラスキル)

五門顕現(ごもんけんげん)Ⅱ】:解放技能(リリーススキル)。※不定期に[縁運]を一時的に極化、極下補正。|『柏手/忍手』『指門』の工程を踏み『門』を顕現させ、『解錠』で開くことができる。『門』の形状は創造者の『意思』によって反映される

(※『門』を、扉や窓と同様の存在とみなす)


└Ⅰ:〈柏手〉:手の平を強く打ち合わせる 〈指門〉:顕現する門の指定 〈解錠〉:門を開く言葉の宣言

└Ⅰ【摩多羅門(またらもん)】:『自身の傍』と『対象の背後』に繋がった『門』を展開する


≪New≫└Ⅱ〈忍手(しのびて)〉:手の平を合わせる


≪New≫└Ⅱ【阿修羅門(あしゅらもん)】:自身の傍に『門』を展開させる。一時的、潜った者に[葛藤][冷静][悟り]の感情を一つ、無作為に強制付与。体が身軽になり、傍に『日輪』『月輪』を浮かべる

 状態異常:[軽業][指示(輪俱)][葛藤(感情)]/[冷静]/[悟リ]



≪日輪・阿修羅ノ焔廻(エンカイ)≫:阿修羅が戦場へ降りる際、太陽を砕き、灼心を円盤に嵌めたとされる『廻る小太陽』

 外周から四から八枚の刃が花弁のように展開し、回転とともに焔を巻き上げて対象を焼き裂く。燃え盛る熱は怒りと執念の象徴であり、宿主の戦意が揺らぐほど刃は熱く、速く、鋭く燃え立つ

(※高速回転時、熱波、風圧発生 ・感情に応じて温度変化[葛藤]:深紅/[冷静]:橙黄/[悟リ]:蒼)


≪月輪・阿修羅ノ静寂刃(セイジャクジン)≫:夜の理を象り、『冷月』の相を写した円盤。その身は、満ち欠けの循環に従って形と輝きを変える

 満ちたとき、それは結界のように主を守り、欠けるほどに鋭さを帯びて対象を断つ。その光は怨嗟を静め、狂気を吸い取り、触れた思念を静謐へ還すと伝えられる

(※満ちるほど厚く、防御力上昇 ・欠けるほど鋭く、切断力上昇 ・月光が深淵を弱体化、幻惑を晴らす)


   +  +  +


≪臆病な欠月のソウルの欠片≫



  ↓ 【O・S(身剣)】 ↓


月輪(ゲツリン)欠心(ケッシン)冷月(レイゲツ)≫:欠け落ちた『勇気』を月光に沈めた冷刃の三日月

 振るわれるたび刃紋は掠れた光を散らし、触れた者の思念から『進む意志』を削ぎ落とす。その冷光は衝動と鼓動すら遠ざけ、魂の奥で灯る小さな熱すら静かに凍えさせる

(※氷結 ・勇気低下 ・戦意喪失)




〇――Unknown――――

≪New≫【(ワタシ)()レナイ(ツルギ)()】:三相技能(ウィルドスキル)。任意で効果発動、終了できる。全能力極化補正。状態異常:[澄心][紅醒]

 発動終了時、効果経過時間と同じ間だけ、全所持技能・称号での『上昇補正効果』半減。???






◇レンのステータス(New)


〇――――Unknown――

【死ニタモウ事ナカレⅢ】:解放技能(リリーススキル)。耐久力、抵抗力、体力激化補正。死んだ際Levelが『1』になる


≪New≫└Ⅲ【滅ハ救ノ花】:全ての『苦』に対し『適応』を得る。『物理適応』『超常適応』『自然適応』『特殊適応』を得られる




====================


※『イヤイヤ』言いたくなる【五門顕現】の未来をチラ見せ

小説として書く前提に無かったからこそ生まれた発想とも言える※


五門顕現(ごもんけんげん)】:~~~……によって反映される。※この『門』の効果で付与された二種以上の『感情』のみ、混ざり合う


  ↓  リスト  ↓


[葛藤+◯◯]=[◯◯デレ]

[葛藤+◯◯]=[思考低下]

[葛藤+◯◯]=[陰◯]

[◯◯+◯◯]=[小◯◯]

[◯◯+◯◯]=[メ◯◯◯]

[◯◯+◯◯]=[◯コ◯レ]

[葛藤+◯◯+◯◯]=[◯◯◯ラズ]

[葛藤+◯◯+◯◯]=[メ◯◯◯]

[葛藤+◯◯+◯◯]=[混乱]

[葛藤+◯◯+◯◯]=[◯◯ィ◯◯]

[葛藤+◯◯+◯◯+◯◯]=[狂◯◯◯]


[冷静+◯◯]=[◯◯◯ウナー]

[冷静+◯◯]=[――]

[冷静+◯◯]=[◯◯者]

[冷静+◯◯+◯◯]=[ヤ◯◯◯]

[冷静+◯◯+◯◯]=[◯◯◯◯◯ラー]

[冷静+◯◯+◯◯]=[◯◯士]

[冷静+◯◯+◯◯+◯◯]=[冷◯◯◯]


[悟リ+◯◯]=[冷静]

[悟リ+◯◯]=[◯心]

[悟リ+◯◯]=[好◯]

[悟リ+◯◯+◯◯]=[◯魔]

[悟リ+◯◯+◯◯]=[カマ◯◯] 

[悟リ+◯◯+◯◯]=[◯◯◯パス]

[悟リ+◯◯+◯◯+◯◯]=[◯道]




【五門顕現Ⅱ】

「(フード姿)…………(  ‐  )」


赤べこ

「……あの」


【五門顕現Ⅱ】

「…………(  ‐ )?」


赤べこ

「え~……『散々言った』手前、恐縮なのですが……」


【五門顕現Ⅱ】

「…………(  ‐ )コクリ」


赤べこ

「――すいません! 『感情』の表現すごく楽しく書けました! もうね! 口元緩むぐらい楽しかったです!!」


【五門顕現Ⅱ】

「…………(  ‐ )」


赤べこ

「…………(¯―¯;)」


【五門顕現Ⅱ】

「……、…………(  ᴗ )b」


赤べこ

「あっ……ありが――


【五門顕現Ⅱ】

「……――――(  ᴗ )b ≡ p」


【喧嘩上|赤べこ

「え――――――


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